Domaine Bois Moisset ドメーヌ・ボワ・モワセ
フランスで最もフランスらしい生活文化が残っているのは西南部地方。
ワインの世界ではフレンチ・パラドックスでの舞台になった地方。
フランスで赤ワインを日常的に最も飲んでいる地方でもある。
フランスの典型的な農家のスタイルを今でも堅持しているボワ・モワセ醸造。
麦の栽培、放牧牛、そして葡萄園でワイン造りという兼業スタイルを保っている貴重な農家のスタイルなのである。
そんな南西部ガイヤック地区からボワ・モワセ醸造のフィリップ・マッフルがCPVのPARISオフィスにやって来た。雨のこの日、フィリップはいつものようにドメーヌで造られたワインとシャルキュトリーを持ってきてくれた。
フィリップは、パートナーのシルヴィー、息子のイポリットと共に、自然のサイクルと調和させながらドメーヌを運営しています。ドメーヌ名である、ラ・フェルム・ボワ・モワセ「湿った森の農場」という名前がぴったりな水分の確保がしやすい立地にある。
15haのブドウ畑に加え、40haの穀物畑も管理していて、30頭の牛が自由に草を食べフンをして、畑に肥料を与えてくれています。総計55ヘクタールの農園を栽培している。
フィリップは葡萄畑で長い一日を過ごした後に牛の世話をすると、心がほっと落ち着くのであった。そしてフィリップの楽しみは、週末はゆっくりソファーでくつろぎながら西南部地方の国民的スポーツであるラグビーのテレビ観戦をすること。
2023年はボワ・モワセにとって特別な年だった。春にはベト病が発生し、ブドウの15%が失われた。7月中旬には、寒く湿った天候が続いて、その後、地中海からの熱波がやってきて猛暑となりブドウを焦がし、ワイナリーのタンク内の酵母にまで影響を及ぼしたほどだった。
ガメイとデュラスの収穫は8月16日に始まった。午後からの作業は猛暑で難しいため、収穫は午前中だけ行った。幸いも収穫量は悪くはなかった。2023年のヴィンテージは、果汁の酸味と緊張感が特徴で、アルコール度数は12.5度前後となった。
1月にあったロワールの試飲会では、私たちはフィリップと息子のイポリット一緒に食事をた。日本はボワ・モワセのワインを輸入している主要な国のひとつであるため、イポリットは日本のワイン愛好家たちの好みや嗜好について多くの質問をしてきたのが印象的だった。マセラシオン・カルボニックで造られる軽くて飲みやすいワインの魅力は、よく話題になりました。
今回オフィスでテイスティングをしながら、私たちの意見が彼らに取り入れられていることを知り、大変嬉しかった。
ワインの試飲だけでなく、黒豚のソーセージ、リエット、コッパ、パテ、Barbu de L’arçonneと呼ばれる古代小麦を使った自家製パンなど、南西部の特産品を持ち込んでくれて、味わうことがでた。西南部地方の彼らはワインのテイスティング時はこんな地元のシャクトリ(生ハム系)と共に楽しむようだった。
1) サン プレション SANS PRESSION
発泡酒です。 ソーヴィニヨン、ミュスカデル、モーザック(買いブドウ)。残糖3g。
2) ヴァン・ノヴェル 2023 VIN NOVEL
ブロコルのマセラシオン・カルボニック。通常パワフルなこの品種は驚くほど軽やか。7日間マセラシオンを行う。
3) ハイディオス 2021 (エドニステスとディオニシエンの融合)シラーのマセラシオン・カルボニック。5日間のマセラシオン。ピノノワールを思わせるような味わい。
4) ラ・ヴァッシュ・ダン・レ・ヴィーニュ 2020、ブレンド = プレス・ジュース80% + フリーラン・ジュース20%、デュラス60% マセラシオン 1ヶ月半。シラー40% マセラシオン3週間。
除梗。コロナ禍を経て、ワインが十分落ち着く時間があった。
5)ファルゲイラス・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2019
シラー100%。2019年が最後のヴィンテージ。樹齢が高すぎたためブドウの木を抜根しました。
6) オヴァイン 2019、グルナッシュ全房、ブラウコル除梗。標高400mのラルザックに位置する区画。
ワイン造りのどの段階でもSO2は添加していません。総生産量は約30,000本。
最近のボワ・モワセの品質が愕然とアップしたと同時に、安定感のあるワイン質になった。
息子のイポリットが3年前に入ってすべてが変わった。イポリットの醸造センスが光っている。
美味しくなった上に、ここ西南部地方のワインは価格的に手頃感があって日常ワインに最適。
Par Victor et ITO