フランスで最も美しい街の一つに数え上げられ、世界遺産でもあるヴェズレ


5月3日、4日の2日間、巡礼の町ヴェズレイ、正確には隣村のST-PEREにて自然派試飲会が開かれた。
ブルゴ−ニュのボ−ヌからパリ方面に高速6号線を1時間ほど走り、シャブリの手前25番出口を下りると30分ほどでヴェズレイに着く。試飲会場はドメ−ヌ・カデットのあるサン・ペ−ル村で行なわれた。
典型的なフランスの牧歌的な雰囲気を備えた風光明媚な村だ。人口300人、村の中心にゴシック調の教会がそびえている。その隣にドメ−ヌ・カデットがある。主催者はカデットの当主
ムッシュ・モンタネ氏である。

DOMAINE CADETTE ロマン派 !!
モンタネ氏 紹介  世界遺産のヴェウレを葡萄園で覆い、ワイン有名産地への復活 !!


なかなかの苦労人である。モンタネ氏はジュラ地方出身であり、地元の人ではなかった。いわゆる、よそ者のモンタネ氏が18年目前に地元の農民を説得して農業組合カーヴ・ドゥ・ヴェズレを立ち上げた。若い頃、葡萄収穫に時々やってきていた彼はこの風光明媚な土地を限りなく愛していた。愛したのは土地だけではなかった。この地に育った女性カトリ−ヌさんと結婚した。
この地の古文書を調べたモンタネさんは、ある事実を発見した。それは1800年代の中頃までは、この地は葡萄園で覆われていたのである。ブルゴ−ニュワインの一大有名産地の一つだたのである。つまり、フィロキセラ害虫で葡萄園がほぼ全滅という被害の前は、ワインの産地としてのヴェズレが有名だった、事実を発見したのだ。30歳になったばかりの若きモンタネ氏は、ここに我が人生を賭けるロマンを発見したのである。再びこの地をワインの名産地に復活させる ! そして、近隣の酪農農家や昔葡萄園だった地を所有している農民への説得に駈けずりまわった。よそ者のモンタネ氏の事を素直に聞く人はなかなかいなかった。 モンタネ氏は決意した。銀行を説得して借金をしてまず農協を立ち上げてしまうこと。

彼の熱意に負けて賛同する農民が数人現れた。1991年正式に農協カ−ヴ・ヴェズレは成立した。
当時、必死の形相でPARISのレストランやワイン屋に売り込みに来ていたのを知っている。失敗は許されなかったのである。私はその当時からの付き合いだ。

モンタネ氏 第2の転機

追求心の強いモンタネ氏はやはり、本物のワインを造らなければ、真のヴェズレワインの復活はありえない
と確信する。ブルゴ−ニュのプリュ−レロックやパカレそしてマルセル・ラ・ピエ−ルの存在を知り、将来はこれだ、と悟る。農協の葡萄園をビオに改善し、造りも自然な造りに改良していこうとした。ところが
農協の組合員から反対案が提出された。やはり自分が“よそ者”であることを再認識させられた出来事だった。しかし、もう彼は後に戻る気は無かった。組合長でもあり、自分で立ち上げた農協を出なければならない状況になってしまった。この10年間の努力は何だったのだろう ? 悩んでいる時期に、ロックからの独立を考えていたフィリップ・パカレと出会う。パカレの独立に合わせて自分も独立する決意意を固めた。
そして、パカレに自然なワイン造りの指導をしてもらうことにした。ドメ−ヌ・カデットの誕生である。
パカレ独立が、挫折感のあった農協の事を気持ちよく将来に向けて割り切る切っ掛けになってくれた。僅かな自社畑と借り畑を持ってカデットが立ち上がった。それからも紆余曲折があったが多くの協力者や仲間を得てやっと現在がある。
マルセル・ラピエ−ル達がやってくれたことを自分も再現したかった。

ここでモンタネ氏、この自然な造りを協力してくれた仲間と若き醸造家たちへの協力援助の意味を含めて今回の試飲会を企画した。そして、多くの地元の人達にもこのフランス各地方から集まってくれた本物ワインの自然派を理解してもらうチャンスにもしたかった。モンタネ氏にとっては、この試飲会には3つの目的が含まれていた。
そして、自分の息子にも自然派の人達と触れ合って貰いたかった。

参加者15醸造元元

最年長格のドミニックドゥラン、モンタネ氏の心の友でもある。指導者的存在にも関わらず、ひょうきんな言動で笑わせてくれるム−ドメ−カ−。

シャブリでいち早く自然派を実現した。ド・ム−ルのオリビエ。ドミニック・ドランの弟のようにドランに密着していた。           

いつも元気で明るく美しいカトリーヌ・ブルトン。07産はメト−ド。シャンプノワを試作中。常に新しい挑戦を怠らない。フランもますます磨きがかかってきた。

ロ−ヌ地方からはマゼルがロ−ヌ中部をの雄、明るい妹さんが参加。柔らかい性格が周りの人をホットさせてくれる貴重な存在。

ダール・エ・リボと共にロ−ヌ初期自然派を造りあげた偉大な故グラムノンの息子、マキシム。お父さんの大物DNAを発揮させて欲しいグラムノン参加。

ロワ−ル地方サンセ−ルに彗星の如く現れて一挙に超人気サンセ−ル初の自然派を実現した男。誰もが待ち受けていたサンセ−ル。セバスチャン・リフォ。

もう一つ、誰もが待ち受けているロワ−ルの産地、プイイ・フュメにやっと本格的自然派セバスチャン・リフォと大仲良し、初リリ−スがもうじきビン詰めされる。

地元シャブリの大物新人誕生初リリ−スから真っすぐな自然派シャブリを実現したパット・ルのト−マ・ピコ。既に独自のスタイルのシャブリを楽しませてくれる。

トーマ・ピコの友人でもありトネ−ル地区出現した北ブルゴ−ニュの期待新人着々と進んでいくタイプ。DOMAINE WARTELドメ−ヌ・ワルテル、オリヴィエ・ワルテル。

  夜は夜中まで懇親会、および情報交換。ム−ドメ−カ−のドミニック・ドランが盛り上げる。

  嬉そうなモンタネさん                         情報交換

モンタネさん後継者                 モンタネさんのお母さんも嬉しそう