アルザスの偉大なワイン、Grand Cru Eichebergグラン・クリュ アイシュベルグのRieslingリースリング2012
シェレール醸造のワインを飲み頃で出してくれるレストランは希少な存在。
シュレール醸造のワインは、超ナチュレルな造り、通常の醸造学上、絶対にやってはいけないことを、普通に実行してしまっている貴重な存在である。
例えば、樽熟成中に、樽の木目から蒸発して、樽内のワインが目減りしていく、樽の中に目減りした分、空間ができてる。空間には酸素が多くあるからワインが酸化してしまう危険が大となる。
そこで、醸造学では、ワインの酸化を防ぐために、普通の場合、ウイラージという作業を実行する。つまり目減りした分の量を注ぎ足して樽を常に満杯にしておく作業である。
こうすることによって、ワインが酸化することを防ぐことができるからである。
ブルノーはウイラージを一切やらない。
その上に、酸化を防ぐ為に、普通の醸造家はSO2酸化防止剤を添加しているけど、シュレールは一切使用しない。
いわゆる、現在の醸造学上では、絶対にワイン造りが不可能な方法で、ずっと何十年も造り続けているのである。
(他にもまだ沢山ある)
シュレールのワインが貴重なのは、不可能と云われていることを実行すると、どのようなワインになるか?を知ることができる。
確かに、できたての時は、問題があるワインが時々あるけど、時間が経って熟成すると、考えられないほど、いや奇跡のように美味しくなる現実を私達は見ている。ただ時間がかかるということだ。
ホントに栽培も醸造も自然にやった時の偉大なる美味しさを、私達に教えてくれたのはブルー・シュレールだった。
これは、現実に起きている事実である。
ただ云えることは、出来立ての頃のシュレールの問題あるワインを、試飲して批判や拒否をすることは、その後にやってくる何者にも比較できないほどの偉大な美味しさを知らないことは、残念過ぎる。
この辺の事実を知っていながら、シュレールのワインを、美味しい時期に提供することができるレストランは、プロ中のプロと云える。
これは、シュレールだけに限らず、本当に自然な栽培、造りをやっている醸造家のワインは、出来立ての頃のワインを飲んで、単に批判、拒否することは、ワインの本当に大切な側面を知らずに過ごすのと同じことである。
本物は必ず時間が解決して、戻ってくるものです。
だた“待つ”という時間とお金と忍耐が必要で、ホントに美味しいものを提供したいというプロフェッショナルイムズがないとできないことです。
パリでは、今夜、ワインビストロ“AGAPE”にやって来た。
飛びっきり美味しい料理に、このワイン、アイシュベルグのRieslingリースリング2012、を合わせて感激の瞬間を体験しました。
よくぞ、ここまで忍耐強く待ちました。そして、これにピッタリの料理をよくぞこの機会にだしてくれました。
繊細な旨味料理はサムライ・シェフの“Yoshi”さんの作品、ソムリエはローランでした。
久々に感動した本物の旨味料理の繊細さとシュレールのホントの美味しい時期に開いたリースリングでした。
感謝!