自然派ワインの世界では歴史的に意義のある第一回目

4月21日 に DEGUSTATION BEAUJOLOISEボジョロワーズという名で自然派ワイン試飲会がボジョレの地、シャトー・カンボンで開催された。これは歴史的な出来事の第一歩となるであろう。
自然派の発祥の地ともいえるボジョレがまた新たなる時代に向けた新しい方向性が若手達によって築かれようとしている。
自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。


晴天なら芝生の庭でゆったりとやる予定だったのが.
前日に曇空の予報が出て急遽テントを張った。

自然派ワインの起点は故アラン・シャペルから

自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。
その起点となったのは、リヨンの偉大なる料理人故アラン・シャペル氏なのである。シャペル氏はある時、偉大なる生物・物理学者でもあり醸造研究家でもあるジル・ショーヴェ氏に巡り合う。物事の本質を見抜く抜群の能力をもっていたシャペル氏は、ジル・ショヴェの話を聞き、彼の造ったワインを飲んで感動した。それと同時にジル・ショーヴェ氏の持っているものを残さなければいけない、と感じた。

そこで、シャペル氏はまだ若かったマルセル・ラピエールを呼び出して
『マルセル、お前は同じ村に住んでいるジル・ショーヴェ氏を知っているか?』
『知りません』
『ジル・ジョーヴェはフランスの宝だ!彼はもうお年を召されている。彼のワインに対する考え方をフランスに残さなければならない。お前は時間の許すかぎりショーベ氏の処に行って彼のやっていること、考えていることを吸収してきなさい。』
この会話が切っ掛けとなって現在の自然派の流れが動き出したのである。
この流れの話は別の機会に詳しく書くことにする。
マルセル・ラ・ピエールはこのアラン・シャペルの言葉を忠実に実行している。
ジル・ショーヴェのワインを再現して、その発展の為にフランス中の若手醸造家たちに大きな影響を与えている。毎年7月14日のフランス革命記念日にフランス中の醸造元をフリー招待して昼夜を共にして語り合うという会を開催している。このアラン・シャペル〜マルセル・ラ・ピエールの影響を受けた醸造家達が現在の自然派ワインを築き、支えている。

ボジョロワーズを主催した次世代を担う3人

そして、今回のこの“DEGUSTATION BEAUJOLOISE”試飲会は、次世代を担うボジョレ若手3人によって主催された事に大きな意義がある。
この3人が動き回って、この素晴らしい試飲会が実行された。

ラピエールの甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもあるクリストフ・パカレ

心やさしいクリストフ

提唱者であり、人生経験豊富なシリル・アロンゾ

マルセル・ラ・ピエールの息子、マチュ・ラ・ピエール

自然派のサラブレット、マチュ

この会には深い意味がある。この自然派ボジョレの醸造元は毎年ヌーヴォの時期は戦々恐々とした状況が続いている。INAOより AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを落される嫌がらせが今だに続いているのである。
若手3人はボジョレの地元の人たちにも自分達のやっている事やワインの健全性を分かってもらおうという意図と、そして、自然派試飲会には多くの支持者やファンがいることも理解してもらおうとの意図があったのである。
入場者の数は記録された人数だけでも550名が集まった。フランス中のレストラン、ソムリエ、ワイン専門店、そして外国のバイヤーなど多方面の人達が結集していた。
クリストフ 『地元の人達を入れると700人ぐらいは集まっただろう。』

パリのVERRE VOLEE
経営者であり自然派ワインの大ファンでもあるシリル参上。   

              

パリの自然派ワインビストロのオーナーシェフであり、自然派初期よりの応援者ルドルフも参上。

出展者 BEAUJOLAIS 19社、MACON 8社、BOURGOGNE 4社の計31社が出展。

ボジョレからはマルセル・ラピエールを筆頭にジャン・フォワラール、ジョールジュ・デコンブ、イヴォン・メトラ、ジャンクロード・ラパリュ、マックス・ブルトン、ジャン・ポール・ブラン、フィリップ・ジャンボンなど自然派を支えているメンバーが勢ぞろい、そしてまだ無名の若手を含めて19醸造家、

ブルゴーニュからはロマネコンチの両オーナーが個別に持するオベール・ド・ヴィレーヌ社、プリューレ・ロック、の2社が参加したことは大きな意義がある。そしてドミニック・ドュラン、フィリップ・パカレなどブルゴーニュを代表する醸造家が参加、マコネ地区からは自然派を支えるヴァレット家、フィリップ・ヴァレトを筆頭にジェラルド・ヴァレット、そして若手のジュリアン・ギヨ、アルノ・コンビエ、など8者、で総勢31者の醸造家、

そしてブルゴーニュでウイスキーを造っているミッシェル・クーブル、美味しいソセージ、イベリコ・ハムなどを現地から買い取って行商するレーモン・ル・コックなども参加していた。

これ以外にも、南ローヌ自然派の旗手マルセル・リショなどフランス中からこの動きを応援する醸造元が
駆けつけていた。

こんな人達もいました。  
                

リヨンでフレンチレストランを経営する石田さん   

4次元カラフ・オヴァリュスの作成者MICHELさん  

 
伝説のレトランTABLE DE CHAINTREをやっていたGERARD ALONZOさん   

パリ郊外GROSLAYでワイン屋を経営DUCLOS氏 

パカレの奥さんの兄弟でもあり、CHARCUTRIEの行商レーモンさん 

力強い自然派の女性達

マルセル・ラピエールを支えるマリーさん

子供のようなフィリップジャンボンを育てているカトリーヌさん 
  

あのロックの性格を明るくした太陽のような存在 コリーヌさん   

あの熊のようなデコンブを飼育する陽気な性格のジスレンさん

会場内はPASSIONで溢れていた。

新人賞

デコンブの息子ダミアンが独自のドメーヌを立ち上げた。
07年が初リリースだ。

発掘賞

パカレのところで修行したボルドー人、ソレールがスイスで独立。