★ヴィネクスポ2007  メイン会場の 外 で魅力的な試飲会が目白押し★

今、ボルドーで世界最大のワイン&スピリッツの見本市「ヴィネクスポ」が、6月17‐21日の5日間開催されています。
(写真はヴィネクスポ会場と市内の港の帆船の飾付け)

これに関連して、我々クラブ・パッション・ド・ヴァンが日ごろご紹介している自然派ワイナリーたちが、3日間に渡って熱心な試飲会をたくさん開きましたので、その様子をレポートします。

●ヴィネクスポ 世界中からワイン関係者が集合!

1981年の第一回を開いてから2年ごとに行われる大イベントは今年で14回目。世界140カ国からワイナリーやワイン商が出展し、その数は2400社に上ります。
今回は中国やロシアなど、ワイン消費のめざましい国からの来場者が多いようです。またワイン消費が熟成した国での販売アップを狙ったマーケティングに力を入れているのが特徴です。

●味が濃厚なら会話も濃くて、長—い 自然派の試飲会!

ただ世界レベルの超大型展示会になると、どうしてもグローバル化した大規模ワイナリーが多数を占め、ビジネスライクになりがちです。
我々クラブ・パッション・ド・ヴァンがご紹介する自然派ワイナリー達は、ぶどう栽培にしても醸造方法についても、一般的な方法を超えた造りをするところが少なくありません。それぞれにこだわりがある個性派の彼らは、試飲に来てくれる人たちとじっくり話しながら飲むことを求めます。
だから「ヴィネクスポのスタイルに合わない」ということで、自然派のいろんなグループがヴィネクスポとは別の会場で、非常に内容の濃い試飲会を開いたのです。

1日に3ヶ所、合計120蔵の試飲会も

初日は3会場で自然派ワインの試飲会が開かれるほどワイナリーの数が増え、今まで以上に活気に溢れていました。

2日目に開催したグループ「オー・レ・ヴァン」は、自然派でも正式な認証を取ってなかったり、「ビオロジック」に極めて近いけれどそうではないという人も一緒になって、ルールで縛らない幅の広い枠組みの試飲会でした。
自然と天候の状況に応じて最大限に農薬を抑える、農業の現場に則した柔軟性が必要、ということでしょうか。真剣でとても熱心な新しい生産者たちが参加していたのが印象的でした。
「本来のテロワール」を追求するワイナリーがどんどん増えていることを実感しました。

試飲会の規模は小さいところで15蔵、多いときには80蔵を超える大きな物までさまざま。会によっては、ワイナリーが手作りしたサラミや、地元特産のチーズやオリーブを持ち寄ってきて、懇親性と深いコミュニケーションを意図したじっくりタイプもあります。

●ユニオン・デ・ジョン・デ・メチエ(24蔵)

各ワイン産地のトップスターが一同に。醸造所内は大勢でごった返す盛況ぶり。

ボルドー右岸のブール村近くにあるシャトー・ファルファは、「シャトー」と呼ぶにふさわしい屋敷を持つワイナリー。その醸造所の中で美味しいワインと美味しい食べ物に舌鼓。

CPVのワイナリーからの出展は、
クロ・ルジャール、       フィリップ・アリエ
ドメーヌ・ド・トレヴァロン、  クロ・マリー、   
マ・ジュリアン他        

ソミュールのクロ・ルジャールの2003年は濃厚ながら絶妙なバランス。

シノンのフィリップ・アリエの2005年は人生最高の「傑作年」。

アンセルム・セロスの2003年にデゴルジュしたボトルは、クリュッグと張り合う旨さ。

プロヴァンスのドメーヌ・トレヴァロン、2000年は熟成を向えてウットリ。
(ここの自家製オリーヴオイルは絶品)

シャトー・ファルファとカーヴ内の試飲の様子

●ヴァン・ビオ(70蔵)

てんとう虫が息づく畑を大事に・・・

70蔵の「ビオロジック」ワイナリーが、ボルドー市内の会場で大試飲会。価格の安い家族経営の生産者が多く、一般の人もたくさん参加していました。
  

てんとう虫のポスターが、自然を大事にしようという趣旨をPRしています。

●オー・レ・ヴァン(30蔵)

前出でご紹介したこの試飲会は、マルゴー村に近いところにあるシャトー・ド・キュジャックで開かれました。
「ビオロジック」の正式な認証があるかないかは関係なし。フランス以外では、スペインやポルトガル、イタリア、オーストリアから、畑の自然環境をできるだけ尊重して「テロワール」の良さを最高に引き出すワイナリー30蔵が参加。
ラングドックの自然派、ドメーヌ・ドーピアックが参加しインポーターや若いソムリエの人たちが熱心に試飲しました。

その他のCPVのワイナリーは、ドメーヌ・ド・ロックフォール、 マ・リビアン、
ドメーヌ・デ・テール・ドレ。
夕食会もワイナリーたちとテーブルを囲んで夜遅くまでワイン談義で盛りあがりました。
          

 
シャトー・ド・キュジャックとドメーヌ・ドーピアックの試飲。

●ルネッサンス・デ・ザペラシオン(84蔵)

2月にロワール地方アンジェーで開催されたグループのヴィネクスポ版です。
ボルドーにある「ボルドーワイン世界センター」に84蔵が集まる豪華な大試飲会でした。
ヨーロッパ諸国だけでなく、チリやブラジルなど、世界各地から「ビオディナミ」の生産者が結集。 

CPVのワイナリーからの出展は、
メゾン・ブリュレ、      ドメーヌ・レキュ
  ドメーヌ・ド・ラ・ガルリエール、 ドメーヌ・ヴィレ
  エマニュエル・ジブロ、      ドミニック・ドゥラン
  シャトー・ラ・ガレットほか

「自然派ワインはビン熟しない」?!

ドゥランもジブロも2005年は果実味たっぷり、香りがとても豊かな仕上がりです。  
これだけ美味しいとビン熟のピークを待ちきれずにほとんど飲まれちゃうんでしょうね。

この会場でひときわ人が多かったのが、ドメーヌ・ルロワとドメーヌ・ルフレーヴ。
ルロワでは4種類の試飲ができて、トップはリシュブール2002。試飲会場でひと時の瞑想の世界へ。

続いてドメーヌ・ルフレーヴへ。ここでは試飲の最後にピュリニー・モンラッシェ・プルミエクリュの1999年を振舞った。蔵は1990年から「ビオディナミ」を取り入れているが、世間で「ビオのワインはビン熟しない」という噂の真偽がはっきりするワインでした。

ボルドーワイン世界センター内にあるガラスを多用した目新しい建物。

この記事は2007-6-21にNishiさんによって投稿されたものです。