17
Mai

酸を伴った黄金の甘い貴腐ワインを可能にする、Layon レイヨン川

   フランスで貴腐ワインといえばボルドーのソーテルヌか、ここ Angers アンジェの Coteaux du Layon   コトー・デュ・レイヨン。 ソーテルヌとコトー・デュ・レイヨンの違いは“酸”。 コトー・デュ・レイヨンはソーテルヌと比較するとかなり北に位置している。 貴腐菌がついて糖度がドンドン上がっても酸が少なくならない。 だから、甘口でもビシッと効いている。 たれない、甘すぎるように感じない。 極甘でも、甘さが気持ち良く、スカッとしている。      そんな特別な貴腐ワインができるのは、このレイヨン川の湿気のお蔭。 秋のレイヨン川付近では朝霧が深い。 この朝霧のお蔭でプリチュール・ノーブルと云われる特別な菌が葡萄の皮に付着する。 そうすると葡萄実の中の水分が少なくなって糖度がドンドン上がっていくのです。 そして、気温が低いので酸が下がらない。 それはそれはもう特別な甘さ、そして同時にフレッシュな酸があって、 もう、堪らないですね。 甘口ワインこそ自然派でないと!! 普通の造りでは酸化防止剤を目いっぱい入れてしまう。 だから、甘いワインを飲むと頭が直ぐに痛くなってしまったり、繊細な人は気持ち悪くなってしまう。 アンジェの自然派の蔵元なら量は少なくとも皆造っています。 例えば Philippe Delmée フィリップ・デルメ醸造の La Grosse Nadine Vin Blanc Liquoreux などはもう極ウマです。 シスト土壌のミネラルもビシッとあり。 日本の自然派インポーターの皆さんへ 少しでもいいので、是非 Vin Liquoleux 甘口のヴァン・リコルーをインポートしましょう! きっと、消費者の皆さんも満足されることでしょう。

26
Fév

見本市・心残る醸造家・ワイン – NO2

(L’irreelイレール試飲会より) ★Philippe Delmeeフィリップ・デルメ・数学の先生よりの変身        ロワール地方の生産者はこの南仏見本市にはあまり参加しない。希少な蔵元。 フィリップはブルターニュ地方の先端の街ブレスで数学の先生をやっていた。Vin Natureの大ファンだった。 特にAnjouのブノワ・クローBenoit COULAULTのシュナンが好きだった。 数学の先生としての生活しながら40歳になり、自分の人生、“このままでいいのいか、”と自問していた頃だった。   学校のバカンスの時、自分が大好きなワインを造るブノワ・クローを訪問。 Anjouの自然派ワインを造る他の醸造家達、オリヴィエ・クザンやパトリック達の生き方に感動をした。 自然を尊重しながら自分の好きなワイン造りに一心不乱に打ち込んでいる姿、その上、お互いに協力し合ってまるで家族のように、支えながら生きている醸造家達のコミニティー生活にも感動した。 それに、彼らの造るワインが、フィリップの心の深いところにエモーションが響いてくるのだった。 フィリップ人生を変えたかった。 2009年にはブノワの援助でワイン造りを開始。先生をやりながら2年間はブルターニュ地方とアンジェを往復しながらの生活をして、2011年にはアンジェに完全に移り住んで、ワイン造りに専念。 アンジュ地区の若手醸造家のグループEN JOUE CONNECTIONアンジュ・コネクションのメンバーとして積極的に活動している。 ワイン造りを開始して8年目の17年、フィリップのワインも、 エーモーションが伝わってくるワインになった。 シスト土壌からくるスカットしたクリアなミネラル感がたまらない。     

7
Mar

日仏商事・ピカット光るミニ試飲会(銀座CPV事務所にて)

3月、CPV銀座事務所にて日仏商事の庄元さんが小粒でピリっと光る試飲会を開催。 東京の熱心なお酒屋さん、業務店の皆さんに来ていただきました。 今、パリのビストロで超人気のJérôme GUICHARD*ジェローム・ギシャールが勢ぞろい! 庄元さんが自らの足と舌で買い付けたワインばかりを揃えた。   Philippe JAMBON*フィリップ・ジャンボンの大親友であるジェローム。 ますます、ジャンボン化してきた。 ヨーロッパ全体の自然派ワイン人気沸騰の中、段々と品薄になってきたジェローム・ギシャールのワイン。 このチャンスを見逃さないように!!    私の大好きなルシオン地方のMATIN CALME*マタン・カルム。 雄大なピレネー山脈のカニグ山を見ながら、山からのエネルギーを吸収しながら育つ葡萄を仕込んだワイン達だ。 自然派ワインの宝庫、ロワール地方のアンジェからは、これまた、進化の真っ只中、話題のPhilippe DELMEE*フィリップ・デルメが試飲にでていた。 どれも、走り切っているワイン達だ。 静かに燃えるPASSIONの人、庄元さん。庄元さんのワイン選眼能力は凄い。 信頼のおけるプロフェッショナルな仕事人です。

22
Déc

若手自然派 EN JOUE CONNECTION アンジュ・コネクション試飲会

年末恒例の試飲会。アンジュ・コネクションが12月12,13日の週末に開催された。ANGERSアンジェの街を中心に点在する若手自然派醸造家、約20社で形成されている自然派グループである。年に数回試飲会を開く。 また、若手は金銭的に余裕がなく農機具も思うように購入できないのが現状。そこで、このグループでは農機具を共同で購入して数社で共同使用したり、農繁期にはお互いに農作業を協力し合いながら行うという若手アソシエーションである。 ロワール地方のアンジェ地区は自然派醸造家同志の横の関係が素晴らしく結束してる。こんなに理想的にまとまっている地方は少ない。 若手の次世代型の自然派醸造元が多く育つアンジェ EN JOUE CONNETION、このグループはオリビエ・クザンの息子バティスト・クザンが中心となって形成された。バティストは20歳の時に一年間日本に滞在したことがある。銀座のヴァンピックルに半年、大阪のパッション・エ・ナチュールで半年修業した。自然派の初期段階の時、日本が自然派を支えたこともよく知っている。日本通である。 アンジェ地区の自然派と云えばオリヴィエ・クザン、マーク・アンジェリ、ルネ・モスという古参の醸造家達が今の自然派を築いてきた。 彼らと云えども、当初は自然ワインを造る為の、自然栽培や自生酵母だけで、SO2無添加での醸造を手探り状態でやっていた時期があった。 揮発酸の異常な上昇やお酢になってしまったり、多くの失敗を重ねてきた。 昔はビオ香と云われたり、やたらと臭いワインが多くあった時代だった。 そんな痛い失敗を繰り返してきた。そのお蔭でやっと現在は、クリアでスーット体にしみわたっていく自然派ワインを確信をもってできるようになった。 自然派の造りが安全にできるのが当たり前の世代の出現 最近の新人は、古参のところで研修をしたり、失敗をしないで造る方法を継承して、最初から当たり前の如くに自然派ワインを造ることを知っている世代である。 最初から、自然派ワイン造りで、やってはいけない事、気をつけなければいけない事を熟知している。これは凄いことなのである。 コート・ド・レイヨン近辺、朝の恒例風景の霧 前日の12月11日にアンジェの街に着いていた。この種の自然派試飲会は午前中が勝負だ。特にアンジュは自然派ファンが多い。午後になると会場が人で溢れて、ブースの前までたどり着くだけでも時間がかかる。だから10時の開場前には入ることにしている。ホテルを駅前にとった。昨夜は自然派ワインビストロでチョット飲み過ぎた。まだアルコールが若干体内に残っている。自然派ワインばかり飲んだから二日酔いはない。心身ともに快調である。残留アルコールで勢いがついている。 アンジュの街から南に車で移動した。コート・ド・レイヨン地区に近づくと霧が濃厚になってきた。秋冬、この辺では毎朝の如くに霧が発生する。この霧のお蔭で貴腐菌が発生する。コード・ド・レイヨンと云えばキリっとした酸を備えた貴腐ワインが存在する。レイヨン川の湿気のお蔭だ。SO2添加の少ない甘口の自然派貴腐ワインは最高に美味しい。すべてはこの霧のお蔭である。 今回はパッション・ド・ヴァンの若手キショとやって来た。アンジェ駅でレンタカーを借りてキショの運転でやって来た。アンジェの中心から約20分程で小さな村RABLAY SUR LAYONラブレイ・シュール・レイヨン村に着いた。コート・ド・レイヨン地区のど真ん中の村である。会場は村の公民館だ。 さあ、戦闘開始だ。入場料10ユーロを払って会場に入った。 10時キッチリに着いた。まだ、すべての醸造家が来ていない。時間に真面目な醸造家だけが準備をしていた。これを見ただけで醸造家の性格がよく分かる。 几帳面な醸造家は時間にキッチリと来て、もう試飲準備が完了している。 これだけでも、ある程度のワインのスタイルは理解できる。 気の早い入場者が何人か来ていた。 自然派の宝庫・アンジュに新しい風! STEPHANIE ET VINCENT DEBOUTBERTIN*ステファニー・エ・ヴァンサン・デブベルタン ノルマンディー出身の二人、ヴァンサンとステファニーはパリの大学時代に出会って以来ずっと一緒。ヴァンサンはエネルギー関連の研究をして風力エネルギーの仕事をやっていた。二人とも自然が大好きで自然の中で働く仕事をしたかった。自然派ワインが好きだった。特にスーット入ってしまうスタイルのアンジュのワインが好きだった。マーク・アンジェリーやオリビエ・クザンの元で研修した。そして2012年にワイン造りを決意して醸造元を設立。 3ヘクタールの小さな畑を庭園の如くに丁寧に世話をしている。 最初からビオ栽培。多くの若者のように、自然環境を壊したり、飲む人達の健康を害するようなワイン造りをしたくなかった。自然栽培・醸造が最初から当たり前の世代である。マーク・アンジェリーやオリヴィエ・クザンなどの諸先輩が切り開いた自然派の造りを継承して、普通のワイン造りとして当たり前の如くに自然派ワインを造る世代の自然派が多く誕生している。その優等生がこのデブベルタンである。初リリースか素晴らしい品質のワインを造っている。 1-L’AUNIS ETOILE オーニ・エトワール ★★★ スーット体に入ってしまう果実味と軽やかなワイン。今、ピノ・ドニス品種が自然派ワインファンの中で静かなブームとなっている。マサル方式の55歳の大きめの葡萄房からは果実味タップリの軽やかなジュースが絞れる。盆栽のように世話をして12ヘクリットル/Hに収穫量を抑えるとシスト土壌のミネラル感がスカッとした透明感を演出してくれる。自然酵母でセミ・マセラッション発酵。3~5年の古樽で12か月のシュール・リ状態で熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。 2-ACHILLEE アシレ 25歳のシュナン品種。リオリットと呼ばれる堅い石の土壌。シストのような真っ直ぐなミネラル感を演出してくれる。キリっとした酸の中にソフトな果実味。古式の垂直プレスでゆっくり搾ると優しいタッチに仕上がる。自生酵母発酵。そして、古樽で1年のシュール・リ熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。フィルターなし、SO2添加なしの超自然なソフトな優しいタッチの白。 3-LE SALTIMBANQUE 14  ル・サル・タンバンク 14 樹齢60歳のソーヴィニョン品種100%。14年は7,8月と天候が曇りがちで湿気が多かった。しかし、9から10月にかけて晴天が続き一挙に葡萄が熟した。5~8年の古樽の中で自生酵母発酵、そのままシュール・リで樽熟一年間。熟したモモ風味の甘味もあり、シストのスッキリ感が抜群。 自然派ワイン造りに無我夢中の女性CHARLOTTE BATTAIS *シャルロット・バテ ブルターニュ地方出身のシャルロットは、偶然にアンジェの葡萄園にたどり着き自然派ワインに巡り合って、この世界にのめり込んでいった。アンジェの自然派醸造家達の人間的な繋がり、助け合う姿に感動。自分もワイン造りに人生を賭けたかった。 2008年にマーク・アンジェリーの援助で100歳の古木シュナンの畑を借りてスタートした。今はその畑も返し、セレクション・マサルの100歳のグロロ品種0.5ヘクタールにすべてを賭けているシャルロット。0.5ヘクタールだけでは生活が成り立たない。勉強も兼ねてオリビエ・クザンのところで働いている。自分の造るワインに対しては一切妥協はしない。自分の納得しない内は絶対に出荷しない。 1- LE PONTAIL […]