変化には法則のようなものがある。一つの分野でも全体的にものごとをとらえていくと観えてくる。 ある法則が繰り返すことがある。同じことが繰り返しても、過去のものと全く同じではない。 奥行き、深さが違っている。 過去、未来を観ながら今を生きる。 ――――――――――― 1960 大量販売の大型スーパー、ハイパーの出現 1963-carrefeur 1号店、LECLERRE 65 スーパー、69ハイパー1号店 低価格ワインの飲酒量の拡大、農作業の経費削減の為の除草剤使用の拡大 . 1970 ハイパー、スーパーの乱立時代、大量販売用ワインの需要が急増。農協、大手ワイン商活況。 大量生産の必要性、それに伴い化学肥料・殺虫剤・化学農薬の多用。土壌弱体化からくる葡萄木の弱体化 . 1980 弱体化した葡萄からでも、そこそこ飲めるワインを造る技術の需要が高まる。 オノローグ(醸造コンサルタント)事務所の急増。オノローグ(醸造士)主導の農作業・醸造方法に移行 果汁濃縮技術、人工酵母、諸々の化学物質を足してのワイン醸造技術の定着。ワインのスタンダード化。 世界的ワインブームに乗ってグランクリュ(特級畑・蔵)など超高級ブランドの形成期でもあった。 ★自然派の第一世代の発生(マルセル・ラピエール 82, )超テクニックワインに反する自然なワインへの回帰。 . 1990 濃縮ワイン至上時代 スーパー、ハイパーでグランクリュ(特級ワイン)が安売りの超目玉商材 世界的ワインブームにてグランクリュ価格の高騰化。ワイン愛好家のグランクリュ離れ、 ポスト・グランクリュの需要拡。ミッシェル・ロランなどカリスマ・オノローグの活躍。 ワイン評論家(パーカー・ポイント等)による新スター(シンデレラ・ワイン)誕生期(93-98 バランドロー)。 徐々にワイン消費量の衰退―ワイン農協・ワイン商の経営不振が出現 農協から離れて独立する小型優良醸造家の急増(後に自然派ワインになる醸造家も多く含まれていた) ★マルセル・ラピエールを中心にVIN NATURE組織が形成 ― 各地に自然派ワイン醸造家が誕生 味覚的には樽香ありの濃縮したワインがもてはやされた時代。 . 2000 濃縮からフィネス(上品さ)へ ヨーロッパ統合による影響―農協ワインの不振・農協の倒産・合併が急増 超ブランドの特級グランクリュは輸出に活路(ロシア・中国などワイン新興国) 地球温暖化現象の表面化による自然回帰への指向が強まる。 ★自然派ワイン醸造家の急増― 自然派醸造元の組織化の確立(ディーヴ・ブテイユ) ★ポスト・グランクリュの醸造家や美味しいワインを造ろうとする醸造家が自然な形で自然派に転身。 醸造テクニックを駆使したスタンダード化ワインと自然派ワインの2極化 味覚的には、濃縮したワインから卒業してフィネス上品さが評価の対象になった時代。 . 2010 フィネスからビュバビリテ(飲みやすさ)薄旨系 自然派ワイン・ビストロの急増と繁栄 ミッシュラン星付きレストラン、世界ランキング・レストラン(NOMAなど)の自然派ワインの導入 マルセル・ラペエール亡き後ディーヴ・ブテーイユ、ヴァン・デ・メザミ自然組織などがリーダーシップ。 マルセルを知らない新人類の登場。自然派組織の細分化現象―地方別組織・スタイル別組織など急増 世界の成金人口むけ超有名グランクリュマーケットは快調と混乱を繰り返す。 味覚的に薄旨系、ジュースのように体に入っていくビュバビリテ(飲みやすさ)が最も評価された時代。 . 2020 薄いとか濃いを超えた透明感ある深味を備えたワイン 20年のコロナ到来による衝撃的な価値観の変化 地球環境の変化と世論の変化に対応せざるをえない状況が表面化。 […]