プピーユを日本へ輸入してもう何年もたっているけど、毎年、醸造現場を訪問して情報収集するモトックス社
ネットでも、メールでも豊富な情報が入手できるけど、やっぱり現場に来ないとホントに大切なことは見えてこない。

畑の微妙な変化、近年の天候事情によって明らかに葡萄木の状態が違ったり、フィリップの考え方の進化で栽培方法も微妙に変化している。実際に来て自分の目でみて、質問して確認する作業は超大切。

この中には、もう10回以上訪問しているメンバーもいる。
蔵元の家族と触れ合って、子供達の成長によってフィリップの思考も、生き方も微妙に変化していく。

醸造所もまた新設した部分もあり、発酵槽も新しくなった、樽塾の場所も変化したり、垂直式圧搾機も新たに増やしている。
フィリップは常により良い品質を追求しながら、ベストを狙って進化している。
このレベルからの進化は、小さなコトの積み重ねが、少しずつフィネス、上品さへの進化に繋がっていく。

こんな小さな積み重ねの一つ一つは、実際に現場にこないと気付かないことが多い。

特に、フィリップは熟成のやり方、期間の長さを大切にしている。特に樽の使い方は天性のセンスがある。
こんな微妙は変化に気づき、即、質問攻めするモトックスメンバーの熱心さは凄いものがある。

フィリップもメンバーの熱心さに、感謝、感動していた。

☆ボルドーのワインは、テーブルでその威力がわかる。CHEZ POUPILLEにて☆

ボルドーワインは大人のワイン。

造りたてのワインを飲んで、スイスイと体に入っていくスタイルではない。
濃縮感の中にある旨味がジワリとでてくるには、熟成が必要になる。

ひと昔前なら、ワインを買った人達が飲み頃になるまでじっくり待って飲んでいた時代があった。
でも、生活のリズムが早くなってきて、とても待ってない時代になってきた。

造り手の方が、飲み頃まで保管して、濃縮感の中にある旨味がわかりやすくなるまで待って出荷しなければ、なかなか評価されない時代になってきている。

昨今は“薄旨系”のワインのように、造りたてでもすぐに飲んで、スイスイ入っていくスタイルが人気を勝ち得ている。

だから、今、ボルドーワインは受難の時代に突入している、と云ってもいい。
ボルドーのグランクリュなど有名銘柄を除いて、一般的なボルドーワインの蔵は、経営的に非常に厳しい状況となっている。

そんな中でも、ボルドーの優秀な造り手達は、ある程度の時間を使って熟成・保管して、濃縮感の中にある旨味がわかりやすくなるのを待って出荷するようにしている蔵が増えてきた。

プピーユのフィリップも、出荷までの期間をできうる限り長くしている。
つまり熟成期間を長くして、飲み頃に近づいた状態で出荷するように心がけている。

経営上、決して簡単な措置ではないけど、ボルドースタイルの本当の美味しさを理解してもらう為には必要なことである。

それでも、ボルドーワインは、やっぱりテーブルの上で飲まれる方が真価を発揮してくれる。

ワインを飲む時は、何かの縁でテーブルを共にした人達と、親交を深めながら、美味しいモノを食べながら飲まれた方がワインも喜んでいる。

ワイン達は、こんな風に皆さんに喜んでもらう為に生まれてきた存在なのです。
特に、ボルドーは。

フィリップは大切なお客さんが来訪の時は、西南部地方にある赤肉ビーフの飛びっきりの産地の肉を仕入れて熟成させて
お客さんと、家族総出で一緒に楽しむことしている。

ワインは勿論、先ほどテースティングしたワインを提供する。
テーブルの上では、先ほどテースティングした時とは、くらべものにならない程、真価を発揮してくれている。

フィリップは、お父さんから引き継いだサンテミリヨンの蔵も持っている。
熟成させてから出荷を心がけている。

Ch-ROBIN DES MOINES シャトー・ロバン・デ・モワンヌ16
まさに、角がとれて溶け始めるまで、じっくり辛抱して出荷待った作品だ。

そして、サンテミリヨン・グランクリュのCH-HAUT CARDINAL12 Unique シャトー・オー・カルディナル12 ウニーク
このワインもメルロー主体の果実味とサンテミリオンの石灰質のミネラルが溶けはじめる入口まで待って、今、出荷しようとしている。

どちらも、ボルドー右岸の特徴をフルに表現したザ・ボルドーの深味を備えている。

特に、美味しい赤肉には絶妙の真価を発揮してくれるワイン達だ。
近々に日本にも出荷されることになるでしょう。お楽しみに!

モトックスの皆さん、はるばる日本からの訪問、ありがとうございました。
造り手、売り手が一枚岩になって進んでいけること、心よりうれしく思うと同時に感謝の意を申し上げます。

モトックスの皆様、くれぐれも、善きボルドーの旅を続けてください。

et Merci Philippe.