18
Déc

QUILLES DE JOIEキール・ド・ジョワ試飲会-PART2

11月25,26日の週末に行われた。 25日土曜日は終日11時から17時までたっぷりと試飲した。 まず、この試飲会は、超田舎での開催とあって、40社の醸造元が集まった割には、テースティング人数がリーズナブルなので、造り手達と、ゆっくり話ができる点が素晴らしい。 1月、2月にモンペリエ、アンジェで行われる有名な自然派ワイン見本市は、世界中のバイヤーが集まるようになってしまって、ブースに近づくだけでも大変で、造り手と話すことなど殆ど不可能になってしまっている。 ここQUILLES DE JOIEキール・ド・ジョワ試飲会は、じっくりと造り手と話ができるので助かる。 そして、スヴィニャルナルグらしく、比較的新しい造り手が多いのも新鮮でいい。 そもそもこのキール・ド・ジョワ試飲会は、MONT DE MARIEモンド・マリー醸造のティエリーやMAS LAUマスロー醸造のローランが地元のほんの数社の造り手だけ始めた試飲会だった。 参加条件は、自分達のワイン造りの“哲学”“生き方”に共感できる造り手であることだった。 かといってセクト的な難しい条件ではない。 1-実質的に自然な栽培、醸造をしていること。 2-美味しいワインを造る為に情熱をもっていること 3-価格的に手頃であること つまり、次の三拍子が揃っていること、 自然で、美味しくて、リーズナブルな価格であること、という何と素晴らしい条件。 最近の自然派ワインの造り手の中には、とんでもなく高価なワインが出現している。 どう考えても、この価格は高すぎ!異常だろう!という造り手のワインがある。 それを支えている自然派ワインのマニア愛好家達がいる。 まるで珍しい昆虫愛好家やSL愛好家のように、珍しく手に入りにくい“モノ”を夢中になって手に入れている人達がいるから成り立っている世界。 私達には、この世界には全く興味がない。 ワインの価格で最も多くの部分を占めているのは、土地代である。 ブルゴーニュのように、超高価な土地代の所ではワイン代が高くなるのは、当然のと。 でも、土地代が格安の地方で、ブルゴーニュワインと同等、それ以上に高いワインが自然派ワインの中にも出現している。 その点、このキール・ド・ジョワ試飲会に参加している醸造家のワインは、 自然で、美味しくて、リーズナブルな価格であること、という理想的なワイン達である。 このキール・ド・ジョワ試飲会、規模も仲間達も大きくなって、フランス中から40社ほどが集まるようになっている。 担当主催者は、毎年代わって、若手達が担当するようになっている。 特にこのスヴィニャルグ村、ニーム近辺には若手が急増中。 発起人だったティエリーやローランは、若者達にブースを譲っている。 昨年はティエリー、今年はローランがブース出展をしていなかった。 若手達を全面に出して応援するこという精神だけでも素晴らしいことだと思う。 さて、参加蔵を紹介しよう。 ★Yoan REGAヨアン・レガ まず会場に入って、一番初めに目が合ったのがYoan REGAヨアン・レガだった。 若手の中でも、飛び出た品質を造り上げている。 パリで長年に渡って音楽ジャーナリトをやっていたヨアン。自然派ワインが大好きで、結局自分が造り手になってしまった。 別の世界から造り手になったので、醸造の概念に壁がない。 造りに対するアイデアが次々とでてきてしまう。例えば、MCマセラッションカルボ醸造の発酵槽に除梗した葡萄を入れたり、赤ワイン醸造中に白ブドウを入れたり、まるでブドウを音楽の音符のようにアレンジして作曲・編曲をするようにワインを造っている。 ヨアンはTAVELに住んでいたこともあり、タヴェルのワインが大好き。ラングロールで修業してロマン・ル・バールとは同年代でもあり、仲良くしている。ヨハンのワイン造りはロマンから教わったのが基本になっている。 水のよう薄い赤ワインから濃縮感のあるワインまでバランスよいワインを造ってしまうヨアン。 日本にも今年から輸入されています。(問い合わせはBMO) ★BARTASSOUバルタス アントニーは4代も続いている農家で育った。農協に属していたので、自分が丹精に育てた葡萄も農協では他の葡萄と混ぜて醸造されてしまうので、残念に思い、自分の葡萄を自分で醸造したいと独立を挑戦している。 Mont de Marieモンド・マリー醸造のティエリーに相談して、色んなアイデアをもらって2018年にワイン造りを開始。 めざすは、モンド・マリー。奥さんのオードレと家族だけで自分達の夢を実現している最中。 シャルドネ50%、ソーヴィニヨンブラン50%の旨味たっぷりのL‘AROMEアローム。 グルナッシュ、あのサンソーをセミ・マセラッション・カルボヌック醸造で醸したぐい入る美味しいヤツ。 […]

18
Déc

PASSION溢れるワイン見本市QUILLES DE JOIE !PART 1

南フランスの住人数百人ほどの小さな村SOUVIGNARGUEスヴィニャルグで行われた。 Quille de Joie キーユ・ド・ジョワ は、“喜び一本”の意。 まさに、その名の通り、ワイン一本を囲んで笑顔溢れる勢いのいいワインを造る醸造家ばかりだった。 南フランスを中心に他の地方より数社参加していて総計40社ほどの造り手が集まった。 スヴィニャルグ村と云えば、今、南フランスで最も熱い自然派ワインの新人が出現している地域である。 この村には、先駆者として勢いのある蔵元,MONT DE MARIEモンド・マリー醸造のThierryティエリーやMAS LAU マス・ロー醸造のローラン・バニョルなどがリーダー各として頑張っている。 彼らを追随して、多くの若手がこの村を中心に誕生してる。 今、期待の若手ではジョエ・シャンドリエがいる。 どれもみなそれぞれ強烈な特徴・個性がありながら、お互いに尊重し合いながら助け合って、成り立っている。 自然派ワインの世界では最もエネルギッシュな“気”が溢れている、醸造家が集まっている、と云っても過言ではない。 嬉しいことに、Tavelのラングロールのエリック、そしてやさしいワインを醸すベテランのムーレシップ醸造のアランも応援にかけつてくれた。 やっぱり、超ベテラン級の偉大な造り手がいるだけで、空気が明るく、ビシッとしまって雰囲気に深味が増してくる。 今回の主催を仕切るのは、若手のジョエ・シャンドリエである。勿論、モンド・マリー醸造のティエリーも補助している。 今回は、ジョエが気合を入れて会を仕切っているので時間がなく、本人はブースを出展してない。 ジョエは若者らしく、夜はバンドを入れて楽しくソワレを演出した。 レストランは、会場横に巨大テントをはってワインビストロを設置した。 シェフは、何とNimesニームの街の超人気ビストロのMarmiteのシェフ、ジョルジュを迎えた。 もう皆大喜びだった 人間として真っ当な生き方をしている造り手が造った真っ当なワインは心に響いてくる。 今日集まっている造り手達は、皆自然を愛し、尊重して、妙な化学物質の添加などすることなく、土壌を生かし、飲む人のことも考えながら美味しく、体にもエネルギーをもたらしてくれるワインを造ることに情熱を燃やしている醸造家ばかり。 その上に、心のこもった料理があれば、もうパラディ(天国気分)だ。 しかも同じ志をもった仲間、ワイン好きが同じテーブルを囲んで分かち合う。 なんて、素晴らしい空間なのだろう。 色んな事が起きている世界事情の世に、こんなワインと料理で世にポジティフなエネルギーを氾濫させたい!! ここスヴィニャルグ村は、今年、3回も雹が襲いかかった。 収穫量は例年の30%ほどしかなかった。 苦しい経営が近未来に待っている。 でも天には文句は言えない。また来年に向けてコツコツやるしかない。 そんな状況の中でも、こんな素晴らしい試飲会を開催してくれて感謝しかない。