29
Déc

和風系といえば“繊細なうまみ”、黙ってThomas PicoのChablis

Parisにはtたくさんの和食がある。私がフランスのワイン産地を旅してパリに戻った時、一番最初に行きたいお店はここです。 “国虎屋”Kunitora-ya.。日本でも食べられないほど美味しいうどんの店である。 土佐出身の野本シェフのうどんは天下一品である。土佐カツオ仕込みのだしの“Umami旨味”がきいた汁がたまらない。 . フランス田舎の旅でワインとフレンチでチョット疲れた胃と腸が生き返る。 和の旨味が全身に染みわたる。 . そんな野本シェフが、大変身した国虎屋。 夜のメニューは、和の旨味ニュアンスを、フランスの食材をふんだんに使いながらの創作料理の店に大変身。 パリの美味しいレストランを食べ尽くした野本シェフが、描き続けてきた和と洋のエッセンスが詰まったUmami。 . そんな料理にピタリと合うワインと云えば、もうこれしかないでしょう! . もう黙ってThomas Picotトーマ・ピコのシャブリChablis。 一億5千年前の地質キメリジャン石灰質土壌からくるズーッと伸びてくる潮っぽいUmamiミネラル、その上にかぶせるようにヴィバシテーと呼ばれるキリっとしたフレッシュな酸がある。 国虎屋のうまみ料理と共通する旨味とUmamiの競演、そして透明感のあるフレッシュな酸、また次を楽しむ活力が湧いてくる。絶妙なマリアージだ。 . 料理を造る野本シェフのこれまでの歴史、ここに至るまでのトーマの歴史、人と人の歴史の結果である作品がこのテーブルで出合いマリアージする。二人をよく知っている私にとってはたまらないエモーショナルな時空間の世界だ。 ――――――― トーマ・ピコのプティ・ノート 2003年より、お父さんの畑の一部を引き継いで始めた。 20年間のビオ栽培。 シャブリの数少ないビオ栽培、鳥や昆虫などが少ないことが悩みと一つ。 木々が少ないシャブリの畑、鳥や昆虫を呼びもどす為に、葡萄木を抜いて180本の色んな種類の木を植えている。 収穫は人の手で収穫、最も熟した時期に一挙に収穫する為、60人もの収穫人を投入する。 収穫後、4時間かけてゆっくりやさしくプレスしてジュースを絞り、ポンプを使わないで重力で発酵槽に入れる。 . 自分の畑で育った自生酵母のみでアルコール発酵。(つまり葡萄果実に自然に付着していた酵母のみ) . 熟成は、中樽とフードルと呼ばれる大型樽にて熟成。熟成期間も2年から3年の飲み頃になるのを待って出荷するようにしている。シャブリのテロワールのホントの旨味テロワールを表現するには時間がかかる。と考えている。 ――――― 野本シェフの美味しい料理の数々。 もちろん、最後はうどんでしめました。 今日はレベッカとヴィクトールの3人でやって来た。 レベッカは10日間もフランスのワイン産地、アルザス、ジュラ、ブルゴーニュ、ボジョレ、エルミタージ、アルデッシュ、ローヌ、ラングドック、ロワール地方を歴訪、この日パリに戻ったところ。連日の移動、テースティングお疲れさんでした。 最後に、やさしい“うまみ”料理で落ち着きました。 ワインはタン・ド・スリーズ醸造のBlanc de Noirのラ・プール・ドュ・ルージュもあけました。 そして、偶然にも、レベッカが名前とラベルを決めた日本酒“匠”もやりました。 素晴らしい時間をありがとう。 トーマ・ピコThoms PicoのシャブリChablisと繊細な和風料理との素晴らしい相性に感動したひと時でした。

26
Déc

Olivier Cousinのpetit 歴史と円熟期に入ったワインを効く

冒険家オリヴィエも62歳。オリヴィエほど世界を自分の船で動き周った醸造家はいないだろう。 ヨットは自分で設計して、造ってしまう技術をもっている。モノ造りのセンスは凄いものがある。 20歳の時は、大西洋を単独横断したほどだった。その後も、アフリカのギアナまで大海原を走り周っていた。 . 今でも季節になるとジッとしていられないオリヴィエはクレールと近海を走り廻っている。 オリヴィエは1980年よりお祖父さんと一緒に蔵で働いていた。でも季節になるとヨットで出て行ってしまうことが多かった。正式に蔵に戻ってきたのは1987年だった。その前も収穫期には戻ってくるように心がけていた。83年からはお祖父さんと一緒に収穫してワインを造りだした。だから今年41回目の収穫をやったことになる超ベテラン。 オリヴィエも人生62歳、究極の自然児だったオリヴィエ。私が最初に知り合った頃は、ガソリンはよくないから、と云って植物性油で車を走らせていた時期もあった。 . 日本に一緒に行った時も、試飲会場まで移動する時、俺は地下鉄には乗らない、と云って、地図も持たずに歩いてちゃんと試飲会場に辿り着て皆を驚かせた。 . 90年代初期から自然派ワインを最初に造り出した人達は、多かれ少なかれチョット違った能力をもっていた人達ばかりだった。普通の人が、わざわざこんなリスクのあるワイン造りをやる理由がなかった時代だった。 そんな時代をくぐりぬけて戦い続けてきたオリヴィエの最近のワインが面白い。 人生の奥深いところを知り、なお気候変動に対応しながら馬や動物、微生物達と共存しながらのワイン造りに磨きがかかっている。 ここANGERSアンジェは自然派ワインの宝庫、多くの若手がやってきて、色んな手法でワインを造っている。 世間的には、超有名なワイン、造り手が乱立している地方でもある。 そんな中、確固たる自分のワイン造りのポリシーを貫いているオリヴィエ・クザン。 2023年は、久々に収穫量も満足いくものだった。品質も納得いくミレジムだった。 自生酵母も元気があり、アルコール発酵も12月前に終わったほど順調だった。 23年ミレジムは好ご期待です。 Au-dela オ・デラ シュナン・ブラン品種の畑は2006年より人に貸してあった。今年から戻ってきて、15年ぶりに造るオリヴィエ。 収穫後、直プレスして、自生酵母で発酵したもの。軽いアルコール、爽やかな酸、心地よいワインである。 あの丹念に世話をした畑、土壌の風味、ミネラルがスーっと伸びながら、ホワッとしたやさしい深味がある。 PARTAGE パルタージュ 樹齢の古いカベルネを除梗して、潰さない(フラージはしない)で葡萄粒を発酵槽にいれてトラディション醸造。 勿論、自分の畑で育った自生酵母のみで発酵。 そしてシュナンブランを直プレスにかけたジュースをブレンドしたもの。 アルコール度数も低くて、酸も爽やかで、心地よい。 オリヴィエ独特の果実の深味がある。 Le Franc 村の教会の横にある古木のカベルネ・フランを仕込んだもの。丹念に世話をされた土壌達が、オリヴィエが望むミネラルを地中深くから果汁に送り込んでくれた深味を備えている。まさにオリヴィエ香と云っていいホワッとした優しい風味がある。41年のワイン造りの歴史を感じさせてくれる。 蔵に入って熟成中のワインを試飲、23年はどれも、すでに飲みやすかった。 嬉しいことに、幻のロゼ・ペティアンらしきものがあった。まだ、どうなるか決まっていない。品種も昔のものとは違うようだ。 ワインは人である。その人の歴史、たどって来た人生の局面、時期によって全く違ったワインになることは当然である。 熟練期、円熟期に入ったオリヴィエがここにいる。 これからのオリヴィエの醸すワインが、どのように進化していくか、ますます楽しみになってきた。

24
Déc

41回目の収穫を終えたOlivier Cousinファミリーと

クザン家の食事は、すべて自分で造った野菜、ハム、ソーセージなどが主体でシンプルだけど本当に美味しい。 相変わらず天然の奥さんクレールがいるだけでその場が明かるくなって心地よい。 今日は、レベッカとエリーンヌと、エンゾ一と一緒にやって来た。 このレベッカは、もう何回もここにきてテーブルを囲んだことがある。 でもコロナの影響もあって長い間来れなかったので、なんとしてもオリヴィエに会いに来たかったレベッカは大喜び。 スピードが速い世の流れの中、数年でも、時がたつと色んなことが変化している。 オリヴィエもクレールも62歳となって、3人の子供たちも皆独立して色んな人生を走っている。 長男のバティストはもう37歳となって自分の蔵を経営している。子供も二人。 長女のマチルドも35歳となって、同じく二人の子供がいる。 末っ子のクレマンは32歳、イギリスでレストラン業をやっている。 そんな中、オリヴィエも未来の事を考えて、子供たちに畑を分けることを始めている。 まだ元気な62歳なので自分の生活分のワインを造るけど、着々と次世代への引継ぎを進めている。 現在の自然派を造り上げてきたレジェンド達も、そろそろ引退の時期に差し掛かっているのを感じる。 クレールがアルバム写真をだしてきて、彼らが若かった頃の写真を見せてくれた。 写真を見ながら、前から聞きたかった質問をした。 『オリヴィエとクレールは、どうして知り合ったの?』と質問。 『高校性になった時、一番背が高くて目立っていたのがクレールだった。彼女を見て、すぐに決めたよ!』 とオリヴィエ。一番、可愛かったに違いない。 その頃に近い写真を見せてくれた。複写で撮ってピンボケしてしまったけど感じはわかるので添付しておく。 やあー、楽しかった。 オリヴィエ・クザンは、ここロワール地方が“自然派の宝庫”となった原点の人。 妙なエゴは全くなく、天然に自然で、決めたことは何があっても実行する行動の人。 AOPワイン公的機関とも裁判で戦った。 妙な権力には絶対に屈しない人でもある。 オリヴィエと話すと、自然派の過去、現在、未来が見えてくる。 ホントにいい時間を、レベッカ達とともに過ごせた。 ありがとう、オリヴィエ、クレール。 On a passe très bon moment Merci Olivier et Claire .

23
Déc

ロワール地方の究極の自然派レジェンドOlivier COUSIN

本物中の本物オリヴィエ・クザン。 オリヴィエが葡萄木に触ると、葡萄木が犬のように喜んでいる感覚を感じる。 葡萄木だけではない。 土壌に生息しているミミズ、微生物、自生酵母までが喜んでいるようだ。 いつも畑と共に生きているオリヴィエ、葡萄木や土壌の方がオリヴィエに近づいてきて馴染んでいる。 ここまで土壌と一体化している栽培・醸造家は、フランスにも数えるほどしかいない。 特別な存在だ。 ワインは畑で造られる。 この言葉がオリヴィエ・クザンならの言葉だ。 鶏も馬も、畑の住民はすべて家族。 家族が住む畑を、住みやすいように最大限のことを施している。 自生酵母達もオリヴィエの家族だから、しっかり働いてくれるのは当たり前だ。 人、土壌、太陽、動物・微生物 すべてのエネルギーが一体化して和している まさに、これぞ自然派ワインの定義の根幹なのだ。

26
Oct

銀座オザミの小松シェフ・ソムリエとシャブリのTHOMAS PICOを訪問

銀座オザミで最高に“心地よいサーヴィス”をこなし、多くのファンを持っている小松さんが熱望した訪問先の一つがブルゴーニュ・シャブリのトーマ・ピコでした。 PARISシャルルドゴール空港から一挙のブルゴーニュ・シャブリへ直行した。 ここシャブリは、近年、天候不順で収穫量が極度に少ないミレジムが続いていた。 今年2023年は、猛暑もありながらも、結果的に稀にみる高品質で収穫量も満足のいく嬉しいミレジムとなった。 そんなこともありで、最高の笑顔で迎えてくれたトーマ・ピコだった。 OENO CONNEXION社は、トーマがお父さんからドメーヌの一部を引き継いだ2003年の初ビンテージから付き合っている。 トーマが20年間にやってきたシャブリでの奮闘はMAGNIFIQUEマニフィック・素晴らしい!としか言いようのないものでした。 そんなトーマの20年間の奮闘と現在までの地道な活動の一部を小松さんに語りだした。 トーマはドメーヌを引き継いだ当初から、ここシャブリの現実を目の当たりにみて危機を抱いていた。 シャブリという産地は、フランス中のワイン産地の中でも、“シャブリ”という名前だけで黙っていても売れる産地であること。逆をいえば、何も努力しなくても売れてしまう産地といえる。 つまり、ここには、お金儲けだけを目的にブルゴーニュの大手有名なネゴシアン(ワイン商)が参入していて、畑には除草剤、化学肥料など化学物質が大量に使われていて、しかもグランクリュの畑さえも、微生物が皆無で砂漠のような無機質なものに近くなっていて、本来の“シャブリ”と云われるスーッと伸びてくるミネラルが感じられないワインが殆どという現実になっていた。 トーマが2003年より、やってきたことは、ここの本来の“シャブリ”のあのミネラル感を取りもどして、更により進化させて“深味”のある、まだ他の誰もがやっていないシャブリ・テロワールの真価を表現することに的を絞って努力してきたのだった。。 オザミの小松さんは、トーマの奮闘してきた過程ながら、彼が造るシャブリに、他にはない特別な魅力を感じとっていた。 その訳を知りたくて、今回の訪問となった。 トーマは、ここシャブリの特殊なテロワールからブルゴーニュのどこにも比較できない偉大なシャルドネが表現できると確信していた。 2003 年に、お父さんから引き継ぐと同時にトーマはドメーヌ、PATTES LOUP パット・ルを設立した。 最初は、ほんの一部の畑だけを引き継いで、完璧なまでのビオ栽培を開始した。 完璧主義者のトーマは少しづつお父さんの畑を引き継いで、畑をコツコツと着実に整備していった。 20年間の時を経て、今では16ヘクタールの畑になっている。 勿論、すべて人的作業による完璧なビオ栽培を実施している。 トーマは知っている。シャブリの現実は、グランクリュの畑でも機械を使った栽培、収穫がなされていることを嘆いている。 トーマは、すべて人的な畑作業員を実現したかった。 16ヘクタールとうい面積には、贅沢ともいえる12人の畑作業員を確保して、丹念にビオ栽培を実施している。 この規模で12人の作業員とは、かなりの投資ともいえる。 そして、収穫もトーマにとっては超大切なこと。 葡萄の熟度の最高のバランスと時に、一挙に収穫したいトーマは、何と60人もの収穫人を一挙に投入して最良の熟度で収穫することを心がけている。 そんなトーマの話を聞きながら小松さんは、自分がトーマのシャブリに感じてきたことを納得していた。 また、収穫した葡萄をゆっくりとプレスしたあとは、プレスジュースを発酵槽に入れる作業も、ジュースに圧力がかかると繊細さが欠ける危険性もあるので、ポンプを一切使わないように醸造所を改良して重力で発酵槽に入れるようにした。 そして、白ワインの醸造には、特に醸造所のクリーンな清潔さが重要と考えているので、醸造所内はいつもピカピカなクリーンな状態を維持している。 アルコール発酵はクリーンなステンレス・タンクや卵型のコンクリート槽を使用している。 熟成に関しては、1級畑の場合は600mlのドミ・ミュイと呼ばれる中型樽やフードルと呼ばれている大型樽でゆっくり熟成させることにしている。最低でも2年熟成、試飲結果次第では3年熟成しているものもある。 . トーマは、ここシャブリのテロワールであるキメリッジャン系石灰質土壌のワインの本質が表にでるのは,最低でも2年の熟成が必要と考えている。 トーマにとって、これは実に大切なことである。 資金繰りの状況で、なかなか実現できなかったことだけど、20年の歳月を経てやっと2年、3年と熟成させることが可能となった。自分が試飲して今だ、と思う時に瓶詰めして、飲み頃となった時に出荷できるようになった。 小松さんは、最近のトーマのワインの進化、その美味しさの理由が解明されて、納得としたと同時に敬意を持った。 こんな訳で、今、世に出ているトーマ・ピコのシャブリは、キメリッジャン石灰質の独特の本来のミネラルが表現されているのである。 それでもトーマの悩みは、あまりにも多くのいい加減な造りのシャブリが世に氾濫しているので、世界中からシャブリと聞いただけで拒否される時代が到来するのではと危惧している。 本物シャブリのテロワールを飲んでみたいと思ったら、まずPattes Loup パット・ルー醸造のトーマ・ピコのCHABLISをまず飲んでみてください! これが本物シャブリです。 銀座オザミには、この辺の事情をすべて体感して、このトーマ・ピコの本物シャブリをリストに載せている小松さんがいる。 このトーマ・ピコのシャブリを、日本で最高に美味しくい飲ませてくれるのは、銀座オザミ店の小松さんです。 BY ITO, ENZO

11
Août

自然の声を聴き、信頼し、溶け込む男 Franz Strohmeier/フランツ・シュトロマイヤー

自然の声を聞き、自然を信頼し、自然に溶け込む男、オーストリアのフランツ・シュトロマイヤーの物腰はとても柔らかい。 フランツのぶどう栽培は自然との会話から始まる。 冬の間にぶどう畑に入り、今までのぶどうの生育を振返り、そしてこれからの生育をイメージする。それはぶどう木とのコミニケーションであり、お互いのポジティブな波動を共鳴させる。 ぶどうが健全な波動を出していれば、そこの中で働く人間の波動も、出来上がるワインの波動も良くなる。もちろん飲み手にも良い波動を与えてくれる。 人間の驕り、怒り、恐れ、とまどいなどの悪い波動もぶどうに影響を与える。いつでも自分自身が常にポジティブな波動を出さなくていけない。     彼の話はまるで禅の説教を聞いているような感覚になる。もちろん、そんなフランツの造り出すワインは謙虚で優しく、身体にも精神にも溶け込んでいく液体となる。ワインの奥深さを改めて感じさせてくれた訪問となった。

11
Août

畑に多様な植物と動物、昆虫、微生物が共生するエコシステム Suman/シュマン

スロヴェニア生産者訪問。そこには自然を敬い、自然と共生する生産者達がいた。 たかがワイン造り、ただのビオ、ビオディナミ栽培ではなく、ぶどう栽培を通じて自然界と繋がり、その自然が与えてくれる恩恵を我々に分け与えてくれる生産者達の想いは深い。   シュマンのぶどう畑は多様な果実の樹に囲まれ、羊、鶏が放たれ、蜜蜂が飛び回る。ぶどう畑にも多様な植物が存在し、ぶどう畑の中ですべてが循環するエコシステムを作りあげている。 すべては土壌にあるという。アルファベットが欠けていると表現できないように、土壌にもアルファベットのようにすべての要素がそろわないと、その土壌を100%表現することはできないという。 ビオディナミは一回の人生では理解できないほど深いものだとも話す。 病害や害虫に対しても、直接対処を一切せずに、ぶどうの耐性を上げ、自然の摂理の中で健全なぶどうを採れるように対処する。 蜜蜂の重要性も語る。蜜蜂の存在により、受粉だけでなく、蜜蜂の持つ毒がぶどうを病害から守る「自然の抗生物質」となり、養蜂箱のロイヤルゼリーやプロポリスなどもぶどう畑に噴霧することでぶどうの耐性をさらに高くする。 調合剤に関しても、多様な自然界の物質を使用し、古いカーヴのパワースポットに保管してあり、電磁波を避けるため携帯などの持ち込みは禁止。ここまで深くビオディナミ栽培に取り組んでいる生産者は今まで見たことない。その志は高く計り知れない。 シュマンといえば、マセラシオンをしたいわゆるオレンジワインだが、それは流行りでもなんでもなく、ぶどうの持っているすべてのもの、ぶどうが土壌から吸収したすべてのものを抽出する時間がマセレーションの時間。 シュマンのワインの中には、この場所の太陽、水、風、土の小宇宙が入っている。

12
Mai

フランス産の原木カベルネ・ソーヴィニヨン、フラン、メルローなど貴重な葡萄木を守る戦い

150歳以上を経過している葡萄木達を生存させる為に、ローランスとパスカルは一つ一つの葡萄木とまるで会話をしながら、それぞれの弱っている部分の対応を駆使している。 マルコタージという手法で葡萄木の横に子供のような存在の葡萄木を再生させている箇所が多い。 枝を一旦地中に潜らせて、その潜った枝がもう一つの別の葡萄木のように芽が出てきて葡萄が育つ方法。 世の中には、効率や利益だけを追う生き方をしない人達がずっと存在していて、世に大切なものを守るような生き方をする人達がいるものです。 これを考えただけでも感動してしまう。 とは云っても、醸造元の経営は大切。 ローランスとパスカルは4,5ヘクタールほど、オー・メドック、マルゴーとブライユにビオの畑を栽培・管理していて、いくつかのキュヴェを造っている。 Gisele ジーゼル  ソーヴィニョンとセミヨンで醸したボルドー・ブランも爽やかでとびっきり美味しい Virevolte ヴィールヴォルト ブライユ地区で栽培したメルロー100%、アルコール度数11%と、軽快で果実味が心地よい。 LUQUET リュケット  カベルネソーヴィニヨン100%のオー・メドック アルコール度数が11.5度とカベルネソーヴィニヨンでエレガントさを表現。

9
Mai

150歳を超えるフィロキセラを乗り越えた葡萄の木がオ-・メドックMARGAUXの隣村に存在

1855年にボルドー・グラン・クリュ・クラッセが制定されました。 この写真に写っている葡萄の木たちは、それと同時期に植えられたものばかりです。 すごいことだと思いませんか? . 私はこの葡萄園に立った時、体が震えるほど感動しました。 . ワインを勉強した方は、皆記憶に残っていると思いますが、1800年代中盤から後半にかけて、ヨーロッパにある葡萄の木がほぼ全滅した時期があります。 それは、あの根っこをダメにしてしまうフィロキセラという害虫が原因だったのです。 . それ以降アメリカの葡萄の木を台木にして、フランスの葡萄の木を接木し現在に至っているのです。 . これだけまとまった面積の純フランス産の葡萄の木が生き残っている葡萄園は他には存在しません。 奇跡的にフィロキセラが活動できない何かが、このテロワールにはあるのでしょう。 . もう感動、感動です。 思わず葡萄の木たちに触りながら話かけてしまいました。 「やあ、本当によく頑張っていますね! ありがとう!」 . しかもここは金融資本的ワイン・ビジネスの世界のオー・メドック。そのど真ん中で生き残っているとはすごいことです。 この畑の周りには、シャトー・マルゴーをはじめ、ボルドー・グランクリュ・クラッセの畑がずらりと並んでいます。 . 2009年にこの畑を初めて見た瞬間、ワインの醸造元を設立することを決意した二人の女性がいます。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造のLaurence et Pascale ローランスとパスカルさんです。 尊敬すべき素晴らしい二人です。 14年間この奇跡的な葡萄園をビオ栽培で育て、馬を使い丹念に丹念に畑の世話をしています。 1ha当たり、たったの10hlしか収穫できません(ボルドー・グラン・クリュの30%以下)。 品種構成については、150年前のフランスでは混植だらけだったのです。 そのためこの葡萄園には11種類の葡萄品種が植えられています(専門家が調査をし、各品種を調べたそうです)。 とても採算の合うような仕事ではありませんが、凄まじいPASSIONと使命感をもってワイン造りをしています。 もちろん、自然な造り方です。 手で収穫して、除梗して、破砕はしません。健全な葡萄粒だけを発酵槽へ入れて、この葡萄園で育った自生酵母のみで発酵しています。醸し期間は3週間ほどですが、アンフージョンのようなやさしい抽出のやり方で醸造しています。 瓶詰めまでSO2は添加しません。 必要があればごく少量だけ、瓶詰め時に使用します。 . ☆BARAGANE バラガンヌ 奇跡のテロワールのワイン! グラン・クリュ・クラッセ制定とほぼ同時期に植えられたフランス産原木の葡萄の木。しかも当時はまだ現在のような醸造テクニックが存在していなかった時代、すべて自然派ワインだった時代。 だから本当のメドックの原点ワインとは、こんな感じではなかっただろうか!? この二人にこれからも頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいです。 最近になって、フィロキセラがこの畑でも見られるようになってきたようです。 ちょっと危険な状況になってきました。 メドックの原点であり、フランスの原点。なんとか頑張ってほしいものです。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造! Laurence et Pascale […]

4
Mai

ボルドー右岸の“Cassini”カッシーニにて 日曜の昼を共に

飛び切り美味しいナチュール・ワイン。CASSINIカッシーニを造るアルノー・イザベル・カッシニー夫妻。 この二人には、まるで映画のシナリオのような特別な愛の歴史がある。 この二人は、幼馴染でもありお互いに初恋の相手だった。とくに青春時代に熱い熱い恋愛の仲だった。 でも、若い時によくあるちょっとしたすれ違いにより、それぞれの人生を歩むことになった。 そして、数十年後、二人は田舎街の小さなリブルヌ駅で奇跡的な再会をした。 イザベルは、全く違う街に住んでいて、この日だけ所要があってリボルヌの街にきて帰る為にリボルヌ駅にいた。 アルノーも所要があって偶然にもリブルヌ駅に寄っただけだった。 その時、二人とも、それぞれの伴侶と別れてフリーだった。 こんな再会が、二人の心の中に、若き頃の熱い感情がよみがえるのは当然だった。 赤い糸が動き出して、二人とも運命のようなものを心の奥で感じたのに違いない。 それ以来、二人はもう離れることができない仲になっていた。 そして、その二人が若い頃に住んでいたリボルヌの街、そして再会したこの駅の近所に居を構えて、二人でワインを造ることを決意した。 そんな愛情あふれる二人が造ったがナチュール・ワインが “Cassini”! さて、私達は日曜市場から買い物をして奥さんのイザベルが待つアルノー宅に戻る。 買ってきた食材を、キッチンで皆で飲みながら皆で調理した。結局、それがテースティングも兼ねていた。 私は、カキを開けるのが得意なので担当した。 カキには、CHARBONNAYシャルボネを合わせた。アルノーが数年前より北フランスのリールの街の近郊にある元炭鉱の山に植えたシャルドネ、ソーヴィニョンで造ったワインだ。温暖化の中、数人の友人達と始めた北フランス・プロジェクトのワインだった。 大西洋のカキとの相性はまあまあだった。北フランスなので酸もあってフレッシュ感もあり、飲みやすかった。 折角なので、アルノーの近況の葡萄園状況やボルドーワインの全般のことなど、レクチャーをした。 あとは楽しい食事会になった。 あまりにも楽しくて、食べ物のプレーの写真を撮るのを忘れてしまいました。 市場で仕入れたアスパラと、イザベルが湯がいてくれた半熟卵と赤ワインのマリアージがとても美味しかった。 これには、LA BELLE HISTOIREラ・ベル・イストワールをあけた。 メルローを、自生酵母でSO2を使わずに、やさしいカモシ方法で、果実味が全面にあって柔らかく飲みやすいスタイルのワインだった。 アルノーは自転車で葡萄園まで行って、庭の世話をするように丹念に畑仕事をして葡萄を育てている。 小さな小さな葡萄園を、ホントにまるで庭士のような仕事をしている。そして、育った葡萄を、自生酵母で、SO2を使用せずに愛情たっぷりで醸したワインがカッシニーだ。 右岸ですのでメルローが主体となっています。 あまり濃縮させることなく、果実味を中心にして、ビュバビリテー(飲みやすさ)を重要視した造りをしている。 BORDEAUX ボルドー とST-EMILLIONサンテミリオンの二種類のキューヴェがある。 どちらも、アルノーの人柄がそのままワインになったように、やさしいスタイルである。 今日は、若手スタッフのVICTORヴィクトールと二人でお世話になりました。 あまりにも、ホワッと暖かい空気が流れていて、居心地よくてあっという間に時間が過ぎてしまった。 楽しかった日曜日、ありがとう Merci Isabelle et Arnauld ! このやさしいボルドー・ナチュールは、日本ではESPOAグループが輸入している。 (日本での問い合わせはESPOAエスポア社へ) 美味しいよ!!

4
Mai

Cassiniのアルノーとボルドー右岸のLibourneリブルヌの街の日曜市場へ

ボルドー右岸には、サンテミリオン、ポムロルの銘醸産地がある。歴史的にそれらのワインを世界に流す切っ掛けとなった役割を演じたドルドーニュ河の港があった街だ。 今でも、右岸ボルドーの有数のワインネゴアン(ワイン商)の本社がある街でもある。 この街には、宇宙学者のCassiniカッシニー家の子孫であるアルノー・カッシニーが、居を構えてとびっきり美味しいワインを自然な手法で造っている。 日曜日にも関わらず、訪問を受け入れてくれたアルノーと、日曜市場へ出かけた。フランスでは、いたるところで日曜市場が開かれている。日曜市場は、フランスの深い日常文化の一つ。 日曜は、市場に家族や友と出かけて、素材を仕入れて家に持ちかえってゆっくりと昼食を皆で楽しむ。市場に行けば知り合いや、行きつけの店でアペリティフをやりながら、あることないこと話して時を楽しむ。これって、フランス日常文化の深いところ。 当然、陽気なアルノーには、毎日曜日に逢う知り合いが多く、至るところでとめられてアペロになる。買い物がなかなか進まない。 市場に隣接しているワイン屋・ビストロはアルノーの知り合いが居て危険なところ。もうワインを何本もあけてアルノーを待っていた。 市場から新鮮なカキをあけて、ツマミにしていた。 アルノーは醸造所をもっていないので、友人の蔵の一部を借りてワイン造りをしている。その友人と一緒にアペロをしながら、今後のワイン造りの話をしていて、面白い話になった。彼も、今年から自然な造りに挑戦するとのことになった。楽しみだ。 もう一人、若手のフレドにあった。今は地ビールを造って、この市場で試飲販売していた人だ。フレドもアルノーのワインのファンでもあり、近年中に自然派ワインを造ると豪語していた。ボルドーもホントに変化の時期に来ているな、と感じる。 アルノーと歩いていると実に楽しい。Libourne リブルヌの街の日曜市場を満喫した。

1
Mai

モトックス社のスタッフがPOUPILLEへ

プピーユを日本へ輸入してもう何年もたっているけど、毎年、醸造現場を訪問して情報収集するモトックス社。 ネットでも、メールでも豊富な情報が入手できるけど、やっぱり現場に来ないとホントに大切なことは見えてこない。 畑の微妙な変化、近年の天候事情によって明らかに葡萄木の状態が違ったり、フィリップの考え方の進化で栽培方法も微妙に変化している。実際に来て自分の目でみて、質問して確認する作業は超大切。 この中には、もう10回以上訪問しているメンバーもいる。 蔵元の家族と触れ合って、子供達の成長によってフィリップの思考も、生き方も微妙に変化していく。 醸造所もまた新設した部分もあり、発酵槽も新しくなった、樽塾の場所も変化したり、垂直式圧搾機も新たに増やしている。 フィリップは常により良い品質を追求しながら、ベストを狙って進化している。 このレベルからの進化は、小さなコトの積み重ねが、少しずつフィネス、上品さへの進化に繋がっていく。 こんな小さな積み重ねの一つ一つは、実際に現場にこないと気付かないことが多い。 特に、フィリップは熟成のやり方、期間の長さを大切にしている。特に樽の使い方は天性のセンスがある。 こんな微妙は変化に気づき、即、質問攻めするモトックスメンバーの熱心さは凄いものがある。 フィリップもメンバーの熱心さに、感謝、感動していた。 ☆ボルドーのワインは、テーブルでその威力がわかる。CHEZ POUPILLEにて☆ ボルドーワインは大人のワイン。 造りたてのワインを飲んで、スイスイと体に入っていくスタイルではない。 濃縮感の中にある旨味がジワリとでてくるには、熟成が必要になる。

1
Mai

30年来の付き合いPoupille Atypiqueプピーユ・アティピックを醸すフィリップ

知り合ったのは、フィリップが20歳の時だった。 子供の心を持ちながら、自分の決めたことに突き進むPassionは今も変わらない。 30年前からワインを造らせたら、自分を転写したようなワインを造る。 ボルドーでSO2ゼロのワインを誰よりもはやく造った男だ。 “Atypique アティピック” ボルドースタイルのワインを理解するには、時間と文化が必要。 最近の若いワイン愛好家の皆さんは、造りたてで直ぐスイスイ入っていくワインを求めている人が多い。 ボルドーワインには、チョット時間的なものと、テーブルで飲まれる食との融合を考慮する“ゆとり”のようなものがあると評価しやすくなる。 Atypique アティピック、この濃縮感の奥にある透明なテロワールを感じさせてくれる美味しさに、感動させられる。。 これがボルドーのワインなのだ。ウーン、やっぱりボルドーだ! 特に、このAtypique アティピックはSO2ゼロゼロで醸造されている。 常に完璧を求めるフィップは、細心の注意力でこのワインを醸している。 ホントに完璧な葡萄を収穫した年しか造っていない。 何故?  自然な造りだからと云って、“欠点”のあるワインを絶対に許さないからである。 Atypique アティピック、なんて美味しいんだろう。 ボルドーでワインを始めた私の根底には、やっぱりこのボルドーが流れている。 フィリップは、カスティヨンでも早くビオ栽培に転換して、カスティヨンのエリアをすべてBIOにするために運動している。 プピーユの葡萄木は、サンテミリヨンから続いている同様な石灰質土壌の地中深くに根が入り込んでいる。 微生物がイキイキしている土壌は素晴らしい。 やっぱり、美味しいワインは、畑、土壌が命です。 ボルドーの本物ナチュール“Poupille Atypique プピーユ・アティピック”美味しいですよ! まだ、日本にも在庫が僅かにあるようです。 (Poupilleのワイン、日本での問い合わせはモトックス社です。)

29
Juil

進化を続けるラングロールの新たな挑戦

7月のある午後、とても穏やかな様子のエリックは微笑みながら畑を案内してくれた。 タヴェルに位置するこの伝説的なドメーヌの先は明るい。 先頭に立ってドメーヌを経営するティボーは大きなプロジェクトを進めている。 『この地域には木が足りない。ワイン畑ばかりになってしまい、風景が同じでバラエティーに欠ける。』とふと悲しそうに言った。 しかし、彼らは多様な生物が共存できる環境に戻していくため、ワイン生産者としてできることを実践していくことを決意した。 それは生態の多様性を活性化し、畑から離れてしまっていた鳥や虫が戻ってくるように畑には果物の木を植える。 また、二酸化炭素の排出を削減するため、トラクターの使用をやめ、車の行き来を要する離れた区画は手放す予定である。 環境保全のために何かを犠牲にしなければならないこともあるが、全ての人が環境保全に取り組まなければならない、とピフェリン家は考えている。 もちろん生産者として美味しいワインを造ることが職であるが、彼らの目標はそれをはるかに超える偉大なものである。 自然を尊重し、生態の多様性を復活させることを決意して、新たな進化への挑戦が始まっていた。 三代目の誕生もあり、ラングロール醸造は明るいニュースで溢れていた。 Par Enzo

27
Juin

日本出発の前日に、やっと会えたBMOの山田恭路さん

今日は2年半ぶりにBMOの皆さんとミーティングと会食。 ミーティングの前に山田さんと会談。 山田さんとの付き合いは、もう30年になる。 自然派ワインが出初めた頃だった。 まだ自然派ワインなどとの呼び名もない頃だった。 諸々の化学剤を使ってのワイン造りをやめて、ワインを造り出した醸造家が出現した頃だった。 つまりスポーツ(オリンピック)の世界で云えばドーピングなしで素晴らしい競技をする選手が出始めた頃だった。 当時、山田さんとフランス中の気合いの入った造り手を周った。 彼らのワインは今までのワインの味わいとは全く違っていて、素晴らしい品質だった。 私も山田さんも、同じことを感じていた。 “近い将来、ワインの世界は変わる!” “有名でなくても、化学剤を使用しなくても、美味しいワインが存在する。 そんなワインを日本中に広めたい。 真っ当なワインを広めることで、世を僅かでも真っ当な方向に進めることができる。” あれからもう30年が過ぎた。 自然派ワインも普及して世界中の一流レストランがメインに使うようになっている。 世界中の優秀な若手ソムリエ達は率先して繊細な料理に、これらを合わせている。 ここコロナ禍の2年半の間に、追い風に乗って更に自然派ワインの需要が世界中で急増している。 もう、今となっては、自然派ワインなどと呼ばなくてもいい段階まできている。 山田さんの凄いところは、 自然派ワインを辺境な狭い世界に閉じ込めないで、普通の日常の、普通の家の食卓に提供できるように流通革新をしてきたことだ。 一見特殊なワインと思われがちな自然派ワインを、普通の人が普通に購入できる流通形態を作りあげた。 日本中の真っ当な高品質の食品を提供する小売店を中心に、販売網を形成してきた。 連日、日本中を走りまわって、売りの現場を指導してきた。 ここにきて、山田さんは、更に進化しようとしている。 よりワインに専門特化した形態の“トロワザムール店”をより強化して、特殊な食材をも加えて、自然なワインを更に普及することを考えている。 流石の山田さん、BMO 社。 これからも、最大限の協力をしていきたい。 2年半の間に、BMO メンバーも、私が知らない新しい人が増えた。 顔合わせと、フランス現場の話をさせていただいた。 ワインを心から愛している楽しく優秀なメンバーばかりだ。 同じテーブルを囲んで、美味しいワイン、食事、ワイン談義を皆んなで楽しみました。 また、しばらくは日本を離れる前日に素晴らしい一期一会だった。 ありがとう! それにしても、ここラシーヌ青山は気持ちの良い空気が流れているビストロだった。 こんな環境の中で自然ワインを飲めるとはすばらしいことだ。 すべてに感謝! “Racines Aoyama”

7
Fév

荒れ狂う弱体化したコロナでは、自然派のPASSIONエネルギーは止められない!

一日の感染者数が毎日、30万人というコロナ禍のフランス。 一時は50万人/日を記録したこともある。 でも、重症化するケースが極端に減ってきている。 30万人/日の新規感染者がいるのに、フランス政府は外でのマスクはしなくていいことを発表した。 レストランは普通に営業すること許可している。 必要以上に恐怖をあおることはせずに、問題点の核心をとらえて、社会を動かしている。 流石にデカルト、パスカルを生み出した国、冷静なロジカルな判断をくだしている。 そんな中、毎年2月にある恒例の大試飲会は延期になったけど、黙って見てられない自然派醸造家が自分達の蔵をオープンにして、小粒の試飲会をロワール地方の醸造家達が開催している。 これは小粒といえるのか。 自然に集まってしまった、という方が正しいかも。 自然派のど真ん中に生まれて育ったバティスト・クザンの蔵である。 2021年ミレジムはここロワールにとって春終盤の大寒波に襲われて大変難しい年だった。 そんな天からのムチをすべて受け容れながらも苦労して造ったワイン達を披露した。 流石にバティスト・クザン!キレイにまとめて爽やかな美味しいワインが造られていた。 勿論、バティストのお父さんであり、ロワール地方自然派のレジェンド、オリビエ・クザンも参加。 底抜けに明るい奥さんのクレールも相変わらずの元気100倍の笑顔でした。 オリビエのブースは人だかりで大変な人気でなかなか近づけない。 そして、アンジェの誇るもう一人のレジェンド、まるで4次元の世界に生きているような醸造家、あのパトリック・デプラも参加。 すでに未来を観てきたような栽培・醸造をしているパトリック。 パトリックの蔵では昨夜から人が集まってきて、前夜祭をやったようで、何人かは一睡もせずにここに参加とのこと。 この体力、エネルギーには驚かされる。 通称パットと呼ばれて皆に愛されているパトリック。 この寒い冬でもキャンピングカーを改良した住処に住んでいる。 畑の中に木、草花を植えて、葡萄木と融合させながらテロワールをイキイキとさせて調和を保っている。 醸造は庭の土中にアンフォラを埋めて、風雨をうけながら、自然な音、鳥の声を聴きながらの環境の中で醸造している。 そんな中に混じって、ムスカデに近いAncenisアンスニ地区からは、近年メキメキ腕を磨いているレミー・セデスが参加! 造りが益々進化している。 北の産地でも単にスイスイ入るワインのスタイルから深味、奥行きを感じさせる造りに進化中。 その他にも、これから楽しみな造り手達が参加していた。 南仏からはABSURDE GENIE DES FLEURS-アプシュルド・ジェニ醸造のTOM トムに逢えたのは嬉しかった。 ジュラからもロワールからも新たに生まれている。 イヤー、凄いエネルギーだった。 この世界だけは、動きが止まらない! ますます、自然な造り手が増えているし、勢いが止まらない。 地球的に考えても、自らも持続可能な生き方を実践しながら、草花木や昆虫、地中の微生物たちと融合しながら葡萄園をイキイキさせて健全な葡萄を栽培している。 ワイン造りもドーピングのような薬物を使用せず、真っ当で美味しいワインを造っている。 こんな貴重で最高に贅沢なワインのファンが、このコロナ禍の時期にも急増しているのは当然のことだと思う。 パリから参加して良かった。 この世界に働く多くのワイン関係者達とも久々に逢えて、色んな話しができた。 やっぱり動くことは大切! 行動範囲や思考範囲を狭めることは、未来への対応力を減少させることに通じる。 何事も大切なことは“現場”にあり。 来たくても来れない皆さんに、この現場の空気を少しでも皆さんにも伝えたい。

2
Fév

どこまでもやさしいMiss Terre 2020、さらにミネラルに!

セネシャリエール醸造の畑区画には、ミカシスト、グネスなど色々なミネラルが存在している。 同じそれぞれのの区画の葡萄を仕込んで、同じように醸造しても、明らかに違うミネラル感のワインが出来上がっていた。 テロワールを追求してきたペノさん、このテロワールをより精確にそれぞれの“魅力”を表現したかった。 2020年のビンテージは、テロワールごとに瓶詰することを決意した。 まず、“ミカ・シストMicaschiste”から。 ウーン、何という繊細で確りとしたミネラル感! それをマルク独特のやさしい果実味が包み込んでいる。 飲み込んだ後も、一本筋の通ったミネラル感がどこまでも息長く続いてくる。 もう誰も、ムスカデとは云わないだろう。 いわゆる、ワイン教科書に書いてある典型的なムスカデのスタイルの範疇を飛び越えてしまっている。 皆、ムスカデと聞いただけで、軽快でフレッシュな単純なワイン、としか想像しない産地のイメージ。 そんな産地でも、しっかり探究すればこんなレベルのワインができる。 感.動の一本!! 生ホタテとバッチリでした。 (日本での問い合わせはESPOAです。)

2
Fév

生牡蠣に合うマルク・ペノのFOLLE BRANCHEフォールブランシュ

大西洋に近いNANTESナントの街。 大西洋の波のもまれた絶品の牡蠣がとれる。 この季節は絶好の生カキシーズン! マルク・ペノさんのところを訪問するという事は、生カキを食べることは当たり前。 ナントにはマルクさんの知り合いのカキ屋専門店が市場にある。 マルクの醸すフォールブランシュはミカ・シスト土壌、ワイン自体にヨード風味がタップリで潮っぽい。 ウーン、もう言葉がでない! 感動! 口中でカキとフォールブランシュが融合してくる。 これは、もう、たまりませんね! (日本での問合せは、ESPOAです。)