日常フランスを日本で再現するオザミ・グループがフランスに!
ボジョレーのブルイィ地区にあるLAPALUラパリュ醸造にて
天性の乗りでフランスを飲み・食べ歩くオザミ!
年2回、6月と10月にHIROTO(オザミ・丸山宏人) は、オザミグループの料理人やソムリエを引き連れてフランスにやって来る。 一週間かけてフランスでスタッフに食べ飲ませるツアーやっている。半端でなく良く食べ飲む人達である。 日本で今の日常フランスのレストラン文化を限りなく近いタッチで再現しているのがオザミグループだろう。 その裏にはフランスをこよなく愛しているHIROTOの感性がある。この男、食と飲むことに対する動物的感性は他の追随を許さない天性を持っている。その半面、しっかり計算づくのセンスも無意識のうちに備えている。 11店のレストランを東京でやっている。
オザミのレストランには、フランスを感じる空気が流れている。 明らかに“フランス”を好きでフランスの“食”をよく熟知していないとできない事が普通に自然にオペレーションの中に流れている。 これが妙に自然なのが余計にフランスを感じさせる。 スタッフがフランスを好きで、食を好きなのが感じられる。 HIROTOはフランスに来ると醸造元仲間の中で“HIROTO”の呼び名で愛されている。半端でなく愛されている。HIROTOが醸し出す飲食への野獣的感性をワインに携わるフランス人は大好きなのである。 HIROTOは自ら9人乗りのレンタカーを運転して一週間、フランスを 食べ・飲みつくす旅をやっている。フランスが初めてのスタッフもフランスの“食”の真髄に触れることができる。三ツ星も行くし、街のビストロへも行くし、醸造元でも一緒に食べる。惜しまずお金を使う。
この今しか飲めない“パラディ・天国”をやるオザミ・メンバー
オザミ一行がラパリュ醸造に着くと、ボジョレー・ヌーヴォーのプレスをやっていた。何でも興味を持つ人達だ。最初は近くによって眺めていたけど、 どんな仕組みで?・・・・我慢できなくなってプレス機に上り出した。
ジュースのようなまだ甘さのある液体に驚く面々。ラパリュは2年前に念願の垂直式プレスを手に入れた。しかも100年前のもの、土台が一枚の石でできている貴重なものである。上部の木材は木工屋さんに特注で造ってもらった。 このプレスに変えてから明らかにより上品なワインになったという。 こんな話を聞きながら13年のヌーヴォー醸造中のものを試飲するメンバー。
プレス機に(MC済葡萄)を詰める。最初の内はフリーランジュースでまだ圧力が掛かっていない。しばらくするとジャン・クロードがゆっくり圧力をかけだした。この時期から流れ出した液体を“PARADI”パラディ(天国)と呼ぶ。 このパラディはこの圧搾時の瞬間しか飲めない貴重な飲み物だ。まだ糖分が残っているので運搬することはできない。 醸造所へ行って圧搾時にしか飲めない品物だ。 だから、近所の人達や知り合いも、この時期は醸造所に遊びに来るほど美味しい貴重品。この美味しいパラディを飲むHIROTO!!
醸造中のラパリュ蔵の中で、今“錬金術”で“宝”が造られつつある
醸造中のタイプの違うワインを次々とテイスティングしてみる
興味津々のオザミメンバーは何でも一度自分の目で見て、自分の鼻で嗅いで見ないと気が済まない人達ばかりだ。 醗酵中のタンクを覗いてCO2が充満している香りを全員が試した。CO2を嗅ぐ時ツーンとくる感覚に驚き、“ワー!”と全員が声をあげていた。こんな事も日本にいたら経験できない。ジャン・クロード・ラパリュは次々と色んなワインをテイスティングさせてくれる。
現場に来ないと分からない体験を次々と!
ラパリュでは今年はロゼ・ペティアンを造っている。ガメイ品種でまだ醗酵中のもの。もうじきビン詰めしてこのガスを瓶内に閉じ込める。1600本分しかない貴重なものだ。 樽醗酵中のボジョレー・ブランも試飲した。
研修テイスティングの後はアペリティフ!
ラパリュ・ブラン’12で乾杯! ボジョレ地区のシャルドネをラパリュが醸したやさしいボジョレー・ブラン。 ツマミは豚の脂身を固めたブルゴーニュのアペリティフ用ツマミの名物・グラトンだ。
オザミスタッフはこんなフランスの醸造中の習慣や雰囲気を自然に体験して知っている。単に本や雑誌で読んだだけではない。フランスの現場を知っているから自然にフランスの心地よい雰囲気がオザミには存在している。フランスの食の日常を熟知しているHIROTOが、自分で運転してスタッフに体験してもらっている努力には心より拍手を送りたい。奥さんのブリジュットが前菜のサラダをもってやって来た。
醸造中のこの時期しか食べられない特別な料理!マール蒸し
醸造所の隅でプーンといい香りが先ほどからしていた。 ガメイのマセラッション・カルボニック醗酵でプレスを終えて役目を終えたマール。 マールに更にもうひと仕事してもらう料理だ。 大きなカッスロール(鍋)にマールを入れてのその中に塩漬けしておいた豚肉、ソーセージなどシャクトリ(生ハム系)などを中央に入れ、更にワインをかけてじっくり蒸らす料理だ。 この時期は醸造元では、このマールを使って従業員や友人などを呼んで良くやる内輪の収穫祭的な料理である。
流石、オザミのメンバー、最初はジャン・クロードがやっているのを見ていたが、そのうちクトー(包丁)をとって仕分けをやりだした。この辺のオザミメンバーの教育は素晴らしい。 いい香りが満載のソーセージ、肉類が 綺麗にもられていった。
何ていい香りなんだろう?何て幸せなことだろう!日本の友人達とヴィニュロン(醸造家) と一緒にこんな時間を過ごせるなんて! ジャン・クロードはこんな時間を仲間と一緒に過ごすことを、最も大切なこととして楽しみに仕事をしている。
心に残る一期一会
ガメイの可能性をとことん追及するジャン・クロード・ファミリーと彼を理解するHIROTOのオザミ・ファミリーの温かな心の触れ合い。 毎日忙しく働くオザミメンバーにとってもフランスでホッと気を休めての食事となった。 この料理には、アンフォラ(カメ醸造)のALMA MATER/アルマ・マテールマグナムを開けてくれた。
やー良く飲んで、食べて、笑って、良く楽しんだ!勿論 良く学んだ!
真っすぐに良く働き!良く食べて!人生を楽しむ! これがフランス・ガストロニミーの真髄である。 醸造元も妙な化学剤を使うことなく体で働く。 HIROTO/オザミも良く理解してパッシオンを伝えながらお客さんに楽しんでもらう。 その為、遠く日本からスタッフを連れてやってきた。 両者とも本物で、自然である為の仕事だからだ。
HIROTOは、いつも美味しいおみやげを持ってくる。 ジャンクロードはお返しにALMA MATERアルマ・マテールのマグナムとマールを袋に詰めて手渡した。 東京のオザミでマール蒸しがメニューにのるだろう。