26
Déc

Olivier Cousinのpetit 歴史と円熟期に入ったワインを効く

冒険家オリヴィエも62歳。オリヴィエほど世界を自分の船で動き周った醸造家はいないだろう。 ヨットは自分で設計して、造ってしまう技術をもっている。モノ造りのセンスは凄いものがある。 20歳の時は、大西洋を単独横断したほどだった。その後も、アフリカのギアナまで大海原を走り周っていた。 . 今でも季節になるとジッとしていられないオリヴィエはクレールと近海を走り廻っている。 オリヴィエは1980年よりお祖父さんと一緒に蔵で働いていた。でも季節になるとヨットで出て行ってしまうことが多かった。正式に蔵に戻ってきたのは1987年だった。その前も収穫期には戻ってくるように心がけていた。83年からはお祖父さんと一緒に収穫してワインを造りだした。だから今年41回目の収穫をやったことになる超ベテラン。 オリヴィエも人生62歳、究極の自然児だったオリヴィエ。私が最初に知り合った頃は、ガソリンはよくないから、と云って植物性油で車を走らせていた時期もあった。 . 日本に一緒に行った時も、試飲会場まで移動する時、俺は地下鉄には乗らない、と云って、地図も持たずに歩いてちゃんと試飲会場に辿り着て皆を驚かせた。 . 90年代初期から自然派ワインを最初に造り出した人達は、多かれ少なかれチョット違った能力をもっていた人達ばかりだった。普通の人が、わざわざこんなリスクのあるワイン造りをやる理由がなかった時代だった。 そんな時代をくぐりぬけて戦い続けてきたオリヴィエの最近のワインが面白い。 人生の奥深いところを知り、なお気候変動に対応しながら馬や動物、微生物達と共存しながらのワイン造りに磨きがかかっている。 ここANGERSアンジェは自然派ワインの宝庫、多くの若手がやってきて、色んな手法でワインを造っている。 世間的には、超有名なワイン、造り手が乱立している地方でもある。 そんな中、確固たる自分のワイン造りのポリシーを貫いているオリヴィエ・クザン。 2023年は、久々に収穫量も満足いくものだった。品質も納得いくミレジムだった。 自生酵母も元気があり、アルコール発酵も12月前に終わったほど順調だった。 23年ミレジムは好ご期待です。 Au-dela オ・デラ シュナン・ブラン品種の畑は2006年より人に貸してあった。今年から戻ってきて、15年ぶりに造るオリヴィエ。 収穫後、直プレスして、自生酵母で発酵したもの。軽いアルコール、爽やかな酸、心地よいワインである。 あの丹念に世話をした畑、土壌の風味、ミネラルがスーっと伸びながら、ホワッとしたやさしい深味がある。 PARTAGE パルタージュ 樹齢の古いカベルネを除梗して、潰さない(フラージはしない)で葡萄粒を発酵槽にいれてトラディション醸造。 勿論、自分の畑で育った自生酵母のみで発酵。 そしてシュナンブランを直プレスにかけたジュースをブレンドしたもの。 アルコール度数も低くて、酸も爽やかで、心地よい。 オリヴィエ独特の果実の深味がある。 Le Franc 村の教会の横にある古木のカベルネ・フランを仕込んだもの。丹念に世話をされた土壌達が、オリヴィエが望むミネラルを地中深くから果汁に送り込んでくれた深味を備えている。まさにオリヴィエ香と云っていいホワッとした優しい風味がある。41年のワイン造りの歴史を感じさせてくれる。 蔵に入って熟成中のワインを試飲、23年はどれも、すでに飲みやすかった。 嬉しいことに、幻のロゼ・ペティアンらしきものがあった。まだ、どうなるか決まっていない。品種も昔のものとは違うようだ。 ワインは人である。その人の歴史、たどって来た人生の局面、時期によって全く違ったワインになることは当然である。 熟練期、円熟期に入ったオリヴィエがここにいる。 これからのオリヴィエの醸すワインが、どのように進化していくか、ますます楽しみになってきた。

1
Mai

モトックス社のスタッフがPOUPILLEへ

プピーユを日本へ輸入してもう何年もたっているけど、毎年、醸造現場を訪問して情報収集するモトックス社。 ネットでも、メールでも豊富な情報が入手できるけど、やっぱり現場に来ないとホントに大切なことは見えてこない。 畑の微妙な変化、近年の天候事情によって明らかに葡萄木の状態が違ったり、フィリップの考え方の進化で栽培方法も微妙に変化している。実際に来て自分の目でみて、質問して確認する作業は超大切。 この中には、もう10回以上訪問しているメンバーもいる。 蔵元の家族と触れ合って、子供達の成長によってフィリップの思考も、生き方も微妙に変化していく。 醸造所もまた新設した部分もあり、発酵槽も新しくなった、樽塾の場所も変化したり、垂直式圧搾機も新たに増やしている。 フィリップは常により良い品質を追求しながら、ベストを狙って進化している。 このレベルからの進化は、小さなコトの積み重ねが、少しずつフィネス、上品さへの進化に繋がっていく。 こんな小さな積み重ねの一つ一つは、実際に現場にこないと気付かないことが多い。 特に、フィリップは熟成のやり方、期間の長さを大切にしている。特に樽の使い方は天性のセンスがある。 こんな微妙は変化に気づき、即、質問攻めするモトックスメンバーの熱心さは凄いものがある。 フィリップもメンバーの熱心さに、感謝、感動していた。 ☆ボルドーのワインは、テーブルでその威力がわかる。CHEZ POUPILLEにて☆ ボルドーワインは大人のワイン。 造りたてのワインを飲んで、スイスイと体に入っていくスタイルではない。 濃縮感の中にある旨味がジワリとでてくるには、熟成が必要になる。

15
Fév

これからの世の流れとワイン・物々交換?物心交換の世界

★ESPOAグループとミレーヌ・ブリュ醸造(Visite chez Myrene BRU) 世の中は劇的に変化している。 小さな変化が大きな変化になっていく可能性を秘めた時代に突入してきた。 今までの利益ばかりを追い続ける世界から、人々の心とモノが和して共鳴して繋がっていく世界がやってくる。 . ワインの世界で云えば、大切なことは、有名だとか、公式格付けとか、評価点数が良いとか、ではない。 そんなものが、どれだけ当てにならないかは、もう誰でもが知っている。 . ただ美味しいだけでは、心まで共鳴していかない。 どんな人が? どんな考えで、どんな風に造っているか? . その造り手とワインが、飲み手の心を共鳴させるものをもっているか? . 勿論、自分が生きる為に地球を汚すようなエゴ的な栽培をやっていないことは当たり前。 そして、味を自分の思うように繕う為に体によくない添加物などをあまり使用していない造り。 . そこにあるのは、顔と顔をみながらの“信頼”だ。 この人なら安心。 ワインを通して心と心が共鳴して繋がっていく。 ★福岡市のESPOAナカムラ店(Visite chez Myrene BRU) 九州・福岡のワイン愛好家の皆さん。ESPOAナカムラ店の中村さんがお客さんと一緒にミレーヌ・ブリュ醸造を訪問。 ミレーヌさんのワインの原点である畑にて、テーブルを囲んで造り手と飲み手が一期一会のひと時。 まだ、今の醸造所が建設される前の頃だった。 夏のラングドック日和の気持ちのよい一日だった。 ミレーヌさんは葡萄園の横の広場に長いテーブルを設置してバーベキューをやってくれた。 あまりにも、気持ちよく、時間を過ぎるのを忘れて、昼から初めて日が暮れて暗くなってもまだ終わらなかった。 と云うより、この心地いい場を誰も離れたくなかった。 後半は世界旅行を実施中の中村さんのお客さんが合流して、ギターを持ちだして蝋燭の光の下で歌った。 ミレーヌさんファミリーとも素晴らしい心の交流できた一期一会となりました。今でも語り継がれている夜だった。 中村さんのギター弾き語りでステン・バイミーは本当に素晴らしかった。 造り手と、私達、飲み手のお客さん達とワインを通して心と心が和して繋がっていく世界。 お店を中心にこんなコミュニティーを築けるなんて凄いこと。 ミレーヌさんにとっても、私達にとっても、お客さんにとっても、お互いにお互いが必要としている世界。 . 今、コロナで世界が揺れている。 コロナ後のビジネスのあり方がよく語られている。 . 人として真っ当な生き方、哲学に基づいた栽培・醸造が行われてできたワインへの信頼、そんなワインを究極セレクションして提供する人・中村さんの存在。 真っ当な本物の美味しいワインが生まれた畑で今、皆が飲んでいる。 皆の心が和して繋がっている。 皆の顔に“笑顔”“喜び”がもたらされる特別な小宇宙空間。 この延長線上に中村さんのお店がある。 . フランスに初めて来た人もいる。でもパリを素通りして南仏のラングドック地方の片田舎にやって来た皆。 中村さんを信じてやってきて、こんな忘れがたい特別な一期一会に出逢った。 . 皆が皆を必要としている! 物々交換?いや物心交換の世界である。 これからの世界の変化への重要なヒントがここにはある。 . 人類が文化らしい生活をしだした頃、物々交換経済の世界だった。相手の顔みて、“信頼”できるか否かを判断しながら物々交換をしていた。あまりにも巨大化した現代社会で、再びこの物々交換の時代の根幹である“信頼”というものがより大切な時代になってきている。お互いがお互いを必要として、人間的基本の“信頼”で色んなものを交換し合っていく世界。 […]

5
Juil

クリストフ・パカレ醸造のドゥニー・ペノDenis Pesnot

芸術家、ソムリエなど多彩な才能を持つ、ご存知、ミュスカデ、セネシャリエールのマルク・ペノの弟。1987年にマルセル・ラピエールとの出会いからボジョレーに根をおろし、まさに30年間以上。自然派ワインの流れのど真ん中にいた男。ラピエール学校第1期卒業生と言える。 またこの30年の気候の変化を感じ、それに対応する術も知っている。 そんな経験豊かなドゥニがクリストフ・パカレの右腕として、その才覚を思う存分発揮して長らく経つが、そんなドゥニさんも59歳。 今年2019年、来年2020年の収穫、醸造で定年となる。。。 まさに開花真っ只中で、すでに収穫に向けて、頭の中はアイデアがいっぱい。 2018年クリストフはフルーリーに自社畑をカーブと共に取得。新しい冒険がスタートした。 マドンヌと同じく、標高が花崗岩の風化した砂質になった区画のポテンシャルは凄い!とドゥニは言う。 凝縮度とフレッシュ感を合わせ持つワインのできる区画だと! 野生酵母の重要性を熱く語るドゥニ。今週はクリストフがカナダ遠征で不在だったが、 ドゥニ節をゆっくり聞けた貴重な時間だった。 最後に簡単ですが、2018年のクリストフ・パカレ。凝縮度の中に各クリュのテロワールがはっきり出ているミレジム。 ボジョレー・ヴィラージュはいちご、グレナデン。シルーブルはブラック・チェリー。 フルーリーはエレガント、ムーラン・ア・ヴァンはタンニンとキャラメルのような甘みが。コート・ド・ブリュイは火山岩を感じるミネラル感。 最強コンビ、クリストフ&ドゥニ。

10
Avr

“幸せ”を創る人達の集まり宴!カタルーション上野原

綺麗な空気、景色、と共に濃縮された 幸せ、が、ここから日本中に、いや世界中に広がっていく。 モノ、コトを創る人達のエネルギーは凄い! ここフランスまで伝わってきます。 素晴らしい! BY Masaki TAKESHITA 山梨県上野原の富岡棚田。 桜の花も満開、まさに春を感じる、この日に100名以上のワイン愛好家が集合。 スペインからの2生産者を囲んで楽しい宴が開催された。 Cosmic・Salvadorコスミック醸造のサルバドール とOriole ARTIGASオリオル・アルティガス。 新宿から70分移動すれば、こんな恵まれた自然環境があることにびっくり。 そこに集まった8店舗のシェフ達。 環境もワインも数々の料理も最高。 自然の中で飲む自然派ワインの味わいはさらに美味い。参加した人達の笑顔笑顔! 上野原の自然の中で、素晴らしい時間を共有したイベントだった。 この大きなイベントを成功させたBMO山田聖子さん、恭路さん、スタッフの皆さん、美味しい料理を作ってくれた ▪️ハヤリテラス▪️namida▪️shinori▪️TAKI BAKE▪️パルク▪️ペグ▪️シンバ▪️ピヨッシュ▪️小泉さん、歴史に残る素晴らしいイベントでした! 参加させて頂き感謝です!

9
Avr

中国・上海事情・ 想像以上に進んでいる自然派ワインマーケット part2

(Vin nature en CHINE By Masaki Takeshita-Oeno connexion ) 上海2日目。 上海にはプラタナスの並木道に連なるフランス租界時代のゴシック調の西洋建築の建物が残る、閑静な地区がある。 そんな中にカフェとクレープ始め軽食と自然派ワインが楽しめるRACがある。 店内だけでなく、開放感溢れるテラスでゆったりとした時間を過ごせる。 ワインリストは圧巻。 グラスワインはドメーヌ・ポッシブルのフルュイ・ド・ハザールや、ジュリアン・マレシャルのコート・ド・カイユなど。 ボトルリストは全部で10ページほどあるが、 ジャック・ラセーニュに始まり、ビュズラ、アレクサンドル・ヴァン、セバスチャン・リフォー ニコラ・レオ、ラピエール、マキシム・マニョン、ポッシブルにブーデュモンド、フランスのみならず、ドイツ、オーストリア、スペイン、オーストリアなど、ほぼ100%ナチュール。 そして、同じ界隈にある、レストランFRANCKはオープンしてかなり経つが、上海初の自然派ワインビストロ。その横にはa coteというグリル料理、ピザと自然派ワインのお店が。 ここも10ページ程の自然派ワインほぼ100%のリストだが、この三軒、ほぼ取り扱い内容同じ。元々同じ経営者だったのかもしれない。 そして上海料理ディナーの後訪問したのが、 店の名前はなんだっんだろうか。。。入り口にvin natureと書いてあるだけ。。。 そこに、自然派ワイン好き集まりブラインド大会スタート。 どこにでもフィリップ・ジャンボン出来る人間がいるもんで(^^)。最初の最後の1本から始まり、何度も続く最後の1本。 世界中どこに行っても自然派ワイン好きは同じ。 彼らは日本にも何度も来ており、祥瑞、ピユッシュや葡呑、キャバレ、酒販店も京都エーテルヴァインから仙台バトンまで、いろいろ訪問して、上海では飲めないワインを飲み、買えないワインを買っている。 その自然派ワインに対するパッションには頭が下がる。また彼等の選択眼は厳しい。ビオ、ビオディナミなど認証だけには囚われない。数ある自然派の後中でも、より本物を探している。 そんな彼等のいる上海のこれからのポテンシャルは凄いだろう。 そして上海に来て、改めて多種多様な自然派ワインが存在する日本のインポーター、択一したセレクトのカーヴィスト、自然派ワインに深い理解と知識を持ち、適切にサービスする飲食店、そんなワインを愛する一般愛好会達、日本の成熟した自然派ワインマーケットを強く感じた。 自然派ワインの世界での日本の存在は大きい! これからの中国の展開が面白い!! 自然派ワインが着実に世界に広がっている。本物だから、当然だ。

8
Avr

いよいよ中国本土に自然派ワインが!En fin, vin nature en Chine !

By Masaki TAKESHITA Population total de 1.39 milliard d’a7hbitants. 13億9千万の人口。日本の約10倍強。 人口2400万人の巨大近代都市上海。 その広大なスペース、高層ビル、中心街の人の多さ、スケール感が違う。 高層ビルオフィス街、百貨店側から離れると、巨大都市とは思えない閑静なヨーロッパ風街並みなど、いろいろな異国情緒が混ざっている。 そんな上海でも、ここ10年ほど前から自然派ワインが輸入されていたが、ここに来て自然派ワインバーやビストロが増えている。 そんな上海の自然派ワインマーケットをリードするのが、年に3回〜4回、フランスのみならず、オーストリアやオーストラリアの生産者を周り、自然派ワインを上海に輸入して、自らも6ヶ月前に自然派ワインバーNO NAME WINEをオープンさせたNeilさん。 1番好きなワインはジュラ。 特に鏡さんのドメーヌ・デ・ミロワールの大ファン。もちろんオヴェルノワのファンでもあり、信じられないほどのジュラワインに対する知識と情報を持っている。 Neilさんの会社では、オーストリアのシュトロマイヤー、フランス、アレキサンドル・ヴァン、ラパリュ、ランジュヴァンなどなど多種多様な自然派ワインを輸入しているが、試飲能力もさることなら、生産者のワイン造りにかける姿勢、人間性などを主にワインをセレクトしているところが、只者では無い! NO NAME WINEの名前の由来は行政の規制でお店の看板を付けられない建物だから。 ブランドでは無く、そのワインの本質で飲む自然派ワインにはもってこいのネーミング。 (オヴェルノワの大ファンのNielニールさん。世界中から集めて試飲済み。昨年、このTシャツを着て台湾Buvons natureに参加) Neilさんのアテンドで上海の自然派ワインを取り扱う、ほぼ全てのワインバー、カフェ、ビストロを飲んで回ったが。。。続く。。。 Ecrit par Masaki TAKESHITA

19
Fév

感動のワインを醸す蔵人 Jean-Francois NICQ ジャンフランソワ・ニック

(Les Pénitantes レ・ペニタント試飲会より) ルシヨン地方に最初にやって来て自然な醸造を定着させた人ジャン・フランソワ・ニック。 その数年後、続々とルシオン地方にやって来た後輩達を導きフランスきっての自然派ワインの小国を築き上げた人。 18年は難しい年ながら最高の品質のワインが完成!! 花崗岩土壌のどこまでも伸びてくる透明感のあるミネラル。 その周りを心地よい果実味が優しく包み込んでいる。 勿論、爽やかな酸も南仏のワインとは思えないフレッシュさ。 絶品ばかり!! 今、次なる世代が一緒に働いている。この類まれな“技”を継承できる準備も進行中。   そして、ベテランの技は今も進化中!! Fridaフリダは除梗しての醸造。 セミ・カルボ醸造では表現できない違うテロワールを魅せてくれている。 ジャン・フランソワの深さが滲みでている一本だ。    (問合せはBMO社、飲みたい人はトロワ・ザムール・恵比寿にて)

19
Fév

年初め恒例のアンジェ・ソミュールの大試飲会も終了

南仏から始まった2週間に及ぶ自然ワイン耐久テースティング大会もディーヴ・ブテーイユを最後にすべて終了した。 休みなしでどれだけのワインを試飲したんだろうか。口中が荒れてきている。 日本出張から帰った翌日に南フランスのモンペリエに移動して、即アンジェに移動しての テースティング。 一年に一回とはいえ、ますます試飲する量が増えていて、訪問者も増えていて、我慢大会のようなテースティングレースになってきた。 特に、2周目のAngersのエキサイティングな試飲は、体力と精神力の集中が必要だった。でも大変興味深いものだった。 それぞれの試飲会に特徴あり。 1) Les Pénitentes レ・ペニタント試飲会 参加蔵の規模は最も少ないけどペニタントは自然派の各地のトップクラス、大御所が揃っている。 レベル的には最もレベルが高い会場であるい。 会場のやや小さめなので人で溢れる会場である。朝一番に会場入りして混む前に大切なところを試飲する必要がある。 2) Saint Jean サンジャン試飲会 当初はニコラ・ジョリーがやっていたルネッサンス・デ・アペラッション試飲会だった。 つまりビオ・ディナミ農法のメンバーが主体の試飲会。 ビオ栽培が主体であり、醸造に関しては、あまり自然にこだわっていない蔵も多い。 最近では、このメンバーの中にも、自然な造りをする蔵も増えてきた。特に若手は自然な造りが多い。 3) Les Anonymes レ・ザノニーム 最も新進気鋭の若手が最も多い試飲会。ディーヴ・ブテイユやペニタントにも入れなかったり、自分から敢えて入らない若手がいる。自分達はもっと自由な発想でワイン造りをやっていきたいと考えている若手が多い。 毎年、初リリ-スの新人も何人かいる。 4) S.A.I.N サン 自然派グループで最も厳しい条件のもとで栽培、醸造ををやっているグループ。 今回はJerome SAURINYジェローム・ソリーニの蔵で極小規模の試飲会を開催。 ジル・カトリーヌ・ヴェルジェ、オリヴィエ・クザンなど自然派のレジェンドな蔵が集まっている。 5) La Dive Bouteille ラ・ディーヴ・ブテイユ 自然派の組織では最古参のグループ。ワインライターのシルヴィー・オジュローが主催する組織。 ラピエール醸造など自然派の初期よりやっている蔵が多く、上記の他の組織に入ってる蔵も重複してこのディーヴ・ブテイユに参加している蔵もいる。最も大規模な試飲会である。とても一日では周りきれない数の蔵が参加している。 ――――――――――  ―――――――――――― どの試飲会も訪問客が多すぎて、試飲したい蔵のブースに近づくだけでも、かなりの時間がかかるほど混みようだった。 自然派が世界中に物凄いスピードで広がっているのが実感できる。 この急激な発展が、今まで和気あいあいでやっていた自然派グループの雰囲気が、ビジネス、ビジネスの利己的な世界のバイヤーが増えたことで妙な方向へ流されてしまう蔵元も出てくるのではないだろうか。 大金をもってビジネス、ビジネスで横取りしていく、あるいわ口八丁手八丁で純な蔵元を口説いて横取りしていく、バイヤーが増えてくるだろう。わが社の利益至上主義のビジネスマン的なバイヤーが増えてきている。 価格競争で他を蹴落としていくビジネスがこの世界にも出てくるだろう。 人間関係を大切にしながら本然的な関係で成り立っていた自然派の中に、いわゆる普通のビジネスの分野の人達が参入してきたと云える。 造り手も、販売する人も、飲む人も、人間的であること、人間としての生き方の哲学が大切な時代がやって来たと云える。 利益至上主義のビジネスの仕組みに流れていくと、この自然派の流れの“純”な大切な部分が無くなっていくだろう。 どのワインを、誰から買って、誰に売って、どんな風に提供していくか、どんな風に飲まれていくか、大切な時代が到来している。 自分のところに手に入りさえすればOKという考え方では、自然派の大切な部分が失われていくだろう。 これからが面白いし、遠くを観ながら醸造家、販売者、飲む人達がハッピーになるメカニズムを築きたい。

18
Fév

怒涛の試飲会の後はゆったりソワレ

  南フランスからロワール地方のAngersアンジェの街に移動してテースティング・耐久ラリーが続く。 楽しく、過酷なラリーの夜は、ホッと一息のソワレ。 日本からの特別参加のBunonの中湊さん、クマさん、ルシオン地方でトビッキリ美味しいワインを醸すShojiさん夫妻も合流。   どの自然派ワイン試飲会場も想像を絶する混んだ中での試飲はブースに近寄るだけでも、まるで戦いの様相。 自然派ワインを愛する人達が世界中に増えているのを体感できる。 アメリカ、中国の大国が本格的に取り組みだした。アジア諸国も追随している。 ここ近未来の自然派ワインを取り巻く状況が凄い勢いで変化してくのを感じる。 世界中の飲食に関わる業界全体が、動きだしている。 今まで見られなかった業界ワインバイヤー達がこの世界に参入してきている。 さあ、変化の時代の到来だ! これからが面白い!! これからをどう生き抜くか!?どの方向に? どんなワインを? 誰と?どんな風に? この分野も今までの、自然派ワインオタクの時代から大海に就航していくしょう。 自然派ワインを嫌いな人も、自然派オタク的な人も、ワインの世界で働くかぎり、違った観点からからのアプロ―チが必要になるだろう。 一般ワインの蔵元もグラン・クリュの蔵も、極めて美味しいワインを造る人達が、実際にやりだしたことは自然派ワインの蔵元がやってきたことをやりだしている。 こんな風に二極分化してくるのではと思う。 1)極めたワイン(グランクリュも含めた美味しいワイン、今の一部の極めた美味しい自然派ワイン) 2)一般ワイン(今までの普通のワイン、自然派ワインの極めない美味しくないワイン) 自然派ワインというくくりで解決できなくなっているし、必要とされない時代になってきている。 自然派ワインがすべて美味しいワインではない。酷いものもかなり多い。 そんな酷い自然派を指さして『自然派ワインなんておいしくないね!嫌いだよ。』と言って避けていた人も多い。 そろそろ目を覚まして、現実を観ていかないとワインの世界では生きていけない時代がくるだろう。 世界中を飛び廻る中湊さんの話は面白い。 現場を渡り歩いた人しか語れない真実がある。 『アジア諸国は日本人が考えているアジアではないことを、』力説する中湊さん。 ここ近年で世界は変わるだろう。そんな中で日本人はいつも中心で活躍していくだろう。日本人の真価はこれからだ! 何故! “和”の哲学をDNAにもっているからです。 世界を大局的にとらえて“和”をイメージできる生き方ができるからである。 国境を超えて日本人は活躍していくだろう! ★Le Temps d’Aimer ル・タン・デメ醸造のSorcellerieソルスルリ ウーン、何て美味しいんだろう!    

18
Fév

アンジェの街のPASSIONワインバー:A Boire et à Manger

一年に一回の大試飲の前夜、既に多くの醸造家アンジェに結集している。 ここ「ア・ボワール・エ・ア・マンジェ」にも多くの醸造家が来ていた。 試飲会の前夜祭となってしまった。 Vin natureが大好きなアンヌ・エレーヌがいた。 (パリのワインバーの超人気店ガード・ローブをアサミとやっていた女性) 店に入ると、La vie est belle ?が聞こえてきた。そう、あのステファン・ティソ夫婦がいた。      そして、ラ・フェルム・デ・セット・リュンヌ La Ferme des Sept Lunes のジャンさん(Jean Delobre) もいた。 何と、ティエリー・ピュズラさんもやって来た。   ステファン・ティソのテーブルにはニューヨークでVin natureを広めている女性もいた。 ニューヨークも熱く燃えているようだった。      明日からの試飲会の為にやって来た醸造家、バイヤーで溢れて熱気が凄かった。  

17
Fév

やっぱりMarc PENOTマルク・ペノさんは凄い!!天も味方につけた18年

(Les Affranchis レ・ザフランシ試飲会) あの強烈に酸っぱい品種グロ・プランもペノさんが醸すとまるで別モノ! ペノさんはグロ・プランの別名フォールブランシュという名をつけて出荷している。 ゆったりした果実味の中にシスト土壌のミネラル感とフォールブランシュ独特の酸が見事に 調和している。 人生をワイン造りに賭けてきた天下一品の技が光る! 誰がこんなフォールブランシュ造れるか!?もうペノさんしかいない! 天候不順で3年間も収穫が激少化して、すべてが切迫した状況のなかで、 18年は天も味方してくれた。 苦労した後の最高のワイン!皆に笑顔が戻った。    18年はムスカデ品種でプリムール新酒を醸した。Pour de raisinピュール・ド・レーザン。 これまた、リーズナブルな価格の上に、グイグイ入ってしまう絶品なワイン。 多くの外国人バイヤーも驚きの品質。 (問合せはESPOA)(野村ユニソン社)     

17
Fév

トビッキリ美味しいロゼ・ペティアンPETARペタール

(Les Affranchis レ・ザフランシ試飲会) グレープフルーツのような爽やかな酸とイチゴ風味の果実味があって、その上に綺麗な泡が 乗ってくる。 グイグイやらずにはいられない。 25歳のシラ品種、なんと15hl/hしか収穫量をとってない。果実味がのっている筈。 人気抜群のペタールは、売り出すと即完売してしまうワイン。   こんなワインを造るのはDomaine des AMIEL アミエル醸造のエメリックだ。 ここラングドック地方に異質の爽やかな光と変化をうながしている天才肌のエメリック アルゼンチン、チリ、カルフォルニア、南アフリカに行ってワイン造りを経験して、先祖代々伝わっているラングドック地方の葡萄園に戻ってきた。 次々と新しい発想で新しいタイプのワインを造り出しているイノベター。 斬新なラベルで世にだしている。 造りは勿論、bio栽培、自生酵母、SO2(酸化防止剤)など添加なしで、クリアなワインを実現。 Amielアミエル醸造のワインから目を離せない!! (問合せはBMO社、トロワ・ザムールにてワインあり)        

17
Fév

Beaujolaisボジョレのエネルギー溢れる元気印の3人組

(Les Affranchis レ・ザフランシ試飲会) ボジョレの次世代を支える3人組 ★Rémi DUFAITRE レミー・デュフェートル ボジョレの番長 風貌に似合わない優しく繊細なスタイルのワインを醸すレミー。 (問合せはサンフォニー社) ★Damien COQUELETダミアン・コクレ ボジョレの暴れん坊ダミアン、ボジョレの重鎮ジョルジュ・デコンブDescombesデコンブのファミリーの長男。ジョルジェ仕込みの果実味と酸の凹凸がクッキリしたスタイルのガメを醸す。 (問合せは日酒販) ★Keke DESCOMBESケケ・デコンブ デコンブ・ファミリーの継承者の一人。今は独自の蔵を設立して、体もお父さんに似てきたケケことケビン。心やさしい性格でお兄さん格のダミアンと共にボジョレの一角を守るケケ。 ブルゴーニュのフレデリック・コサールに愛されている。 (問合せはヴァンクール社)        

17
Fév

信念を極めている醸造家

(Les Affranchis レ・ザフランシ試飲会より) レ・ザフランシの会場では、トビッキリ極めた技をもって仕事をしている三銃士。 私が心より尊敬する三人。 ★Jean-Claude LAPALU ガメ品種をトコトン追究しているジャンクロード・ラパリュ エッ!これがガメ品種っと驚くような水に近いスタイルから濃厚なスタイルまでのガメの側面を魅せてくれる。 独自の創意工夫で造りあげた自分のスタイル。 特に2018年は思うようにできたミレジムだった、と言い切るジャンクロード。 (問合せはクロスロード社)      ★Marc PENOT マーク・ペノ  ムスカデ品種を、エッ!これがムスカデ?!と驚くようなユニークなスタイルを造りあげた ムスカデ名人。 北の地でゆったり感とミネラル感を共有させてやさしいムスカデ果実味を表現できる人はマークしかいない。名人芸だ。 18年は過去最高のミレジム、と言い切るマーク。(問合せはエスポア社まで) ★Nicolas Carmaransニコラ・カルマラン フランスで最も寒い地区でもあるAurillacオーリャックの南の小さな集落Le Bruelル・ブリュエルにある。 誰もそこまで行く理由がないの行かない奥地の村で孤高にワインを造るニコラ。祖先がそこでワインを造っていた畑を再開墾して再生させて、冷涼な地でなければできないスタイルを造りあげた。誰にもマネできない超繊細なワインを醸している。18年は満足のいく年だった。 (問合せはイーストライン社まで)     

16
Fév

これは大切 !! 2月19日東京・自然PASSIONワイン大試飲会

この3人が参加しています。 自然派ワイン業界のレジェンド的存在のダール・エ・リボ醸造のルネ・ジャン 南仏・若手自然派組織のイレールを主催者 エスカルポレット醸造のイヴォ すべてを吹っ切っている女性、ジュリ・ブロスランさん この3人の話しを聞くだけでも、色んなことが分かります。感じます。    南仏モンペリエで行われた自然派ワイン試飲会、リレール試飲会に始まってロワール地方の ディーブ・ブテイユ試飲会まで、毎年、恒例の自然派ワインのデモンストレーションが行われました。 訪問客も世界中から訪れるようになりました。物凄い勢いで広がっています。 造り手も増えて、自然派ワインも大きく進化をしています。 勿論、すべての自然派ワインが美味しいわけではありません。 日本に輸入されているものは、選りすぐりの自然派ワイン達です。 なんと11社のインポーターが集まり各社、選りすぐりのワインを揃えてあります。 自然派ワインの傾向、進化が読めます。 ★東京 2月19日(火) 12:00~17:00 場所;ホテルモントレイ半蔵門 1F  試飲入場料:1000円 ★名古屋 2月20(火) 12:00~17:00 場所:レンタルスタジオ『スタスタ久屋』TEL:052-588-5881    名古屋市中区丸の内3-6-21久屋鍛冶町ビルディング3F 試飲入場料:500円

13
Fév

心地よい仙川のワインバー・サンセール

(BY TAKESHITA)    京王線仙川駅のすぐそばにある素敵な空間のワインバー・ル・サンセール。一歩足を踏み入れると、 時間が経つのも忘れてしまう心地よい空間を作りだすのが、川村さんとみどりさんのカップル。 深夜にもかかわらず、定休日にもかかわらず、久しぶりにもかかわらず、いつもの気兼ねない雰囲気で迎えてくれた。 急きょの深夜オープンにもかかわらず、お店開けた途端に、 近所の常連が集まるわ集まるわ。まさに近隣住民の憩いの場。 そんなサンセールの2人が開けてくれたボトルが2010年のCLUB PASSION DU VINツアーで オリヴィエ・クザンのところに訪問したときに1人1本ずつくれたカベルネ・フラン2007のマグナム。   この時のツアー参加者は、赤穂の47リカーズの岡田さん、御殿場の泉屋酒販の勝俣さん、そして サンセールの川村さんとみどりさん、その友人の日野でバー経営の高田さん。 ツアー1軒目の訪問蔵元がオリヴィエ・クザンだった。 そこからミッシェル・オジェ時代のメゾン・ブリュレ、 もちろんサンセールは必須訪問でセバスチャン・リフォー、ブルゴーニュに行ってエマニュエル・ジブロ、 ラトー、フィリップ・パカレ、ドミニク・ドゥラン、 ボジョレーはデコンブ、石川研修中のラピエール、ラパリュ、 そしてダール・エ・リボ、マルセル・リショー、 ルシヨンのル・ブー・デュ・モンドまで南下したまさに弾丸ツアーだった。 さてオリヴィエのカベルネ・フラン2007は熟成感など枯れたニュアンスは一切なく、ガメイのごとく果実味溢れ、みずみずしい。タンニンはとても滑らかで、カベルネ・フランの持つ気品のある青みが、さらに清涼感を与えてくれた。 サンセール、お宝ワインがたっぷり。 ツアーの想いで話に花が咲き、気がつけば、、、、また時間が経つのを忘れてしまいました。。。 Le Sancerre 調布市仙川町1-19-36

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心に響く最高のシャルドネを醸す2人

(Le Vin de mes Amis 試飲会より) ★Domaine Pattes Loup パット・ルー醸造のトマ・ピコ ピュアーで、ミネラリーで、上品かつ繊細なシャルドネ。 和の世界の繊細な会席料理に合わせてもらいたい。 どこからみてもシャブリ最高のシャルドネだろう。 極めつくしたシャブリのテロワールが味わえる。 ここル・ヴァン・デ・メザミ試飲会でもブースに近づけないほどの人気。 世界中が注目している醸造家トマ・ピコ。見たら即飲んでみるべき!! (問合せは野村ユニソン社)    ★Domaine Philippe Valette ヴァレット醸造のフィリップ・ヴァレット プイィ・フイッセの硬い石灰岩盤土壌。この岩盤に入り込んだ根っ子が吸い上げるミネラルは半端 ではない。 他のブルゴーニュでは表現できないスタイルのミネラル感がここにはある。 物凄いミネラリーで力強いタッチのシャルドネ。ミネラルのチャンピオンといってもよい。 このミネラルが熟成したときの素晴らしさ、言葉に表現できない程だ。 他では類を見ないスタイル。 人間的にも親分肌で確固たる意志の強さがあるフィリップ・ヴァレット。 一飲の価値は大きい。 (問合せはBMO, トロワザムール恵比寿店で飲めます)