まだ暖かい陽が差し込む9月の中旬、収穫の熱冷めやらぬボジョレーとブルゴーニュに、ウノコネクションの新人2人(キショウ、ユリ)が潜入してきました!
マコン駅からボジョレー→ボーヌ周辺→ボジョレーの2日間で、エノコネクションの看板でもあるスターヴィニュロンへはじめましてのご挨拶と、もしもできれば収穫に参加してしまおう!という計画です。

 Yuri
 Kisho

気になる訪問先は・・・

  1. クリストフ・パカレ Christophe Pacalet
  2. フィリップ・パカレ Philippe Pacalet
  3. サルナン・ベリュ Sarnin Berrux
  4. マルセル・ラピエール Marcel Lapierre
  5. ラパリュ Lapalu
  6. ローランス・レミ・デュフェートル Laurence et Rémi Dufaitre

クリストフ・パカレ*Christophe Pacalet



日曜にもかかわらず笑顔で奥様と迎えてくださったクリストフさんのところでは、9月9日、猛暑による凝縮したブドウが取れ、晴れて収穫終了。今年は8月24日から開始、例年に比べかなり早く終ったそう。特に丘の上のブドウ畑(サンタムール、コート・ドブルィ)は強い太陽の光でブドウが乾燥し、凝縮した小さいブドウがとれました。

コート・ド・ブルィの土壌の特徴について


ボジョレーは花崗岩土壌であることが有名ですが、特に火山質が混じるコート・ド・ブルィからは、色調も濃く力強さがあるワインが出来ていました。なんでも、火山質の土壌は酸性度が高めで栄養分が少ないため、樹勢が強い品種であるガメイもたくさん実をつけることがなく、その分凝縮感のあるブドウがとれるとのこと。さらに天候に恵まれない年であっても比較的均一な量のブドウが取れるのがコート・ド・ブルィの特徴とのことでした。

一部の発酵槽はグラスファイバー製タンク


今年に関しては、ブルィ以外のキュヴェの量がかなり減ってしまい、例年の半分しかとれなかった畑もあるそうです。
ここでは一部の発酵槽はグラスファイバー製を使用しており、マセラシォン・セミ・カーボニック醸造中の葡萄丸ごとの房が見えます。タンクをたたくと、薄透明のタンク越しになんと泡がふわ~っと浮かび上がってくるのが見えます!ここからボジョレー特有のアロマや優しい色合いが抽出されているのかと思うと、感動しました。

マルセル・ラピエールより譲り受けた古式圧搾機


また、ここでは赤はプニュマティック圧搾機を使わず、伝統的な直下型の圧搾機を使っている。

重力を利用したこの圧搾機からはゆっくりとした優しいプレスで、ブドウの種からの渋みや、皮からの粗いタンニンが出ないようになるとのこと。
マセラッション・カルボ醸造のプレスは直下型の圧搾機が最高
時間をかけてゆっくりプレスすると、まるで葡萄の皮から汗のようにブドウジュースが滲みでてくるので繊細なワインになるとのことでした。
ブドウを圧搾機いっぱいに詰め込んで、24時間ゆっくりとプレスします。

試飲


ボジョレー・ブラン
とてもクリアでレモンのような色合い。ゆっくりと立ち上る白い花の香り、
柑橘系のきりっとした酸味が心地よく舌の上に広がります。

コート・ド・ブルィ
とても濃く、若いローヌワインを彷彿とさせるような紫色の色調。
赤・黒系果実の香りが主張し、凝縮感があり飲みごたえがあるワイン。

クリストフ2015年11月ヌーヴォー解禁時に日本行き決定!


日本食が大好きとのこと、クリストフさんは今年のヌーヴォー解禁の時は日本に行くことになっています。美味しい日本食をとても楽しみにしていました!

クリストフ・パカレとヌーヴォー解禁カウントダウンを楽しみたい方
11月18日
00時に東京新橋でヌーヴォー解禁
カウントダウンパーティーをクリストフと
楽しんでください!!

2)フィリップ・パカレ*Philippe Pacalet

フィリップ・パカレ2015年 収穫終了パーティーに参加


新人二人はここからフィリップ・パカレの収穫に参加をするために北に移動。
フィリップさんに今から着きますの電話を入れたところ、「今さっき摘み終わったところだよ」!!
なんと・・・・が~ん。


ここ最近の猛暑のせいで、予定よりも収穫が早まったらしく、それならと収穫終了のお祭りであるポレ(ブルゴーニュでは「ポレ」、ボジョレーでは「ラフボール」というそう)に、どさくさに紛れて参加させていただき、美味しいクスクスのご相伴にあずかってしまいました。


収穫自体は終わったものの、まだ白の圧搾作業が残っているとのこと、パカレさんはとっても忙しそうでしたが、今年の素晴らしいブドウがとれた話などを手短にしてくれ、笑顔の素敵な奥様も、ブルゴーニュ・アリゴテ2014、ジュヴレ・シャンルタン2008、ポマール2008など飲ませてくれました!

試飲


ブルゴーニュ・アリゴテ2014
苦み・酸味・旨みのバランスが素晴らしく、親しみがありながらも綺麗な余韻で、とっても美味しい!聞いてみるとピュリニー・モンラッシェ村と国道を挟んで向こう側の畑らしく、どうりで美しい酸味があると思いました。


ジュヴレ・シャンベルタン2008
マグナムでサービス。最初は少しかたいイメージでしたが、時間がたつと華やかで力強い、赤系果実たっぷりのニュアンス。ついついグビグビ飲んでしまいそうで危険です。


ポマール2008
同じくマグナムで。きめ細やかなタンニンに支えられたしっかりとした構成が感じられました。やっぱり美味しい~。

パカレ収穫終了後に嵐のような大雨と雹が


ポレの途中で大雨と雹が降ってきて、丁度収穫が終わったところでよかった~!!とみなさん大喜び!!
もしやパカレさんは、晴れ男!??
運も実力のうちのひとつ!良いタイミングで収穫が終わって、本当によかったですね。

ボーヌの夜は自然派ワインが飲める和食bissohへ


この日はボーヌに一泊。日曜の夜だったため、ほとんどのレストランが閉まっていましたが、日本料理のBissohが空いていました!
日本人人口が多いボーヌのなかでも、日本人の常連客だけでなく地元のワイン生産者の方も集まる本格的日本料理店です。(1号店が工事中のため、2号店に行ってきました。)

こだわりつくされた店内の内装、カラトリーも素敵、なによりも とっても可愛いブラックレトリバーの ゆずちゃんが迎えてくれます。 お寿司のネタについても、サーモンもフランスの政府機関が認定するラベル・ルージュのものを使っているこだわりよう。パリの某有名日本料理店のすし職人の方とばったり再開したり等、うれしいハプニングとともに美味しいお料理をいただきました!

2日目はまず、サン・ロマンのサルナン・ベリュからアタック。

3)サルナン・ベリュ*Sarnin Berrux

ヴィニュロンのジャン・マリー・ベリュさんとオーナーのジャン・パスカル・サルナンさんがタッグを組んでワインを造っているこのドメーヌでは、12日には収穫が終了したとのこと。こちらも今年のブドウの出来はかなり良いと満足そう。

栽培者との信頼関係づくりを大切に

このドメーヌは買いブドウでワインを造っていますが、なんといってもブドウ栽培者の人たちとの信頼関係を一番に考えているそう 。栽培者の方との長期的な付き合いを一番に、古くからの友人のような近い関係を目指しているそう。「ワインで大事なのは信頼性と美味しさだ!」とジャン・パスカルさんも、笑いながらおっしゃっていました。

15年産の醸造作業中、(ルモンタージ実施中)

 

訪問した時にはルモンタージュの真っ最中。全てのキュヴェを全房発酵で醸造するとのこと、果実からもしっかりと抽出ができるよう、ブドウの入った桶全体に、発酵中のワインを丹念にかけていました。

発酵進行状況を細かくチェック・記録するジャンマリーさん
毎日全てのキューヴの密度と温度を測って、ワインの発酵具合を確認します。 SO2添加は極力抑え、ピノ・ノワール、シャルドネのみ、瓶詰前に少し入れる程度。アリゴテ、シラー、ガメイには入れないとのことでした。「ワインは、信念をもって丁寧につくれば他の余計なものを入れなくてもいいんだよ」とジャン・マリーさん。 栓もビオ(有機栽培)のものを使用しており、こだわりが光ります。


試飲

ブルゴーニュ・ブラン2014
サヴィニー・レ・ボーヌの畑からとれたブドウで醸造。まっすぐな酸味が目立つ一本。

ブルゴーニュ・ルージュ2013
ピノ・ノワール特有の、控えめながらも洗練された果実味が感じられる一本でした。

このドメーヌでは今年から新たな挑戦で、ボジョレー、ボジョレー・ヌーボーを始めました。AOCの規定に合わせて、ボジョレーのレニエ村にも醸造所をつくったそうです。なぜボジョレー?と聞いたところ、 『ブルゴーニュの繊細で緻密な醸造方法で、極力多くの人に気楽に喜んでもらえるワインを造ってみたかった。そう、皆が喉を癒すようにグイグイ飲めるワインもいいよね。』 その後、少し間をおいてから、ニッコリ笑顔で 「本当は・・喉が渇いたからだよ!」 遊び心とパッションが止まらない、やんちゃな人の印象を受けました。

エノコネクション新人二人のボジョレー紀行、いかがでしたか?
後編ではマチュー・ラピエールやラパリュ、レミ・デュフェートル等の素晴らしい造り手が勢ぞろいです!どうぞお楽しみに!