*******ドメーヌ・ヴァシュロンの歴史*******

サンセールで今話題になっているドメーヌ・ヴァシュロンの歴史は、曾祖父のマルセル・ヴァシュロンさんがこのサンセールの町で初めてブドウ木を植えた瞬間から始まりました。しかし彼は他の栽培もやっていた為、マルセルさんの息子、ジャンさんがブドウ栽培の後を継ぎ、ピノ・ノワールを植え加えてから、本格的にワインの世界に入り込んでいったのです。その後ジャンさんの息子達、ドニとジャン・ルイはドメーヌにカーヴを建て、今では最も偉大なサンセール・ルージュの生産者となり、ドニはアペラシオン・サンセールの議長を務め、小さなドメーヌの管理士として働き、ジャン・ルイはドメーヌのカーブの管理士として今でも働いています。

現在ドメーヌはドニとジャン・ルイ各それぞれの息子達、ジャン・ローランとジャン・ドミニックが後継いでいます。ジャン・ローランはブルゴーニュで有名なオベール・ド・ヴィレンヌ氏の下で経験を積み、2002年(32歳)の時にドメーヌへ、そしてジャン・ドミニックはシャトー・ヌフ・デュ・パップで働いた末、1993年(21歳)の時ドメーヌを改造し、後継ぐ事を決心しました。

*******何故ヴァシュロンのワインは天才的に繊細なのか?*******

一体何故ここまで繊細でエレガントなワインが出来上がるのか?
まず最初に、二人の父と二人の息子は目には見えない深い絆で繋がっているのだなと強く感じました。今では息子に栽培・醸造を任しているお父さん達。彼らは自分達の知っている知識全てを後世に伝え、今では息子達を優しく影から見守っているのです。そして二人のジャンは、前世代の伝統を守りながらも新しいアイデアを取り入れ、父達に恥じ無いようなワインを造り出そうと心がけています。お互いの信頼感、そして尊敬し合っている気持ちがとても強く伝わってきます。

『私達の父達が、自分の力と努力、知識でこのドメーヌの全てを造ってきました。そして私達はその努力を無駄にしないように、そしてその歴史を誇れるように頑張らなくてはならないのです。その思いが我々の力となり、モチベーションとなっているのです。
又畑というものを甘く見てはいけません。些細な事でも容赦しないし、毎回決闘を申し込んできているような感じです。ですからどんな状況を目の前にしても謙虚さを保ち、ブドウの木が何を必要としているのかを聞いてあげないと、美味しいブドウは生らないと思っています。』

しかしヴァシュロン一家にはもう一つ悲しくも力になった出来事が一つあるのです。それはワイン造りの天才とも言われていたもう一人の息子の死です。
挫けざる終えないこの悲しみを乗り越えるためには、更に美味しく、更に繊細なワインを生み出すしかなかったのです。ヴァシュロン一家の絆はさらに深まり、思いは一団と結集し、そこで出来上がったのが、他では味わえない繊細そのもののピノ・ノワールだったのです。

ジャン・ローランの経験は驚くほど豊富です!ロマネ・コンティの畑で醸造しただけでも凄いのに、他国でも彼の評判はトップ・レベル!オーストラリアやアメリカ、ニュージーランドから南アフリカまで、世界中のブドウ畑が彼の手に掛かっているのです!
『色々な国で経験を積む事によって、予期せぬ出来事が起きても冷静に対応する事ができるようになりました。また様々な場所に行って毎回思うことは、やはり素晴らしい人々に出会えるという事。今でも連絡を取り合い、畑の状況や醸造でのハプニングなど色々と分かち合えるので、終わり無き勉強が出来てとても為になるし ,本当に幸せな事だと思っています。』

*******ドメーヌ・ヴァシュロンの栽培・醸造方法*******
  


ドメーヌ・ヴァシュロンにとって、そしてもちろんこれからワインを造っていく彼らにとって、自然栽培は最も重要な点でした。二人のジャンはドメーヌの全畑を完全に自然派栽培に転換させ、テロワールのありのままの表現を引き出す為、2003年にはビオディナミ栽培へと転身しました。
『テロワールをありのままに表現出来るのは、ビオディナミ栽培しかない。未来のグラン・クリュは自然栽培に掛かっている。全ては時間の問題だ!』と主張するのはジャン・ドミニック!


『畑では摘芽や摘果、耕作を行い、収穫量をなるべく抑えています。例えば、サンセールで許可されている平均70 hl/haの収穫量に当たり、私達はたったの50hl/haしか収穫していません。そして化学物資は一切使用していないし、肥料も堆肥しか使っていません。病気が発生していなくても、イラサクや植物で出来た薬で対処方法。このおかげで土はより健康的になり、テロワールのバランスもより保てます。そして収穫はもちろん手摘み作業。後忘れていけないのはブドウ畑とカーブでの厳しい選別ですね。テロワールの風味の特徴を引き出す為には、完璧な熟成度を達したブドウを収穫する事が第一条件です!』
地質は全てシレックスと石灰質、そして貝殻の化石が落ちています!

ヴァシュロンは40個もの区画を栽培しています。ピノ・ノワールが11Ha 、そしてソヴィニョンが32 Ha。この32Haの中、ミネラル感バッチリの『レ・ロマン』という区画の面積はたったの7 Ha。そして、この区画内から更に厳しい選別の末選びぬかれた、たった2haしかないヴィエイユ・ヴィーニュのブドウのみが最高級の『レ・ロマン』のワインに使用されるのです。

ドメーヌのワインの特徴は?
シレックスの土壌はミネラル感と華やかな花の香りをワインに与えています。 逆に石灰質の土壌で造られたワインは若いときに飲むととてもフレッシュで繊細。そしてなによりもフルーツ感が特徴的です。私達の目標はなるべくエレガントで繊細で長期間保存出来るワインを造ることです。

今後の目標は?
第一に私達は自然を守る事が大切だと思ってます。『環境に優しく』が私達のモットーです。ですからパッケージングにはリサイクルされたボール紙を使用しています。
そして第二の目標はもっとまろやかなタンニンを特徴としたフルーティな赤ワインを造る事です。そのために、トロンコニック・タンクで赤ワインを熟成しています。

トロンコニックタンク

『偉大なワインを造るには、健全なブドウが必要です。しかしソヴィニョンの最大限の力をまだ私達は発揮できていません。ソヴィニョンは偉大な品種ではないですが、フルーツのポテンシャルを最高に保ち、テロワールを見事に引き出してくれる品種です。』

*******ドメーヌ・ヴァシュロンのワイン*******


Domaine Blanc 08 *ドメーヌ・ブラン08 
品種:ソヴィニョン100%
樹齢:25年
テロワール:シレックス45% + 石灰質45%+ 白亜紀の泥灰岩10%
収穫量:50hL / Ha
醸造:ステンレスタンクでの醸造
熟成:ステンレスタンク + トロンコニックタンク(10%)でのシュール・リ熟成
特徴:石灰質のテロワールがリッチ感を、そしてシレックスのテロワールが繊細さをワインに与えています。収穫時期は通常の1週間前に行いました。真直ぐでまろやか、そしてミネラル感があふれ出ていて、熟成されたブドウの綺麗な酸味が味わえます。ピーチなど柑橘類のフルーツと、白い花の香りが特徴的です。

Domaine Rouge 08 *ドメーヌ・ルージュ08 
品種:ピノ・ノワール100%
樹齢:30年
テロワール:シレックス50% + 石灰質50%
収穫量:40-45hL / Ha
醸造:100%エグラパージュされたブドウをステンレスタンクで30日間醸造
熟成:木樽50% + トロンコニックタンク50%で1年間もの間熟成
特徴 : 蕩けながらも引き締まったタンニンと、シレックスが与える繊細さが特徴的!赤フルーツの香りが永遠と漂う綺麗なバディのワインです。このキュベを表すにはエレガンスという言葉しかないでしょう!

Les Romains 08 *レ・ロマン08 
品種:ソヴィニョン100%
樹齢:28年
テロワール:シレックス
収穫量:30hL / Ha
醸造:ステンレスタンクでの醸造
熟成:タンク50%、樽50%での1.5年間のシュール・リ熟成
特徴 : ミネラル感が溢れ出すパワフルな味わい。ミントのタッチが混ざったフルーツ感が最高!まろやかなボディに爽やか感が加わり、長い後味が残る一品です。

Belle Dame 08 *ベル・ダーム08 
品種:ピノ・ノワール100%
樹齢:20年
テロワール:シレックス
収穫量:30hL / Ha
醸造:エグラパージュされたブドウをステンレスタンクで30日間醸造
熟成:新樽40% + 1年樽 + トロンコニックタンクで1年間もの間熟成
特徴 : サクランボやカシス、黒イチゴのアロマが複雑感とたっぷり感をワインに与えています。綺麗なフレッシュ感としっかりと感じられるタンニンが作り出すバランスはまさに完璧!そしてなんといってもミネラル感が凄いです!

Domaine Vacheronのワインについてのお問い合わせは:
野村ユニソン株式会社
TEL : 03-3538-7854
FAX : 03-3538-7855
MAIL : wine@nomura-g.co.jp
SITE : http://www.nomura-g.co.jp