ブルゴーニュ地方マコネ地区の生産者、ドゥニ・ジャンドーさんが1月21日来日した。
ジャンドーは、ここ2-3年で急激に注目を浴びた生産者だ。

彼の“サン・ヴェラン”や“プイイ・フュイッセ”は、パリの3ッ星レストランを初めとして世界中のトップクラスのレストランにて楽しまれている。幾つか挙げると3ッ星だけでも「ピエール・ガニエール」、「ラストランス」、「アンバサダー」、「ジョルジュ・ブラン」、「ル・ブリクール」・・・などなど。他にもロンドンの3ッ星「ゴルドン・ラムゼイ」や名だたるニューヨークのレストランでも評判だ!
どうしてこんなにも評判になったのだろうか?は後で述べるとして、来日イベントでも彼のワインは大人気だった!

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京都伊勢丹さんでは従来から彼の“ヴィレ・クレッセ”を定番として販売いただいているのでご挨拶に伺った。価格も比較的手頃なこともあり好評なようだ!

売場のワインと同に

伊勢丹スタッフとのショット

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東京では、表参道にあるパリで人気のビストロ“ル・プレ・ヴェール”で開催された「サロン・デ・ヴァン」に参加した。フランス全土より8件の自然派生産者が参加し、大いに盛り上がった。

ソムリエのアランさんと

来日生産者達とのスナップ

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また、CPVではインポーターのディオニーさんと共同で、ドゥニの来日に合わせ試飲会(東京)を開催した。試飲した来場者たちは、ジャンドーのピュアで純粋な味わいに皆感心していた。ドゥニは自分自身がワイン造りに参加し始めた2000年からビオディナミを実践している。同じマコンのフィリップ・ヴァレットとも一緒にワイン造りを研究する間柄だ。ドゥニはその土地の持っている特長を出来るだけ素直にワインを通して表現したいので、栽培はもちろん自然、醸造においては樽の風味が出過ぎないようステンレスタンクと樽を共用し、また樽の焼き加減は中程度にとどめている。また、高品質ワインを造るために彼がとても気を付けていることは、収穫のタイミングだ。収穫を始めて次の区画に移動するとき、もしその区画が完璧な状態で熟していなければ、彼は一週間でも平気で収穫を中断する。実際、2007年と2008年は一週間中断したそうだ。もうひとつ重要な点は、収穫したぶどうをそのままの健全な状態で醸造所まで運びプレスすることだ。そのため、収穫したらすぐ30Lの小型ケースに入れ、そのままの状態でプレス機まで持ってくる。移動中にもし果汁が染み出してしまえば、すぐ酸化が始まるし、果皮が破れてしまえばそこから雑菌が繁殖してしまう。ピュアな高品質ワインを造りだすにはとても重要なことだ。そして何といっても発酵は、ぶどうに自然に付着している野生酵母の自然な働きにて行なうことだ。彼は、シャブリの生産者にてワイン造りの経験をしているとき、野生酵母の重要性に気が付いたそうだ。

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=各ワインのコメント=

ヴィレ・クレッセ 2005&2007

栽培:樹齢=約40年、標高=250m、土壌=粘土質石灰
醸造:発酵からステンレスタンク50%、樽50%(全体の新樽使用比率10%)
澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成
生産量:6500本

2007:レモングラスやレモンの風味、蜂蜜の香り、味わいは酸がしっかりとしていてフレッシュで爽やか!甘く感じるニュアンスととてもよくバランス取れている。典型的な年でバランスよく超熟、特徴が良く表れた良い年

2005:レモンクリームの風味、厚みありがゆったりとした優雅な風味。よく熟した年

サン・ヴェラン 2007

栽培:樹齢=約35年
標高=250m
土壌=珪土混じりの粘土質石灰
醸造:樽100%、新樽使用比率15%
澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成
生産量:2500本

珪土の影響でより酸が強く、よりしまった味わい

プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”2007

栽培:標高350m
土壌:ロッシュ・ド・ヴェルジッソンの石灰の多い土壌
醸造:樽100%、新樽使用比率20%+1〜3年樽
   澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成
生産量:4000本

味わい:蒸した栗の香り、白い花や黄色果実の香り、ゆったりとした味わいをミネラルが支えている

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ジャンドーのワインはどれも素直でピュア!そして深い余韻、味わいがある。
実は、ドゥニのお父さんはワイン造りに興味がなく、2005年に所有していた畑を売ってしまったそうだ。当然ワイン造りを引き継ぐつもりでいたドゥニはとても大きなショックを受けた。悩んだ末、その年のうちに新たにいい畑を見つけて自分自身の会社を設立してしまったのだ。ジャンドーのワインが急激にその品質を上げ脚光を浴びた訳が分かった!そのときの苦渋の決断が、最高のワインを造ってやろうという気持ちにさせたのだった。

ドゥニのひとつひとつの仕事は地道なものだ。
冬〜初夏の期間は畑を耕す。それも馬を使ってだ!

重いトラクターを使うと土壌が押し固められ微生物が弱ってしまうから、土に負担を掛けない馬を使うそうだ。


収穫はすべて手摘み。摘んだぶどうは潰れないように丁寧に小型ケースに入れ運搬

彼の「プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”」の味わいの秘密(フランス語でスクレ)はまさに“ミネラル”!

ヴェルジッソンの岩“ロッシュ・ド・ヴェルジッソン”から地中に続く石灰土壌が、彼のワインに深い味わいを与えている。

是非味わってみて下さい!

お問合せ先
ディオニー株式会社 
TEL. 075-622-0850

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