10
Sep

偉大なワインへの企画!フィリップ・パカレ氏とフェラーリ家の挑戦!

久々の偉大なワインへの企画!フィリップ・パカレ氏とフェラーリ家の挑戦! ブルゴーニュのグランクリュ畑、シャンベルタンや、クロ・ド・ヴージョなど銘醸畑を34年間も醸造してきて、今やブルゴーニュを代表する造り手になったフィリップ・パカレ氏が、プロヴァンス地方の極めて特殊な土壌を備えた畑に遭遇した。 フェラーリ氏と出逢いが、新たな挑戦心に火がついた。 フェラーリ・ファミリーにとって大切な区画のテロワールを検分したフィリップは、“ここなら!”自分が前々から造りたかったワインのスタイルが可能になる!と確信した。 フェラーリ氏とパカレの二人の“夢”を現実化させる緻密な仕事が開始された。 フェラーリ氏は、全く別の仕事で大成功を遂げている家系の当主。 彼のお母さんが人生をかけて精魂を詰め込んで世話をしてきた畑がここBormes les Mimosasボーム・ド・ミモザ村にある。 フランスの国定公園の中にあって、フランス大統領用の別荘が目の前にある風光明媚なのも気に入っている。 海に面しながら、土壌がシスト土壌に石英石が豊富に混ざっている特殊なテロワール。 そして、赤い粘土質区画と砂質区画に分かれている。 パカレにとって、ここの豊富な太陽からくる豊潤さを、このシストと石英石からくる“ミネラル感”で爽やかさ表現して 絶妙なバランスのワインができる。 つまりブルゴーニュでは得られない“豊潤さ”のワインに“繊細さ”を加えて今までにないスタイルのワインを造りたかった。 その上、ここでは風が常に吹いていて強烈な太陽をも涼しくしてしまう程である。 つまり、じっくり葡萄を熟しながら、酸をも兼ね備えて、しかもミネラル感をキッチリ内蔵した葡萄が可能となる。 この二人が最初に手掛けたのは、醸造所に資金を費やすのを後回しにして、まず、畑に集中することをした。 それぞれの畑のテロワールごとに細かに研究して、24区画に分類した。そこから生まれるワインのスタイルを徹底研究。 5年間のテロワール研究、区画別のワインをテースティング研究、更にブルゴーニュで培った繊細さを醸し出す醸造方法の改良、熟成を経て、やっと完成。 まさに“豊潤さ”と“繊細さ”の融合したワインのスタイルだ! 何と!素晴らしいんだろう! 豊潤なのに強さを感じない。 フランスでも今、話題のワインとなっている。 フランス雑誌“フィガロ”“テール・ド・ヴァン”などに掲載されたり、フランスソムリエ協会のテースティングに研究ワインとして、世界一ソムリエのオリヴィエ・プッシエール氏に選ばれている。

9
Août

ワインのボルドーにあるワイン・ビストロ“SOIF”にて

世界遺産のボルドーの街並みで最もボルドーらしい街角、旧ボルドー街にあるSOIF。 ボルドーに来たら必ず寄る店。 本物ワイン大好きなオーナーの二コラが頑張っている。 ボルドーでこんなワイン達がグラスワインとして提供してくれている嬉しい店。 何とボジョレのフィリップ・ジャンボン、南ローヌのレモン・ル・バールのワインが。グラスワイン用としてカウンターに置いてある。 ボルドーのワイン文化度も深くなったものだ。 ひところ昔なら、ワインビストロといえばカチカチなボルドースタイルのワインばかりだった。 今日は暑いので涼しさを醸してくれるワインをワインリストから選んだ。 ここのオーナーと同じ名前の二コラが造ったワイン。 Nicolas CARMARANS二コラ・カルマランのマキシムを開けた。 このワインの産地は、フランスで最も冷涼な産地の一つオーリャック地方。 フランスのほぼ真ん中のオヴェルニュ地方のやや南にも関わらず、山の入り組んだ地形の為、朝日が遅く、早く日が沈んでしまう。 日照時間が短く、年間の気温でも最も寒い日々が多い特殊な地方である。 こんな困難な地方でも二コラ・カルマランが醸すと、アルコール度数が低くくてもワインとしての旨味がしっかりと爽やかに、しかも繊細に表現されている絶品ワインになる! まさに夏の為にある赤ワインだ! 感動の美味しさ! フランスの“ヘソ”と云われるオーリャックの田舎で頑張っている二コラの顔が浮かんできた。 逢いに行きたいけど、やっぱり遠いな。 二コラの生き方が素晴らしくカッコいい! パリでワインビストロを経営していた二コラは、マルセル・ラピエールが大好きだった。 ワインを造りたくなって、お祖父さんの実家があるオーリャックの山の中に引っ越してワインを造りだた人。 フランスで最も太陽が照らない山の中で寒い秘境中の秘境。 そんな難しいところで、絶対に諦めずに頑張っている。 花のパリから正反対の秘境で生活も180度ちがう条件下で、想像を絶する困難を乗り越えながらワイン造りを続けている二コラ。 頑張りという点では金メダル級の人。 こんな貴重なワインをボルドーで飲めるとは、なんと幸せなことだろう! 二コラ・カルマランのワインはあまり知られていないけど、ホントに貴重、希少なワイン。 MERCI Nicolas et Nicolas

8
Août

あの石田さんの料理をパリのVERRE VOLEEヴェール・ヴォレーで!

食の街Lyonリヨンで活躍した石田さんが、何とパリのヴェール・ヴォレーの臨時シェ7月のとある日、石田さんがパリにいると聞いて、皆でやって来た。 わずか一週間のKatsumi(石田)フェアーのヴェール・ヴォレ。 やっぱり美味しい!! パリの自然派ワインが豊富にある老舗で、こんな美味しい料理と最高のワイン達のマリアージ!! もう感激ですね! まずは、私の大好きなシャンパーニュ“Ruppert Leroy”ルペール・ルロワの“11,12,13…”をアペロと前菜用に開けた。 これは絶品のシャンパーニュ!! アルコール度数11度と軽めでピノ・ノワールとシャルドネ。 熟成風味と新鮮な果実味が入りまじっていて、まさにシャンパーニュの深味を感じられる! 美味しいシャンパーニュの次に出せるワインは難しい。 黙ってロワールの玄人好みのBenois Couraultブノワ・クロの“Gilbourg”ジブールを開けた。 ウーン、好きだな、シスト土壌からくるこの締まったミネラル感! たまりませんね!(いつも私の誕生日に開ける) そして、石田さんの美味しい料理には、やっぱりL’Angloreラングロールの“Vintage Tavel l5”ヴィンテージタヴェルを開けた。旨味とうまみの競演で最高のマリアージでした。 久々にKatsumi料理を堪能して、最後にカツミさんがテーブルにやってきてくれた。楽しいひと時を楽しみました。 まるで、リヨンにいるような錯覚になってしまいました そして、最後には石田さんも大好きなダール・エ・リボのクローズ・エルミタージの22を楽しみました。 最高のテーブルでした。 やぱり、誤魔化しのない美味しい料理、偽りのない美味しいワインを、心の通じた仲間とやるひと時は最高ですね。 明日への活力が湧いてきます! Merci KATSUMI. Merci VERRE VOLE !

6
Mar

ベテランの深味、継続は最高の力なり!SENATセナ醸造

1996年より、ワイン変革期の30年間弱のひとつの時代をワイン造りに人生をかけてきた造り手、Jean-Baptiste SENATジャン・バティスト・セナさん。その偉大さに触れた感動的なテイスティングだった。(Le vin de mes amis ル・ヴァン・ド・メザミ試飲会より) 時を重ねて蓄積してきた“技”に裏付けされたワインには、試飲会のような雑多の中でも、“おお!”と感動する美味しさと、一朝一夕には絶対に出せない“味わい”がある。 ワインの“味わい”の中には、醸造時のやりかた次第で出せる“味わい”と、そうでないものがある。 つまり長い年月をかけて、畑仕事で健全な土壌を造り、その結果健全な葡萄木が育つ。それにより、多くの要素を含んだ葡萄、果汁ができあがるのだ。 この色んな要素を含んだ果汁を持った葡萄は、一朝一夕ではできない。 セナのワインには、すべてのワインに深味と奥行きを感じる。 軽いワインから濃縮感のあるワインまで、網羅している超ベテラン、Jean-Baptist SENAジャン・バティスト・セナのワインには、感動的な歴史がある。 1990年台の半ば、96年に南仏ミネルヴォワにてワイン造りを始めた。 私とはその頃からの付き合いだ。 ジャン・バティストがワイン造りを始めた頃の写真と、最近のものを比較してみるのも面白い。 ひとつのことに突き進んできた人間の歴史を感じる。ワインと同様に“人間性”そのものが含蓄された深味がある。 ジャン・バティストは学生時代、超エリートだった。日本でいえば東大に匹敵するポリテクの出身でもある。 でもそんな素振りは一切見せない。 子どもの頃よりバカンスの時行っていた先が、南仏ミネルヴォワの醸造家であるお祖父さんのところだった。 お祖父さんと葡萄園に行くのが好きだったジャン・バティストは、若い頃より、葡萄栽培やワイン造りをやりたかった。 パリの都会で人生を送る事など全く興味なかったのである。 勉強もそうだが、ジャン・バティストは何ごとにもやり始めると、とことん突き詰める性格だった。 中途半端なことはやらない。 もう28年間、栽培も醸造も突き詰めてチャレンジしてきた。 一つひとつ挙げたらキリがないので、またの機会に書こうと思う。 そこまでやるか⁉と驚くようなことまで、たくさんのチャレンジと変革を成し遂げてきた。 それらが蓄積した結果が、今、目の前にあるワインの中に詰まっている。 一つひとつが感動の“味わい”、深味、奥行き、やさしさ、飲みやすさがある。 軽快なスタイルから濃縮感のあるスタイルまで造りあげている。 ジャン・バティストが、経験してきた28年間のワイン業界の変化がそのままそれぞれのワインに表現されている。 私にとって、もう涙が出そうになるほど感動してしまうワイン達だった。 1-AMALGAME アマルガメ この透明感のある色合いを見てください!昔のセナのワインしか知らない人達には想像できないワインでしょう。 グルナッシュ・ノワール40% + グルナッシュ・グリ30% + ピックプール・ノワール10% + クノワーズ10% + テレット10%  除梗なし全房での発酵で、10日間のマセラッション。 まるで最近の若手醸造家が造ったワインのような感じがある。透明感があってジューシーなスタイルの中にも、ジャン・バティストが育ててきた60歳のグルナッシュ・ノワールからくる深味がある。 軽快でグイグイいけるワインだけど、単なる“軽いワイン”ではない。 2-ARBALETE アルバレット グルナッシュ90% + シラー10% 樹齢:グルナッシュは30年 + シラーは25年 土壌:粘土石灰質 除梗なし全房での発酵で、12日間のマセラッション。マセラッション期間中は一切触らないので、やさしいタンニンと果実味がソフトに抽出される。それにより、軽快な色合いとジューシーなスタイルでスーと体に入っていく。 3-HORS CHAMPSオー・シャン グルナッシュ60% + サンソー40%、樹齢:40年、土壌:粘土石灰質、選定:ゴブレ選定 醸造:除梗なしの全房のブドウを、タンクで12日間のマセラシオン。 これは感動もの!ややピノッテしている。今、南仏で人気の品種サンソーが40%も使われている。 サンソーは、もともとは南仏では多く栽培されていた主力品種のひとつだった。 暑さと乾燥に強く、大粒の葡萄でややピノに近い風味を持っている品種。 これら、3つのセナワインは、昔のセナ醸造のワインしか知らない愛好家には、想像できないスタイルのワイン。 繊細な和食に最も合わせやすい赤ワインのスタイルのワインともいえる。 4-LA NINA […]

5
Mar

驚きの才能を備えた新人Yoan REGAヨアン・レガ! irréel試飲会

多くの才能ある新人達が誕生している中でも、ひと際、私の心を動かした新人がいた。 Yoan REGAヨアン・レガである。 19年に初リリースしたばかりにもかかわらず、ここまでのワインを造り上げたYoan REGAヨアン・レガには驚くばかりだ。 造りも、たった数年の経験でかなり複雑なことを行なっていて、これだけのバランスのいいワインを造り上げている。 天才的な閃きがあるのだろう。 今のセンスある若手醸造家達が手掛けている複雑なワイン造りを、見事に成功させているのである。 除梗せず全房の葡萄を発酵槽に入れてマセラッション・カルボニック醸造方法と、葡萄を除梗したトラディション醸造方法を折衷させた造りに挑戦している。 また葡萄を直プレスしてジュースのみを絞り、醸造中の発酵槽に加えてワインの濃淡を調整しながら、軽快で飲みやすく、それでいて質も備えているバランスのいいワインを造り上げている。 料理の世界でたとえるなら、フレンチを基本に和食の技を使って料理の濃淡を調節していることに似ているかもしれない。不自然に濃い料理でもなく、薄っぺらな料理でもなく、色んなインスピレーションをもとに工夫して造る創作料理のような印象も受ける。 それでいて、大切なバランス感覚に長けているのが彼のスタイル。ヨアンのワインには、濃淡の絶妙なバランス感覚が生きている。 パリで10年間ほど音楽ジャーナリストとして活躍していたヨアン。ジャズが好きでもある。 この閃きは、ジャズのインスピレーションのような感覚もあるのだろう。 基本的にヨアンは、あまり濃すぎるワインは好きではないそうだ。 でも内容の薄い、単なるスイスイ・ワインは造りたくないと言う。 そこで、いろんな醸造家仲間達がやっていることを見たり、聞いたりして、即それを取り入れたり試行錯誤をしたりしながら、自分のスタイルを模索しここまでたどり着いたのが彼の凄みだ。 短時間でここまでたどり着いたということは、これからがますます楽しみな醸造家とも言える。 ★Le plus Cool des JE T ‘ AIME ル・プリュ・クール・デ・ジュ・テーム フランスの有名歌手、Juliette Armanet の作品に出てくる歌詞。 『ル・プリュ・クール・デ・ジュ・テ ーム』とは、『最もクールなアイ・ラ ヴ・ユー』という意味。もっとも軽快で愛らしいワインって感じ。 砂質土壌の区画の葡萄。造りは、1)シラーとメルローの醸造中のタンクからフリーランジュースを抜き取ったもの。 (2)メルローとシラー、グルナッシュも収穫後に直ぐダイレクト・プレスでジュースを絞っり、つまりカモシ(マセラッションはなしで、軽快なワインを造りたかった。砂質土壌も優しいスタイルに貢献している。 ―――― ★RENCARD ランカール “Rencard”とは“待ち合わせ”の意。このワインは、ドメーヌにある色んな葡萄品種を使うので、葡萄と葡萄の待ち合わせという意味からこのキュヴェ名に。 土壌は砂状の区画に育つ60歳の古木シラー品種が主体。 造りは、3通りの処置をしている。 (1)シラーを除梗して破砕もしてトラディション醸造で7日間のカモシ(マセラッション)。シラー主体だから結構、色合いもワイン質も濃縮感あり、濃縮し過ぎを避けるために、(2)グルナッシュ品種を、除梗なしの全房で仕込むマセラッション・カルボニック醸造で7日間のカモシ期間で果実味を強調したワイン、(3)そしてメルロー品種を収穫後にダイレクト・プレスでジュースにして、さらににシラー品種、グルナッシュ品種、ムルヴェードル品種を同じプレス機でダイレクト・プレスしてジュースにして、この@2つのジュースを1と2の発酵槽に混ぜて、軽快とフレッシュを演出。最終的にすべてをブレンドすると、果実味たっぷりでほどほどの濃縮感と軽快さのあるワインのスタイルになる。  ―――――― ★TADAAM タダーム 『タダーム』とは、主役者が舞台に登場した時に云う犠牲音で、日本語でいう『ジャジャーン』の効果音。 やっと本格的なワインが出てきたよ!の意。 (1)砂状の土壌、1~60歳のグルナッシュ品種が主体で、除梗なしの全房でマセラッションカルボニック醸造で12日間のマセラッション(カモシ)を行い、そこに収穫したグルナッシュ品種をダイレクト・プレスを変えたジュースを足して濃くなりすぎのを避けている。 (2)メルロー品種とシラー品種を除梗なしの全房でマセラッション・カルボニック醸造で12日間のマセラッション(カモシ)。 (3)シラー品種を除梗なしの全房で、軽く破砕して、解放したは発酵槽で7日間のマセラッション(カモシ)。 最終的に1~3の醸造方法でできたワインをブレンドして完成。 まさにこのドメーヌのサブ主役的存在の濃縮感もあり果実味もあり、ほどほどの繊細さもあるワインになる。 ――――― ★TENUE DE […]

4
Mar

フランスで1~2月に行われる恒例の自然ワイン試飲会が開催された!

自然にワインを造る醸造家達が、それぞれの哲学と情熱が合う組織ごとに、大小合わせて約20か所の試飲会を別々に開催された。 前半は南フランスのモンペリエMontpellierの街を中心に10か所ほどで行われ、中間にアルデッシュ地方にて一か所、後半はアンジェAngersの街を中心に10kか所ほどで行われた。 . まるでトライアスロンのような壮絶なテースティング激走の10日間でした。 . 数年前までは、2~3か所で行われていた程度の時期からみると、この自然派ワインを造る人達が急増しているのと、確実にワイン業界の一角に食い込で、もうこのジャンルを無視してワイン業界を語れない時代になってきているといえる。 それぞれの試飲会に、やって来るバイヤーも世界中から、色んな分野の人達がくるようになっている。 人気の試飲会場では、お目当ての醸造家のブースに近づくのに10分ぐらいかかってしまう程に混雑している所もあった。 . この世界が拡大している事に嬉しく思うと同時に、ますます“本物”を見抜く力としっかりと継続できる力を確立していかなければならないと思う。 . 多くの新しい造り手の中には、どう見ても欠陥のあり過ぎるワインや、研究心が足りない造り手達もあった。 いわゆる、“自然”を強調すれば売れるだろう、とこの世界に入ってくる造り手達もいる。 . また逆に、確かに美味しいワインを造る能力をもっているけど、価格設定がまるでグランクリュ並みの途轍もない高額にしてマーケティング的な手法を使ってブランド造りに専念している蔵元も増えてきた。 色んなタイプの醸造家、ワインが次々と誕生している。 ひと昔前の自然派といえば、まるで奇人変人といえるような特徴的な人間性を持つ人達ばかりだったけど、最近の新しいナチュールを目指す醸造家は、元学校の先生、元コンピューター技師、ジャーナリストなどといった人達が増えている。 でも、元々ナチュールワインが好きで、ワインを飲み込んでいたり、好きな醸造家のところに出入りしていて、強烈なPASSIONをもってワインを造りを始める達が多い。最初からエッと驚ような美味しいワインを造る人もいる。 また、今までよく知っている醸造家が、突然何かに目覚めて、大進化して、とびっきり美味しいワインを造り出すこともある。 そんな造り手達やワインと一挙に逢える嬉しいチャンスが、この時期の試飲会である。 だから、この時期は、体力の限界までフル活動でテイスティング・トライアスロンに挑戦する意義があるのだ。 本当に頑張っている素晴らしい造り手と話したり、心が揺さぶられるワインに出逢うと、疲れがすっ飛んでしまう。 この感動のために私は生きているんだな、と思う。 感動するワイン達を、日本の皆さんに紹介できて、そして皆さんと感動を共有できたら、それは本当に嬉しいことだ。 さて、そんなワインを求めて、約2000種類程のワインをテースティングしてきました。 もちろん、細かなチェックができるわけはありません。 私なりの経験に基づいた判断方法があり、私はスピーディーにチェックする術を身に着けています。 これだ!と思ったワインを判断するのが私の役割です。 . そのワインが売れるか、否かは多くの要素が関わってくるので簡単でありませんが、純粋にワインの質と価格、その造り手の人となりのチェックは最も大切なことです。 . ワインビジネスの世界では、ただ美味しければ売れるという簡単なものではありません。色んな要素が関わってくるので、短期的に見て難しいワインや蔵もでてきますが、造り手と紹介者、売り手が協力しあって努力を続ければ、必ず将来キラキラと輝くワインや造り手になる可能性を秘めたものが多いのです。 . 今回の一連の試飲会の中で、ベテラン級の蔵や新しい蔵で感動したものを、また時を改めて紹介させていただきます。 一挙に2000種類ほどのワインを利くと、造り手達が考えている方向、あるいは狙っている傾向が見えてきます。 そんなことも、交えながら書きます。 一連の試飲会のなかで、個人的に最も楽しかったirréelイレールの会場写真を最後に添付します。 小さいけどやる気満々のPASSION溢れる新しい蔵元が最も多い試飲会でした。 若手醸造家と中堅醸造家のバランスが素晴らしくエネルギーが溢れていました。 こんな素晴らしい組織を作っているのは、パッション溢れるこの二人。 素晴らしいワインを醸すJulie Brosselinジュリー・ブロッスランとEscarpolette エスカルポレットのIvoイヴォです。 今、年齢的にも経験的にも最も勢いのある境地にあると言えるでしょう。 Julie Brosselinジュリー・ブロッスラン            Ivo Ferreiraイヴォ・フェレラ (Escarpoletteエスカーポレット醸造)

12
Jan

2024年PARISにてNATUREエネルギーをださないと! 新年会

世界中で年頭から遺憾な出来事が起きている。 厳粛に受け止めながらも、元気なところから、ポジティフなエネルギーをださないと! CLUV PASSION DU VINクラブ・パッション・デュ・ヴァンPARISオフィスに仲間が集まった。 名シェフのMASAさんが美味しい肉を担いでやって来てくれた。 . 珍しい人、会いたかった人、共に働く人、レストラン、ワイン屋の人などパリ在住でワインを愛する人達がほぼ偶然発生的に15名ほどの人達が集まった。 . 皆、自分の力で周りの人達に喜びを創造しようとする人達ばかりだ。 皆の共通点は、美味しいワインが大好きなこと。 . いやー、よく飲みました。 15名でマグナムを含む25本を開けた。 結構なヴィンテージワインを勢いであけました。 昨今の世界で最も危惧すべき出来事は“戦争”である。 ホントに残念なことである。人間が動物以下の生き物に成り下がっている。 長い人間の歴史で築いてきた“文化”は、一体、どこへいったのだろうか? . あまりワインを飲まない人種の人達が、昨今の世の動きをリードして問題が起きている。 . ワインは協調、共感、共生、つまり、“和”の精神がないと造る方も、飲む方も成り立たない世界である。 大勢の人達が寄り集まって、助け合わないと成り立たないの農耕作物である。 特に自然なワイン造りをやる人達は,この精神でワインを造り、多くの人達と“共感”しながら、エネルギー撒いている。 戦争を続けて大儲けをしている連中がいる。次はアジアを狙っているようである。 冗談じゃない! いい加減にしろ! この世には、真っ当な生活を一生懸命、時には命もかけながら、生活している人達が一杯存在している。 . 人種の違い、宗教の違い、イデオロギーの違いで、人殺し戦争をしていい理由などどこにもない。 チョット他より優勢になると、人間の攻撃本能に火がついてしまう。動物以下の人間になってしまう。 . それを、止められるには、本当の意味の“文化”しかない。 攻撃本能は政治だけでは止められない。 . “共生”“和”の文化の象徴であるワインを、もっともっと広めたい!! より強力なエネルギーで戦っていくしかない。 . 年始めは、普段あまり会えない人とも一緒に、語り合うテーブルにつける絶好の機会である。 共生・文化の象徴である自然なワイン達をやりながら、いろんなことに思いをめぐらした。 この勢いで、今年も頑張りたい!!

9
Jan

Philippe Jambonの初期の頃のワイン1999を開ける!

Philippe Jambon フィリップ・ジャンボンの初期の頃のワイン1999を開ける! フィリップ・ジャンボンとは、初リリースから付き合っている。 1997年に1.1ヘクタールのガメ品種の畑を手に入れて、アパートの一角でガレージワインを造っていた。 . 新年、色んな人がオフィスに集まってきた。 今年は、世に戦争があったり、天候も一か月間ほどずっと雨と曇り空が続いている。 . チョット、パァーっと明るくやりたかった。 ずっと倉庫の奥に寝ていたワインを、思い切って開けた。 その一本がこれだ! なんともう24年も熟成した極ナチュールのジャンボンワインだ。 やっぱり、ジャンボンは凄い! (当時に近いジャンボン・ファミリーのPHOTOS) 今も、フィリップは自然派の極をずっと走り続けている貴重な造り手。 醸造学でやってはいけないといわれていることを、すべてやってきた造り手。 フィリップはいう。 『完璧にナチュールは、造りの過程で、諸々の欠陥が出てきても大丈夫! 悪玉と正義の騎士が今戦っているんだ。最後に必ず正義が勝つんだ!』 24年の歳月が過ぎたこのワインがそれを証明している。 最近、気持ちはわかるけど、一時的に欠陥のあるワインが完全に否定される傾向にある。 でもこんな風になるんだ、と現実証明。将来、必ず科学的にも証明される事実。 こんな実験のようなことを、危険をおかしながら勇気と信念をもって、やってくれる貴重な人。 もちろん、こんなジャンボンのワインに共感して、感動して支えてくれる熱狂的なファンがいる。 時間をかけて乗り越えてきたワインには、何ものにも代えがたい魅力と深い味わいがある。

8
Jan

仕事始めに地下カーヴに宝探しへ。こんなワインを発見! MAZIERE

先代のJean-Michel La Bouyguesジャン・ミッシェル・ラブイーグさん時代のMAZIEREマジエール醸造のワイン。 これは、今、日本のインポーター“アドレ”の近藤さんがマジエールで半年ほど修業した時にジャン・ミッシェルを手伝いながら造ったワインだ。多分、1995年頃かな。 これぞ、赤ワイン!といいたくなる素朴なルージュだ。 土壌の風味たっぷりの田舎の景色が刻み込まれている感じ。 当時のPHOTOがこちら。左から近藤さん、ジャン・ミッシェル、私(まだ髭がなかった時代)。 ジャン・ミッシェルは樽の中で熟成しているワインに、毎日教会の鐘の音を聞かせていた。 そんなことをする彼は、遺伝子のか科学者です。アメリカの大学で講演をしたことがある科学者だった。

29
Déc

和風系といえば“繊細なうまみ”、黙ってThomas PicoのChablis

Parisにはtたくさんの和食がある。私がフランスのワイン産地を旅してパリに戻った時、一番最初に行きたいお店はここです。 “国虎屋”Kunitora-ya.。日本でも食べられないほど美味しいうどんの店である。 土佐出身の野本シェフのうどんは天下一品である。土佐カツオ仕込みのだしの“Umami旨味”がきいた汁がたまらない。 . フランス田舎の旅でワインとフレンチでチョット疲れた胃と腸が生き返る。 和の旨味が全身に染みわたる。 . そんな野本シェフが、大変身した国虎屋。 夜のメニューは、和の旨味ニュアンスを、フランスの食材をふんだんに使いながらの創作料理の店に大変身。 パリの美味しいレストランを食べ尽くした野本シェフが、描き続けてきた和と洋のエッセンスが詰まったUmami。 . そんな料理にピタリと合うワインと云えば、もうこれしかないでしょう! . もう黙ってThomas Picotトーマ・ピコのシャブリChablis。 一億5千年前の地質キメリジャン石灰質土壌からくるズーッと伸びてくる潮っぽいUmamiミネラル、その上にかぶせるようにヴィバシテーと呼ばれるキリっとしたフレッシュな酸がある。 国虎屋のうまみ料理と共通する旨味とUmamiの競演、そして透明感のあるフレッシュな酸、また次を楽しむ活力が湧いてくる。絶妙なマリアージだ。 . 料理を造る野本シェフのこれまでの歴史、ここに至るまでのトーマの歴史、人と人の歴史の結果である作品がこのテーブルで出合いマリアージする。二人をよく知っている私にとってはたまらないエモーショナルな時空間の世界だ。 ――――――― トーマ・ピコのプティ・ノート 2003年より、お父さんの畑の一部を引き継いで始めた。 20年間のビオ栽培。 シャブリの数少ないビオ栽培、鳥や昆虫などが少ないことが悩みと一つ。 木々が少ないシャブリの畑、鳥や昆虫を呼びもどす為に、葡萄木を抜いて180本の色んな種類の木を植えている。 収穫は人の手で収穫、最も熟した時期に一挙に収穫する為、60人もの収穫人を投入する。 収穫後、4時間かけてゆっくりやさしくプレスしてジュースを絞り、ポンプを使わないで重力で発酵槽に入れる。 . 自分の畑で育った自生酵母のみでアルコール発酵。(つまり葡萄果実に自然に付着していた酵母のみ) . 熟成は、中樽とフードルと呼ばれる大型樽にて熟成。熟成期間も2年から3年の飲み頃になるのを待って出荷するようにしている。シャブリのテロワールのホントの旨味テロワールを表現するには時間がかかる。と考えている。 ――――― 野本シェフの美味しい料理の数々。 もちろん、最後はうどんでしめました。 今日はレベッカとヴィクトールの3人でやって来た。 レベッカは10日間もフランスのワイン産地、アルザス、ジュラ、ブルゴーニュ、ボジョレ、エルミタージ、アルデッシュ、ローヌ、ラングドック、ロワール地方を歴訪、この日パリに戻ったところ。連日の移動、テースティングお疲れさんでした。 最後に、やさしい“うまみ”料理で落ち着きました。 ワインはタン・ド・スリーズ醸造のBlanc de Noirのラ・プール・ドュ・ルージュもあけました。 そして、偶然にも、レベッカが名前とラベルを決めた日本酒“匠”もやりました。 素晴らしい時間をありがとう。 トーマ・ピコThoms PicoのシャブリChablisと繊細な和風料理との素晴らしい相性に感動したひと時でした。

28
Déc

ロワール地方の若手自然派のリーダーBaptist COUSIN急進化中!

バティストのお父さんは、あの自然派のレジェンド冒険家Olivier Cousinオリヴィエ・クザン。 バティストは193cmの大きな体からだけど、私はもう少し小さい頃から知っている。 それに20歳の頃に、日本に半年ほど滞在したことがある。 東京ではAuxami銀座で3か月サーヴィスの仕事を、大阪で3か月Passion Natureで働いていた。 日本でのワイン・サーヴィスを経験した醸造家はいないでしょう。日本語が全く喋れない状況で行ったので、店の皆さんに迷惑をかけたり、怒られながらもなんとかこなしてきました。20歳と若さもあって元気だったので、皆さんに可愛がっていただいたようです。 大変貴重な体験をしました。 それは、日本では、自然派であろうが、しっかり造った本当に美味しいワインなら、問題なく評価する文化があることを知ったことだと思う。当時はまだ、逆にフランスの方が、自然派ワインに対しては厳しい評価の時代だったから。 (お父さんのOlivierは、当時ワインAOP協会と裁判で戦っていた時代だった。もちろん、お咎めなしでした) オリヴィエのDNAを引き継いだバティストは、日本から帰ってもジッとしていることはなかった。 好奇心旺盛で、いろんなことを知りたくで、いろんな場所に移動して、色んな醸造家と会って交流を深めて学んでいた。 収穫、醸造の時期はお父さんの蔵に戻ってワイン造りをオリヴィエと一緒に働きながら直に学んでいた。 私はバティストの人間としての生き方が大好きだ。 今までのバティストを観ていると、厳しい状況の中でも、プレッシャーがあっったり、厳しい状況の中でも、ジッと遠くを観ながらやるべきことをコツコツやっていく姿が素晴らしい。 常に、ワインでも、生き方でも、諦めることなく、最善を尽くして、より善くしようと実行していく姿勢がある。 2012年に自分の蔵“Le Batossay”ル・バトセ醸造を設立した。 色んなところに行って、色んな人達に逢って学び、オリヴィエからも学んだことを基本に自分なりの表現をしたかった。 放置されて壊れかけていた小シャトーを買い取って、自分でコツコツ改修理して、立派な醸造所を造りつつある。 親譲りの起用さで、畑仕事のあとは大工仕事をして、改修も進み、やっと“蔵”らしい型になってきた。 ロワールの小シャトーなので、ワイン管理に理想的な湿度、温度を備えている地下倉庫を備えている。 時々は、このシャトーで仲間達を呼んで大試飲会を開催することもある。 バティストは、アンジェ地区の若手醸造家を集めた組織“EN JOUE CONNETION”アン・ジュ・コネクションという名前の組織のリーダー役を務めている。 オリヴィエやマーク・アンジェリーやなど先人達が築いた“自然派の宝庫”そしてのアンジェを、さらに活発にさせるべく若手醸造家の仲間達と色んなイヴェント活動している。 バティストはアンジェ地区の重要な醸造家の一人になりつつある。 やっぱりオリヴィエのDNAを引き継いでいるなだろう。最近、顔つきも精悍になってきた。 ★ワインの品質の進化に驚く! 今、バティストは4ヘクタールの畑を、3人も費やして精魂を込めて世話している。もちろん、すべて馬で耕し、他の動物達、昆虫、微生物達とも共存するような農業スタイルをとっている。 お父さんの代からの長いBIO栽培のお陰で、根っ子は地中深くに伸びていて、乾燥した時期でも水分を確保しやすい。 お陰で葡萄木自体のライフサイクルが、糖度がまだ低い状態でも、ポリフェノールが完璧に熟すようになってきたのである。これはホントに凄い現象なのだ。どんなにお金をかけて栽培してもなかなか実現しない現象なのである。 つまり、アルコール度数が低くても飲みやすく、果実味やミネラルがたっぷりで酸のバランスも素晴らしいワインができやすくなってきた。いあわゆるFinesse繊細で上品なバランスのワインが畑仕事で得られるようになってきたのである。 土壌中の微生物も活性化している。もちろん、この畑で育った自生酵母のみで発酵。 今年2023年は11月末ですべて順調に発酵が終わっている。 今日は2023年の醸造中のワインと2022年の熟成中ワインを試飲した。 まず、23年ミレジム、ここロワールは非常に特殊なミレジムだった。 雨の時は強烈に降り、暑くて乾燥する時は強烈に乾燥するという両極端の年だった。 そんな難しい年でも、葡萄木がしっかり対応能力を発揮して、アルコール度数が低くても、ポリフェノール系が理想的に熟してくれたのである。高品質で素晴らしく飲みやすいワインになるだろう。 色んな試作を繰り返して、結局、赤ワインはセミ・マセラッション・カルボニック醸造を採用している。 白は直プレスである。 今、バティストが最も気を付けている点は、完璧な欠点のないジュースを得ること。 *Pet Nat微発泡はグロロ・グリ品種35%、カベルネ65%になるだろう。 *OECH’ COUSIN ウェッシュ・クザンは グロロ・ノワール品種をセミ・マセラッション・カルボニックで22日間のマセラッション(カモシ)をやった。低アルコールでも、色んな要素がたっぷりのワインになるだろう。 ブドウジュースのようにスイスイ体に入っていく。それでいてワインとしても要素は充実している。 *Marie roseマリー・ローズ、今年はグロロ・グリ品種が100%で、7日間のマセラッションだった。 もう、今の段階で繊細で透明感があり素晴らしい品櫃。 *シュナン(曽爺さんが植えた古木)は7日間のマセラッションだった。 *Alcab アルカブ2021 樽で熟成中のもので、販売は2024年に予定。 […]

26
Déc

人生を楽しむ!南仏の若手、マダ知られていないMADA醸造のエドワード

DOMAINE MADA 世界中で、色んな分野でニューウェーブが広がっている。人々の生き方、価値観が世界規模で変化しているのを感じる。 特に若者達の価値観の変化は世界的に共通している傾向がある。 自然や、大地に関わりながら生活したいという農業指向の人達が増えている。 今日、紹介するEdouardエドワードも、Montpellierモンペリエ大学で最初は経済学を学んでいた。 でも自分のこれからの人生を考える時、チョット違うな、と感じて、栽培・醸造学の勉強に変えた若者だった。 そのワイン勉強中に知り合ったのが、TAVEL タヴェルのL’ANGLORE ラングロール醸造の長男Thibautチボーだった。 熱く語るチボーから自然との関わり方、自然醸造の話を聞き、Edouardエドワードは、自分の人生はこれだ、と思った。 自分の近所に自然派ワインを造っているほぼ同年代の醸造家Olivier Cohenオリヴィエ・コーエンがいた。 自然と関わりながらワイン造りをやっているオリヴィエの生き方を見て、自分のやりたいことは正にコレだ、と思った。 そして、このラングドック地方には、オリヴィエも入っている元気な若者達が多い自然派ワイン組織“IREEL”イエールがある。 今は若手のリーダー的存在になっているイヴォ・フェレイラIvo Ferreiraが主催していた。 このグループはお互いの栽培や醸造なども、お互いに協力し合っているチームワークが素晴らしいグループである。 エドアードは一挙に彼らの中に入りこんで交流しながら多くのことを学んだ。 その当時、私がオリヴィエやイヴォ・フェレイラの蔵に訪問すると、いつもこのエドアードが遊びにきていた。 エドワードは、自然なカタチで彼らから学び、Domaine MADAマダ醸造を立ち上げた。 醸造センスのあるエドワードは、次々と話題のワインを造り上げて、今では世界中にファンを抱えている。 . 最近、エドワードは一児の父となり、グッと落ち着いてきた感じがある。畑も5ヘクタールとなった。 醸造蔵もNIZAニザス村に引っ越して、将来への確固とした醸造所を整備する準備を着々と整えている。 奥さんのPaulineポリーヌと一緒に私生活とワイン造りを充実させている。 最近のMADA醸造のワインを飲むと、自分のポリシーが、よりワインの中に表現されてきているのが読みとれる。 お父さんになると、いろんなことが変化してくるのだろう。 . 栽培は、生態系をより尊重したビオディナミオ栽培。 土壌内の微生物を活性化する為に、草を生やしたり、区画の周りの木々を保護して、近隣の動物、昆虫、微生物達との共生や調和を考えた栽培方法をとっている。 醸造方法は、赤は除梗なしのセミ・マセラッション・カルボニックが基本で、ワインによっては破砕したり、白ブドウを混醸造したりしている。 . もちろん、自生酵母のみ、SO2酸化防止剤は基本的に使用しない。どうしても必要な時のみ僅かに入れる。 畑の区画別に醸造してワイン造っているので、ワインの種類がだんだん多くなってきている。 ★Barberine バルバリンヌ 名前は、奥さんのコルシカ島に住むお祖母ちゃんの名前。 クレレット品種100%、収穫後、除梗なしの全房でトロンコニック型木樽発酵槽で12日間のマセラッション。 10か月の熟成して、SO2添加なしのワイン。 いわゆるオレンジワインです。近所に湧き水があり、水不足の年でも水分を確保できるため、アルコール度数は 南フランスにもかかわらず低めの11度前後で飲みやすい。オリと一緒に10か月の熟成で旨味が溶け込んでいる。 ★Ban ban バンバン 黒葡萄のグルナッシュ・ノワール80%, 薄黒葡萄のグルナッシュ・グリを20% 森に囲まれた畑区画で、猪の被害が多いので、鉄砲でバンバンと脅かしたいところ、ワインの名前が鉄砲の犠牲音バンバン。ナンシー・シナトラの有名な曲でバンバンがあり、それに引っかけたワイン名にした。 二つの黒葡萄を収穫後、直にプレスにかけて、圧搾している最中に色素がでてロゼのような色になった。 500リッターの中樽で6か月のシュール・リ熟成。シスト土壌なので、ミネラル感があり涼しく感じるほど飲みやすい。 今日は、レベッカ、エリーンヌ、フランソワとやって来た。 南フランスはこの季節でも、太陽さえでれば、ポカポカと外で食べられる。 バーベキューをやってくれて、テーブルを皆で囲んだ。 仲間達から学んだことを、基本に、自然の中で働くという生き方を実践して、ここまで成長したエドワードを見るのは嬉しい限り。これからの、さらなるエドアードの進化が楽しみだ。 […]

26
Déc

“今”飲み頃のSouteronneを最高の状態で料理と演出してくれたAGAPE!

ワインを造るのも人も、料理も人、サーヴィスのプロも人、それを食べたり、飲んだりするのも人、そこにはそれぞれの人の“小さな歴史”と“PASSION”がある。 偶然(いや本当は必然的)に、それぞれの人の“PASSION”が、同じ時空にピタリすべてが一同に出逢う時がある。 AGAPEアガぺのソムリエ・ローランは、いつも彼の持っているワインの飲み頃を考えている。 Herve Souhautエルヴェ・スオーの造ったSouteronneスートロンヌは、“今”が飲み頃だ!と思っていた。 シェフのYoshiは、ブレス鶏の旨味ソースを工夫した優しい調理を考えていた。 そこに、私達がやって来た。 今日は忘年会でCPVスタッフと一緒。 そこでとんでもない、マニフィックな素晴らしい体験をした。 私達は,席にについて料理メンニューを注文して、ワインを注文しようとしていた。 私は、最初は南仏の興味ある赤ワインを注文しようとした。 . ところが、ソムリエのローランがほぼ強引に、Herve Souhautエルヴェ・スオーのSouteronneスートロンヌ17を勧めてきた。 . エルヴェは私の友人でもあり、彼の蔵であるRomaneauxロマノ醸造のワインを初リリースから大好きだった。 だから、OKをだした。 . そこで、今年最高に感動的なマリアージに出逢ったのであった! . まさに、“今日”飲み頃のストロンヌ17に出逢った、ことに感動! そして、Yoshiの調理したブレス鶏の旨味タップリのソースに驚愕のマリアージに感動! . 今年最後の皆とのソワーレにふさわしい、ワインと料理に出くわして、一同感激でした。 . Souteronneスートロンヌは、Romaneauxロマノ醸造のHerve Souhautエルヴェ・スオーが造るガメー品種のワイン。 私はガメ品種が大好きなガメラーの一人。 エルヴェのこのスートロンヌは、ガメの最高峰のひとつである、と思っている。 このガメーは、特殊な条件を揃えている。 タップリの濃縮感、同時にシンプルさ、透明感をも備えている。そして常に爽やかな酸をも備えている絶品ガメです。 . ―――― プティ歴史(美味しさの原点) Herve Souhautエルヴェ・スオーは、南アルデッシュ地方の山間にあり標高430mもあるアルボレスク村にある。 1993年にRomaneauxロマノ醸造を設立、 エルヴェは蔵の設立前、あのローヌの匠、Dard et Riboのルネ・ジャンダールで働きながらワイン造りを修業した。 そして、設立と共に、あのブルゴーニュの匠、Philippe PACALETに醸造指導者としてお願いして定期的に来てもらい指導してもらった。 この二人の流儀を学んだエルヴェの造るワインは、美味しいに決まっている。 . 特にガメー品種のスートロンヌの造りは、セミ・マセラッション・カルボニック醸造の手法、フィリップ・パカレ方式。 エルヴェはSt Josephサン・ジョゼフにも畑をもっている。つまりシラー品種はルネ・ジャンダールから学んだ。 . 当時は私もよくルネ・ジャンダールのところに遊びに行っていたので、よくテーブルを囲んで一緒に楽しみました。 . こんなエルヴェのワインは、美味しいに決まっている。 偶然には,とびっきり美味しいワインはできない。 ―――――― この5年も熟成した飲み頃のSouteronneスートロンヌ17を、最高の状態で、美味しい料理と提供してくれたローランと Yoshi […]

26
Déc

感動の一本、アルザスのSCHUELLERのEichberg2012

アルザスの偉大なワイン、Grand Cru Eichebergグラン・クリュ アイシュベルグのRieslingリースリング2012 シェレール醸造のワインを飲み頃で出してくれるレストランは希少な存在。 シュレール醸造のワインは、超ナチュレルな造り、通常の醸造学上、絶対にやってはいけないことを、普通に実行してしまっている貴重な存在である。 例えば、樽熟成中に、樽の木目から蒸発して、樽内のワインが目減りしていく、樽の中に目減りした分、空間ができてる。空間には酸素が多くあるからワインが酸化してしまう危険が大となる。 そこで、醸造学では、ワインの酸化を防ぐために、普通の場合、ウイラージという作業を実行する。つまり目減りした分の量を注ぎ足して樽を常に満杯にしておく作業である。 こうすることによって、ワインが酸化することを防ぐことができるからである。 ブルノーはウイラージを一切やらない。 その上に、酸化を防ぐ為に、普通の醸造家はSO2酸化防止剤を添加しているけど、シュレールは一切使用しない。 いわゆる、現在の醸造学上では、絶対にワイン造りが不可能な方法で、ずっと何十年も造り続けているのである。 (他にもまだ沢山ある) シュレールのワインが貴重なのは、不可能と云われていることを実行すると、どのようなワインになるか?を知ることができる。 確かに、できたての時は、問題があるワインが時々あるけど、時間が経って熟成すると、考えられないほど、いや奇跡のように美味しくなる現実を私達は見ている。ただ時間がかかるということだ。 ホントに栽培も醸造も自然にやった時の偉大なる美味しさを、私達に教えてくれたのはブルー・シュレールだった。 これは、現実に起きている事実である。 ただ云えることは、出来立ての頃のシュレールの問題あるワインを、試飲して批判や拒否をすることは、その後にやってくる何者にも比較できないほどの偉大な美味しさを知らないことは、残念過ぎる。 この辺の事実を知っていながら、シュレールのワインを、美味しい時期に提供することができるレストランは、プロ中のプロと云える。 これは、シュレールだけに限らず、本当に自然な栽培、造りをやっている醸造家のワインは、出来立ての頃のワインを飲んで、単に批判、拒否することは、ワインの本当に大切な側面を知らずに過ごすのと同じことである。 本物は必ず時間が解決して、戻ってくるものです。 だた“待つ”という時間とお金と忍耐が必要で、ホントに美味しいものを提供したいというプロフェッショナルイムズがないとできないことです。 パリでは、今夜、ワインビストロ“AGAPE”にやって来た。 飛びっきり美味しい料理に、このワイン、アイシュベルグのRieslingリースリング2012、を合わせて感激の瞬間を体験しました。 よくぞ、ここまで忍耐強く待ちました。そして、これにピッタリの料理をよくぞこの機会にだしてくれました。 繊細な旨味料理はサムライ・シェフの“Yoshi”さんの作品、ソムリエはローランでした。 久々に感動した本物の旨味料理の繊細さとシュレールのホントの美味しい時期に開いたリースリングでした。 感謝! 

26
Déc

Olivier Cousinのpetit 歴史と円熟期に入ったワインを効く

冒険家オリヴィエも62歳。オリヴィエほど世界を自分の船で動き周った醸造家はいないだろう。 ヨットは自分で設計して、造ってしまう技術をもっている。モノ造りのセンスは凄いものがある。 20歳の時は、大西洋を単独横断したほどだった。その後も、アフリカのギアナまで大海原を走り周っていた。 . 今でも季節になるとジッとしていられないオリヴィエはクレールと近海を走り廻っている。 オリヴィエは1980年よりお祖父さんと一緒に蔵で働いていた。でも季節になるとヨットで出て行ってしまうことが多かった。正式に蔵に戻ってきたのは1987年だった。その前も収穫期には戻ってくるように心がけていた。83年からはお祖父さんと一緒に収穫してワインを造りだした。だから今年41回目の収穫をやったことになる超ベテラン。 オリヴィエも人生62歳、究極の自然児だったオリヴィエ。私が最初に知り合った頃は、ガソリンはよくないから、と云って植物性油で車を走らせていた時期もあった。 . 日本に一緒に行った時も、試飲会場まで移動する時、俺は地下鉄には乗らない、と云って、地図も持たずに歩いてちゃんと試飲会場に辿り着て皆を驚かせた。 . 90年代初期から自然派ワインを最初に造り出した人達は、多かれ少なかれチョット違った能力をもっていた人達ばかりだった。普通の人が、わざわざこんなリスクのあるワイン造りをやる理由がなかった時代だった。 そんな時代をくぐりぬけて戦い続けてきたオリヴィエの最近のワインが面白い。 人生の奥深いところを知り、なお気候変動に対応しながら馬や動物、微生物達と共存しながらのワイン造りに磨きがかかっている。 ここANGERSアンジェは自然派ワインの宝庫、多くの若手がやってきて、色んな手法でワインを造っている。 世間的には、超有名なワイン、造り手が乱立している地方でもある。 そんな中、確固たる自分のワイン造りのポリシーを貫いているオリヴィエ・クザン。 2023年は、久々に収穫量も満足いくものだった。品質も納得いくミレジムだった。 自生酵母も元気があり、アルコール発酵も12月前に終わったほど順調だった。 23年ミレジムは好ご期待です。 Au-dela オ・デラ シュナン・ブラン品種の畑は2006年より人に貸してあった。今年から戻ってきて、15年ぶりに造るオリヴィエ。 収穫後、直プレスして、自生酵母で発酵したもの。軽いアルコール、爽やかな酸、心地よいワインである。 あの丹念に世話をした畑、土壌の風味、ミネラルがスーっと伸びながら、ホワッとしたやさしい深味がある。 PARTAGE パルタージュ 樹齢の古いカベルネを除梗して、潰さない(フラージはしない)で葡萄粒を発酵槽にいれてトラディション醸造。 勿論、自分の畑で育った自生酵母のみで発酵。 そしてシュナンブランを直プレスにかけたジュースをブレンドしたもの。 アルコール度数も低くて、酸も爽やかで、心地よい。 オリヴィエ独特の果実の深味がある。 Le Franc 村の教会の横にある古木のカベルネ・フランを仕込んだもの。丹念に世話をされた土壌達が、オリヴィエが望むミネラルを地中深くから果汁に送り込んでくれた深味を備えている。まさにオリヴィエ香と云っていいホワッとした優しい風味がある。41年のワイン造りの歴史を感じさせてくれる。 蔵に入って熟成中のワインを試飲、23年はどれも、すでに飲みやすかった。 嬉しいことに、幻のロゼ・ペティアンらしきものがあった。まだ、どうなるか決まっていない。品種も昔のものとは違うようだ。 ワインは人である。その人の歴史、たどって来た人生の局面、時期によって全く違ったワインになることは当然である。 熟練期、円熟期に入ったオリヴィエがここにいる。 これからのオリヴィエの醸すワインが、どのように進化していくか、ますます楽しみになってきた。

25
Déc

Olivier Cousinの家にある特別なベンチ

テーブルから醸造蔵に移動開始。教会のすぐ横にある。 オリヴィエのワイン蔵は葡萄園も村の教会の横にあり、葡萄達は栽培中か醸造、瓶詰めで、ずっと教会の鐘の音を聞きながら育っている。 オリヴィエがお祖母さんのために造った大きな木製ベンチに座るも、寸足らずの私の足は地に着かずブランコのようにブラブラ。 でも、ゆったりしていて、木のの感触が気持ちよかった。 もうちょっとゆっくり座っていたかった。食べて飲んだあとの休憩に、最高のベンチだ。

24
Déc

41回目の収穫を終えたOlivier Cousinファミリーと

クザン家の食事は、すべて自分で造った野菜、ハム、ソーセージなどが主体でシンプルだけど本当に美味しい。 相変わらず天然の奥さんクレールがいるだけでその場が明かるくなって心地よい。 今日は、レベッカとエリーンヌと、エンゾ一と一緒にやって来た。 このレベッカは、もう何回もここにきてテーブルを囲んだことがある。 でもコロナの影響もあって長い間来れなかったので、なんとしてもオリヴィエに会いに来たかったレベッカは大喜び。 スピードが速い世の流れの中、数年でも、時がたつと色んなことが変化している。 オリヴィエもクレールも62歳となって、3人の子供たちも皆独立して色んな人生を走っている。 長男のバティストはもう37歳となって自分の蔵を経営している。子供も二人。 長女のマチルドも35歳となって、同じく二人の子供がいる。 末っ子のクレマンは32歳、イギリスでレストラン業をやっている。 そんな中、オリヴィエも未来の事を考えて、子供たちに畑を分けることを始めている。 まだ元気な62歳なので自分の生活分のワインを造るけど、着々と次世代への引継ぎを進めている。 現在の自然派を造り上げてきたレジェンド達も、そろそろ引退の時期に差し掛かっているのを感じる。 クレールがアルバム写真をだしてきて、彼らが若かった頃の写真を見せてくれた。 写真を見ながら、前から聞きたかった質問をした。 『オリヴィエとクレールは、どうして知り合ったの?』と質問。 『高校性になった時、一番背が高くて目立っていたのがクレールだった。彼女を見て、すぐに決めたよ!』 とオリヴィエ。一番、可愛かったに違いない。 その頃に近い写真を見せてくれた。複写で撮ってピンボケしてしまったけど感じはわかるので添付しておく。 やあー、楽しかった。 オリヴィエ・クザンは、ここロワール地方が“自然派の宝庫”となった原点の人。 妙なエゴは全くなく、天然に自然で、決めたことは何があっても実行する行動の人。 AOPワイン公的機関とも裁判で戦った。 妙な権力には絶対に屈しない人でもある。 オリヴィエと話すと、自然派の過去、現在、未来が見えてくる。 ホントにいい時間を、レベッカ達とともに過ごせた。 ありがとう、オリヴィエ、クレール。 On a passe très bon moment Merci Olivier et Claire .

23
Déc

ロワール地方の究極の自然派レジェンドOlivier COUSIN

本物中の本物オリヴィエ・クザン。 オリヴィエが葡萄木に触ると、葡萄木が犬のように喜んでいる感覚を感じる。 葡萄木だけではない。 土壌に生息しているミミズ、微生物、自生酵母までが喜んでいるようだ。 いつも畑と共に生きているオリヴィエ、葡萄木や土壌の方がオリヴィエに近づいてきて馴染んでいる。 ここまで土壌と一体化している栽培・醸造家は、フランスにも数えるほどしかいない。 特別な存在だ。 ワインは畑で造られる。 この言葉がオリヴィエ・クザンならの言葉だ。 鶏も馬も、畑の住民はすべて家族。 家族が住む畑を、住みやすいように最大限のことを施している。 自生酵母達もオリヴィエの家族だから、しっかり働いてくれるのは当たり前だ。 人、土壌、太陽、動物・微生物 すべてのエネルギーが一体化して和している まさに、これぞ自然派ワインの定義の根幹なのだ。