2月15日 金曜日

午前中はシャスラのフィリップ・ジャンボンを訪問。さすがに寒い、マイナス2度の中、まずは畑を見に。すっかり霜が降りた畑で、説明をしながらフィリップがおもむろに取り出したのは、なぜか袋…。そして、畝に生えている野生のマッシュとクレソンを摘み始め、時々ムシャムシャ…「食べる?」と差し出されたマッシュの味と香りの濃いこと…。普段スーパーで買ってるレタスやサラダは一体何なんだろうと思ってしまうほど。

「しっかりとらないとお昼のサラダはなしだよ」そりゃ、大変、がんばって摘まなきゃ。とはいっても、どれが雑草でどれがマッシュなのか見分けが付かない。何のかんのといっているうちに、袋はいっぱいに、ひと安心。
「ぶどうもマッシュもこの土壌から水を吸い上げることで、土地や環境からのエネルギーとハートと思い出を持って育っていくんだ。だからおいしいし、パワーがある」なるほど。

樽からのティスティングの後は外でサンプル用に瓶詰めしたワインを試飲。この寒いのに外!!「カーヴの中より、太陽の下の方がいいよね」確かに太陽は出てるけど、気温はほぼ0度。畑からトータル3時間はさすがに厳しくて、鼻もきかなくなってきたみたい。
そうこうしながらなんとか終えて、ようやくお昼。野生のサラダのおいしいこと! これだけでもここに住みたくなっちゃうねー。その上マダム・ジャンボンのカトリーヌはレストランで料理を手伝うほどの腕前。優しい味のパイと自家製ヨーグルトにチョコレートタルトにフルーツ、ヴィンテージもののフィリップのワインと合わせて…。最後はフィリップのぶどうで作ったマールでしめて、幸せな完璧ランチは終了したのでした。


食後はオートルートで一路エルミタージュへ。4時過ぎにルネジャン・リボの待つダール・エ・リボに到着。試飲の前にまずは「お疲れ様」のアペリティフに日本未輸入のBLANC DIVERSで乾杯。これまで冬は寒くて大変だったカーヴの作業場になんと、パラプリュイ・ショファンなる暖房器具が入っていて、これにはびっくり! ビッグニュース?!

さて、いよいよ樽からの試飲。まずはクローズ・エルミタージュの白2007年。畑違い、樽違いと続き、サンジョセフへ。ルネジャンいわく、レ・シャンは日本女性のようにエレガントで慎み深く、ピトルーはフランス人女性みたいに強くてパワフルなんだと僕はレ・シャンが大好きだけどね」ふーむ、意味深発言…。

まだ、リリースはしていないエルミタージュ・ブランは初めて!「まだ若い畑なので瓶詰めはどうかな。カーヴ・オジェは瓶詰めしてほしいっていってるけど」素敵においしいと思うけど、私は。
赤は樽違いを順に試飲。ひゃんなことから話はルネジャンがもうすぐ髭を短くするという話に。「髭は1年に2回、髪は1年に1回切るだけなんだ」やっぱりナチュラルだわん。
夜の食事の約束をして、いったんホテルへ。自然派ルネジャンは自転車で颯爽と?帰っていったのでした…。


ディナーはタン・エルミタージュの町の「マンジュ・ヴァン」へ。日本人女性とフランス人男性の若いカップルが経営するお店で、シェフは奥さん。ルネジャンとほぼ同じ生まれの赤ちゃんがいるということもあって、仲良しのお店。

エルヴェ・スオー夫妻も合流、アペリティフを飲みながら待っていると、ルネジャンとマダム・ヒデコ、もうすぐ6ヶ月のアンジュマリーが到着。まあ、かわいいこと! 


食べたくなっちゃうとひとしきり話が盛り上がり、ダール・エ・リボの秘蔵のトントンやらフンフ—ンやらが空くころには絶頂。
ルネジャンが「おしりかじり虫ぃぃ」と歌えば、我らがムッシュ・イトウも意味深な替え歌で返し、なにやら不思議な真夜中のレストラン。あー、ホテルが向かいで良かった!