自然にワインを造る醸造家達が、それぞれの哲学と情熱が合う組織ごとに、大小合わせて約20か所の試飲会を別々に開催された。
前半は南フランスのモンペリエMontpellierの街を中心に10か所ほどで行われ、中間にアルデッシュ地方にて一か所、後半はアンジェAngersの街を中心に10kか所ほどで行われた。
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まるでトライアスロンのような壮絶なテースティング激走の10日間でした。
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数年前までは、2~3か所で行われていた程度の時期からみると、この自然派ワインを造る人達が急増しているのと、確実にワイン業界の一角に食い込で、もうこのジャンルを無視してワイン業界を語れない時代になってきているといえる。
それぞれの試飲会に、やって来るバイヤーも世界中から、色んな分野の人達がくるようになっている。
人気の試飲会場では、お目当ての醸造家のブースに近づくのに10分ぐらいかかってしまう程に混雑している所もあった。
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この世界が拡大している事に嬉しく思うと同時に、ますます“本物”を見抜く力としっかりと継続できる力を確立していかなければならないと思う。
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多くの新しい造り手の中には、どう見ても欠陥のあり過ぎるワインや、研究心が足りない造り手達もあった。
いわゆる、“自然”を強調すれば売れるだろう、とこの世界に入ってくる造り手達もいる。
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また逆に、確かに美味しいワインを造る能力をもっているけど、価格設定がまるでグランクリュ並みの途轍もない高額にしてマーケティング的な手法を使ってブランド造りに専念している蔵元も増えてきた。
色んなタイプの醸造家、ワインが次々と誕生している。
ひと昔前の自然派といえば、まるで奇人変人といえるような特徴的な人間性を持つ人達ばかりだったけど、最近の新しいナチュールを目指す醸造家は、元学校の先生、元コンピューター技師、ジャーナリストなどといった人達が増えている。
でも、元々ナチュールワインが好きで、ワインを飲み込んでいたり、好きな醸造家のところに出入りしていて、強烈なPASSIONをもってワインを造りを始める達が多い。最初からエッと驚ような美味しいワインを造る人もいる。
また、今までよく知っている醸造家が、突然何かに目覚めて、大進化して、とびっきり美味しいワインを造り出すこともある。
そんな造り手達やワインと一挙に逢える嬉しいチャンスが、この時期の試飲会である。
だから、この時期は、体力の限界までフル活動でテイスティング・トライアスロンに挑戦する意義があるのだ。
本当に頑張っている素晴らしい造り手と話したり、心が揺さぶられるワインに出逢うと、疲れがすっ飛んでしまう。
この感動のために私は生きているんだな、と思う。
感動するワイン達を、日本の皆さんに紹介できて、そして皆さんと感動を共有できたら、それは本当に嬉しいことだ。
さて、そんなワインを求めて、約2000種類程のワインをテースティングしてきました。
もちろん、細かなチェックができるわけはありません。
私なりの経験に基づいた判断方法があり、私はスピーディーにチェックする術を身に着けています。
これだ!と思ったワインを判断するのが私の役割です。
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そのワインが売れるか、否かは多くの要素が関わってくるので簡単でありませんが、純粋にワインの質と価格、その造り手の人となりのチェックは最も大切なことです。
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ワインビジネスの世界では、ただ美味しければ売れるという簡単なものではありません。色んな要素が関わってくるので、短期的に見て難しいワインや蔵もでてきますが、造り手と紹介者、売り手が協力しあって努力を続ければ、必ず将来キラキラと輝くワインや造り手になる可能性を秘めたものが多いのです。
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今回の一連の試飲会の中で、ベテラン級の蔵や新しい蔵で感動したものを、また時を改めて紹介させていただきます。
一挙に2000種類ほどのワインを利くと、造り手達が考えている方向、あるいは狙っている傾向が見えてきます。
そんなことも、交えながら書きます。
一連の試飲会のなかで、個人的に最も楽しかったirréelイレールの会場写真を最後に添付します。
小さいけどやる気満々のPASSION溢れる新しい蔵元が最も多い試飲会でした。
若手醸造家と中堅醸造家のバランスが素晴らしくエネルギーが溢れていました。
こんな素晴らしい組織を作っているのは、パッション溢れるこの二人。
素晴らしいワインを醸すJulie Brosselinジュリー・ブロッスランとEscarpolette エスカルポレットのIvoイヴォです。
今、年齢的にも経験的にも最も勢いのある境地にあると言えるでしょう。
Julie Brosselinジュリー・ブロッスラン Ivo Ferreiraイヴォ・フェレラ
(Escarpoletteエスカーポレット醸造)