9
Mai

150歳を超えるフィロキセラを乗り越えた葡萄の木がオ-・メドックMARGAUXの隣村に存在

1855年にボルドー・グラン・クリュ・クラッセが制定されました。 この写真に写っている葡萄の木たちは、それと同時期に植えられたものばかりです。 すごいことだと思いませんか? . 私はこの葡萄園に立った時、体が震えるほど感動しました。 . ワインを勉強した方は、皆記憶に残っていると思いますが、1800年代中盤から後半にかけて、ヨーロッパにある葡萄の木がほぼ全滅した時期があります。 それは、あの根っこをダメにしてしまうフィロキセラという害虫が原因だったのです。 . それ以降アメリカの葡萄の木を台木にして、フランスの葡萄の木を接木し現在に至っているのです。 . これだけまとまった面積の純フランス産の葡萄の木が生き残っている葡萄園は他には存在しません。 奇跡的にフィロキセラが活動できない何かが、このテロワールにはあるのでしょう。 . もう感動、感動です。 思わず葡萄の木たちに触りながら話かけてしまいました。 「やあ、本当によく頑張っていますね! ありがとう!」 . しかもここは金融資本的ワイン・ビジネスの世界のオー・メドック。そのど真ん中で生き残っているとはすごいことです。 この畑の周りには、シャトー・マルゴーをはじめ、ボルドー・グランクリュ・クラッセの畑がずらりと並んでいます。 . 2009年にこの畑を初めて見た瞬間、ワインの醸造元を設立することを決意した二人の女性がいます。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造のLaurence et Pascale ローランスとパスカルさんです。 尊敬すべき素晴らしい二人です。 14年間この奇跡的な葡萄園をビオ栽培で育て、馬を使い丹念に丹念に畑の世話をしています。 1ha当たり、たったの10hlしか収穫できません(ボルドー・グラン・クリュの30%以下)。 品種構成については、150年前のフランスでは混植だらけだったのです。 そのためこの葡萄園には11種類の葡萄品種が植えられています(専門家が調査をし、各品種を調べたそうです)。 とても採算の合うような仕事ではありませんが、凄まじいPASSIONと使命感をもってワイン造りをしています。 もちろん、自然な造り方です。 手で収穫して、除梗して、破砕はしません。健全な葡萄粒だけを発酵槽へ入れて、この葡萄園で育った自生酵母のみで発酵しています。醸し期間は3週間ほどですが、アンフージョンのようなやさしい抽出のやり方で醸造しています。 瓶詰めまでSO2は添加しません。 必要があればごく少量だけ、瓶詰め時に使用します。 . ☆BARAGANE バラガンヌ 奇跡のテロワールのワイン! グラン・クリュ・クラッセ制定とほぼ同時期に植えられたフランス産原木の葡萄の木。しかも当時はまだ現在のような醸造テクニックが存在していなかった時代、すべて自然派ワインだった時代。 だから本当のメドックの原点ワインとは、こんな感じではなかっただろうか!? この二人にこれからも頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいです。 最近になって、フィロキセラがこの畑でも見られるようになってきたようです。 ちょっと危険な状況になってきました。 メドックの原点であり、フランスの原点。なんとか頑張ってほしいものです。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造! Laurence et Pascale […]

29
Juil

進化を続けるラングロールの新たな挑戦

7月のある午後、とても穏やかな様子のエリックは微笑みながら畑を案内してくれた。 タヴェルに位置するこの伝説的なドメーヌの先は明るい。 先頭に立ってドメーヌを経営するティボーは大きなプロジェクトを進めている。 『この地域には木が足りない。ワイン畑ばかりになってしまい、風景が同じでバラエティーに欠ける。』とふと悲しそうに言った。 しかし、彼らは多様な生物が共存できる環境に戻していくため、ワイン生産者としてできることを実践していくことを決意した。 それは生態の多様性を活性化し、畑から離れてしまっていた鳥や虫が戻ってくるように畑には果物の木を植える。 また、二酸化炭素の排出を削減するため、トラクターの使用をやめ、車の行き来を要する離れた区画は手放す予定である。 環境保全のために何かを犠牲にしなければならないこともあるが、全ての人が環境保全に取り組まなければならない、とピフェリン家は考えている。 もちろん生産者として美味しいワインを造ることが職であるが、彼らの目標はそれをはるかに超える偉大なものである。 自然を尊重し、生態の多様性を復活させることを決意して、新たな進化への挑戦が始まっていた。 三代目の誕生もあり、ラングロール醸造は明るいニュースで溢れていた。 Par Enzo

23
Mai

Dard et Riboのルネ・ジャンとユイさんがPARISにやって来た!

ユイさん、ルネ・ジャンと同時に会うのは十数年ぶり 京都の名レストラン・エヴァンタイユでDard et Riboディナーをやった時以来だ。 ユイさんは、エヴァンタイユの森谷シェフの娘さん。(写真、左、右はユイさんの友人) 今はプブリシテーの会社を経営しているとのこと。 まだ、コロナの影響で日本から来仏する人が少ない中、久々の日本人。 ルネ・ジャンも、エルミタージより久々にParisに出てきた。 あまり会っていなかった友に会うのもいいものだ。 当たり前だけど、皆、前回会った時より進化・熟成しているのを感じ取れる。 お互いに,『あ~、こんな風になったか!』と思っている、のがわかる。 ルネ・ジャンはここ数カ月ぶりだけど佳く熟成しているし、ユイさんはもう別人のように佳く進化していた。 この年頃の人の進化度は凄い。前回あった時は20歳前後だったから当たり前だ。 仕事をバリバリやっているビジネスウーマンになっていた。 ユイさんのお父さんもお母さんも、京都のその道では凄い人なので、確りDNAを受け継いでいるな、という感じ。 今夜は今、パリ話題で予約が取れにくいワインビストロ“CUISINE”にやって来た。 このビストロは、ルネ・ジャンからのリクエストだった。 ここのシェフは日本人で、Takao Inazawaさん。 東京・目黒のワイン・ビストロ、元ヴェール・ヴォーレで働いていた人。 料理もどことなく和風が導入されていて、今、パリジャンにもっとも受けやすい料理風で大人気。 鮟肝、タコなどまるで和食風。 その上、ワインのセレクションが素晴らしい。勿論、本物ワインの自然な造りのものばかり! 造った本人ルネ・ジャンと飲むプランタンは格別だった。 今、超人気のマキシム・マニョンのメティス。南仏コルビエールのトビッキリのヤツ! もう一つ、今、超人気のニコラ・ルノーのプリモ・センソを開けた。ラングロールのタヴェルを思わせるヤツ! ルネ・ジャンのワインのスタイルとは全く違うけど、来仏の二人には是非飲んで欲しかった。 セミ・カルボ醸造の“魅力”をタップリ備えていて、時代の潮流“プレシジョン(精度)”もって造られた二つのワインだ。 今、南仏で最も注目されている葡萄品種、サンソーが使われている。 南フランスとは思えない繊細さを備えていて、ピノッテしていてピノ・ノワールを思い起こさせてくれるスタイル。 最後はやっぱり、本物中の本物! ルネ・ジャンのサン・ジョゼフで〆た。 やっぱりワインは、こうでなくては! と思ってしまうワイン。小手先の技など使わない、王道のスタイル。 やあ~、いい夜だった。 ユイさん、また次回。森谷シェフによろしく! ルネ・ジャンとは2次会でジャパニーズ・ウイスキーを飲ませてくれるバー・Minatoでディジェスティフを一杯やった。

7
Fév

荒れ狂う弱体化したコロナでは、自然派のPASSIONエネルギーは止められない!

一日の感染者数が毎日、30万人というコロナ禍のフランス。 一時は50万人/日を記録したこともある。 でも、重症化するケースが極端に減ってきている。 30万人/日の新規感染者がいるのに、フランス政府は外でのマスクはしなくていいことを発表した。 レストランは普通に営業すること許可している。 必要以上に恐怖をあおることはせずに、問題点の核心をとらえて、社会を動かしている。 流石にデカルト、パスカルを生み出した国、冷静なロジカルな判断をくだしている。 そんな中、毎年2月にある恒例の大試飲会は延期になったけど、黙って見てられない自然派醸造家が自分達の蔵をオープンにして、小粒の試飲会をロワール地方の醸造家達が開催している。 これは小粒といえるのか。 自然に集まってしまった、という方が正しいかも。 自然派のど真ん中に生まれて育ったバティスト・クザンの蔵である。 2021年ミレジムはここロワールにとって春終盤の大寒波に襲われて大変難しい年だった。 そんな天からのムチをすべて受け容れながらも苦労して造ったワイン達を披露した。 流石にバティスト・クザン!キレイにまとめて爽やかな美味しいワインが造られていた。 勿論、バティストのお父さんであり、ロワール地方自然派のレジェンド、オリビエ・クザンも参加。 底抜けに明るい奥さんのクレールも相変わらずの元気100倍の笑顔でした。 オリビエのブースは人だかりで大変な人気でなかなか近づけない。 そして、アンジェの誇るもう一人のレジェンド、まるで4次元の世界に生きているような醸造家、あのパトリック・デプラも参加。 すでに未来を観てきたような栽培・醸造をしているパトリック。 パトリックの蔵では昨夜から人が集まってきて、前夜祭をやったようで、何人かは一睡もせずにここに参加とのこと。 この体力、エネルギーには驚かされる。 通称パットと呼ばれて皆に愛されているパトリック。 この寒い冬でもキャンピングカーを改良した住処に住んでいる。 畑の中に木、草花を植えて、葡萄木と融合させながらテロワールをイキイキとさせて調和を保っている。 醸造は庭の土中にアンフォラを埋めて、風雨をうけながら、自然な音、鳥の声を聴きながらの環境の中で醸造している。 そんな中に混じって、ムスカデに近いAncenisアンスニ地区からは、近年メキメキ腕を磨いているレミー・セデスが参加! 造りが益々進化している。 北の産地でも単にスイスイ入るワインのスタイルから深味、奥行きを感じさせる造りに進化中。 その他にも、これから楽しみな造り手達が参加していた。 南仏からはABSURDE GENIE DES FLEURS-アプシュルド・ジェニ醸造のTOM トムに逢えたのは嬉しかった。 ジュラからもロワールからも新たに生まれている。 イヤー、凄いエネルギーだった。 この世界だけは、動きが止まらない! ますます、自然な造り手が増えているし、勢いが止まらない。 地球的に考えても、自らも持続可能な生き方を実践しながら、草花木や昆虫、地中の微生物たちと融合しながら葡萄園をイキイキさせて健全な葡萄を栽培している。 ワイン造りもドーピングのような薬物を使用せず、真っ当で美味しいワインを造っている。 こんな貴重で最高に贅沢なワインのファンが、このコロナ禍の時期にも急増しているのは当然のことだと思う。 パリから参加して良かった。 この世界に働く多くのワイン関係者達とも久々に逢えて、色んな話しができた。 やっぱり動くことは大切! 行動範囲や思考範囲を狭めることは、未来への対応力を減少させることに通じる。 何事も大切なことは“現場”にあり。 来たくても来れない皆さんに、この現場の空気を少しでも皆さんにも伝えたい。

2
Fév

どこまでもやさしいMiss Terre 2020、さらにミネラルに!

セネシャリエール醸造の畑区画には、ミカシスト、グネスなど色々なミネラルが存在している。 同じそれぞれのの区画の葡萄を仕込んで、同じように醸造しても、明らかに違うミネラル感のワインが出来上がっていた。 テロワールを追求してきたペノさん、このテロワールをより精確にそれぞれの“魅力”を表現したかった。 2020年のビンテージは、テロワールごとに瓶詰することを決意した。 まず、“ミカ・シストMicaschiste”から。 ウーン、何という繊細で確りとしたミネラル感! それをマルク独特のやさしい果実味が包み込んでいる。 飲み込んだ後も、一本筋の通ったミネラル感がどこまでも息長く続いてくる。 もう誰も、ムスカデとは云わないだろう。 いわゆる、ワイン教科書に書いてある典型的なムスカデのスタイルの範疇を飛び越えてしまっている。 皆、ムスカデと聞いただけで、軽快でフレッシュな単純なワイン、としか想像しない産地のイメージ。 そんな産地でも、しっかり探究すればこんなレベルのワインができる。 感.動の一本!! 生ホタテとバッチリでした。 (日本での問い合わせはESPOAです。)

2
Fév

生牡蠣に合うマルク・ペノのFOLLE BRANCHEフォールブランシュ

大西洋に近いNANTESナントの街。 大西洋の波のもまれた絶品の牡蠣がとれる。 この季節は絶好の生カキシーズン! マルク・ペノさんのところを訪問するという事は、生カキを食べることは当たり前。 ナントにはマルクさんの知り合いのカキ屋専門店が市場にある。 マルクの醸すフォールブランシュはミカ・シスト土壌、ワイン自体にヨード風味がタップリで潮っぽい。 ウーン、もう言葉がでない! 感動! 口中でカキとフォールブランシュが融合してくる。 これは、もう、たまりませんね! (日本での問合せは、ESPOAです。)

2
Fév

ムスカデ・テロワール探究者ペノさんを支えるメンバー

ピュアーな探究者は、ワインのこと以外はあまり目には入ってこない。 探究しやすい状況を整えるメンバーが必要になる。 残念ながらすべてに万能な人は、この世には存在しない。 ペノさんがいて、このメンバーがいて初めて可能になる。 こんな驚きのワインが飲めるのは、このメンバーのお蔭でもある。 野村ユニソン社より一昨年に転勤になってきた古谷さんの存在が少しづつ大きくなってきた。 さらに今年から、大きな役割を演じることになるだろう。 コロナ禍の全盛の頃に生まれたばかりの赤ちゃんも一緒に家族揃ってナントにやってきた。 フランス人メンバーの入れ替えが頻繁に変わる中、じっと状況を見詰めてきた古谷さん。 今年からは、部分的にチョットしたリーダー格になってもらうことになった。 大阪出身の料理上手な古谷さん、ここに来る度に和食らしい料理を造ってくれる。 前回は、大阪名物のタコ焼きをメンバーに披露してくれて、皆に大絶賛だった。 最近は、“セネシャリエール醸造で、日本人が美味しい料理を造ってくれる” とナントで話題しなっているとのこと。 先日はナントの星付きレストランのシェフまでここに食べにきて、感動していたとのこと。 確かに、チョットした料理センスをもっている。 今日は、寒いこともあり、アントレを終えたあと最後は温かいカモ蕎麦をご馳走になった。 手にとって気軽に食べられる極小おにぎりのアイデアも凄いし、ツマミ風に手にとって食べられてトビッキリ美味しかった。 料理している時の古谷さんの“しぐさ”が型になっていた。 ありがとう。美味しかったです。 トビッキリ美味しいワインは、いろんなコト、いろんな“時”、いろんな人が関わり合って初めて造ることが可能になる。 本当に多様なものが融合した結晶のような存在。 こんなメンバーがいながら、ムスカデ・テロワールの探究に集中できるペノさんは幸せ者でもある。 また、何物にも代えがたい価値がここには存在する。 つまり、お金をどんなに積んでもできないものがここにはある。 偶然のような出逢いが、幾度にも積み重なってできた“今”がここにはある。 そんなことを考えながら過ごしたテーブルでした。 貴重なワイン達です。

2
Fév

ワインを造るために生まれてきた人

ロワール地方ムスカデ地区。この地でワインを造る為に生まれてきた人、そうとしか思えない程に、ムスカデのテロワールを探究しているマルク・ペノさん。 この地で、世界最高の白を造れる、と確信している。 このテロワールと自然環境でしか表現できない“バランス”がある。 限られた“幅”の中での絶妙な調和を狙っている。 これはペノさんでしかできない!

11
Jan

FETE DE NOUVEL AN DE OENO CONNEXION CHEZ PARCELLES

Bistrot Parcelles  13 Rue Chapon Paris 3ème Arrondissement Pour célébrer le début d’année 2022, l’équipe d’Oeno Connexion s’est rendue au bistrot Parcelles dans le Marais. C’est la tradition chez nous : commencer l’année pleine de bonnes résolutions au restaurant avec toute l’équipe ! Le bistrot a un style traditionnel avec une grande salle en pierre […]

10
Jan

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 いよいよ2022年がはじまりました。 皆様にとって素晴らしい年になることをお祈り致します。 Je vous souhaite une excellente année et toutes sortes de joies dans tous les domaines. 元旦、今年一年の最初の日です。 また、新たな気持ちで、新たな人生をはじめられる絶好の機会でもあります。 ここ2年間、コロナのお蔭で私達の生活が大きく変化しています。 ホントにコロナのお蔭で、世界の物事の流れの源流が観えてきました。 コロナも含めて、中東問題、中国、ロシアの近隣国への攻勢など、世界中に混乱、対立、抗争が、まるで用意されていた如くに、一つが落ち着くと必ず他で勃発してきます。 混乱、対立、抗争の繰り返しの中で一定の方向に世を流そうとする存在がありそうなことも多くの人が気付き始めています。 しかし、この流れでは、決して秩序は保てないし、地球自体が長くは続かないことも多くの人達が気付いています。 混乱、対立するものを“融合”して、新たなものを創造していく流れが必要なことも多くの心ある人達が気付いています。 そうです、対立から“抗争”ではなく“融合”して秩序を造りだす道です。 まさに、ワイン造り手達が、自然からの“恵み”も“過酷な仕打ち”もすべて受け容れながらも新たな秩序を造りだして、見事な葡萄を育てて、トビッキリ美味しいワインを造っている生活様式そのものです。 葡萄木に邪魔になる“草”“昆虫・微生物”などを除草剤や殺虫剤で殺して秩序を保とうとするのでなく、“草”や“昆虫・微生物”と融合して共に生きて葡萄園、土壌をイキイキさせて、素晴らしい葡萄を育てている姿、生き方そのものです。 一方、我々を一定の方向に流そうとしている存在に、真っ向から対立“抗争”していく生き方にも、無理・疑問を感じています。 私は武道をやっています。 武の世界にこんな言葉があります。 “肉を切らせて骨を切る” “戦わずして勝つ” すべてを拒否して、自分の生活を狭めて、窮屈にしていく必要はありません。 流れの中に身を置きながらも、多少の傷を負いながらも、人生を謳歌しながら、相手が何も出来なくなってしまう状況を造ることが可能です。 “超エゴ”と“マネー”第一主義の世界観・生き方の“理”だけでは、動かない人達が沢山います。 そんな人達が多くなれば、葡萄園がイキイキしてくるのと同じように、世がよりイキイキしてきます。 流れが変化してきます。 我々を一定の方向に流そうとしている存在の“理”が作動しなくなってくる状態を造ることです。 これも“融合”の一つです。 これは、まさに私達日本人が昔から生活している基本哲学“和”の世界のことです。 これからの世界に必要な流れは、悪も善もすべてを融合していく“和”の生き方そのものです。 人生では“超エゴ”と“マネー”第一主義の世界観・生き方より、重要で大切なことが沢山あります。 そんなヒントをコロナ君が教えてくれました。 世の流れを変えましょう! “対立”ではなく、融合です。 今年も皆さんと共に歩んでいきたいと思います。 自然と融合しながら、継続可能な実生活をして、我々に飛っきり美味しいワインを造り続けてくれる醸造家達の、融合エネルギー満載のワインを皆さんに送り続けます。 … また、こんな活動に賛同して、私達のワインを広めてくれる同志の皆さんに深く感謝すると同時に、今年もより深くお付き合いをしていただければ幸いです。 また、“和”の象徴的な存在であるワインを飲んでいただいている皆さん、今年もよろしくお願いします。 伊藤 Ps:元日、霧の湖を走って幻想的な初日の出に出会いしました。 […]

27
Sep

厳しいミレジム21年を楽しむクリストフ・パカレChristophe PACALET

22回目の収穫のクリストフ・パカレにとって、今までに経験したことがない厳しい自然環境での葡萄栽培だった。 4月の寒波はマイナス6度という異例な気温だった。温かかった暖冬で芽がいつもより早く出ていた。 それが3日間も続いた。 多くの芽が凍ってしまった。 その後、5,6月と曇り空が続き、さらに7,8月と気温が上がる中、雨が降り、さらに曇り天候で湿気が多かった。 ウドンコ病を筆頭に、色々な病気が発生した。 まるで、葡萄栽培上の“トラブル”のオンパレードと云ってもいいほどだった。 . 天が与えてくれた試練をすべて受け容れて、できうるすべてを尽くして対応したクリストフ。 その仕事の総決算が、今日の収穫となった。 . 傷んだ葡萄も存在するけど、自分がすべてを尽くした結果の葡萄を手に、笑顔のクリストフがそこに居た。 . 厳しい葡萄栽培で、無理をしたクリストフ、膝を痛めてビッコをひいていた。 (医者からは安静にしているように、との指示も出ているけどそれもならず) この忙しい時期に、思うように動けないジレンマも受け容れているクリストフだった。 . 自分で動きたい動作も人に頼まないとできない状況の中、モクモクと仕事をこなしていた。 . クリストフ 『今年もこの天が与えてくれたこの葡萄で、日本の皆さんに喜んでもらえるワインを造ってみせるよ!  今年こそ、ガメーのヌーヴォーらしい、軽快でスイスイ体に入っていく典型的なスタイルになりそうだよ!』 . 一段と“人間”が大きくなったクリストフがそこにいた。 . そんなクリストフが造る2021年のワイン、エモーショナルな美味しいワインになりそうだ! 朝日を体全体に享けてエネルギーを吸収しているクリストフ・パカレ マジックな今年の収穫、この太陽の真正面にお月さんが、この収穫を見守っている。 収穫チームは、まだ暗い太陽が上がる前に葡萄園に到着。 太陽が昇ると同時に明るくなって収穫を開始する。 私も朝起きて、ホテルを出る時は真っ暗。葡萄園に着く頃に薄明るくなる。 太陽とお月さんがにらめっこするように大局に出ている。 シーンと静かで薄暗い葡萄園に幻想的な世界が広がっている。 葡萄を切るハサミの音がチャキチャキと響いている。 屈強の収穫人とソフトな収穫人を集めたクリストフ・パカレ 今年は、天候不良による傷んだ葡萄が多くある。 よって、今年の収穫は“選別作業”が超重要な仕事になる。 ただ、葡萄を切り取れば良いわけではない。 葡萄房の中でも、傷んだ部分を切り落とす細かな注意を必要とする作業が大切。 マルセル・ラピエールから教わった自然ワインの造りの最も大切な事に一つは、健全な葡萄のみを発酵槽に入れること。 酸化防止剤を使用しないで、自然酵母だけで発酵する為は、雑菌が入ることを避けるのが超重要! だから、クルストフは、この作業を徹底してやるように指導している。 収穫のスピードは極端に遅くなる。 なぜなら、腰を下した状態でカットした葡萄を立って綿密に悪い部分を切り落とさなけれならない。 つまり、スクワット運動を繰り返しながらの作業になる。非常につらい仕事である。 今年の最高にいい天からの贈り物は、収穫時の温度が低いこと! 今日の朝は何と7度Cだった。雑菌が繁殖しにくい状態を確保できる。これは自然な造りには超大切なこと。 作業を始める朝は、寒いので防寒服を着ている。 そして、こんな時はムードを盛り上げてくれる元気者も大切。 いいメンバーに囲まれて、美味しいワインを造る為の収穫が着々と進んでいる。

23
Août

老舗ビストロVerre Voleヴェール・ヴォーレにやって来た

今、フランスも日本もコロナ騒動の真っ最中。一日の感染者数は約3万人。 でも、フランスではレストランは普通に開いている。 ただ、レストランに入る時、ワクチン終了証明書、もしくは、PCR検査証明が必要になる。 これさえあれば、普通にレストランで食事がとれる。 . 酒類を提供してはいけないなんて、野暮で、幼稚で、文化のない処置はフランスには存在しない。 もしフランスでそれをやったら、間違いなく暴動になるでしょう。 . お蔭で、このバカンス中のPARISでも楽しく美味し食事、ワインを楽しむことができる。 今日は、久々にAsamiとやって来た。 流石に超人気店ヴェール・ヴォーレは満員だった。 やっぱり、ヴェール・ヴォーレはいいな。オープン当時からのこのPASSIONを感じる雰囲気には熱いものを感じる。 それに、ワインのセレクションは相変わらず凄い! 新しい醸造家と、ベテラン醸造家のバランスが素晴らしい。ツボを押さえた品揃えだ。 アサミは白、シャルドネを飲みたかった。最終的に選んだのは、Julien GUILLOTジュリアン・グヨ。 このやさしくもあり、長い長い余韻のあるミネラル感は流石のジュリアン! 本当はヴァレットと比べたいな、という衝動が横切ったけど、今夜はやめておくことにした。 ヴェール・ヴォーレはこの夏休み期間でも休みなしで営業している。 シリルとトーマが交代で店にでている。 今週は残念ながらシリルはお休みだった。 . その後、私はマグロステーキ。 ワイン・リストの中に、飲みたかったMaxime Magnon マキシム・マニョンのMetisseメティスを見つけた。 ロゼといえば、ラングロールか、このメティスか、と云われるほどのフランスを代表するロゼ! ずっと飲みたかったけど、日本に送って自分の手元には一本もなかったのである。 今日ここで飲めるのが、心より嬉しい。 日本にも数カ月前にはもう到着しているはず。Metisse見たら是非試してください。 チョット、ピノッテしている果実味。スーット体に入っていく絶品です。 ラングドック地方コルビエールの名醸造家マキシム・マニョン。 ボジョレ出身でセミ・カルボ醸造でこの南仏でもフレッシュでグイグイ体に入っていくスタイルのワインを醸す名人。 あの人懐っこいマキシムの顔が浮かんできた。 (マキシム・マニョンの問合せは野村ユニソン社です。)

16
Août

オフィスでの試飲と昼食でトビッキリのワイン達

今日は、ミッシュラン三ツ星レストランで働いているソムリエールのクララさんも参加。 久々に逢った本当にワインを深く愛している人、クララさん。ここまでPassionを持っている人は少ない。 そして、もう一人のワイン好き。あの自然派ワインが充実しているClown Barクラウンバーで料理を担当している韓国人のジュノさん。今日はそのジュノさんが料理を担当してくれている。 今日のはじまりは、若き天才肌の醸造家セバスティアン・シャティオンの2020年産の試飲だった。 でもこんな熱く素敵なメンバーが集まったら飲み会になってしまうのは当たり前。 セバスチャンはParisの人気自然ワイン・ビストロ・Chateaubriandシャブリアンのシェフ・ソムリエだった。 その卓越した試飲能力で、最高に美味しい自然派ワインを選別してワイン品揃えをしていた。 セバスチャンが勧めるワインにお客さんは皆が感動していた。 だから店はいつも満員だった。 数年前に、そんなセバスチャンがワイン造りを目指した。 セバスチャンはソムリエになる前はミュージシャンだった。 特別な音楽的感性と卓越した試飲能力をもってワイン造りをしている。 彼はまるで作曲するようにワインを造っている。 つまり、その年に収穫した葡萄を観て、即座に目指すワインのスタイルを想像して、今までに存在しなかった赤葡萄と白葡萄を混醸したり、一部をプレスしてジュースのみを発酵槽に入れたり、また一部を除梗して、一部を除梗なしにしたり、通常の常識的ワイン造りとはかけ離れたアーティスティックなワイン造りをしている。 つまり毎年、一曲一曲違ように同じワインは存在しない。 まるで作曲家のようなワイン造りをしている。 2020年、一段とレベルアップしたワイン達が完成した。 ☆RIOT リオ  ゲヴェルツトラミネール品種を4日間のみのマセラッション。一部は直プレスのジュースのみ。           絶妙の心地よい上品なアメルチューム。 ☆Petit Agite プティ・アジテ  白葡萄のマルサン品種、と今、人気品種のサンソー品種を混醸して短いマセラッションで                アルコール度数 たったの11度のグイグイ体に入っていく優れもの。 ☆Les Amants Maudits レ・ザマン・モーディ  グルナッシュ・ノワール品種の除梗なし、白葡萄のユニ・ブランを直プレスして、5日間」のマセラッション(カモシ)、ゲヴェルツトラミネールのオリを入れた特別な風味。 すべてが特別な造り、こんな自由奔放な組み合わせのワイン造りをやるのはセバスチャン・シャティオンだけだ。 どれもオリジナルでバランスが良い。世界中で取り合いになるだろう!アッと云う間にストックがなくなるに違いない。 さて試飲会のあとは、ジュノさんの料理と美味しいワインの共演だ。 いやー、自然でバランスが佳い美味しいワインはドンドン体に入ってしまう。よく飲みました。

11
Juil

ボジョレーTRIP (Part3)

ボジョレーでのさまざまな訪問後、私たちはさらに南に向かい、トゥルノンのドメーヌ・ダール&リボのルネ・ジャン・ダールに会いにいきました。 ルネ・ジャン・ダールとフランソワ・リボは、自然派ワインの世界のパイオニアです。このアペラシオンに多い強いフルボディのワインからは遠くかけ離れた「飲みやすい」ワインを彼らは造っています。 ここではシラーは女王の存在であり、大変エレガントで非常に飲みやすいのです。 サン・ジョゼフ、クロゼ・エルミタージュ、エルミタージュのアペラシオンの9ヘクタールで構成され、全てビオディナミ法で栽培され、各キュヴェが特定のテロワールを表現できるよう、パーセル別で栽培されています。 メソッドは昔から変わりません:完全無添加、ブドウの約10%は足踏み法(発酵をはじめるために必要なジューを得るため)、できるだけ手を加えず、濾過なし、亜硫酸なしという方法です。ダール&リボは、常に新鮮、フルーティーでエレガントなワインを生産することを目的にしています。 Crozes Hermitage blanc 2017 このキュヴェでは純粋なフルーツの味を見つけることができます。すべてのブドウはダイレクトプレス後、アルコール発酵とマロラクティック発酵をするため木樽に入れられます。熟成は12〜15ヶ月間木樽で行われます。(新樽も少しの割合で使用しています) 3/4ルサンヌ ¼は赤粘土質土壌で育ったマルサンヌ!びっくりするくらい繊細で、アペリティフにぴったりです! Saint Joseph – Les champs 2007 全房で(10〜20%ほどのブドウは足踏み法で押しつぶされたブドウ)トロンコニックタンクで14-18日間のマセレーションをされています。色と厚みを出すため、一日に二回、ピジャージュが行われています。12-15ヶ月間古い樽(一部は新樽)で熟成されます。粘土と花崗岩の土壌の100%シラーのこのワインはパワフルで、良い酸味がありまだ若い状態です。タンニンは和らいでおり、フルーツ感が残り、熟成からくる野生の味わいも感じることができます。素敵なワインです! Crozes Hermitage blanc 1999 なんて素晴らしいワインでしょう!まだ若いですが、飲みやすいワイン。グルメでありながらフレッシュ感があり、ソフトチーズとよく合います。 ルネ・ジャン、この素晴らしいひと時をありがとう!

10
Juil

ボジョレーTRIP (Part2)

次は、あの有名なジャン・クロード・ラパリュのいるサン・テティエンヌ・ラ・ヴァレンヌに向かいました。メニューには、パテ・ド・テット、お庭のジャガイモ、そしてもちろんジャン・クロードのナチュラルワイン! ドメーヌは主にガメイの12ヘクタールの土地です。ブドウの管理はもちろんのこと化学的製品を使わず、収穫の際に慎重に選果され、ワイン造りの際は完全無添加です。優しい醸造法で、できるだけ手を加えないことによって素晴らしい本物に近いワインを作り上げてくれます。ここのワインの品質は非常に高いです。ワインは綺麗で、純粋です。 ジャン・クロードにとっては2021年は慎重に監視すべきヴィンテージです。年の初めは霜の影響をほとんど受けませんでしたが(2つのパーセルの10〜15%)、大雨や湿気によって引き起こされるべと病の被害がある可能性があります。彼のワイン畑でも収穫は9月中旬以前になることはないでしょう!7月からブドウがしっかり熟成できるよう沢山の太陽を願うのみです! おいしい食事とともに、私たちは3つのキュヴェを味わうことができました。 Le Blanc 2020 ダイレクトプレスされた100%シャルドネは、2/3は木樽、1/3はタンクで8ヶ月熟成されます。ミネラル感が強く、レモンと梨の香りが広がります。フルーティーでのど越しの良いワインです。 Tentation – Beaujolais villages 2020 まさに幸せを感じる贅沢なワイン!マセレーションの初めからボトリングまでの間、何も添加されずに造られた純粋なジュースです。 除梗なしの全房で10〜12日間のマセラシオン・スミ・カルボニックされたため、フルーツ感が引き立っています。ミネラル感がさらに味わいを深めています。 Eau forte 2020 花崗岩質の土壌で育った樹齢45年のガメイから造られたこのキュヴェは絶品です。フルーツ感があふれた香りに上品なフローラルなアロマが合わさっています。この素晴らしいワインはボジョレーワインが熟成されたリッチなワインに仕上がるということをさらに証明してくれます! ジャン=クロード、おもてなしをありがとうございました!そして、素晴らしい2020年のワインに乾杯です!

5
Juil

モンペイルー村の天才肌の女性醸造家Julie BROSSELINジュリー・ブロッスラン

9頭身のモデルのようなスタイルのジュリ-。 ワイン造りの感性は天才的。 究極のところ肝心要な醸造上の判断は感性によるところが大きい。 黒葡萄のグルナッシュ・ノワールと白葡萄のグルナッシュ・ブランの半々を同じタンクで混醸造。 しかも、除梗した後潰さないでGrain entierグレーン・アンティエールと呼ばれるキレイな葡萄粒をそのまま発酵槽に入れる造り。 ルモンタージもピジャージもしないジュラ地方の赤醸造方法をこのラングドックで採用。 ピュアーな果実味、透明感のあるミネラル、石灰土壌の軽く潮っぽいタッチが爽やかさを更に演出。 ジュリーのサッパリした性格がそのままワインになった感じ。 ただ、軽いワインではなく、南フランスの太陽と諸々の内容が詰まっている。 それでいて、スイスイ身体に入っていくスタイルのワイン。  まさに天才的。 そして、ネーミングとラベルのセンスも光っている。 Marée basse マレー・バスとは引き潮の意。 引き潮時の海のごとくにボトルのワインがどんどん減っていくイメージ。 (このワインの問合せは、BMO社、東京・恵比寿のトロワザムール店まで)

18
Juin

な・なんてエネルギーだ!ジャンピエール・ロビノのル・ルガールLe Regard

Quel energie!! Jean-Pierre ROBINOT 今日、Parisは32度と曇り空で湿気もある。 蒸し暑い夕方のアペロ。 この状況の中で、これ以上の選択はないだろう! 超人気ワインビストロChambre noire シャンブル・ノワールでアペロ・タイム。 ピノ・ドニースの爽やかで11度前後の軽やかで、かつ内容が詰まっている優れもの! こんなワインを造れるのは、アーティストのジャンピエール・ロビノだ!! ロビノのはじけんばかりの笑顔が浮かんできた。 日本の梅雨のようなモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。

3
Mai

ワインに熱烈なPassionを抱くパッション人間がCPVオフィスに集まった!

(参加メンバーは全員、コロナ検査を済ませての参加) コロナが暴れ狂うフランスのパリ。飲食の活動がストップしているようにみえる。 いや、そんなことは決してない。 彼らのPASSIONはコロナにも止められない。 次にくる次元の世界への準備をコツコツと模索している。 PARISでワインビストロを動かしている面々、ワインと食のことになるとエネルギーが爆発しそう。 ビストロ・プチ・ケレールのKaoriさん、ゴグットをやっているギヨム、レザンファン・ド・マルシェのマサさん、 同じくレザンファン・ド・マルシェのヨシさん、 パリのミッシェラン☆つき寿司職人のハナダさん、そしてCPVスタッフ。 ワイン談義は尽きることがない。 特に、ビストロ経営の名人ギヨムがCPVオフィスに来てくれたのは嬉しい限り。 ギヨムは過去にパリで飛ぶ鳥を落とす勢いの自然派ワインビストロ“コワンストヴィノ”を造った男だ。 ワインに対するPASSIONの深さは天下一品。 こんな人間が集まって、熱く楽しい最高のひと時でした。 こんなワインを開けました。 マーク・ペノのフォール・ブランシュと花田さんのチラシ寿司は夢のような饗宴でした。 エリアン・ダロスのクロバケ2005年はタンニンが解けてシャンピニョン・トリフがかったグラン・ヴァンでした。 クロ・ルジャール・レ・ポワイユ1999はもうカベルネ・フランが熟した時しか姿を見せないピノッテ風味でした。 MASAさん、ハナダさん、トビッキリの料理マジックありがとうございました。 ギヨムGuillaume Merci.