今年もやってきましたボジョロワーズの季節 ボジョレの祭典


ボジョロワーズの祭典が始まったのは、5年程前にこの3人が発起人となって始めた。まだマルセル・ラピエールが生きていた当時だった。マルセルの長男、マチュは、このボジョレで皆が楽しく過ごせる一日のお祭りをやりたかった.造る人も、ワインを売る人も、愛好家も皆集まって、翌年のワインが出来上がるこの時期に、冬を越してほぼ熟成も完了したワインを発表しながら、楽しむ会をやりたかった。そして、この2人、クリストフ・パカレ、シリル・アロンゾが賛同してこのボジョロワーズが始まった。この3人の発想は違っていた。自然派醸造家だけで小さく固まるのは止めたかった。当時、自然派醸造家と一般醸造家の対立があった。この若者達にとっては、そんな対立に全く興味が無かった。皆仲良くやれば良いのにといつも思っていた。出店者への呼びかけは、一般の醸造家へも呼びかけた。最初は2組の一般醸造家の参加しかなかった。


“BBB”今年のロゴはトロワB 今年は違う。30社ほどの一般醸造家が参加している。今年はそのグループ名もできた。BEAUJOL’ART ボジョラアートと命名。ビオでも自然派でもなくワインを真剣に造っている人達もいる。そんな人達も立ち上がった。そして、もう一つのグループが結成された。正式なビオ栽培者達だけのグループも結成された。それがBiojolaise ビオジョレーズと命名された。だから今年は各グループ名の頭文字をとってBBBの3Bの会となった。発起人達の自然派醸造家Beaujoloise ボジョロワーズはそのまま継続。それぞれがお互いの存在理由を認めつつ集う新時代の幕開け。この3人の平和思想が形になった。ブラボー! 元祖自然派のラピエール家のブースは超人気でなかなか近づけない


マルセルなきラピエール・ワイン大人気


長男マチュの決断が光った2011年産 ラピエールのブースにはいつも人だかりで近づけない超人気。2011年、長男マチュの決断が光った年となった。11年の評価はすこぶる高い。11年の収穫時、マチュは葡萄園を周って葡萄の熟度が同じ区画の畑でもあまりにもバラバラで差があり過ぎた。マチュは決断した。収獲人を集めて指示した。『よく観察してよく熟した葡萄だけを収穫すること、熟していない葡萄は10日後にもう一度収穫に来る。』手間暇が2倍いや3倍かかる作業を決断した。つまり同じ畑の区画を2度に分けて収穫をする事を実行した。しかも、収穫人に収穫籠を2つ持たせて完璧な葡萄のみを入れる籠、やや痛んだ部分もある葡萄の籠と分けて収穫。完璧な葡萄のみをMORGONモルゴンに仕込んだ。他の葡萄はVDPの“レザン・デ・ゴロワーズ”として仕込んだ。エレガント、繊細でフィネスを備えた2011年のラピエール・モルゴン。今年のラピエールは今までに無かった繊細さ、透明感がある。マチュの狙った新しいラピエール・モルゴンの誕生だ。シャトー・カンボンの方も今年は爽やかさのあるサクランボ風味がピノッテいる。果実味が心地よくグイグイ入る。レザン・デ・ゴロワーズはグイグイ入ってしまう危険なワインだ。