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天から強烈なメッセージを与えられている                   Damien BUREAU ダミアン・ビュロー -No1

ダミアン・ビュローは、地元アンジェのコート・ド・レイヨン地区のグリオット醸造の近所で育った。幼い頃からグリオット醸造のセバスチャンやパットとよく遊んでもらっていた。ダミアンにとってワインは最初からVin Natureだった。 近所には、ルネ・モスやジョ・ピトンがあり、働きながら勉強した。 でも若い時は外を見たくて、ルシオン地方、コルシカ島、ジュラ地方、ブルゴーニュなどでワイン造り手伝いながらを学んだ。 そして、最終的には、地元に戻りグリオット醸造のピノ・ドニスの100歳級の畑を譲りうけて独立。 たった3ヘクタールの畑を庭師のように丹念に世話をしているダミアン。 そんなダミアンに天からメッセージをもらっている。 ここ2年間、天候不良により収穫が半分以下という試練をもらっている。 それでも黙々と畑にでて葡萄と会話をするように世話をしているダミアン。            去年の今頃、突然の5月の寒波で元気に発芽していた芽が凍ってしまった。 今年は、完璧な状態でスクスクと伸びている。 何とか、このまま収穫までたどり着きたものです。

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PARISで小粒で濃い試飲会                     Les Grands Verres レ・グラン・ヴェール -NO1

★いつも目いっぱい走っているPhilippe Jambonフィリップ・ジャンボン   やっぱりパリでも超人気者、でもフィリップは自分のブースには殆どいない。 他の醸造家のワインを飲みあさって交流している。    自分のブースを留守にして他の醸造家のワインを試飲しまくっているフィリップ。 元ソムリエのフィリップ、本当に他のワインを試飲するのは好きで、他の醸造家と意見交換するのが大好きなフィリップ。 試飲して感じたことをストレートに伝えている。 若手醸造家はフィリップの言葉を真剣に聞いて自分がやって来たことを説明している。フィリップの醸し出すオーラは凄い。 真っ直ぐなフィリップはストレートに溶け込んでしまう ★そして、アンジュのホープ Damien Bureau ダミアン・ビュロー ダミアンは落ち着いている。過去3年間、収穫が極小なのが続いている。 ここまでの収入減はかなり厳しい。 でもダミアンは、すべてを受け容れて、じっくり構えて忍耐で前を見つめている。 収穫量は極小だったけど、ワインはトビッキリ美味しい。 アルコール度数11度と低くスート体に沁み渡っていく絶品! このスーット伸びていくやさしい深味、美味しいな。     まだビン詰めしていないが、超自然な甘口の2015年のシュナン。立った2樽しかない。 まだ古樽熟成中。 普通、残糖が多い甘口は酸化防止剤がタップリ入っている。 ダミアンのこの Vin liquoreux ヴァン・リコロー甘口ワインLa Poivrotte ラ・ポワヴロットは、 SO2無添加のZERO ZERO!! 超貴重品! イヤー、もうたまらない!この液体は本当に“お神酒”だ。 そして、トビッキリ爽やかな微発泡のペティアンSaperli Popet サペルリ・ポペット。旨い!     会場はPARISのエッフェル塔の近所だった。 ほろ酔いで外に出ると、パリの曇り空にキリット立って、先頭が雲に隠れていた。 パリ情緒満載。

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若手自然派 EN JOUE CONNECTION アンジュ・コネクション試飲会

年末恒例の試飲会。アンジュ・コネクションが12月12,13日の週末に開催された。ANGERSアンジェの街を中心に点在する若手自然派醸造家、約20社で形成されている自然派グループである。年に数回試飲会を開く。 また、若手は金銭的に余裕がなく農機具も思うように購入できないのが現状。そこで、このグループでは農機具を共同で購入して数社で共同使用したり、農繁期にはお互いに農作業を協力し合いながら行うという若手アソシエーションである。 ロワール地方のアンジェ地区は自然派醸造家同志の横の関係が素晴らしく結束してる。こんなに理想的にまとまっている地方は少ない。 若手の次世代型の自然派醸造元が多く育つアンジェ EN JOUE CONNETION、このグループはオリビエ・クザンの息子バティスト・クザンが中心となって形成された。バティストは20歳の時に一年間日本に滞在したことがある。銀座のヴァンピックルに半年、大阪のパッション・エ・ナチュールで半年修業した。自然派の初期段階の時、日本が自然派を支えたこともよく知っている。日本通である。 アンジェ地区の自然派と云えばオリヴィエ・クザン、マーク・アンジェリ、ルネ・モスという古参の醸造家達が今の自然派を築いてきた。 彼らと云えども、当初は自然ワインを造る為の、自然栽培や自生酵母だけで、SO2無添加での醸造を手探り状態でやっていた時期があった。 揮発酸の異常な上昇やお酢になってしまったり、多くの失敗を重ねてきた。 昔はビオ香と云われたり、やたらと臭いワインが多くあった時代だった。 そんな痛い失敗を繰り返してきた。そのお蔭でやっと現在は、クリアでスーット体にしみわたっていく自然派ワインを確信をもってできるようになった。 自然派の造りが安全にできるのが当たり前の世代の出現 最近の新人は、古参のところで研修をしたり、失敗をしないで造る方法を継承して、最初から当たり前の如くに自然派ワインを造ることを知っている世代である。 最初から、自然派ワイン造りで、やってはいけない事、気をつけなければいけない事を熟知している。これは凄いことなのである。 コート・ド・レイヨン近辺、朝の恒例風景の霧 前日の12月11日にアンジェの街に着いていた。この種の自然派試飲会は午前中が勝負だ。特にアンジュは自然派ファンが多い。午後になると会場が人で溢れて、ブースの前までたどり着くだけでも時間がかかる。だから10時の開場前には入ることにしている。ホテルを駅前にとった。昨夜は自然派ワインビストロでチョット飲み過ぎた。まだアルコールが若干体内に残っている。自然派ワインばかり飲んだから二日酔いはない。心身ともに快調である。残留アルコールで勢いがついている。 アンジュの街から南に車で移動した。コート・ド・レイヨン地区に近づくと霧が濃厚になってきた。秋冬、この辺では毎朝の如くに霧が発生する。この霧のお蔭で貴腐菌が発生する。コード・ド・レイヨンと云えばキリっとした酸を備えた貴腐ワインが存在する。レイヨン川の湿気のお蔭だ。SO2添加の少ない甘口の自然派貴腐ワインは最高に美味しい。すべてはこの霧のお蔭である。 今回はパッション・ド・ヴァンの若手キショとやって来た。アンジェ駅でレンタカーを借りてキショの運転でやって来た。アンジェの中心から約20分程で小さな村RABLAY SUR LAYONラブレイ・シュール・レイヨン村に着いた。コート・ド・レイヨン地区のど真ん中の村である。会場は村の公民館だ。 さあ、戦闘開始だ。入場料10ユーロを払って会場に入った。 10時キッチリに着いた。まだ、すべての醸造家が来ていない。時間に真面目な醸造家だけが準備をしていた。これを見ただけで醸造家の性格がよく分かる。 几帳面な醸造家は時間にキッチリと来て、もう試飲準備が完了している。 これだけでも、ある程度のワインのスタイルは理解できる。 気の早い入場者が何人か来ていた。 自然派の宝庫・アンジュに新しい風! STEPHANIE ET VINCENT DEBOUTBERTIN*ステファニー・エ・ヴァンサン・デブベルタン ノルマンディー出身の二人、ヴァンサンとステファニーはパリの大学時代に出会って以来ずっと一緒。ヴァンサンはエネルギー関連の研究をして風力エネルギーの仕事をやっていた。二人とも自然が大好きで自然の中で働く仕事をしたかった。自然派ワインが好きだった。特にスーット入ってしまうスタイルのアンジュのワインが好きだった。マーク・アンジェリーやオリビエ・クザンの元で研修した。そして2012年にワイン造りを決意して醸造元を設立。 3ヘクタールの小さな畑を庭園の如くに丁寧に世話をしている。 最初からビオ栽培。多くの若者のように、自然環境を壊したり、飲む人達の健康を害するようなワイン造りをしたくなかった。自然栽培・醸造が最初から当たり前の世代である。マーク・アンジェリーやオリヴィエ・クザンなどの諸先輩が切り開いた自然派の造りを継承して、普通のワイン造りとして当たり前の如くに自然派ワインを造る世代の自然派が多く誕生している。その優等生がこのデブベルタンである。初リリースか素晴らしい品質のワインを造っている。 1-L’AUNIS ETOILE オーニ・エトワール ★★★ スーット体に入ってしまう果実味と軽やかなワイン。今、ピノ・ドニス品種が自然派ワインファンの中で静かなブームとなっている。マサル方式の55歳の大きめの葡萄房からは果実味タップリの軽やかなジュースが絞れる。盆栽のように世話をして12ヘクリットル/Hに収穫量を抑えるとシスト土壌のミネラル感がスカッとした透明感を演出してくれる。自然酵母でセミ・マセラッション発酵。3~5年の古樽で12か月のシュール・リ状態で熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。 2-ACHILLEE アシレ 25歳のシュナン品種。リオリットと呼ばれる堅い石の土壌。シストのような真っ直ぐなミネラル感を演出してくれる。キリっとした酸の中にソフトな果実味。古式の垂直プレスでゆっくり搾ると優しいタッチに仕上がる。自生酵母発酵。そして、古樽で1年のシュール・リ熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。フィルターなし、SO2添加なしの超自然なソフトな優しいタッチの白。 3-LE SALTIMBANQUE 14  ル・サル・タンバンク 14 樹齢60歳のソーヴィニョン品種100%。14年は7,8月と天候が曇りがちで湿気が多かった。しかし、9から10月にかけて晴天が続き一挙に葡萄が熟した。5~8年の古樽の中で自生酵母発酵、そのままシュール・リで樽熟一年間。熟したモモ風味の甘味もあり、シストのスッキリ感が抜群。 自然派ワイン造りに無我夢中の女性CHARLOTTE BATTAIS *シャルロット・バテ ブルターニュ地方出身のシャルロットは、偶然にアンジェの葡萄園にたどり着き自然派ワインに巡り合って、この世界にのめり込んでいった。アンジェの自然派醸造家達の人間的な繋がり、助け合う姿に感動。自分もワイン造りに人生を賭けたかった。 2008年にマーク・アンジェリーの援助で100歳の古木シュナンの畑を借りてスタートした。今はその畑も返し、セレクション・マサルの100歳のグロロ品種0.5ヘクタールにすべてを賭けているシャルロット。0.5ヘクタールだけでは生活が成り立たない。勉強も兼ねてオリビエ・クザンのところで働いている。自分の造るワインに対しては一切妥協はしない。自分の納得しない内は絶対に出荷しない。 1- LE PONTAIL […]

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自然派ワインの真夏の祭典 (南ローヌ河右岸・アルデッシュ地方)  

8月3日、驚異的な猛暑が続く南フランスで、暑い,熱い自然派ワイン見本が行われた。 日蔭で39から40度という猛暑の中、フランスきってのチームワークの良い自然派醸造元が集中しているアルデッシュ地方で行われた。 今年で3回目となる。 真夏の祭典と云えばボジョレのモルゴン村で毎年7月14日に行われるラピエール家の自然派ワイン祭りがある。30年間も続いたこの夏祭りも今年はお休みだった。マルセル生存中に始められたこの祭りである。 世界中の自然派ファン、醸造元、販売者が集まる恒例行事だった。 今年は、ここアルデッシュ地方のこの祭典のみが行われた。ちょっと寂しい感がある。 モルゴンの祭典に毎年参加しているチェリー・プゼラとあった。 『今年はラピエール家の祭がなくて寂しいね!』 チェリーも同感だった。これも時の流れだろう。 アルデッシュと云えば二人の大御所自然派がいる。ジェラルド・マゼルとジル・アゾニーだ。この二人のお蔭でここアルデッシュには多くの若手自然派が誕生して育っていった。 今はこの二人を追い越す品質を備えた醸造家が多く存在するようになった。 彼らも始めたばかりの頃は、この二人に師事して自然派ワイン造りを学んだ。皆に尊敬されている二人である。 今では、ジェローム・ジュレやアンドレア・カレック、など繊細で、上品さを備えた中堅醸造家が育っている。世界中の自然派ワインファンを魅了している。若手の指導も積極的に継承している。 ジェローム・ジュレの人柄、誠実で、着実に一歩一歩進んでいく彼の人間としての生き様がワインの中に表現されている。透明感あるワイン、酸、上品さ、ワインに品格がある。 39度の猛暑の中、まるで我慢大会のような試飲会となった。   パラソルやヨットの帆を日除け代わりに木に縛り付けて日蔭を造ってしのいだ。 幸いにもこの日はミストラルの強風がなく飛ばされることもなかった。 でも、暑い、暑い、頭がクラクラしてくる。水をガボガボと時々飲みながら試飲しないと倒れそうになる。 今回、CLUB PASSION DU VINの新人メンバーとなったYURIが初参加した。 あまりの暑さに熱中症の一歩手前えまでの症状。倒れそうになって、休み休みのテースティングとなった。 試飲している最中に太陽の位置が変化して体に日差しがあたる。木陰を探しながら体を移動する。太陽の日差しと隠れんぼしながらの試飲だった。 そんな中、会場の受付をやってくれたのは、ジェローム・ジュレの娘さん達。 可愛い笑顔で迎えてくれた。 つい最近まで赤ちゃんだと思っていたら、もうこんなに大きくなっていた。 子供の成長は凄いものだ。真ん丸く大きく涼しげな8つの瞳に見つめられると暑さも和らぐ気がした。 ≪ここからは、新人スタッフのYURIのレポートになります≫ ≪チョット書き加えあり、伊藤≫ 8月3日、晴天の中開催された、アルデッシュ地方の試飲会に行ってきました! ↓ ご存じの方も多いかと思いますが、念のためアルデッシュの位置はこちらです ↓ アルデッシュ地方はローヌ川西側(右岸)に広がっており、北部と南部に分かれています。 北部はサン・ジョセフからローヌ川をはさんで右岸側、南部はコート・デュ・ヴィヴァレまで広がっています。 パリからは、試飲会会場近くのモンテリマーまでTGV新幹線で行き、レンタカーでローヌ川を越えてアルデッシュの会場、ジル・アゾニ醸造までGo! 伊藤社長の運転です。 会場の様子 飲会場に急ぐ 伊藤の背中 カメラを肩にかけての試飲開始。 試飲中の伊藤。 今、フランスで最も面白い自然派醸造家が多数誕生しているアルデッシュ。 今が旬のとてもアツい、たくさんの若手醸造家や熟練の域に達している世界から注目されている中堅の醸造家に会うことができました! 試飲キュヴェとともに、レポートさせていただきます。 ジェローム・ジュレ*JEROME JOURET 自然派ワインの中堅的存在。新人の醸造家の兄貴分としての存在感はさながら、とても親切で丁寧な人柄がワインに表れているようです。 暑い中ワインの温度が上がりがちな試飲会のなかでも、一番適温で出してくれ、細やかなところも 外さない、好印象でした!   在庫状況を聞くと、カバンから大きな一枚の在庫表を取り出した。 『これが私のコンピューターなんだ。』 ジェロームはパソコン、携帯電話は使わない。 すべてアナログで処理している。 ジェロームの人なりを理解できる。 […]