3月のとある日、私にとっては第二の故郷であるボルドーにやって来た。24から30歳までの6年間を過ごした街だ。最近、来る機会がめっきり減ってしまった。でもボルドーにも美味しい自然なワインがある! 私が滞在した頃と比べものにならないほど綺麗に整備された街並みが大変美しい。数年前に世界遺産に認定された街だ。ガロンヌ川沿いの夜景が素晴らしい。



安生さんは2度目の訪問だ。確かBMOの弾丸ツアーの時に参加して訪問している。ワインについては大変なパッションを持っている人だ。自分が経験したことをスタッフにも経験してもらいたいのでしょう。今回はスタッフと共だ。 東京のポン・デュ・ガールの安生さんがスタッフのメンバーを引き連れてボルドーにやって来ました。ボルドーで数少ない自然な栽培を実践し自生酵母でワイン造りをしているCH-JEAN FAUXジャンフォーにやって来ました!


シャトージャンフォーのオーナーのパスカルは動きながら常に頭が回転している男だ。同じ場所にジッとしていることがない。かつて樽製造会社の経営者の一人だった。今は、自分の故郷であるボルドーワインの復権に全精力を傾けている。 何をやっても凝り性な性格。畑の整備、醸造設備、醸造所の改良など徹底的にやらないと気が済まない性格。 ワインだけに限らない。生ハムも豚を丸ごと買って育てて自分でハムを造ってしまう。これが実に美味しく、ジャンフォーワインにピッタリだ。




ジャンフォーではすべての葡萄を除梗機で除梗する。除梗機に入れる時も葡萄をチェックしながら選別する。破砕はしない。葡萄の粒のみを発酵槽に入れる。

除梗機から出てきた粒をさらに選別して完璧な健全な粒のみを発酵槽の中に入れる。
除梗機から発酵槽まで6人で選別作業に使っている。しかもポンプは一切使用しない。すべてベルトコンベアーで発酵槽の上まで移動させながら優しく重力で上から落とし込む。 発酵槽に入る葡萄粒はまるでキャビアのように美しい。 茎が無いマセラッション・カルボニック醸造のように発酵がおこなわれる。まるでブルゴーニュの醸造元のような細かな作業を行っている。

CH-JEAN FAUXジャンフォーは1312年には既に葡萄栽培されていた。17世紀にはボルドーワインの中で重要なポジションにいた。古文献に確りと記されている。パスカルは買い取る時、シャトーが所有していた斜面など優良畑のみを買取ることに成功した。

ジャンフォーの土壌はサンテミリオンのコトーに限りなく近い。僅かな石灰粘土質の下は古い石灰岩盤になっている。メルローには最適の土壌である。根っ子はこの岩盤に入り込んでミネラルを吸収している。ボルドー右岸の元祖土壌のザ・メルローだ。


ボルドーを愛し、ボルドーテロワールを研究して、ブルゴ-ニュの地質学者クロード・ブルギニョンに土壌調査を依頼、実施。ブルゴーニュ方式の厳密な区画別醸造にこだわり、ボルドー右岸の本物テロワールとメルローを追求するジャンフォー。
収穫も勿論手摘み、収穫された葡萄は傷まないようにカジェットといわれる小箱で醸造所まで運ばれる。

>醸造所まで運ばれた葡萄をパスカル自ら厳しくチェックする。


    
さあ、パスカルの完璧主義による醸造で造られたジャンフォーのワインを試飲だ。まず、パスカルがグラスを一つ一つワインで洗う作業、アヴィナージュをしてくれた。グラスに付いている香りなどをワインで消す作業を丹念にやるパスカル。

 

ポン・デュ・ガールの面々も普段店で飲んでいるボルドーワインを造り手の話を聞きながら飲むのは格別なひと時だ。造り手にとっても自分のワインを日本の消費者に語ってくれる人達と過ごす超貴重なひと時である。

 

 

 

 

 

JEAN FAUX ROSE ジャンフォー・ロゼ11

品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20% 、ジャンフォー・ルージュ用の発酵槽に葡萄をいれてから約一日後に発酵槽の下部に溜まったジュースを抜 き取りソーリー社の2年、3年使用した樽に詰めて発酵させた セニエ方式のロゼワイン。 勿論、自生酵母による発酵。

 熟成:そして、そのままシュール・リにて樽熟成。 必要に応じてバトナージュをして、オリの旨みをワイ ンに溶け込ませる。石灰岩盤からくるミネラル感と昆布ダシ系の旨みがたっぷりのロゼ。和食にピッタリのワイン。

LA DAME DE CH-JEAN FAUXラ・ダム・ド・シャトー・ジャンフォー

ジャンフォーのセカンド的存在。

  品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20%、除梗して、コンクリート槽とステンレス槽に分けて区画別に醸造。自然酵母のみ。25日の醸し期間。

 熟成:100%樽熟、20%新樽、40%1年樽、40%2年樽にて14か月のシュール・リで樽熟 、タンクで6か月 メルローの果実味と旨みが乗って爽やかさのあるボルドーワイン。

   

CH-JEAN FAUX BORDEAUX SUP シャトー・ジャンフォー・ボルドー・シューペリュール

品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20%、主に斜面の厳選した区画の葡萄のみ、除梗して、コンクリート槽とステンレス槽に分け 区画別に醸造。自然酵母のみ。30日の醸し期間と長い。健全な葡萄粒のみなので可能。

熟成:100%樽熟、40%新樽、60%1年樽と2年樽にて14か月のシュール・リで樽熟、オリの旨みを溶け込ます。タンクで6か月熟成。

 ボルドーワインとしてのメルローの厚み、繊細なタンニン、爽やかなミネラル感、ボルドー右岸のテロワールの良さを含蓄したワイン。サンテミリオンのグラクリュ・クラッセを思わせる上品な舌触り。 石灰岩盤からくるミネラルには元海底だったころのイオデと表現される昆布ダシ系の旨みがある。化学物質を混入させない自然醸造のワインは、赤でも魚介類の旨味の部分と同質のため合う。

2011年に来日したパスカル・コレット夫妻も和食にジャンフォーが合うので驚いていた。

2011年の来日時に寿司屋にてジャンフォー・赤とイクラを合わせた。 全く生臭さが出てこない。その上、イクラの旨みとジャンフォーのミネラルに由来する旨みが全く同じなのに本人も驚いていた。

  ロッシュ・メールと呼ばれる元海底だった頃の岩盤まで根が張った葡萄のワインには海に通じるミネラル感、潮っぽい昆布ダシのような旨味があり、赤といえども魚介類に合わせやすい。 しかし、自然栽培・自然醸造されたワインに限る。



無理にタンニンを技術的に抽出したワインはダメだ。 その土地で育った自生酵母を使って発酵したものに限る。その土壌の記憶をワインの中に映し出してくれるのは自生酵母だからこそである。


ポン・デュ・ガールの面々も安生さんも今朝、ボルドーに着いて最初の訪問がこのシャットー・ジャンフォーで大変喜んでいた。 次は焼き物系の和風系レストランを考えているようでした。是非、このシャトー・ジャンフォーのワインを合わせてほしいものです。 安生さん、日本からのお土産に和牛を持参。 パスカルは本当に喜んでいた。 フランス人にとって和牛を食べることは夢の世界。 『家族全員で食べて、感激した』と連絡がありました。

この素晴らしい笑顔に会えます!

Pont du Gard ポン・デュ・ガール

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