26
Sep

レミ・デュフェイトルの2018年ヌーヴォーは? -no2

何故か、レミーは、ヌーヴォーを大変に気合を入れて造っている。 繊細なスタイルにする為に、砂質土壌の深いところの区画の50歳の葡萄木を使っている。 そして、発酵槽は、高級なトロンコニック型の大樽を使用している。 ★ヌーヴォー2018年を利く★ レミーのヌーヴォー用の畑、土壌、造りは凄い。どんなに太陽が強い年でも、濃縮の年でも、女性的な柔らかいタッチの果実味に仕上げてしまう。これには驚くばかり。ラパリュでも17年は結構、ボリューム感のあるヌーヴォーだった。 レミーそれは、いつもと変わらず、やさしいスタイルだった。 18年は、まだ発酵中なのでハッキリした事は言えないが、かなりやさしい女性的なスタイルになりそうだった。 体が疲れている人、あまり飲めないけど、チョットだけ飲みたい人、レミーのヌーヴォーをお勧めです。 レミーの内面が液体に表現されているやさしさがあります。   

26
Sep

レミ・デュフェイトル Rémi Dufaitre -no1

ブルイィの蔵元、天才的なヒラメキの持ち主   この収穫の時期、最も連絡とれない醸造家の一人。抜き打ち来ても殆どいない。 情報集めるのが最も難しい醸造家である。 ボジョレ滞在最終日に何とか連絡がついた。 収穫は、20名程で9月3日から13日に行われた。 収穫期は若い収穫人を醸造所内の施設で寝泊まり、食事もだしている。 料理人も雇っている。超忙しく収穫を管理している。 収穫現場はフローランスが担当。醸造所現場は幼い頃からの親友が担当。 レミーは全体を皆ながら指示をだしている。すぐどこかに消えてしまう。捕まらない。 強面の風貌とは別に、内面はナイ―ヴな繊細な精神の待ち主。 だからこそ、逆の強面の姿勢を崩さない。 レミーの心の支えになっている人がいる。毎日,逢っている。どうしても逢えない日は 電話ではなしている。 モルゴン村のジャン・フォワラールである。 小さい頃、両親を亡くしたレミーにとって心のお父さんである。 そして、心のお兄さんのような存在は、近所に住むジャンクロード・ラパリュである。 頻繁に行き来している仲である。 この二人はワイン造りに関しても、人生上の問題にしても大きな影響をレミーに残している。 彼らといる時のレミーの顔つきが全く違う。 どんな年でもこの顔のようなやさしいワインに仕上げてしまうヒラメキを持っている。   

8
Oct

自然な造りに賭けて7年目に突入、さらに改良・工夫が続く

Remi Dufaitreレミー・デュフェートル レミーの絶妙なリーダーシップ。 レミーの収穫人の年齢層は若い人が多い。 チョット、強面の顔のレミーは若い人達の統制が上手だ。 蔵の中庭には、大きなテーブルを設置し、仕事が終わると皆で生ビールを飲めるようにしてある。 厳しい指示と、柔らかな交流を合わせながら、収穫をすすめている。 若い人達の動きも機敏で、適度の緊張感をもって仕事をしているという感じ。 今年の最も素晴らしいことの一つは、収穫後,直ちに発酵槽に入れられることだろう。 気温が低いので雑菌が繁殖の危険性がすくない。酸化防止剤(SO2)を醸造中に混入しない自然な造りには大切な事である。 何故いれない?勿論、畑で育った自生酵母のみで発酵させるから。いれると自生酵母の一部が死んでしまうから。 レミーの発酵槽はコンクリート槽が多い。2つのトロンコニック型の木樽槽が設置されている。 コンクリート槽は外気の影響を最小に抑えることができる。 木樽は醸造中から木目をとうして酸素に慣らすことができる。つまり還元を抑えることができる。 ホワッとした柔らかなタッチに仕上がりやすい。 今、このレミーの醸造所には何億という自然酵母が働いている。目には見えないけど、途轍もないエネルギーが発生しているのである。発酵は色んな微生物との接触のなかで、微生物学+物理学的世界の中で進んでいる。 すべてを人間が管理しようという発想から酸化防止剤(SO2)を混入して、直接必要のない微生物を殺して危険性を避けているのが、現代の一般的ワイン醸造界だ。 企業化して絶対に失敗を許されない状況下では、経営面からみれば決して悪いことではない。 でも、楽な方法では必ず失うものがある。美味しいワインはできても。感情まで使わってくるようなワインはできない。 リスクを負いながら色んなやさしい風味を備えたトビッキリ美味しいワインを造ろうとしている人達が私は好きだ。 ホントウの美味しさの中には諸々の微生物の力も関係しているのは当然のこと。 微生物とも共存しながら、改良と工夫を重ねている2017年のレミーのワインが楽しみだ。

8
Oct

ボジョレの若き存在感のある、Remy Dufaitreレミ・デュフェイトル

レミー・デュフェートルは自然派のワインを造り初めて7年、まだそんなに時間が経っていないにも関わらず、驚く程ハイ・レベルな品質のワインを造りだしている。 どことなく、ジャン・フォワラールのそれに似てきた。 それもその筈、14歳で父を亡くしたレミーにとって、ジャンは尊敬すべきお父さんのような存在であり、ワイン造りの師匠でもある。 ここ7年ほど、毎日の如くに会っている。公私ともにファミリーのような存在となっている。 2000年に巡り逢って、ジャンを目標に工夫に工夫を重ね2016年産は誰もが驚くハイレベルな境地にたどり着いた。 Les Prémicesプレミス16年は、新たな境地、つまりジャンから離れて自分独自のスタイルを造りあげたワインだ。 今年の4月、ボージョロワーズ試飲会では、多くのプロフェッショナルが、プレミスのスタイルと品質に感嘆した。 軽快なスタイルの中に、細いミネラル感がスーッと伸びていく心地よさに皆酔いしれた。 レミーは、ジャン・フォワラールの他に二人、影響を享けた醸造家がいる。 一人はロワールのティエリー・プゼラ、そして近所のジャン・クロード・ラパリュである。 この軽快さ、酸、ミネラル感は、明らかにこの二人のワインのイメージに一致するものがある。 特にジャンクロード・ラパュのオー・フォルトには通じるものがある。 造り手が、造りたいワインのイメージを描きながら意志をもって栽培の段階から醸造まで目指すことはよくあること。