今、スペイン自然派が面白い!!-NO1
6月末にスペインのタラゴナの美しいMONTBLANCモンブラン村にて大自然派ワイン見本市 H2Oが開催されました。場所はスペインの自然派の中心人物、ホアン・ラモ・エスコダさんの醸造所で行われた。
スペイン、フランス、イタリア、スイス、などから約70社ほどの醸造元が結集した
スペインの自然派ワインの品質のレベルの高さには驚愕した。物凄い勢いでスペイン自然派ワインが進化している。
Degustation vin nature H2O chez Joan Ramod Taragona.
今回はClub Passion du Vin のスタッフKishoと参加。Kishoはスロバキアからバルセロナ、私は南フランスのモンペリエからバルセロナ、バルセで待ち合わせ。レンタカー会社のコンピューターシステムが故障というスペインらしいトラブルで約1時間半もかかってやっとレンタカーを借りられた。
いざTARAGONAを目指した。
高速道路をKISHOの運転で飛ばして1時間チョットで会場のあるMONTBALANCモンブラン村に到着。
モンブラン村に到着すれども全く試飲会場の表示がなく迷う事30分。やっと山の方角である事がわかり山を目指して走った。これまた迷う事30分、試飲会場の貼り表示が全くない。感 だけが頼りで探しまわっていると、山の麓の一角に車が多く駐車している建物を発見、昼過ぎに何とか会場にたどり着いた。
会場に入ると自然派ワイン好き達が目を輝かして楽しんでいる。陽の熱気でカリアンテ!カリアンテ !!
私は第一回目のH2O VEGETALにも参加した。
それと比較すると、参加している蔵元数も、来場者の数も一段と増えている。
来場者も海外のバイヤーも多かった。いつもこの種の試飲会場で顔を合わせるベルギー、オランダ、北欧のバイヤーの面々も来ていた。
会場は二つに分かれていた。一つはスペイン自然派、もうひとつはフランス醸造家とその他の国、と分かれていた。
何はともあれ、会場の雰囲気、空間が実に心地よいエネルギーに溢れていた。
PARTIDA CREUS パルティダ・クルーズ –NO1
スペイン自然派の品質向上には目を見張るものがはる。フランス自然派の中堅をはるかに超えるレベル到達しているワインが既に多く存在しているのには驚愕した。
フランスのトップクラと肩を並べる蔵元が幾つか存在していた。
その中でも、最も光輝いていたのは、PARTIDA CREUS パルティダ・クルーズ醸造だ。すでに世界中から引っ張りだこになっている。なかなかブースにも近づけない状態だった。
フランスのトップ・クラスと比較しても勝るとも劣らない高品質な液体を醸している。Club Passion du Vinスタッフの中でも、フランス産も入れて15年産の最も愛すべきワインの蔵元である。
ワインだけではない、マシモの人柄、やっている事、考え方、生き方すべてに感動の内容。
奥さんのアントネルのチャーミングで明るい人柄、屈託のない笑顔、人と接する時の自然な温かさ、こんな夫婦が世に存在していることに喜びを感じる程である。
今、私に最も愛すべき蔵は?と聞かれれば、私は躊躇なくこのPARTIDA CREUS パルティダ・クルーズの名を挙げる。
KISHOも会場に入ると真っ直ぐに、このブースに直進。
なんて、美味しいんだろう!
スーと体に沁み込んでいく。
素晴らしい液体だ。
ホエ醸造
ここスペインでも多くの新人が全く別の職業から自然派ワインを造りだす人が増えている。地理と歴史の先生をやっているロージェさんも14年よりこの世界に参入。
オレンジの産地、ヴァランシア市の山間部の標高の高いところに3hの葡萄園を手に入れて自然派ワインを造り始めた。
子供の頃は山間部の段々畑一体が葡萄園だった。ここ10年間に殆どの葡萄園が引き抜かれて故郷の景色が全く変わってしまった。
ロジェは故郷で葡萄のある景色を再現したかった。自然派ワインの大ファンだったロジェは、迷わず自然派ワインを造り出した。彼はフランスの自然派が大好きであり、フィリップ・パカレ、ラングロールなどをスーッと入ってしまうワインが好み。柔道家でもあるロジェは日本が大好きだ。
ロス・コムン醸造
カタルーニャ地方の山の中に隠れるように存在する小さな村エル・モラール村で、ドンドン減少していく葡萄畑を何とか継続するように、村のお年寄りから畑を買ったり、借りたりしてbioに転換して再生している二人。
剪定が極をいっている、一本の木に一つしか芽を残さないものも多く、平均3つぐらいしか芽を残さない。
しばらくはこれを続けて、葡萄木が慣れて元気になるのを待つ、との事。長い長いスタンスで農業を考えている忍耐の二人。プリオラートの境界線上にも1ヘクタールを栽培している。
酸と果実味のバランスが素晴らしい。これから楽しみな
コスタドール醸造
スペインでワイン造りに魅せられ、ワイン造りに限りを尽くすホアンさん。
溢れ出るアイデア、理想、浮かんだアイデアを実現すべく、体力、知力、精神力の限界までやってしまうホアン。5年間のミクロ醸造の研究を重ねて、2年前の14年に初リリース。
初年度から途轍もないワインを造り世界を驚かせた蔵元、
19歳の頃、カタルーニャ地方のラリー選手権で優勝、スペインのラリー選手権で3位になったことがある。何事にも、やり出すと熱中する性格、トコトンやらないと気が済まない。
フランス自然派ワインも飲みつくした。国境近くのゴビー、カソ・ド・マイヨルは勿論、ロワールのクロ・ルジャール、アルザスのクリスチャン・ビネールなど、酸がキッチリ乗っているワインが好きなホアン。
あまりにも、ショッキングなワインだったので翌日に訪問。凄い葡萄園だった。
110年を超す樹齢の葡萄。酸を残すため標高が高い理想的な葡萄区画ばかりを選別。
自分が選んだ葡萄区画を全部周ると300kmの距離になる。元ラリー選手、カタルーニャ山の中を走り回って見つけだした理想的な小区画を見つけて、所有者と交渉して借りてしまう。凄いスケールの人が現れた。スペインは面白い!!
今回は、スペイン自然派の品質の高さ、改良のスピードの速さに驚くばかり。ここではすべて書けませんが、数社は、心から震撼させられた醸造家が数人いました。情報交換が迅速にできる昨今、醸造家がトコトン広く深く追究するPASSIONさえあれば、もう国境はないという事がよくわかりました。フランスのトップ自然派醸造家が20年かけて造り上げたレベルまで、スペイン自然派が一挙に近づいている姿を見ることができた。時代の変化、世がますます小さくなって、国境が無くなってきているのを実感。まさにフランスの若手が一挙に凄いレベルにたどり着く現象がここスペインで同じことが起きている。皆さんに、これらの驚きのワインを近々に紹介していきたい。
チョット休憩に外へ出ると、日本から参加のラヴニールの大園さんも休憩していました。
大園さんはスロバキアからバルセローナに飛んでの参加。やる気満々の大園さん。
30度を超す暑さにチョットお疲れ気味。
フランスはバニュルスのブルノ・ドシェーヌも来ていた。いつもの如く自分のブースには殆どいないブルノ。持前の明るいブルノはここでも人気者。
フランス、ラングドック地方からは、ル・タン・ド・スリーズのアクセル・プリファーも参加。顔の広いアクセルはスペイン醸造家との交流も多い。
フランス、ルシオン地方から透明感のあるワインを醸すクロ・マソットも参加。家族全員で参加していた。
自然派発祥のボジョレからはデコンブ・ファミリーがやって来た。左端は通称KEKEケケ・次男のケビン、右端にドーメヌ・コクレ醸造を立ち上げた長男のダミアン・コクレ、どこまでも酸を伴って透明感があり気のダミアン。真ん中は新進気鋭のアントニー・テブネである。
やーよく試飲しました。200種類以上のワインを試飲しました。それでもすべては試飲できません。
舌が極限状態まできている。でも驚きのワインを発見した喜びで疲れは吹っ飛びます。
日本にすでに輸入されているものも多数ありました。
ひところの濃いだけのイメージのスペインワインは殆どありませんでした。どこも酸を残す造りになってきている。またまた楽しみが増えてきました。
嬉しいかぎりです。今、スペインが面白い!!
カタルーニャの葡萄園に夕闇が迫る。SUN SET
さあ、踊りが始まるとサンバの帝王、大園さんの出番だ。
スペイン、カタルーニャの試飲を終えて、一挙に地中海をめざした。TARRAGONAのニース、SALOUにて
二日間のワイン漬けから、やはりカタルーニャのもう一つの世界、地中海へ。
ワイン漬けの舌を地中海漬に。
グット冷えたビールが旨い。
何て、美しいんだろう!Magnifique !! SALOU.
BARCELONA
カタルーニャの首都はバルセロナ。
私の大好きな街だ。海と大規模な街が
くっついている稀れな都市。
バルセローナのワインビストロと云えばBRUTALブリュタルだ。
店内に入ると、右側の壁一面にワインが並んでいる。
迫力の陳列。スペイン、フランスの自然派がずらりと並んでいる。
このスタイルとスケール自然派ビストロはフランスでも存在しない。
流石のバルセロナ。
ここでも大人気はPARTIDA CREUS パルティダ・クルーズのワインだった。
ソムリエに『君の好きなワインはどれ?』と質問すると、黙ってもってきたのがここのワインだった。
まずは、BB微発泡ワインで爽やかに乾杯した。
その後は、私が大好きなSMをやった。
スーと、体に沁み渡っていく。疲れた舌、体が癒されていく。次々とPARTIDA CREUSをやった。