Renaissance des AOC とはロワール地方の小さな町、アンジェで2001年から開催されている、ビオ栽培の醸造家のみが集まる試飲会です。毎年規模が大きくなっているこのサロン・・・今年は13国から152人もの醸造家達が集まりました!今年は天井が高く、広くて日当りが抜群なグルニエ・サン・ジャン教会の中で行われました。

ルネサンスに参加するには、様々な条件をクリアしなければいけません。このシステムは、醸造家であろうが配合業者であろうが又は消費者であろうが、同じ考えを持った人達を結びつける為に行っています。もう一つの目標としては、科学が発達するにつれ変化しすぎてしまったアペラシオンの本来の意味を取り戻すことです。

醸造家達は次の3つの条件をクリアしていないと参加できません!!

第一:畑にて
最低3年前から畑全体に自然栽培を行っていること。ということはエコセール、もしくはカリテフランスなど公式認証が必要なのです。しかし90%ほどの参加者が更に進んだ考えを持ち、自然栽培はもちろん、ビオディナミ栽培まで行っているのです。ビオディナミ栽培は太陰暦に合わせながら畑、そしてカーブでの作業を行うという栽培・醸造方法です。この方法により、テロワールの風味はより引き出され、ワインに複雑感と深い味わい感を与えます。
ここで自然栽培に欠かせない条件とは:
– 除草剤や化学肥料の使用は一切禁止
– 肥料も対処方法も自然な物のみ(ボルドー液や堆肥など)
– ぶどうに自然に付着している自然酵母の自然な働きにての醸造
– 遺伝的に変更された苗木の使用は禁止

第二:カーブにて
カーブ内での作業中にアペラシオンの風味を化学物質で修正しない事。300種類以上もある人工酵母の添加や浸透、また遺伝子組み換え作物、機械摘みなども一切禁止となっております。
ビオ栽培・醸造家の間では当たり前だと考えられている醸造方法というと:
– 手摘み収穫
– 自然なアルコール発酵(アロマ添加剤や酸素の添加、発酵を進める成分の添加などは一切禁止)
– ワインに含まれている自然な成分の豊富さを尊重
– クローヌを含まないセレクシオン・マサール
– ワインの自然なバランスを保つこと(補酸や補糖は禁止)
– コラージュは禁止
– 2ミクロン以下の濾過は禁止

第三:最終条件・・・

オリビエ・ウンブレヒト*Olivier Humbrechtやレイモン・ドゥ・ビルヌーブ*Raimond de Villeneuve、ジャン・リュック・ヒュベール*Jean-Luc Hubertやニコラ・ジョリ*Nicolas Jolyなど、誰もが認めている醸造家達が審査員として主催している委員会のテスティングで、全員一致で認められないと、ルネサンスには参加出来ません。

アルザス地方n°1、Domaine André Ostertag*

『2007年ヴィンテージはフレッシュでピュア。酸味が綺麗で骨格がしっかりとしている、とても繊細なワインです』

Domaine Humbrecht – Alexandre

『2007年はとても真直ぐ。繊細なアロマが漂うワインにしあがっています。』

どこにいても目だってしまうOlivier Cousin

『とにかく2007年はミネラル感がたっぷりなヴィンテージです』

いつも笑顔ニコニコのDomaine Pierre et Catherine Breton

『2007年はロワールの特徴が口いっぱいに広がるヴィンテージです。フルーツの甘さと酸味のバランスが良く、真直ぐでキリっとしています。』

今注目度n°1のDomaine de la Garrelière – Francois et Pascale Plouzeau

『2008年はとにかくフルーティーだね。何と言ってもこのイチゴの風味が特徴的です。』

とても優しいDomaine Viret – Philippe Viret

『2008年はとてもパワフル。タンニンが強く、けれどもフレッシュさもあり飲みやすくなっています。』

世界一のロゼ、Chateau Roquefort – Raimond de Villeneuve

『2008年のロゼは2007年よりエレガントで果実身が強くて美味しく出来上がっています!』

賑わっているスタンドはやはり自然派ワインの業界でも尊敬されている醸造家達。いつ行っても人が沢山でなかなか試飲が出来ません・・!皆グラスを持ちながら順番待ち状態・・・しかしあちらこちらで知っているレストラン・ワインバーのオーナー、他にもセバスチアン・リフォーやジャン・ピエール・ロビノなど、遊びに来た醸造家達もいて、とてもアット・ホームな雰囲気な試飲会でした。


若くてパワフルなSextant – Julien

物静かなDomaine du Chateau Gaillard – Matthieu Bouchet

どこにいてもモテモテのMas de Libian – Hélène Tibon


人気n°1、Domaine de la Sansonnière – Mark Angéli

穏やかなDomaine Fontedicto – Bernard Bellhasen

繊細で美味しいDomaine Albert Mann – Maurice Barthelmé


笑いが耐えないDominique Derain et Cyril du Verre Volé

仲良し夫婦のJean et Martine David

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               〜2008年ヴィンテージは一体どうなのでしょう?〜

ロワール
雹が多く、畑がダメになってしまった醸造家が多い。しかし収穫量が低くなってしまった分、濃厚で綺麗な酸味が特徴となったヴィンテージ。

                        写真:Nicolas Joly (Loire)

ブルゴーニュ
ミルディウーや大量に降った雹のせいで、完璧な熟成度に達していないブドウが多かった年。しかしその後、収穫時期まで雨は略一滴も降らず、ブドウの熟成度が上がり綺麗な酸味が残ったブドウが収穫できた。

写真:いつでもテンション高めのDominique Derain (Bourgogne)
『2007年ヴィンテージはとても繊細で飲みやすいです!綺麗なヴィンテージです!』

ボルドー・南西地方
5月は雨が絶えなく、そして6月にはミルデューやコリウールが発生して適切な手入れがとても困難となった年。しかし他の地方のように雹は降らなかっただけでも幸い!

写真:真面目で真直ぐなChateau La Grolet – Jean-Luc Hubert(Bordeaux)
『ル・ジェ2005年はちょうどタンニンがまろやかになってきて、今が飲み頃です!』

ローヌ
9月に雨が大量に降り、ミルデューやコリウールが発生したり、熟成前にブドウが腐敗してしまったりと、困難な年。しかし収穫時期の1ヶ月前に太陽が戻ってきたので、熟したブドウが収穫できた。

写真:Domaine Gramenon – Michèle Aubery (Rhone)

ラングドック
この地方では雨も雹も幸い降らなかったので、とても綺麗で健全なブドウが収穫された。酸味と糖分のバランスも非常に良く、とてもフルーティーなヴィンテージ。

           写真:Domaine Foulaquier – Blandine(Languedoc)

ルシヨン
この地方は他と全く反対で、雨が一滴も降らず、1925年以来の厳しい乾燥状態が続いた。その分とても熟されたブドウが収穫でき、とても濃厚でフルーティーなヴィンテージ。

写真:Domaine du Rouge Gorge – Cyril Fahl (Roussillon)

殆んどの醸造家が被害にあった2008年・・・
地方によってヴィンテージの特徴は違いますが、どの地方の造り手も必ず言っていた事が一つあります。
それは・・・
『2008年ヴィンテージはとにかく収穫量が低い。そして何といっても選別・選別・選別の年!!』
何故かというと、やはり気候に恵まれなかった年なので、ブドウの生長や風味、熟成度やタンニンの渋みなどが、同じ区画内でも差が出てしまってバラバラなのです。ですので収穫時期、そしてエグラパージュの時に選別の作業に力をいれ、完璧に熟されていて健全なブドウのみを選択する事が重要となってくるのです。完璧なブドウじゃなければ自然なアルコール発酵は無理です・・・そして最も大切なフルーツとテロワールの特徴が消えてしまうのです・・・!