2017年初頭の自然派なワイン見本市のレポート

≪L’Ireel, リレール(モンペリエ)≫

恒例になった年はじめの自然派ワイン見本市、南仏のMontpellierモンペリエ市で3か所、ロワール地方のAngersアンジェ市の4か所で開催された。
この時期は、モンペリエでは一般ワインの見本市Vini Sudヴィニ・シュードや、アンジェではSalon de Loireサロン・ド・ロワールが同時開催されており、自然派ワインサロンはOff的な存在になっている。
世界のワインバイヤー達も、昨今の自然ブームの影響もあって自然派ワイン見本市にも顔を出す人が増えている。

≪Les Affranchis , レ・ザフランシ(モンペリエ)≫

どの試飲会場も溢れんばかりの入場者で、自然派ワインの人気が世界的規模で広がっているが判る。
これだけ、世界のトップクラスのレストランが自然派ワインを取り扱っている昨今、ワインをビジネスにしている業者が自然派を無視し続けていくことは不可能だろう。これが世界の潮流になってきている。
ボルドーのグランクリュ・クラッセの蔵も、カリフォニアの有名ワイナリーも馬で耕したり、SO2の使用を抑えたり、まるで自然派ワインの蔵が実施してきたことをやり出した。
いいことだ! 地球にとっても、飲み手にとっても。

≪Vin de mes Amisヴァン・ド・メ・ザミ(モンペリエ)≫

自然派ワインの世界的規模の拡大は凄いものがある。

どの会場に行っても、世界中からワインバイヤーが来ていた。
北ヨーロッパの国、デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、ベルギー。
北米からアメリカ、カナダ、アジアからも、勿論、日本、韓国、台湾、中国、

勿論、地元フランスからは、今は旬の著名レストランのシェフやソムリエ、パリのワインビストロのオ―ナーなど多くのプロフェッショナルが来ていた。
そして、いつも見る熱烈な自然派ワアイン愛好家ももれなく来ていた。

≪St Jean , サン・ジャン(アンジェ)旧ルネッサンス・デ・アペラッション≫

世界中の飲食業界が注目している中で、

≪Penitentes, ペニタント(アンジェ)≫

自然派ワインへの批判?

自然派ワインの一部の醸造家の一部の欠点だけを取り上げて、“自然派ワイン全体”を批判し続けている妙なワインライターがいる。フランスでは随分少なくなってきた。一般ワイン雑誌が自然派を美味しいワインとして評価している。

確かに、自然派ワイン見本市も、トビッキリ美味しワインは10%ぐらい。でも30%は普通に美味しいワインである。
残りのワインも、美味しいとは言えなくても、普通に喉を通る飲めるワインである。

しかし、一般ワイン見本市では、とても飲めないワインが90%、美味しいと思えるのは10%にも満たない。
どうしたら、こんなにひどいワインを造れるのだろう。と考えさせられるものが多い。
喉を通らないワインが存在する。
一般ワイン見本市でも 本当に美味しいワインは10%ほどである。

ここの事実が大切なところである。
これはどんな部門の仕事、いやスポーツでも芸術でも同じこと、凄いなーと感動するのは10%ぐらいでしょう。
自然派ワインが特別な訳ではない。プロとして美味しいワインを探す時、自然派だろうが、一般ワインだろうが、
妙な偏見、こだわりに関係なく、自分の舌で 探すのが当たり前の仕事。そう偏見なく。それがプロでしょう。

≪Les Anonymes アノニーム(アンジェ)≫

自然派ワインの造り手は、小粒で、畑を自分で耕して、地球や人間に少しでも害になるようなものを使用しないために、
一般ワイン造りよりも3倍の労力とリスクをおってワイン造りをしている。
自問しながら造っている人達が多い。だから、きっと将来おいしくなるだろうと予想できる醸造家もおおい。

私は徹底した現場主義者、現実の事実を大切にしている。自然派ワインなら何でも良しとはしない。
一般ワインの中にも、美味しいワインが沢山あるのが事実。
美味しいワインを造る醸造家がやっていることをみると、かなり自然派ワイン醸造家に近いことをやっている。
これも現場からみた事実であある。

ますます増えている自然派醸造家の中の、たった10%のトビッキリ美味しいワインと出逢う為に毎年 自然派ワイン見本市にやって来る。 

≪Dive Bouteille ディーヴ・ブテーイユ(ソミュール≫