ラフォーレ醸造では、ワイン造りにおいて、収穫は最も重要な要素ととらえている。

ワイン造りは一人ではできないもの。

栽培から収穫、醸造と、どの時期も色んな人が携わって出来上がるもの。

ヨーロッパは狩猟民族のDNAが流れている。だから基本的に徹底した個人主義の思想が中心になっている。

しかし、ワイン造りだけは、典型的な農耕民族の文化でないとできない。

個人主義と集団主義の接点というか調和がワインを造り上げている。

ラフォ-―レ醸造では、約30名の収穫人が毎年フランス中からやって来る。

年齢、男女、経験も程よくバランスがとられている、

20代から70代までばらけている。ここでの収穫経験者も30%は毎年確保している。中には60年間もここでの収穫に参加しているメンバーもいる。

そして、最も大切なのは、男女の割合も半々になっていることも大切だとのこと。

このバランスは偶然にはできない。

マルティーヌが中心になって半年前から、収穫人の選択に取り掛かっている。

(直前になって収穫人を集めているとは、訳が違う。一事が万事!この計画性、キメの細かさがワイン造りには大切)

ここの収穫期のこの雰囲気、楽しさ、ビシっとした規律、その中に流れるフランス的なソフトな気心の交流、絶妙なチームワーク、皆でいいワインを造ろう、というスピリッツがいきわたっている。

フランスの国技スポーツであるラグビーのチームワークが、ここラフォレ醸造の収穫には感じられる。

働く時は厳しく規律をもって働き、食事の前は蔵の一角にあるバーでアペリティフをやりながら収穫人同士の交流、会話を楽しむ。そして、皆で昼食、夕食のひと時を過ごす、これがまさに典型的な収穫文化なのである。

しかも、老若男女がバランスよく交じっていて、いわゆる大家族での生活が2週間続くのである。

こんな絵に描いたような伝統収穫をやる醸造元が、かなり減ってきているのが現実なのである。

美味しいワインを造るには、このチームワークの精神が最も大切なことの一つである。

この収穫の準備、人集め、食事調理、収穫人の生活に必要なコト(洗濯)モノ(寝具)、などの調達、管理部門を支えているのは、いつも元気な皆のお母さんマルティーニだ。

2週間の朝、昼、夕食、しかも前菜、メ―イン、デザート、フロマージとフルコースが出てくる。

膨大な仕事である。

ベスト・チームワークで造るラフォレのワインはただ美味しいだけではない。

言葉では表せない最も重要な暖かいエネルギーが詰まっている。

ラフォレ・ヌーヴォ2023は凄い!

40度という猛暑の日が続いた夏、西日が当たる葡萄の水分は極端に少なくなっていた。

でも乾燥していたお陰で病気や腐敗は殆どなかった。

今年は葡萄房の量が多かったので、厳しく選果しながらいい葡萄のみを収穫しすることが可能だった。

最も早く熟す平均樹齢30歳の区画の葡萄をヌーヴォー用に採用。

あまり濃縮過ぎないようにマセラッションは5日間と短めにした。

暑かったので、酸が欠けるのではと心配していたけど、キッチリ酸ものっているいるので安心した。

ラフォーレ・ヌーヴォーは、Brouilleブルイの畑からで、いつも力強さのあるスタイルのヌーヴォーを造っている。

今年は、1982年の世紀のヌーヴォと云われたレベルに負けないスタイルではないかと思う。

ラフォーレ・ファミリーのエネルギーが凝縮したヌーヴォーを楽しんでください。!!