ジュル・ショーヴェからマルセル・ラピエールへと繋いだ除梗なしのセミ・マセラッション・カルボヌック醸造が自然派の象徴的な醸造方法だった。軽快な果実味が全面に表現された独特なスタイルである。

そして20年以上も自然な栽培を続けた結果、根っ子が地中深く伸びてくるとミネラルがワインに表現されてきて、スーット綺麗に伸びてくるミネラル感、透明感が表現されてきた。

上記のスタイルとは違ったスタイルを目指す醸造家も増えてきた。
除梗をしながらも軽快でスーット伸びてくるスタイルを造る醸造家もいる。
除梗してよりタンニンやプラス・アルファ違うものをワインに表現しようとする醸造家も増えてきた。

また、除梗をした葡萄と除梗なし全房の葡萄をミルフイユのように発酵槽で混ぜて発酵する醸造家も増えている。
セミ・マセラッション・カルボヌック醸造のスタイルとはまた違ったタンニンの表現がされて心地よい。

そして、グレン・アンティエールと呼ばれる除梗を手作業で行い葡萄実一粒一粒一粒が潰されてない状態で発酵槽に仕込み発酵槽を閉めてマセラッション・カルボヌック醸造をする醸造家も増えている。

品種と品種のブレンドの混醸造も今までには考えられなかった品種をブレンドして、その上で除梗したもの、除梗しないものを混ぜあわせたり、まるで作曲するように、あらゆる方法を自由自在に掛け合わせて醸造する若者達が誕生している。

フュージョン料理のようにバランスのいいものと悪いものも存在している。
でも色んな試作、イノベーションの中に驚くほど素晴らしいもの登場している。
こうして自然派も進化していくんだろうなと感じる。

そんな変化の中、セミ・マセラッション・カルボヌック醸造をトコトン追究してトビッキリ美味しいワインを造る醸造家も勿論、大切な存在だ。(ル・タン・ド・スリーズのアクセル・プリュッファー)

こんな進化を目の当たりに観ながらのラ・ルミーズ試飲会は、自然派ワインの過去、現在、未来を一同に味わうことができる素晴らしい試飲会でした。

こんな変化は他の造りでは存在しない。
微生物をコントロールして、酸化防止剤の多用や香付け人口酵母を使ったり、化学剤を加えて人間の好みのスタイルに造りあげてしまうよう醸造の世界には存在しない変化である。

あくまで天の与えてくれた素材を尊重して、その土地の微生物達との共存した造りだからこそのワインの味わいである。

ますます、自然派ワインが面白なってきた・

感動的なエモーションナルなワインが多かった。