レミー・デュフェートルは自然派のワインを造り初めて7年、まだそんなに時間が経っていないにも関わらず、驚く程ハイ・レベルな品質のワインを造りだしている。
どことなく、ジャン・フォワラールのそれに似てきた。
それもその筈、14歳で父を亡くしたレミーにとって、ジャンは尊敬すべきお父さんのような存在であり、ワイン造りの師匠でもある。
ここ7年ほど、毎日の如くに会っている。公私ともにファミリーのような存在となっている。

2000年に巡り逢って、ジャンを目標に工夫に工夫を重ね2016年産は誰もが驚くハイレベルな境地にたどり着いた。
Les Prémicesプレミス16年は、新たな境地、つまりジャンから離れて自分独自のスタイルを造りあげたワインだ。

今年の4月、ボージョロワーズ試飲会では、多くのプロフェッショナルが、プレミスのスタイルと品質に感嘆した。
軽快なスタイルの中に、細いミネラル感がスーッと伸びていく心地よさに皆酔いしれた。

レミーは、ジャン・フォワラールの他に二人、影響を享けた醸造家がいる。
一人はロワールのティエリー・プゼラ、そして近所のジャン・クロード・ラパリュである。

この軽快さ、酸、ミネラル感は、明らかにこの二人のワインのイメージに一致するものがある。
特にジャンクロード・ラパュのオー・フォルトには通じるものがある。

造り手が、造りたいワインのイメージを描きながら意志をもって栽培の段階から醸造まで目指すことはよくあること。