19
Fév

年初め恒例のアンジェ・ソミュールの大試飲会も終了

南仏から始まった2週間に及ぶ自然ワイン耐久テースティング大会もディーヴ・ブテーイユを最後にすべて終了した。 休みなしでどれだけのワインを試飲したんだろうか。口中が荒れてきている。 日本出張から帰った翌日に南フランスのモンペリエに移動して、即アンジェに移動しての テースティング。 一年に一回とはいえ、ますます試飲する量が増えていて、訪問者も増えていて、我慢大会のようなテースティングレースになってきた。 特に、2周目のAngersのエキサイティングな試飲は、体力と精神力の集中が必要だった。でも大変興味深いものだった。 それぞれの試飲会に特徴あり。 1) Les Pénitentes レ・ペニタント試飲会 参加蔵の規模は最も少ないけどペニタントは自然派の各地のトップクラス、大御所が揃っている。 レベル的には最もレベルが高い会場であるい。 会場のやや小さめなので人で溢れる会場である。朝一番に会場入りして混む前に大切なところを試飲する必要がある。 2) Saint Jean サンジャン試飲会 当初はニコラ・ジョリーがやっていたルネッサンス・デ・アペラッション試飲会だった。 つまりビオ・ディナミ農法のメンバーが主体の試飲会。 ビオ栽培が主体であり、醸造に関しては、あまり自然にこだわっていない蔵も多い。 最近では、このメンバーの中にも、自然な造りをする蔵も増えてきた。特に若手は自然な造りが多い。 3) Les Anonymes レ・ザノニーム 最も新進気鋭の若手が最も多い試飲会。ディーヴ・ブテイユやペニタントにも入れなかったり、自分から敢えて入らない若手がいる。自分達はもっと自由な発想でワイン造りをやっていきたいと考えている若手が多い。 毎年、初リリ-スの新人も何人かいる。 4) S.A.I.N サン 自然派グループで最も厳しい条件のもとで栽培、醸造ををやっているグループ。 今回はJerome SAURINYジェローム・ソリーニの蔵で極小規模の試飲会を開催。 ジル・カトリーヌ・ヴェルジェ、オリヴィエ・クザンなど自然派のレジェンドな蔵が集まっている。 5) La Dive Bouteille ラ・ディーヴ・ブテイユ 自然派の組織では最古参のグループ。ワインライターのシルヴィー・オジュローが主催する組織。 ラピエール醸造など自然派の初期よりやっている蔵が多く、上記の他の組織に入ってる蔵も重複してこのディーヴ・ブテイユに参加している蔵もいる。最も大規模な試飲会である。とても一日では周りきれない数の蔵が参加している。 ――――――――――  ―――――――――――― どの試飲会も訪問客が多すぎて、試飲したい蔵のブースに近づくだけでも、かなりの時間がかかるほど混みようだった。 自然派が世界中に物凄いスピードで広がっているのが実感できる。 この急激な発展が、今まで和気あいあいでやっていた自然派グループの雰囲気が、ビジネス、ビジネスの利己的な世界のバイヤーが増えたことで妙な方向へ流されてしまう蔵元も出てくるのではないだろうか。 大金をもってビジネス、ビジネスで横取りしていく、あるいわ口八丁手八丁で純な蔵元を口説いて横取りしていく、バイヤーが増えてくるだろう。わが社の利益至上主義のビジネスマン的なバイヤーが増えてきている。 価格競争で他を蹴落としていくビジネスがこの世界にも出てくるだろう。 人間関係を大切にしながら本然的な関係で成り立っていた自然派の中に、いわゆる普通のビジネスの分野の人達が参入してきたと云える。 造り手も、販売する人も、飲む人も、人間的であること、人間としての生き方の哲学が大切な時代がやって来たと云える。 利益至上主義のビジネスの仕組みに流れていくと、この自然派の流れの“純”な大切な部分が無くなっていくだろう。 どのワインを、誰から買って、誰に売って、どんな風に提供していくか、どんな風に飲まれていくか、大切な時代が到来している。 自分のところに手に入りさえすればOKという考え方では、自然派の大切な部分が失われていくだろう。 これからが面白いし、遠くを観ながら醸造家、販売者、飲む人達がハッピーになるメカニズムを築きたい。

10
Mar

La Dive Bouteille 2009 ~ラ・ディヴ・ブテイユ2009

*** 2月23日~24日 *** ノルマンディー地方、ドーヴィルの町。ここは夏、最もパリジャンが多く、高級地区で有名な港町。海が見わたせる会場で今年もLa Dive Bouteille*ラ・ディブ・ブテイユが行われました!今年でちょうど10周年記念を祝うこの試飲会は、『ヴァン・ナテュール』を愛する人には欠かせない大イベントです。伝説とも言われているマルセル・ラピエールやマルセル・リショーをはじめ、新世代の若手醸造家まで120人もの自然派醸造家が集まるとても素晴らしい試飲会です。 この会の開催者、シルヴィー・オジュローさん曰く: 『自然派ワインを知って貰い、自然派ワインとは何かと皆様に伝えたい気持ちで開催しました。セミナーや討論会などを通して皆さんに分かって貰いたいです。テロワールは研究室で生み出されるものではない!悲しくも一様化しようとしているワイン業界では、とても重要な事なのです。』 自然派ワイン以外にも、偉大なシェフ達のクッキング披露や様々な講演、またラジオの収録などが、この2日間の間、広く綺麗な会場で行われています。 そのため、世界中から人が集まり、バイヤーやカヴィスト、レストラン業界の人たちやジャーナリストで大盛り上がりです! *** 初日・オープニング開始! *** オープニング時間の少し前に到着した私達。しかし会場内にはまだ誰もいない寂しい空気が・・・しかしここから徐々に生産者達が集まって用意をし始め、1時間後にはもうすでに人で埋まっている状態に・・・! *** ここで試飲会スタート! *** 各地方に分かれているので、テンポ良く試飲出来るというのが印象的。 しかし私達が知っている醸造家は半分以上! 気合を入れてまず最初に向かったのは、ボジョレーのテ-ブル! Christophe Pacalet*クリストッフ・パカレ ラベルも新しく変わり、よりポップスになりました! 『ボジョレー地区ではガメイしかないので、テロワールの違いがとても重要です。しかもガメイとはとても辛辣な品種なので、やせた土地でないと栽培しにくいのです。』 Nicolas Testard*ニコラ・テスタール 新しいキュベが2本も!! とてもフルーティーで酸味が綺麗なやさしいロゼ、ピンク・ラビットと6ヶ月間熟されたガメイで造ったガメイ・プリュス・ガメイです! 可愛らしいラベル対セクシーな感じでおしゃれです! Geoges Descombes + Damien Cloquelet* ジョルジュ・デコンブ + ダミアン・クロクレ ジョルジュさんの息子、ダミアンの初キュベ! シルーブルで栽培されたブドウを、一つはセメントタンクで、もう一つは樽で熟成した2本を紹介!ジョルジュさんのワインのようにとてもフレッシュでフルーツ感が溢れる一品です。 フランスで、鶏はコックといいます。 彼の名前が「コック」に似ていた為、ラベルに鶏の絵を取り付けたそうです! Jean-Claude Lapalu*ジャン・クロード・ラパリュ 彼こそボジョレーの神です!繊細で真直ぐなワインを生み出すジャン・クロード氏のオーラーは自信と誇りで輝いています。 彼のブドウは100年以上のヴィエイユ・ヴィーニュが多いのです。ヴィエイユ・ヴィーニュには枝が多く、そして小さなブドウが実るので、2/3はエグラパージュ(除梗)しないと青っぽい味が強調されてしまうのです。 しかしやはり複雑で果実身が強く、長く後味が残る彼のワインは最高です! Marcel, Matthieu, Marie Lapierre*マルセル、マチウ、マリ・ラピエール とてもフルーツ感が強く、繊細でありながらもリッチ感で溢れているマルセルのワインは、別世界に跳んでいってしまいそうな美味しさです! モルゴンには綺麗な酸味が、ヴァン・ド・ペイ・デ・グイユにはイギリスアメのような甘くて居心地良い香りが、ボジョレーに関してはとても真直ぐな味わいがと、全て違う味わいですのでとても楽しめます! しかし皆さんに試して貰いたいのはAOCボジョレーのカンボン07です!とても綺麗なバランスのこのキュベで、マルセルはシンプルなボジョレーでもここまで美味しいワインが出来る事を証明しています! Arnaud Combier*アルノー・コビエ 柑橘類と樽の木のアロマのコンビネーションが何とも言えないリッチ感と爽やかさを与えています。特にGoutte du […]

21
Fév

LA DIVE BOUTEILLE (ディブ・ブテイユ)‐ ドービル 2008年2月11日、12日

Pendant 2 jours les planches de Deauville étaient remplies de producteurs… mais cette fois ci ce n’étaient pas des producteurs de cinéma mais de bons vrais paysans producteurs de vin nature !! 111 vignerons sont venus défendre leur travail à l’appel de la 9ème édition de la Dive Bouteille. Comme l’année dernière la Dive s’est […]

19
Fév

自然ワインフェステバル LA DIVE BOUTEILLE

2月11,12日の二日間、自然派ワイン見本市のラ・ディ−ヴ・ブテイユが今年で9回目を迎えた。ロワ−ルで始まったこの見本市はワインライタ−のフランソワ−ズとシノンの造り手カトリ−ヌ・ブルトンが自然派仲間を集めてロワ−ルワイン見本市の時期にアンジュの近所で7回目までは開催していた。 昨年の8回目からは、ロワ−ルワイン見本市とは離れて、別の時期に料理新聞のOMNIVOREとドッキングして昨年はルア−ブルで開催、9回目の今年は北のニ−スと言われるヴァカンス地のド−ヴィルで開催された。約120社の醸造元の参加があった。 自然派古参のマルセル・リッショ、ラピエ−ル、グラムノン、セロスらを中心にブルトン、シュラ−、デコンブ、オリヴィエ・クザン、メソン・ブリュレ−、ロビノ、カデットのモンタネ、など中堅有名どころも参加していた。 若手もドンドン増えているのには驚いた。 若手の常連となったマキシム・マニョン、フィリップ・ヴァレットアントワンヌ・ジョリ、ル・タン・ド・スリ−ズのアクセルなどは益々元気一杯の感じだった。 新鮮な出来立てホヤホヤの新自然派の若手の中には驚きの品質を最初から造り上げてきている人達がいる。 自然派のエボリュ−ションを感じた年だった。 残念な問題点も現れた年でもあった。年々大きくなてコマ−シャル的になってきた部分を嫌って、参加を辞退する醸造元もあったのは残念な出来事だった。 フランス各地にはこのDIVEのような自然派グル−プがいくつか存在している。 一昨年は、これらの自然派グル−プが一挙に“ラ・セ−ヴ”という組織の名の元に集結される動きがあった。 しかし、残念ながら個性的な彼らは纏まることなく、また分散してしまった。 大きな哲学の元に、いつかまとまる動きを創っていきたいと願っている。 我々のような外人が、動いた方がまとまるのではないかと模索している。 そんな動きの一つがパッション・ド・ヴァンが主催するレクレアッション見本市なのだ。 レクレアッションの自然派メンバ−の中にはフランスの地では決して一緒に集まることがない醸造元同士がいる。 この一点を取っただけでも、少しづつでもすすんできているのではと思う。 今回の様子の写真を添付しておく。 日本からの自然派レストランのグル−プや酒販店の方々が試飲に参加は、新風を起こしました。 東京のメリメロの宗像さん、ル・ギャルソン・ド・ラ・ヴィ−ニュの飯野さんカップル、 ル・キャバレ−の坪田さん、細越さん、大阪のDAIGAKUさんは何とスタッフ全員の参加という気合の入れようです。そして長崎のアンペキャ−ブルのパッション男、大坪さん、そして料理人として演習参加のリヨンの熱血日本人フランス・レストラン経営の石田さん、この機会でなければニアミスが絶対に起こらないというメンバ−が揃いました。 酒販店では東京の世田谷のESPOAナカモトの中本さん夫妻(新婚旅行)、そして名古屋の与語さんでした。 お疲れさまでした。 伊藤 PARIS