18
Déc

スヴィニャルグ村の名手の一人MAS LAU醸造のローラン

南フランスの星付きレストランのソムリエだったローラン。 スヴィニャルグ村にやって来た時、世話もされず放置されて野生化していたこの葡萄達を見て醸造家になることを決意したローラン。 100歳を超えた葡萄木達がローランに語りかけてきた。 『ローラン、何とかしてくれ!』 ラングドック地元品種で、もう絶滅しかけている品種Ouilladeウイヤードだった。 南仏のソムリエだったローランは、この地元品種の希少価値を十分に理解していた。 ソムリエの仕事をしていたローランは、当時自分のやっていることに疑問を感じていた。 このままソムリエの仕事をしていくことに、“これでいいのか?” ローランのお父さんは農業者だった。お父さんの背中を見ながら育ったローランは自分の原点に戻りたかった。 自分も土と触りながら自然の中で働く仕事をしたくなっていた。 そんな精神状態の時にこのスヴィニャルグ村にやって来たローランだった。こんな希少な葡萄品種、しかも100歳を超えている世界遺産級の葡萄だった。このまま放置して絶滅させていい訳ない。 ローランは決意した。 スヴィニャルグ騎士3人衆 モン・ド・マリの Thierry ,マスローのLaurentローラン、フォン・ロンドのヴァンサン ローランがこの村にたどり着いた頃の若き3人の写真を添付。 当時、この村にやってきて、新規の醸造家として孤軍奮闘努力していたMont de Marieモンド・マリー醸造のティエリー と巡り合い、自分のワイン造りへの夢を相談した。 ティエリーは大賛成だった。ローランがすぐ始められるように、自分の醸造所の一部を使うことを提案した。 そして、地元農家のFont de rondeフォン・ド・ロンドのVincentヴァンサンを紹介して、他にも売りに出ている畑を紹介してもらった。 ローランは、焦らずじっくりじっくりコツコツやるタイプの人間性を備えている。 何年も放置されていた野生化した葡萄畑を、ビオ栽培で再生させるのに、体力の限りを尽くして農作業に集中した。 完璧に再生するには時間がかかった。 10年以上の歳月が流れて、畑に色んな種類の雑草が生えて、地中にもミミズ、微生物も勿論、自生酵母をイキイキしているのが分るようになってきた。 3年程前に、Ouilladeウイヤードの畑の近所に醸造所を建てて引っ越してきた。 今は、自前の醸造所で、自生酵母だけで、発酵槽に入れるのは葡萄だけで完璧な自然醸造で造っている。 最近のローランが造るワインの品質が一段と上がっている。狙っていた通り、素晴らしいワイン質を備えたワインが完成している。 特に100歳を超えたOuilladeウイヤードの畑のワイン、Clin d’Ouilleクラン・ドイユはもう素晴らしいワインとなっている。クラン・ドイユとは“ウィンク”の意。奥さんがラベルのウィンクの絵を書いてくれた。 100年の歳月をかけて生存し続けてきたOuilladeウイヤード品種、深く地中に入りこんだ根っ子が吸い上げたミネラリがたっぷりで、この土壌で育った自生酵母だけで醸したワイン、もう絶品である。 いいワインには、果実味とミネラル感そして深味がある。SO2は基本的に混入しないゼロ、年によって必要な場合は極小だけ使用する。 透明感があって、スーと体に入っていく。 これだけ、手間暇かけて自然に造っていても、嬉しいことに価格はホントにリーズナブルである。 ローランのお父さんは農業者であり、お金持ちでもなく、貧乏人でもない普通のフランス人。 普通のフランス人が、『今日はチョットワインでも飲みたいな。』って思った時、誰でもが買える価格帯であることが大切だとローランは考えている。 だからどんなに手間暇かけてもリーズナブルな価格いることは大切なことなのである。 さて、ローランはQuiies de Joie試飲会に、ブースを若い人達に譲る、と云って参加していなかった。 ローランに逢うためと23年ミレジムをテースティングする為に醸造所に寄った。 いつも元気印のローランが、どことなく元気がなかったのでチョット心配になった。 今年は、ちょうどローランの畑の区画に何と3回も雹が襲ってきて、収穫量は普通の年の30%以下となってしまった。 いつもポジティフなエネルギーとスカッとしたローランなのに、今日はホントにチョット寂しそうだった。 そんな中でも、2023年ミレジムを熟成中のタンクからテースティングをさせてくれた。 量は、極端に少ないけど、品質はホントに素晴らしかった。 23年は量が少ないので、通常のワインを出荷することはできないので、全部を程よくブレンドして数種類だけのリストになるだろう。 ★チョット元気がないローラン いつ来ても元気印の象徴のようなローランでも、こんな状態の時があるんだなと、思った。 収穫量が極端に少ないのも原因だろうが、そればかりではなさそう。 口に出す言葉が、否定的なところが多かったので驚いた次第。 生身の人間、人生いろいろあるよね。 何とか、いつものローランのように元気印に戻れるように、応援したい!! チョット安心したのは、娘のMerinaメリナちゃんの話になると、大きな目に元気が戻っていた。 […]

10
Août

渋谷の高太郎さんの料理

私は高太郎さんの料理を見る度に日本へ帰りたくなってしまう。 高太郎さんは一か月ほど前にフランスに来てくれて、一週間ほど一緒に葡萄園を周りました。 センスがよく無駄のないスカッとっした人です。 (高太郎さん、チョットFB記事を失礼して借ります。)    FB記事 『玉蜀黍バター 土鍋ごはん – Tomorokoshi Butter Donabe Gohan (Rice seasoned and cooked with corns and butter in earthen pot) 香ばしい玉蜀黍にバターの風味を効かせて、少し洋風に仕上げた土鍋ご飯です。』 玉蜀黍バター 土鍋ごはんには、このワインを合わせたいと思います。 ★Mas LAU マス・ロー醸造の Mas Lau Blanc マス・ロー・ブラン バター風味に玉蜀黍の淡い甘さを伴った旨味とワインの土壌の石灰岩盤からくる潮っぽい旨味がピッタリに違いない。 そして、バター風味と土釜の香ばしさを楽しんだあと、ミネラルを伴った酸で口中を爽やかにしてくれて、もう一杯お代わりしたくなるに違いない。。 高太郎さん、ありがとうございます。      La cuisine de chef Kôtaro à Shibuya Depuis un mois, Kôtaro san est en France et je […]

30
Mai

Voyage dans la Vigne !!!

  毎年恒例、CLUB PASSION DU VIN主催、自然派生産者訪問弾丸ツアーを開催します。 実際にぶどう畑に足を踏み入れ、ぶどう畑を取巻く環境を、生産者の熱い想いを 一緒に体感しませんか!   今回は南仏ラングドック、ルーション地方をスタートにシャンパーニュまで駆け巡ります! たった7泊9日の旅ですが、自然派ワインへの理解がとんでもなく深まる感動のツアーです。 ご興味ある方はCPV竹下までご連絡お願いいたします。 案内書など送付させて頂きます。 日程:2018年6月18日(月)日本出発       6月25日(月)現地発 26日(火)日本到着 参加対象者:酒販店、飲食店関係者のみ 訪問予定蔵元:カゾ・デ・マイヨル/ブー・デュ・モンド/ポッシブル/ル・タン・デ・スリーズ/モン・ド・マリー/マス・ロー/エスカルポレット/ジュリ・ブロスラン/ダール・エ・リボ/ジャン・クロード・ラパリュ/ラピエール/ジャック・ラセーニュ/アレキサンドル・バンなど(変更の可能性あり) クラブ・パッション・デュ・ヴァン 竹下 (筆)

22
Sep

STC TOUR 最後の訪問・素朴に極を走る                MAS LAUマス・ロ―醸造

ラングドック地方 5日間の質販スーパーの皆さんとの暑く熱い旅も最後訪問。最後にふさわしい蔵。 ローラン・バニョルのMAS LAUマス・ロー醸造。 [S] [T] [C] を体と心で学ぶこの合宿ツアー。 [S]= Soleil …. 太陽、光、宇宙、気候、乾燥、暑さ,水、引力、浮力 [T]= Terre …. 地球、大地、土壌、鉱物(ミネラル)、地中に生きる微生物、 [C]= Coeur …. 心、人、情熱、真心、志、勇気、哲学、生き方、性格 そして、葡萄木。 ワインは 天、地、人、葡萄 が縦横無尽に関わりあったエネルギーの液体です。 この4つを体と心で学びました。 厳しい流通業界で働く質販スーパーの皆さんに少しでもお役に立てて頂ければ幸せです。 日本の日常の中に本物ワインが少しづつでも浸透していくことが何より嬉しいことです。 普通に食品を買いにくる普通の人に、本当に美味しいワインを飲んでいただきたい。 大手スーパーの横で、本当に美味しい本物食品を販売することにPASSIONを燃やす質販スーパーの皆さんに本物ワインでお役に立てることが心より嬉しく思います。 世は着実に進化している。この流れは誰にも止められない。

22
Sep

隠れ世界遺産級の葡萄Oeilladeウィヤード品種に籠めるPASSION !!

元ソムリエ・ローラン・バニョル 素朴に極を走る MAS LAUマス・ロ―醸造/ラングドック地方 今はすっかり抜かれてボルドー品種のメルローやカベルネなどに植え代えられてしまっている。 そんな貴重なウィヤード品種の100歳の古木がこのSouvignargueスヴィニャルグ村には残っていたのである。 長いワイン造りの歴史を経てその土地に栽培されてきた品種は、その土地に最も適しているのは当たり前。 ここ地球温暖による暑さと乾燥には、他の品種では耐えられない。 このウィヤード品種は、暑さと乾燥に慣れている。全く問題なく育っている。 まさに、oeilladeウィヤード品種の真価が発揮される時代の再来である。 しかも、軽いアルコール度数で果実味が爽やか、スイスイ入ってしまう今風のワイン。 100歳のoeilladeウィヤード品種の区画はやや高台にあり北向き斜面、 北からの涼しい風が直接当たる。 この村の区画では生き残っていることだけでも凄いこと。 100歳ともなると、区画内の葡萄木の数も少ない。 採算性だけを考えたら、とっくに引き抜かれて植え代えられているだろう。 ローランの頭には、飛っきり美味しいワインを造ることが第一! お金のことは天に任せっぱなし。 贅沢しなくても幸せにファミリーが生活できれば満足。本当にワイン造りが好きな貴重な人だ。 心より応援したい醸造家の一人。Mas Lau マス・ロー醸造のLaurent Bagnolローラン・バニョル。 ローランのワイン(ラベル)を見つけたら、躊躇なく飲んでください!! ローランの素朴にやりきっているPassion ,エモーションが伝わってきますよ!

22
Sep

元ソムリエ・ローラン・バニョル 素朴に極を走る                    MAS LAU マス・ロー醸造

ラングドック地方 何もなくても溢れんばかりPASSIONと愛するファミリーがある。 ソムリエをやりながらも、ワイン造りがしたくて、したくて我慢できなかった。 そんな時、Souvignarguesスヴィニャルグ村でワイン造りをしているティエリーに出逢う。 そんなローランを見て、ティエリ-は誘わない訳にはいかなかった。 『自分の蔵の一部を使ったらいい。』 ローランは即断した。 ここSouvignarguesスヴィニャルグ村には絶滅しかけている品種が生息している。 その名はoeilladeウィヤード品種である。 100年前はラングドック地方の主力品種だった。