一日の感染者数が毎日、30万人というコロナ禍のフランス。
一時は50万人/日を記録したこともある。
でも、重症化するケースが極端に減ってきている。
30万人/日の新規感染者がいるのに、フランス政府は外でのマスクはしなくていいことを発表した。
レストランは普通に営業すること許可している。
必要以上に恐怖をあおることはせずに、問題点の核心をとらえて、社会を動かしている。
流石にデカルト、パスカルを生み出した国、冷静なロジカルな判断をくだしている。
そんな中、毎年2月にある恒例の大試飲会は延期になったけど、黙って見てられない自然派醸造家が自分達の蔵をオープンにして、小粒の試飲会をロワール地方の醸造家達が開催している。
これは小粒といえるのか。
自然に集まってしまった、という方が正しいかも。
自然派のど真ん中に生まれて育ったバティスト・クザンの蔵である。
2021年ミレジムはここロワールにとって春終盤の大寒波に襲われて大変難しい年だった。
そんな天からのムチをすべて受け容れながらも苦労して造ったワイン達を披露した。
流石にバティスト・クザン!キレイにまとめて爽やかな美味しいワインが造られていた。
勿論、バティストのお父さんであり、ロワール地方自然派のレジェンド、オリビエ・クザンも参加。
底抜けに明るい奥さんのクレールも相変わらずの元気100倍の笑顔でした。
オリビエのブースは人だかりで大変な人気でなかなか近づけない。
そして、アンジェの誇るもう一人のレジェンド、まるで4次元の世界に生きているような醸造家、あのパトリック・デプラも参加。
すでに未来を観てきたような栽培・醸造をしているパトリック。
パトリックの蔵では昨夜から人が集まってきて、前夜祭をやったようで、何人かは一睡もせずにここに参加とのこと。
この体力、エネルギーには驚かされる。
通称パットと呼ばれて皆に愛されているパトリック。
この寒い冬でもキャンピングカーを改良した住処に住んでいる。
畑の中に木、草花を植えて、葡萄木と融合させながらテロワールをイキイキとさせて調和を保っている。
醸造は庭の土中にアンフォラを埋めて、風雨をうけながら、自然な音、鳥の声を聴きながらの環境の中で醸造している。
そんな中に混じって、ムスカデに近いAncenisアンスニ地区からは、近年メキメキ腕を磨いているレミー・セデスが参加!
造りが益々進化している。
北の産地でも単にスイスイ入るワインのスタイルから深味、奥行きを感じさせる造りに進化中。
その他にも、これから楽しみな造り手達が参加していた。
南仏からはABSURDE GENIE DES FLEURS-アプシュルド・ジェニ醸造のTOM トムに逢えたのは嬉しかった。
ジュラからもロワールからも新たに生まれている。
イヤー、凄いエネルギーだった。
この世界だけは、動きが止まらない!
ますます、自然な造り手が増えているし、勢いが止まらない。
地球的に考えても、自らも持続可能な生き方を実践しながら、草花木や昆虫、地中の微生物たちと融合しながら葡萄園をイキイキさせて健全な葡萄を栽培している。
ワイン造りもドーピングのような薬物を使用せず、真っ当で美味しいワインを造っている。
こんな貴重で最高に贅沢なワインのファンが、このコロナ禍の時期にも急増しているのは当然のことだと思う。
パリから参加して良かった。
この世界に働く多くのワイン関係者達とも久々に逢えて、色んな話しができた。
やっぱり動くことは大切!
行動範囲や思考範囲を狭めることは、未来への対応力を減少させることに通じる。
何事も大切なことは“現場”にあり。
来たくても来れない皆さんに、この現場の空気を少しでも皆さんにも伝えたい。