自然派ワインの展望-PART1

この年始めに、色んなことを総合的にとらえてこれからの指針のようなもの模索できるゆとりができる正月は大切。

昨年に起きた驚くようなことが、自分の身の回りでも、世界中でも頻繁に起きている。

昨年、私自身が経験した驚きの出来事は、
フランスの北に位置する葡萄産地ムスカデのあるナントで経験した事です。
な・なんとナントで摂氏50度という気温を経験しました。
勿論、フランス気象台の記録を破った気温でした。
もう太陽光線が熱いというより痛い、と云った方が妥当の体感温度でした。

今、オーストラリアでやはり50度近い猛暑で火事がもう4か月も続いてる。

そして、世界各地で起きている嵐・洪水被害。フランスでは、今まで床上浸水なんて絶対になかった地域で毎年の如くに大雨の被害が発生するようになってしまっている。

日本でも同じように今までなかった地域で異常な降雨量を記録して大被害が起きている。
そして、強大な台風の出現。

北極や南極の氷山が溶けているという話はもう地球に住む皆が確認している。

日常の生活の身近なところで、明らかに地球温暖化からくる驚く程の規模の地球変化を感じられるようになっている。
もうこれらの現象が、人々の日常の生活における価値観に大きく影響するところまでになってきている。

☆人々の生活価値観の変化が与えるワイン業界への影響☆

人々がモノを買ったり、消費する時、無意識のうちに地球にやさしいモノを選ぶ、というところまで来ている。
フランスでもBIOショップが急増しているし、スーパーのBIO商品の売り場がドンドン拡大している。

ワイン業界でもBIO、ビオ・ディナミ農法、そして自然派ワイン、自然な造りをする蔵元が増えている。
まだまだ、増え続けるだろう。

ちょっと規模が大きい企業化したワイナリーが変化しにくいという点がチョット問題になっている。
何故?本気にビオ栽培をしようとしたら、最低3倍の仕事量がしばらくの間、増えてしまうからです。
その上、自然な造りをしようとすると、更に3倍の注意力と仕事量が増えてしまい、失敗するリスクが常に存在する。

だから、チョット有名になって、規模が大きくなったワイナリーが最も“自然”への対応が遅れるだろう。
そして、BIO,自然派への批判めいた発言、行動をするのもこの種の連中が多い。

それでも、世代交代の時期に、若い世代は思い切って自然な方向へ転換するワイナリーが増えている。
実に、喜ばしいことである。

☆自然派ワインの急増中☆
自然派の若手の中には、もうマルセル・ラピエールを知らない層が増えている。
今、この世界も、大きく変化しようとしている。
次回はこの辺の変化についてレポートしたい。

伊藤 レプブリック広場 Parisより