16
Déc

ニコラ・テスタールへ10個の質問!

« ワインの香りと味は、テロワールの特徴と自然から生まれるアロマを尊重していなければ! » *何故ワイン造りに興味を持たれたのですか? 私はブルゴーニュ出身なんだ。そこで小さい頃からいつもブドウ畑で遊んでいた。そうしたら自然とブドウやワインに興味を持ち始めたんだ。学校を卒業した後、即行ブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を始め、その後ジル・ジャイエとも働いたし、プリウレ・ロックのもとでも自然派ワインを学んだよ。 *最も気を付けている栽培でのポイントは? 自然にもブドウ木にも負担を掛けない、優しい栽培が私の目標だ。当たり前の事かも知れないが、例えば殺虫剤や除草剤、化学肥料は絶対使用しない事!後、美味しい自然派ワインに重要なのは、健全で熟成したブドウを収穫する事。ブドウを一房づつ確かめられるように収穫は絶対に手摘み、そして選別は欠かせない作業だね! フルーリーの畑にて *最も気を付けている醸造・熟成でのこだわりは?  う〜ん、皆と同じように、まず亜硫酸は一切添加しない事。そして醸造も自然酵母での醸造。そして木樽、あるいはステンレスタンクで熟成させ、軽く、もしくは一切フィルターには掛けない事かな。自分のこだわりと言ったら、通常は最高12ヶ月間熟成させるガメイを、私はフルーリに関しては18ヶ月間熟成させている。そうすると、10年後にはピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインが楽しめるはずだよ! *ブドウ品種とテロワールの相性は? 畑の土壌は砂・粘土質なんだ。このテロワールの柔らかさが、ガメイに上品さと滑らかさを与えているんだよ。ボジョレーの地区では、区画により畑の土壌質が全く違うから、どのように土壌を上手く生かせるかがポイント。特にガメイは酸味が強い品種。繊細でエレガントなワインを造る為には、ビオ栽培、そしてテロワールを引き立たせなければいけないんだ。 発砲ワインを開けた瞬間! *ボジョレーの気候は? ボジョレーは大陸性気候なので、夏はローヌに似たような天気、そして冬は湿気が多いんだ。けれどもガメイの品種にとっては抜群に良い気候なんだ。 *2008年の気候はどうでしたか? 今年はミルディウーや、8月に大量に降った雹のせいで大変な被害にあったよ・・・87%も収穫量が減ってしまった・・・けれどもその後、収穫時期までは一滴も雨は降らなかった。特に9月4日から25日の間はとても良い天気で、ブドウの熟成度が1℃も上がったんだ。しかもドメーヌは丘の上なので、風が多く乾燥しやすいから、ブドウも乾くのが速い! *ニコラのワインの特徴は? シャルドネはシュナンに似ていて、がメイはまるでピノのようなワイン!友人ともプロの人でも、どんな状況でも楽しめる、喜びや楽しさを分かち合うための飲み物だよ。 *どんなお料理とお勧めしますか? 魚料理やお肉料理、又はアペタイザーに、もしくは楽しいひと時に飲むのがお勧め! *ニコラの趣味や目標は? 自然体のワインをありのまま尊重する事。そして自分の子供や他の人たちにも実のワイン、本当のワインの味を楽しんでもらう事かな。 奥さんのキャロルさんと、6ヶ月のジュスティンヌちゃん *今後の目標は? ビオ栽培へとの転進を完璧に終了させ、綺麗なバランスを保てるよう古い区画の手入れをもっとしたい。他にも、もし出来れば各区画のテロワールの本質を引き出す為、木タンクでいくつかのキュべを造ってみたいな。 パリに在る自然派ワインのお店、カーブ・オジェ*Cave Augéで働いてたキャロルさん。 ワインを開ける瞬間もやはりプロのようです! 愛犬のピノちゃん そしてお父さんとお母さんの笑顔を受け継いだ、愛くるしいジュスティンヌちゃんの3ショット! NICOLAS TESTARDのワインについてのお問い合わせは: オルヴォー(株) TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : tanaka@orveaux.co.jp NICOLAS TESTARDに関する記事はこちらから!

4
Nov

自然派ワインの伝道者:マルセル・ラピエール Marcel Lapierre

ボージョレ地区のモルゴン村と言ったら必ず出てくるこの名前: マルセル・ラピエール。一体何者だろう?といつも思っていた私は、この間やっと彼に会う機会が訪れました! 第一印象は・・・サンタクロース?!に似たおじいさん。優しい笑顔に純粋な目、意外とお茶目?!な面もあり、とても親しみやすいマルセルさん。 けれども彼 、実は凄い偉大な人。自然派ワインの世界では、誰もが尊敬し目標としている人物だ。 このドメーヌはマルセルさんのおじいちゃんが1900年に造り上げたもの。代々継がれていき、1973年にはすでに11haの畑を栽培していたマルセルさん。この時代(特に80年代)は、とりあえず量を増やそうという考えが広まっていました。その為、マルセルさんやマルセルが影響を受けたJules Chauvet*ジュル・ショヴェ氏の、『収穫量が少なく、化学物質をを使わず健全なブドウを育てよう』と言う考えは一般的に否定されていました。1981年からマルセルは本格的にビオディナミ栽培に切り替え、亜硫酸、人工酵母、化学肥料、除草剤など一切使用しなくなったのです。そして現在。今となり、彼の栽培・醸造方法は確かだったと誰もが声をそろえて主張する。彼は何年後かの地球の環境をもうすでに30年前から見渡していたんです。 このカーブに彼のワインが眠っているのです。 モルゴン07*Morgon 07 には一切亜硫酸を添加していないので、本当に自然中の自然なワインと仕上がっています。複雑感が漂ってくるアロマには、レグリスや赤フルーツ、お花の香りなども漂ってきます。そして何といってもテロワール(花崗岩質)の特徴がしっかりと強調されています。 モルゴン08*Morgon 08 まだマロラクティック発酵が終了していない段階のモルゴンを試飲。お味は・・・まだ酸味が強い!けれどもフルーツの味が口いっぱいに広がります。色もまだまだワインには遠いけれど、クレヨンで描いたようなパステル系な紫色がとても綺麗です。 これはブルゴーニュ地方で良く目にするトロンコニック樽です。この中でグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウのアルコール発酵が12日間の間行われます。 年により、アルコール発酵が終了する3-4日前に、こちらの格子で樽内のブドウを上から押し付けます。これを使うとブドウ果汁に色が付きやすくなるのです。 そして先ほどのブドウをプレス機に掛けます。マルセルのプレス機は昔から使っている木製のプレス機。 そしたら何と少し前までブドウだったのが、液体となって下から出てきます!これはまさに天然ブドウジュース!甘いフルーツの香りがたっぷりです! このタンクの中に今年のボジョレー・ヌーボーが詰まっているのです。ブドウの香りがたっぷり引き締まっています。 『今年は雨や雹が以上に多かった年だ。だから一つの房がまるまる綺麗だったブドウや完璧に熟成度が達したブドウの量がとても少なかった。去年に比べ、収穫量は全然少ないが収穫期間は去年の2倍も長かった(26日間)。今年のボジョレーの品質はブドウの選別にかかっていた。』 と少し悲しそうな顔で語るマルセルさん。『『けれども例年の2倍の時間と労力をかけて完璧なブドウのみを使用して造ったワインは絶品に仕上がるよ !』と最後は自信のある顔に戻ったマルセルさんでした。 Beaujolais の風景 マルセルさんの畑にて 奥さん、 マリーさんと オザミワールドの 杉野さん、 菅野さん、 土居さんと

3
Nov

若きボジョレーの星、ニコラ・テスタールさん − Nicolas Testard

地平線まで広がる大自然が魅力的なボジョレー地区。今日ここを尋ねて来た理由は、期待に溢れた若き醸造家が居ると聞いたからです。 そう、その人の名はNicolas Testard*ニコラ・テスタールさん。 まだ29歳、けれども経験はとても豊富。 小さい頃からブドウ畑で遊んでいた彼は、学校の卒業と共にブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を開始します。その後、2年間ジル・ジャイエと働き、2000年から2005年までプリウレ・ロックのもとで自然派ワインを学びます。 ニコラの情熱さと繊細さに魅力を感じたドメーヌ・デ・ラジャのオーナーは、是非ワイン造りを任したい!と彼にオファーをしたのです。その頃の土壌は、まだ化学物質や殺虫剤を使用していました。けれどもニコラが来たからには畑を浄化しなければならない。そこから彼は任された区画を少しづつビオ栽培の方向へ持っていきました。そして2008年。今年から彼は自分の畑を借り、自分のワインを造る決心をしたのです! 彼の醸造所のドアには、こんな看板が・・・ 『正面の家でよりここで飲んだ方がいいよ』 ニコラのワインは亜硫酸ゼロ。 体に優しく、自然に優しくがモットーです! 小さな醸造所の中は、結構オシャレなデコレーション。 天井には乾燥中の自然派ワインのボトルが沢山! そして壁には栓抜きのコレクションが飾られています! 形、素材、大きさなど色々あり、ニコラも結構こだわりを持っているそうです。 そして試飲開始!彼のトレードマークはこのウサギちゃん。どうして?と質問したところ、 『Les Lapins*レ・ラパン(=ウサギ)と言う区画があるからだよ。この区画には昔ウサギが沢山いたんだ。そして100歳のブドウの実を食べていたんだ。 』との事・・・ そのまんまでした・・・! アノニム07*Anonyme 07 シャルドネ100%、樹齢24年 土壌:粘土・砂質 Vin de Table のラベルには、造り手の名前も品種も書いてはいけないという規則があります。 そして『アノニム』とは『匿名』という意味。アハ〜ン、だからこの名前!と感心していると、ニヤッと微笑むニコラ・・・彼の遊び心がこのキュベの名に出ています。 この白ワインはとてもフレッシュ!シャルドネなのにシュナンのような滑らかな感覚。 キリッとした酸味が、最後に味を引き締めてくれます。 ボジョレー・ヴィラージュ 07*Beaujolais Villages 07 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 ここの土地は他の区画より水の量が豊富。そのお陰で化学栽培からビオロジック栽培の変化を一番スムーズに受け入れた区画です。このワインはとてもパワフル!香りも口当たりも、一瞬吸い込まれそうになるくらい複雑で豊かです。赤肉にとても合いそうな一品です。 フルーリー 06*Fleurie 06 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 フルーリーの畑は、どこにブドウの木があるの?!と思うくらい草がボーボーです。しかしこれにも訳があり、自然に草を生やす事でブドウの木によりミネラル感が伝わっていくのです。このキュベは18ヶ月間熟成されてある為、フルーツの香りがとても強調されています。 そしてもちろんミネラル感あり、爽やか感あり、ピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインです! ボジョレー・ヌーボー 08*Beaujolais Nouveau 08 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 飲んできました、今年のボジョレー・ヌーボー! 第一印象は・・・複雑なフルーツの香りにミネラル感たっぷりなワインと仕上がっています! 今年のボジョレーは亜硫酸の添加も一切無し! 天然酵母オンリーで造り上げたワインは、ナテュラル中でのナチュラルワインです。 そしてこのキュベの特徴というと、アルコール発酵が終了する前にプレス機に掛けているので、より甘さが強調されています。 今ボジョレーでは狩のシーズン!ニコラもお隣さんのラパリュー氏と獲物探しに出ていました。そして野ウサギをゲット! 他にも、いのししやヤマウズラ、キジなどもいるらしいです! そして愛犬のピノちゃんもブドウ畑の前でパシャ! […]

2
Sep

テール・ドーレ・ヌーヴォー/ハーモニー・ド・テロワール・ヌーヴォー08 – Terres Dorées

ボジョレの禅僧? ジャン ・ポール・ブランが造るヌーヴォー まさに葡萄園を歩く禅僧の風貌だ!どんな忙しい時でも焦っているところを見たことがない。 ヌーヴォーの出荷時期の11月初旬は毎年戦争のような忙しさだ!瓶詰機械とラベル貼り機械は昼夜稼働している時期がある。 特にアメリカや日本は空輸で、飛行機まで予約されているから遅れることは許されない。 出荷日の一日前になっても準備できてないことがある。 私も立ち会ったことがあるが、寝ずの作業となる。そんな時でも、ジャン・ポールは泰然としている。我々の方が焦ってきてしまう。まさに禅の高僧のような雰囲気だった。 先祖は母方も父方も代々葡萄栽培をやっていた。 代々このシャルネ村に住んでいた。この村一帯が葡萄園ばかりになったのはつい最近の事である。 酪農や他の作物との兼農だった。 葡萄園専門になったのはお父さんの頃だった。 そう、ボジョレ・ヌーヴォーがパリやアメリカなど外国にも出荷されはじめてからだった。その頃に、お父さんがドメーヌ・テール・ドーレを立ち上げた。 最初から有機栽培をしていた。だからこの畑には一切化学物資がはいったことがない。 土壌が生きている。だから、葡萄木に力がある。 ジャンポールの葡萄は美しく、力を感じる。

1
Sep

ゴエミヨで最優秀ヴィニョロンに選ばれたシリル・アロンゾが造る

今、ボジョレで最もホットな男シリル・アロンゾが造るアンセストラル・ヌーヴォー2008 渋みがわかる男 シリル・アロンゾ33歳、今確かな歩みを始めた。年齢からは想像できないくらい人生の紆余曲折を知っている男だ。風貌も40歳は超えているように見える。偶然にはこんな風貌にはならない。 お父さんは、ボジョレの名レストラン、ターブル・ド・シャントレを造り上げた人物だ。ワインとの出会いは子供のころからだ。ワイン学校、ソムリエ、ワイン屋、の仕事を経て20代前半でサヴォワに醸造元を設立。微発泡ワインで一世を風靡する。自然派ワインの世界で微発泡ワインブームに火を付けた男である。 仕事に熱中し過ぎて妻との別離、そして夢の醸造元の閉鎖をも余儀なくなってしまった。 故ジル・ショヴェの生き方に感動 失意の中で援助の手を差し伸べてくれたマルセル・ラ・ピエールと共同でボジョレに微発泡ロゼワインを造り大好評を得る。再スタートの契機となった。マルセル・ラピエールから故ジル・ショーヴェ(自然派の父)の存在を知る。ジル・ショヴェ氏が学者でもあり、醸造元兼ネゴシアンとしても活動していた事実を知るに到って、シリルは決意した。『ジル・ショヴェがやっていた自然派・本物ワインを育てるスタイルのネゴシアンを再生する!』荒れ果てて売れなくてぶどう園が減っていく故郷のボジョレを健全な方向へ再生させる事にエネルギーを集中させることだった。 2008年アロンゾ・ヌーヴォーは繊細なフィネスの年だ!!

29
Août

デコンブ・ヌ−ヴォ− – Descombes Nouveau

モルゴン村 “熊” デコンブ・ヌ−ヴォー 熊のような体格、シンプルで優しい心の持ち主ジョルジュ モルゴン村にはあのマルセル・ラピエ−ルがいる。そしてマルセルの薫陶を受けたジョルジュがいる。ボジョレのモルゴンを語るとき絶対に外せない男である。多くを語らない男である。もくもくとやるべき仕事をこなしていく。日本のサムライ的な心を持ち備えた人物である。葡萄園にいると熊が歩いているようだ。大きなわりには動きが軽ろやかで驚いてしまう。決めたことは、何があっても実行してしまう。どんな壁があろうともズッシリと前に進んでいってしまう。彼はあえて、自分のワインを自然派などと口に出したこともない。当たり前のごとくに自然栽培、自然醸造を実行している。 どんなリスクを負っても決めたことを着実に実行してしまう 『俺はただ当たり前の事をしているだけだよ。地球を汚すような行為はしたくないし、人の体に悪いような造りをしたくないだけだ!ここではお爺さんの頃から変わっていないだけさ!』 AOCの組織から嫌がらせが毎年のごとくきている。AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを何度も落とされかけている。 3年前も出荷直前におとされた。しかも全く理屈にならない理由をつけてだ。彼は絶対に引き下がらなかった。直談判に行って役人達を説得してきた。そんな事を力まず普通に実行してしまう。 熊をしっかり支えている奥さん“ジスレン”の存在は大きい

22
Août

ラフォ−レヌ−ヴォ−2008年 – Laforest Nouveau

ヴェレゾン(色付き)の金メダルはラフォ−レ・ヌ−ヴォの畑 なんて美しいんだろう!!感動!! ジャン・マ−ク・ラフォレのヌヴォ−用の畑はブイイの山の北側に位置するケンシエ村にある。 やはりブイィ山の近辺は特殊なミクロ・クロマが存在している。2008年のボジョレの畑状況は、何処も雹の被害にあったり、ベト病にやられている。しかし、ここだけは特別だ。 伊藤  『今の段階で葡萄の状態はどうだい?』 ラフォレ  『完璧だ!ベト病も少なく、色付きも順調だよ。一緒に畑に行こう!自分の目で確かめたらいい。』 ルノ−のトラックに乗って出発だ。 毎年、ヌ−ヴォ−用はラフォ−レ家の畑で最も早く熟すケンシエ村の畑を使っている。 ブイィの山とケンシエ村の間に位置している。ブイィの山がすぐ近くに感じる。 ラフォレ  『どうだい!素晴らしい葡萄の色だろう!』 ニッコリ笑顔のラフォレ。

21
Août

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年 – Lapalu Nouveau

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年-青い空と広がる葡萄園 コ−ト・ド・ブイィの山の南側に位置する畑 昨夜はリヨンの街に泊まった。 今朝は雲もあるが青空が多い良い天気だ。朝8時にリヨンから高速道路A6に乗り北に30キロほど走ったヴィルフランシュ・シュ−ル・ソ−ヌの北出口で降りて県道43号線をBEAUJEU方面に10分ほど行ったところにラパリュがあるST-ETIENNE-LA-VARENNE村がある。ブイイの山の南側に位置している。ボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑ではこのブイイの丘の周辺が最も早く葡萄が熟すと云われている。 ジャンクロ−ド  『毎年ここの畑が最も早く熟す。今年もヴェレ−ゾン(色づき)が最も早く始まっている。』 伊藤  『本当だ。モルゴンの方はまだこんなに色づいていなかった。』 ジャンクロ−ド  『それでも、去年より1週間から10日ほどヴェレ−ゾンが遅れている。だから今年の醸造はあまり時間がない。色んな事を想定して醸造シュミレ−ションを模索している。』 伊藤  『どんなことを考えているんだい?』   ジャンクロ−ド  『今年は“ピエド・キュ−ヴ”をやろうと思っている。つまり収穫の3日前に少量の葡萄を収穫して自生酵母を活発化して準備しておくつもりだ。特に日本向けは飛行機便まで決まっているので遅れるわけにはいかない。かといって人口酵母を加えるつもりはない。あくまでも自生酵母のみで発酵をやるつもりだ。』 家族の夢と希望が詰った新築したばかりの醸造所

20
Août

パカレ・ヌ-ヴォ−2008年夏の陣 – Pacalet Nouveau

8月中旬、アメリカから帰ってきたばかりのパカレとボジョレを訪問。2008年ヌ−ヴォ-の畑の状況確認と選別の為だ。毎年、モルゴン近辺のボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑で造っている。セルシエ村の畑が中心になっている。 朝、パリから7:30のTGVに乗って9:00時にはマコン駅に到着。1時間半でついてしまう。駅でレンタカ−を借りた。今日から3日間はボジョレに滞在して2008年ヌ−ヴォの途中状況を確認するためだ。初日は、フィリップ・パカレと一日をゆっくり過ごした。 今年のモルゴン、フル−リ近辺は雹の被害にあったところが多い。標高が高いところがやられていた。 そして、葡萄の色づきが遅れている。例年ならこの時期はほぼ黒い色の葡萄房が見られる頃なのにまだほんのり薄いピンク色と青い葡萄が殆どだ。収穫が遅れそうな感じだ。 伊藤  『8月の今の段階ではどうか?』 フィリップ  『まだ、今の段階では何ともいえない。ただヴェレ−ゾン(色づき)が遅れているのが現状だね』 伊藤  『7月は結構暑い日があったけど、8月に入って比較的に涼しい日が続いている、その影響はどうだろう?』 フィリップ  『まだこれからの天候の方が大切だ。それと、ピノ・ノワ−ルとガメ品種はそれほど太陽を必要としていないんだ。かえって、このくらい穏やかな太陽の方がガメらしいガメが出来上がるんだ。だから今年は期待できると思うよ。』 伊藤  『5月と8月に雹が降ったけどその影響は?』  フィリップ  『今年は選別の年だね。葡萄園の選別と収穫時の選果が大事な作業となる。これからの天候に期待だね。』

19
Août

ブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−2008夏便り−Braveliéres Nouveau

ブラブリエ−ルの樹齢100年のガメ−畑、8月13日撮影  今年はテロワ−ルの年になる。 2008年は、葡萄の色づきが遅れている。2007年に比べても1週間は遅れている。ヴェレ−ゾンと呼ばれている色づき、(葡萄の皮が色づくこと)が始まってから45日間程で収穫が始まる。2008年は収穫が9月中旬から9月25日頃になると予想されている。 ヌ−ヴォ−は出荷日が既に決まっている為に遅れることが許されない。アルコ−ル発酵やマロ発酵が順調に速やかに進むことが大切な年になりそうだ! 特に自然派は補糖もしないし、人工酵母も添加しないので順調に進んでくれることを祈るばかりだ。 2008年は夏の太陽が現在のところ例年より少ない。つまりテロワ−ルが表現しやすい年になりそうだ。 太陽が強い年は、葡萄が良く熟して果実味が主体のワインとなり、テロワ−ルをマスクしてしまうことが多い。2003年、2005年がそうだった。今年は果実味よりテロワ−ルが勝るワインになりそうだ。醸造元の畑と腕の違いが明確になる年になりそうだ。  今年のブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−は樹齢100年の葡萄を使用

5
Août

『ラパリュ・ヌーヴォー』 Lapalu Nouveau 今年も楽しみ!

「ジャン・クロード・ラパリュ」 ガメを知り尽くし、最高のボージョレを造る男だ。 彼のブドウ畑から最新情報が入った! さっそく現地情報をお伝えしよう。 今年も美味しいヌーヴォーを造ってくれそうだ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 2008年度は、5月の天候は良く、開花は6月8日から10日。 その後の天候は、フランス全体と同じく不順で雨が多く、ベト病の被害がでている。 と言っても、他と比べると被害は微少で、ぶどうは健全な状態である。 やはり、これは自然栽培により、多様な植物をぶどう畑に共生しており、その植物が、水分を吸収し、 ぶどうを健全な状態にてしてくれることと、風通しの良い、ラパリュの畑の強みであろう。 畑にたたずむジャン・クロ−ド  畑を耕している様子 ブドウ樹の間に、けしの花が咲いている。 これらの草々が、余分な水分を吸収してくれる ジャン・クロード自身は、「今からの天候が全てを決める」という。 2007年の悪天候のなか、類まれなる高品質のヌーヴォーを造ったラパリュだけに今年も期待できる。 また、本年度からは、新しく造った醸造所にてのワイン造りとなり、設備も充実、作業スペースも ゆとりがあり、収穫したぶどうを、冷蔵庫にて冷やしてからマセラシオン・カルボニックを行うなどの、 一層の果実味、凝縮度を持ったワインを造ること間違いなし。 新設した醸造所 昨年までは借り物の醸造所で醸造をしていたが、 今年から自分で造った新しい醸造所で醸造を始める。 自分のやりたいワイン造りが存分に出来るだろう! 新醸造所、初ヌーヴォーが楽しみだ!! 奥さんのブリジットとジャン・クロード

24
Juil

LAPALU

Le millésime 2007 nous aura fait trembler jusqu’au vendanges, un printemps et un été chaotique alternant les périodes de soleil, de pluie, de fraîcheur et d’orages une année difficile à négocier. Heureusement le beau temps de septembre ainsi que notre rigueur à la cueillette nous laissent des vins ronds, droits et purs, avec un grand […]

3
Juil

ASAMI – 初めての訪問 – ジョルジュ・デコンブさん-ボジョレ編

この土地は目に見えないパワーで満ち溢れています。 360°の景色、綺麗な空気、気持ちいい風、雅にこの場所は自然そのものって感じです。 丘が重なり合って出来た風景、バックグラウンドには大きな森、 伝わるかどうか分かりませんけれど本当に心から癒される場所です。 ここで醸造しているのは愛称『ヌーヌ』と呼ばれているジョルジュ・デコンブさんです。 見た目ちょっと怖い!と思ったけれど、笑うとメチャ優しい顔になるジョルジュさん。丸い体系、特に大きなお腹はクマちゃんに似ています・・・! 最近自分のドメーヌを購入して醸造し始めた二十歳の長男、バイク好きな次男、可愛い娘さん、そして綺麗で若い奥さんに囲まれ、とても賑やかで幸せそうな家族です。 愛娘、マノンちゃん登場! とてもキュート&人懐っこい笑顔で日本人男性は皆メロメロ! 撮影の為にポーズも決めてくれてチョー可愛い!! 即行仲良くなり、今度学校の発表会で日本に付いて芸をするとか。彼女は『着物を着て芸者風にするの !』と小股で歩き、傘をクルクル回し、完璧芸者の真似してくれました。 ジョルジュさんの畑は本当に最高な場所に在ります。 標高400メートルの丘の上、こんな綺麗な場所はもうマジで感動します。本当に皆さんにも是非行って貰いたいです。 子供もこんな場所で育ったらグレようがないくらい素直に育ちそうです。 そしてマノンちゃんに誘われて卵を拾いました!て言うか初めて鶏小屋の中に入りました・・自分の庭に鶏がいる事自体凄い!そしてそこで生んだ卵を食べる何て凄すぎ!まさに自然派です! 都会では見ない初めての光景でちょっと興奮気味だった私・・・! けれども鶏が卵を守っていて、なかなか動こうとしません。マノンちゃんと一生懸命鶏を突っついたり、小屋をドンドンと叩いたりしてみたんですが、動く気配全く無し・・・ しまいには卵が一個割れてしまい、マノンちゃんは『パパに怒られる』と少し半泣き。でも夜食に使う卵なので、取らずにはいられない!やっぱりこういう時は頼れるパパ登場!鶏の首を掴み投げ(鶏も全然対抗無し)、合計10個の卵が取れました! そしてお決まりのアペリティフ・タ〜イム!ここでは赤ワインと相性抜群の生ハム、バーベキューで焼いたチョー・ジューシーな自家製ソーセージ&チョリゾ(ちょっとピリっとしたソーセージ)、チーズ・・・ ワインも次から次へと開き、最後にはジョルジュさんの初ヴィンテージ、88年のBrouilly まで出てきました!色も凄いし味なんてもう・・・最高! ジョルジュさんも一緒に飲んで食べて笑って酔っ払って楽しい時間を過ごしました!

28
Avr

BEAUJOLOISE 自然派ワイン試飲会

自然派ワインの世界では歴史的に意義のある第一回目 4月21日 に DEGUSTATION BEAUJOLOISEボジョロワーズという名で自然派ワイン試飲会がボジョレの地、シャトー・カンボンで開催された。これは歴史的な出来事の第一歩となるであろう。 自然派の発祥の地ともいえるボジョレがまた新たなる時代に向けた新しい方向性が若手達によって築かれようとしている。 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 晴天なら芝生の庭でゆったりとやる予定だったのが. 前日に曇空の予報が出て急遽テントを張った。 自然派ワインの起点は故アラン・シャペルから 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 その起点となったのは、リヨンの偉大なる料理人故アラン・シャペル氏なのである。シャペル氏はある時、偉大なる生物・物理学者でもあり醸造研究家でもあるジル・ショーヴェ氏に巡り合う。物事の本質を見抜く抜群の能力をもっていたシャペル氏は、ジル・ショヴェの話を聞き、彼の造ったワインを飲んで感動した。それと同時にジル・ショーヴェ氏の持っているものを残さなければいけない、と感じた。 そこで、シャペル氏はまだ若かったマルセル・ラピエールを呼び出して 『マルセル、お前は同じ村に住んでいるジル・ショーヴェ氏を知っているか?』 『知りません』 『ジル・ジョーヴェはフランスの宝だ!彼はもうお年を召されている。彼のワインに対する考え方をフランスに残さなければならない。お前は時間の許すかぎりショーベ氏の処に行って彼のやっていること、考えていることを吸収してきなさい。』 この会話が切っ掛けとなって現在の自然派の流れが動き出したのである。 この流れの話は別の機会に詳しく書くことにする。 マルセル・ラ・ピエールはこのアラン・シャペルの言葉を忠実に実行している。 ジル・ショーヴェのワインを再現して、その発展の為にフランス中の若手醸造家たちに大きな影響を与えている。毎年7月14日のフランス革命記念日にフランス中の醸造元をフリー招待して昼夜を共にして語り合うという会を開催している。このアラン・シャペル〜マルセル・ラ・ピエールの影響を受けた醸造家達が現在の自然派ワインを築き、支えている。 ボジョロワーズを主催した次世代を担う3人 そして、今回のこの“DEGUSTATION BEAUJOLOISE”試飲会は、次世代を担うボジョレ若手3人によって主催された事に大きな意義がある。 この3人が動き回って、この素晴らしい試飲会が実行された。 ラピエールの甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもあるクリストフ・パカレ 心やさしいクリストフ 提唱者であり、人生経験豊富なシリル・アロンゾ マルセル・ラ・ピエールの息子、マチュ・ラ・ピエール 自然派のサラブレット、マチュ この会には深い意味がある。この自然派ボジョレの醸造元は毎年ヌーヴォの時期は戦々恐々とした状況が続いている。INAOより AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを落される嫌がらせが今だに続いているのである。 若手3人はボジョレの地元の人たちにも自分達のやっている事やワインの健全性を分かってもらおうという意図と、そして、自然派試飲会には多くの支持者やファンがいることも理解してもらおうとの意図があったのである。 入場者の数は記録された人数だけでも550名が集まった。フランス中のレストラン、ソムリエ、ワイン専門店、そして外国のバイヤーなど多方面の人達が結集していた。 クリストフ 『地元の人達を入れると700人ぐらいは集まっただろう。』 パリのVERRE VOLEE 経営者であり自然派ワインの大ファンでもあるシリル参上。                   パリの自然派ワインビストロのオーナーシェフであり、自然派初期よりの応援者ルドルフも参上。 出展者 BEAUJOLAIS 19社、MACON 8社、BOURGOGNE 4社の計31社が出展。 ボジョレからはマルセル・ラピエールを筆頭にジャン・フォワラール、ジョールジュ・デコンブ、イヴォン・メトラ、ジャンクロード・ラパリュ、マックス・ブルトン、ジャン・ポール・ブラン、フィリップ・ジャンボンなど自然派を支えているメンバーが勢ぞろい、そしてまだ無名の若手を含めて19醸造家、 ブルゴーニュからはロマネコンチの両オーナーが個別に持するオベール・ド・ヴィレーヌ社、プリューレ・ロック、の2社が参加したことは大きな意義がある。そしてドミニック・ドュラン、フィリップ・パカレなどブルゴーニュを代表する醸造家が参加、マコネ地区からは自然派を支えるヴァレット家、フィリップ・ヴァレトを筆頭にジェラルド・ヴァレット、そして若手のジュリアン・ギヨ、アルノ・コンビエ、など8者、で総勢31者の醸造家、 そしてブルゴーニュでウイスキーを造っているミッシェル・クーブル、美味しいソセージ、イベリコ・ハムなどを現地から買い取って行商するレーモン・ル・コックなども参加していた。 これ以外にも、南ローヌ自然派の旗手マルセル・リショなどフランス中からこの動きを応援する醸造元が 駆けつけていた。 こんな人達もいました。                    リヨンでフレンチレストランを経営する石田さん    4次元カラフ・オヴァリュスの作成者MICHELさん     […]

26
Fév

自然派とは食べて飲んで歌う生活を楽しむことなり…の真髄を覗く!

2月15日 金曜日 午前中はシャスラのフィリップ・ジャンボンを訪問。さすがに寒い、マイナス2度の中、まずは畑を見に。すっかり霜が降りた畑で、説明をしながらフィリップがおもむろに取り出したのは、なぜか袋…。そして、畝に生えている野生のマッシュとクレソンを摘み始め、時々ムシャムシャ…「食べる?」と差し出されたマッシュの味と香りの濃いこと…。普段スーパーで買ってるレタスやサラダは一体何なんだろうと思ってしまうほど。 「しっかりとらないとお昼のサラダはなしだよ」そりゃ、大変、がんばって摘まなきゃ。とはいっても、どれが雑草でどれがマッシュなのか見分けが付かない。何のかんのといっているうちに、袋はいっぱいに、ひと安心。 「ぶどうもマッシュもこの土壌から水を吸い上げることで、土地や環境からのエネルギーとハートと思い出を持って育っていくんだ。だからおいしいし、パワーがある」なるほど。 樽からのティスティングの後は外でサンプル用に瓶詰めしたワインを試飲。この寒いのに外!!「カーヴの中より、太陽の下の方がいいよね」確かに太陽は出てるけど、気温はほぼ0度。畑からトータル3時間はさすがに厳しくて、鼻もきかなくなってきたみたい。 そうこうしながらなんとか終えて、ようやくお昼。野生のサラダのおいしいこと! これだけでもここに住みたくなっちゃうねー。その上マダム・ジャンボンのカトリーヌはレストランで料理を手伝うほどの腕前。優しい味のパイと自家製ヨーグルトにチョコレートタルトにフルーツ、ヴィンテージもののフィリップのワインと合わせて…。最後はフィリップのぶどうで作ったマールでしめて、幸せな完璧ランチは終了したのでした。 食後はオートルートで一路エルミタージュへ。4時過ぎにルネジャン・リボの待つダール・エ・リボに到着。試飲の前にまずは「お疲れ様」のアペリティフに日本未輸入のBLANC DIVERSで乾杯。これまで冬は寒くて大変だったカーヴの作業場になんと、パラプリュイ・ショファンなる暖房器具が入っていて、これにはびっくり! ビッグニュース?! さて、いよいよ樽からの試飲。まずはクローズ・エルミタージュの白2007年。畑違い、樽違いと続き、サンジョセフへ。ルネジャンいわく、レ・シャンは日本女性のようにエレガントで慎み深く、ピトルーはフランス人女性みたいに強くてパワフルなんだと僕はレ・シャンが大好きだけどね」ふーむ、意味深発言…。 まだ、リリースはしていないエルミタージュ・ブランは初めて!「まだ若い畑なので瓶詰めはどうかな。カーヴ・オジェは瓶詰めしてほしいっていってるけど」素敵においしいと思うけど、私は。 赤は樽違いを順に試飲。ひゃんなことから話はルネジャンがもうすぐ髭を短くするという話に。「髭は1年に2回、髪は1年に1回切るだけなんだ」やっぱりナチュラルだわん。 夜の食事の約束をして、いったんホテルへ。自然派ルネジャンは自転車で颯爽と?帰っていったのでした…。 ディナーはタン・エルミタージュの町の「マンジュ・ヴァン」へ。日本人女性とフランス人男性の若いカップルが経営するお店で、シェフは奥さん。ルネジャンとほぼ同じ生まれの赤ちゃんがいるということもあって、仲良しのお店。 エルヴェ・スオー夫妻も合流、アペリティフを飲みながら待っていると、ルネジャンとマダム・ヒデコ、もうすぐ6ヶ月のアンジュマリーが到着。まあ、かわいいこと!  食べたくなっちゃうとひとしきり話が盛り上がり、ダール・エ・リボの秘蔵のトントンやらフンフ—ンやらが空くころには絶頂。 ルネジャンが「おしりかじり虫ぃぃ」と歌えば、我らがムッシュ・イトウも意味深な替え歌で返し、なにやら不思議な真夜中のレストラン。あー、ホテルが向かいで良かった!

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2007年のボジョレー・ヌーボー収穫開始!

ドメーヌ・ラパリュ ボジョレー・ヌーボー収穫開始 去年「神の雫」に登場して、その美味しさと、ボジョレーの多様性を大勢の人々に広げてくれた「ドメーヌ・ラパリュ」が、8月29日、待ちに待ったぶどうの収穫を始めました。 そこで今年のぶどうの作柄についてレポートします。 ●晴天の中、いよいよ収穫スタート! 予想を上回る品質に期待! フランスは スカッーと晴れ渡った晴天 になりました。 いつもなら夏の終わりを告げる夕立がやってくる8月末のこの時期になって、やっとみんなが待ち焦がれていた青空がやってきました。 8月29日の穫開始日というのは、平年に比べ約2週間早くなります。 「収穫直前は、ぶどうの熟度の上がり方が特に大きいため、当初の予想よりギュッと果実味が強くなって、品質が上がることは間違いありません。」 ●収穫までの様子 8月19日(日)の午後、ラパリュでは2週間ぶりに畑に出て全区画の生育状態を細かくチェックしました。 「その時点では、8月中旬までの涼しさと雨がちだった天気のせいで、 『凝縮感というよりガメイ特有のフルーティーな香り』 を想像していました。 でもこの期待以上の晴天なら、去年のような凝縮感に近づくかもしれません。」 とジャン=クロード・ラパリュ氏。 なぜ2週間放っていたかと言うと・・・ 「ぶどうが色付き始めると、そこから先は自然にゆだねるしかありません。4月から8月上旬まで精一杯のことをしてきたのです。いま心配しても取り越し苦労。」とのこと。 全力投球って感じです。思いっきり働いたんですね。気持がさっぱりしていて、結果が楽しみな感じが強く伝わってきました。 ●今年の収穫スタッフはパワフル! 7月10日ごろ、この地区の西に面したぶどう畑に起きた雹害で、若干ぶどうが傷みました。 痛んだぶどうが混ざると味を損ないます。 そこで 選果作業を徹底 するようにと、平年より5人多く収穫スタッフを雇っています。 東側の区画は健全ですし、ぐずついた天気でもカビが発生しなかったのが何よりも幸いです。 「ドラマティック! こんな良い天気になって、今はどんなヌーヴォーになるか判断できません。傷んだ果実を丹念に取り除けば、ポテンシャルはかなりある。」 「醸造最初の2、3日間様子をみれば、どんな年になるか見えてくるでしょう。」 「収穫が早くなりそうだったから、夏休みを取らずに頑張った甲斐があった。ホッとするね。うれしいです。」:lol: 素晴らしいで出足となった2007年ヌーヴォー。 8月25日の週末以降、劇的に変わった晴天は、今週いっぱいは続く予報です。 ヌーヴォーの後の収穫にもグーッと期待が高まります。 この記事は2007-8-30にNishiさんによって投稿されたものです。

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今年のボジョレーは?

ボジョレー・ヌーボー用のぶどうは収穫も終わり、マセラシオンが始まったばかりです。 今年の夏、7月は105年ぶりの猛暑となり非常に暑く、2003年の再来か?このまま続くかなと期待していたら8月は涼しくなり、少し雨も降りました。また局部的に雹が降り、この影響でカビが発生した蔵元もかなりありましたが、9月に入ってから晴天の日が戻って日差しがたっぷり降り注いでくれたお陰で、ボジョレー全体的にぶどうは順調に成熟して糖と酸のバランスが見事に取れています。全般的に皮もしっかりと厚いので、鮮やかな色付きのワインになるでしょう。 局部的に雹にやられた畑は、カビが大発生していることもあり、収穫時に選別作業を厳しくやった醸造元とそうでない醸造元の差が大きくでる年となるでしょう。 作り手の腕の見せ所の年となるでしょう。 タイプとしては一般的に軽やかなボジョレ−になりそうです。 ポリシ−のしっかりした醸造元のヌ−ヴォ−はとても期待出来る年ですよ! さてパリ発クラブ・パッション・デュ・ヴァンがお勧めする自然派ヌーボーの中で、本日、紹介したいのは、かの有名なパカレと、ブラヴリエールの二つです。 −フィリップ・パカレ− 9月の雨が原因で少しカビが出ましたが、収穫時に時間をかけて良いぶどうだけを厳選しました。カビでやられた葡萄を切り落として、健全な葡萄のみを仕込みました。 収穫が終わった畑は、切り落とされた葡萄の絨毯のごとくになっていました。 ガメイのエレガントな風味が生きています。 やさしい酸とパカレ独特の果実味のバランスがとれたグイグイ飲めるジュ−シ−なヌ−ボ−になりそうです。 酸っぱいヌーボーの味が普通だと思っておられる日本の皆さん、これ飲んでぶったまげて下さい。 −ブラヴリエール− この畑ではカビは発生しませんでした。理由は冬の短い剪定を今まで以上に短くしたことが奏功したのです。品質を求める熱い姿勢が天候の悪影響を見事にカバーしたといえます。 クロッシュと呼ばれている鐘の形をした標高300メ−トルの畑に栽培されている60歳の古木には一本の木に4〜5房の葡萄しかとれず、素晴らしい葡萄が収穫されました。 雹と湿気によるカビの大発生のボ−ジョレ地区の中で、今年のこのブラヴリエ−ルの作柄は飛び抜けて素晴らしいものになるでしょう。 では今回はこの辺で失礼します。 by Kimitake