ジャンポール・ドーマン
ジャンポール・ドーマン2

CH-NEUF DU PAPEシャトー・ヌフ・ドュ・パップで自然派でありながら、パーカーが2年連続で100点を付けたことがあるCH-VIEILLE JULIENNEシャトー・ヴィエユ・ジュリアンヌ。ここまで繊細な粒子のタンニンが存在するのか?と驚くほどの液体を醸すジャンポール。

収穫直前の8月末から現在まで2カ月間はまともに寝たことがないというほどの気力と精神を集中させるジャンポール。醸造中はお父さんと云えども醸造所に入れない。小さな一つ一つの完璧な作業の積み重ねがここまでの緻密な液体を造り上げる。

ジャンポールのワインはまさに芸術の世界だ。まるで液体を素材に彫刻を掘っているよだ。醸造期間の2カ月間は電話もメールも一切見ない、当然、返事も書かない。極限まで全身全霊で集中して取り組んでいる。毎年、この醸造最終の時期になると顔もゲッソリと痩せこけてくる。

 

一つ一つの醸造作業には、それぞれのやるべき時期がある。それは昼夜を問わない。やるべき時は夜中でもやらなければならない。今はマセラッション“かもし”が終わって、マールをプレスかけている最後の最終作業の時期に入っている。チョット、ホットしているジャンポール。

 

小松市の森高さん(酒販店)がお客さん達とワイン芸術家ジャンポール・ドーマンのCH-VIELLE JULIENNEシャトー・ヴィエユ・ジュリアンヌを訪問。ジャンポールは数年前に小松市に訪問した。地元のテレビにも出演した。森高さんも勉強したフラ ンス語で熱く語る。


 

料理とワイン造りの違いは?

森高さんのお客さんから『ワイン造りにレシピはあるんですか?』ジャンポール『料理のシェフは素材を選ぶことができる。でも我々は天気は選べないので毎年 全く違う素材であることをまず受け入れないと始まらない。毎年初めての経験といって良い。発酵が始まるまでドキドキなんだ。』

一年に一回しかできないのがワイン造り

ジャンポール『料理のシェフと違うのは、もし料理で失敗したら、市場にもう一度素材を買いに行き、すぐ調理を再開できる。でもワイン造りで失敗したら、一年待たないと再開できない。一年にたった一回しかできないからこそ、この2カ月間にすべてをかけて集中する価値があるんだ。』


 

失敗は成功のために存在する。

質問『今までに失敗した経験がありますか?』 ジャンポール『勿論、あります。自然が相手だからコントロールができない部分が沢山ある。それに自分自身も完璧ではないから失敗をする。失敗がないと進歩しない。完璧な人間がいないのと同じように、完璧なワインは存在しない。失敗は成功のためにあるんだ。』

100点満点の醸造家は、実に謙虚な努力家

『我々、人間ができることなんて限られている。自然をすべて受け入れるところからワイン造りが始まる。そこから自分の理想を追求することしかできない。完璧でなくても、その年の調和がとれたかが大切だと思う。』 一言一言をかみしめるように語る謙虚なジャンポール。

 

ヴィエユ・ジュリアンヌ醸造元の廻りには100年を超す葡萄木が沢山生息している。中にはフィロキセラ前の古木も混じっている。砂質土壌は古木の生息率が高い。当時の植え方は混植だ。グルナッシュ、マルサンヌ、カリニャン、クラレットと赤葡萄も白葡萄も混じっている。

ヴィエユ・ジュリアンヌ醸造の畑はシャトー・ヌフ・デュ・パップ地区の最北端に位置している。しかも北斜面にある。ここのワインがエレガントな理由はここにもある。そして、砂質石灰土壌であり、50歳から超100歳の古木が多数あるというのが大きい。


 

ジャンポール・ドーマンは3年前より、コート・ド・ローヌ、リラック、ジゴンダスのワインを造っている。元研修生だった若者の畑から収穫された葡萄をパップと同じジャンポール流にて醸造している。ジャンポールの繊細さとそれぞれのアペラッションの特徴が表現されている逸品。

世界で引っ張りダコのジャンポールが手掛けたリーズナブルな力強さと繊細さを兼ね備えたワイン。 ヴィエユ・ジュリアンヌのシャトー・ヌフ・ド・パップ09太陽が強かった、濃厚な色合い、酸は少ないがミネラル感でバランスがとれている逸品。リュー・ディ・クラヴァンは樹齢100歳の古木が多い。細かなタンニンが素晴らしい。芸術的粒子の細かさ。

 

ヴィエユ・ジュリアンヌの世界中から注目されている超希少ワイン、LA BOSSEラボス。1905年以前の葡萄木の葡萄を仕込んだもの。道路を隔てただけでパップを名乗らない。コート・ド・ローヌ。濃縮感たっぷりなのに繊細、芳醇、旨味、絹の舌触り。

 

並はずれた探求心と人情の深い人柄がワインの中に

ジャンポールを見ているとワインはやっぱり人だと思う。何事にも謙虚な姿勢で探求心をもって磨き続けるジャンポールだからこそ可能なワインのスタイルだ。 東北沖地震の時は、自分達が災害にあった時の為に保管しておいたワインをすべて義捐ワインとして提供してくれた。義理人情の深い人。
小松の皆さんも大感激のテースティングでした。ジャンポールさんが来年N13年1月に来日決定。勿論、東京でも試飲会を開催します。是非、今、最も注目度の高いパップの逸品を試飲にお越しください。