今、名古屋が面白い。和の世界、割烹 “華丸吉日”にて自然派ワインが提供されている。一つ一つの料理が新鮮で洗練されている。ウーンと唸ってしまう程、バランスが取れていて本当に美味しい。当然、海の幸が多い。自然派ワインにピッタリだ。
 

特に和食には自然派の優しいロゼがピッタリだ。流石シェフの郷津さんのセレクション。ロワールの女性醸造家マリー・チボーが丁寧に愛情込めて醸したZEZE ROSEゼゼ・ロゼを合わせた。2gの残糖のほのかな甘味が和の世界の味付けにピッタリだ。 “名古屋の華丸吉日”イクラにZEZE が驚くほどの合性だ。常識ではイクラとロゼは生臭さが強調されてしまう。ゼゼの畑の地下層は元海底だった岩盤、表面は浜辺のような砂質に火打石がゴロゴロ転がっている。ミネラルからくる旨味とイクラの旨味が同質だ。兄弟のように似ている。

 
エビのお吸い物、これまた驚きの合性だ。潮っぽいミネラルの旨味とダシの旨味がまったく同質だ。ZEZE ロゼはグロロ品種100%、収穫後即ジュースを絞って古樽にて醸造。洞窟の中で低温にてじっくり醸す。だから優しいホワっとした旨味に仕上がる。
お吸い物をすすりながらマリーさんの顔が浮かんだ。醸造家の出身でもないのにワインが好きで大学で醸造学を学び、色んなところで修業しながらとうとう自分の醸造蔵を立ち上げた情熱あふれるマリーさん。女性独特の優しいタッチに仕上がっている。

 

ワイン造りへの夢の為に長い年月をかけて実現したマリーさん



ここでチョットMARIE THIBAULTマリー・チボーさんを紹介したい。アンジェ大学で生物学、モンペリエ大学で醸造学、南アフリカ、スイスで醸造修業。02にブーブレのMRシデンヌさんのところで働きながら修業。09に現在の醸造元を設立。 自分の夢を決して諦めることなく実現したマリーさんの情熱はすごいものがある。その間に結婚、二児を出産という女性としての人生も貫徹。ワインの事を話しだすと止まらない。自分が造りたいのは“優しく・ピュ アーな透明感のある”スタイル。
 


ZEZEロゼは白ワインのごとくに醸造。収穫後、直ぐ圧搾してジュースを絞り、10年樽という古ダルで発酵させた。樽香もつけたくないし、自然派に多い還元臭や濁りもマリーさんは好きじゃない。どこまでもクリアに透明感のあるワインにしたかった。

 
ZEZEロゼの畑は地下層の深いいところはロワール独特の魚介類の骨が石化した石灰質の岩盤。地表上は砂質で浜辺のようだ。その中に火打石がゴロゴロ転がっている。この火打石からくるミネラル感がさらにスカットした透明感をもたらしている。

畑を手に入れて直ぐからビオ栽培を実行しているマリーさん。もう既に次の段階のビオディナミ農法も始めている。フカフカの土壌の中には多くのミミズや微生物が元気に育っている。勿論、元気な自生酵母も育っている。自生酵母のみで醸造している。
 

MARIE THIBEAULTマリー・チボーはシュナン・ブラン品種からの微発泡のペティアンも醸している。爽やかで実に心地よい。ガメイ品種の爽やかな果実味繊細なタンニンと女性的な柔らかさを備えたワイン。シュナンの優しい辛口ワインもあり、どれも 和食にはピッタリだ。
この畑を手に入れて4年目、栽培を自然なやり方で土壌改良をやって来た。やっと何種類もの草花が咲くようになった。根っ子が地中に向かってぐんぐん伸びだした。よりミネラリーなワインになるだろう。これからが楽しみなマリー・チボーさんだ。

 

華丸吉日のワインリストは説明付


華丸吉日のワインリストについて 普段ワインを飲まないお客さんが多い和食店ではやはり、説明入りリストはお客さんにとっては助かる。ワインについても、造り手の顔も見えて選びやすい。自然派ワインが和食店に浸透するには必要なことだと思う。 
 

ALEXANDRE BAIN アレクサンドル・バンと和食との相性も驚きだ。1億3千5百万年前のポルトランディアン石灰質の土壌からくる独特のミネラル感と徹底した自然栽培からくる果実味和食系野菜料理にピッタリだ。今までのプイイ・フュメのソーヴィニョンのイメージを一新する味覚だ。
 

日本野菜に含まれている旨味とアレクサンドルのソーヴィニョンのダシの利いた旨味は共通している。なんて幸せなことだろう。日本野菜とソーヴィニョンがこんなに美味しいハーモニーを作り出すなんて。

最高の驚きはラピエール家のガメイ、RASINS GAULOISレーザン・ゴロワーズとウニとの相性だ。花崗岩質の土壌からのミネラルタップリの軽快なガメイとウニは同じ旨味が共鳴していた。自然派の赤ワインの懐の広さは偉大だ。全く生臭さが発生しないタンニンである。

 


前々から願っていた事、自然派ワインと本物の和食とのマリアージの実現。日本中でこんな素晴しい体験ができればどんなに人生が楽しくなるか!想像しただけでもワクワクしてくる。最後は美味しいうどんでしめました。美味しかった!

 郷津シェフ、果敢な挑戦ありがとうございました。多くのシェフは、飲み物の事を全く考えない人が多い。本当に残念なことだといつも思っていた。しかしこんなに美味しい料理により料理が引き立つワイン達を使っていただけて感謝いたします。きっとお客さんにも喜ばれていると思います。

 



全国の自然派ワインのファンの皆さん!名古屋にお寄りの節は是非、華丸吉日にお寄りください。美味しい鮮魚の料理と自然派ワインで元気一杯になりますよ。それにこんな美人が気持ちよくサービスしてくれます!

 < 華丸吉日 >
名古屋市中区錦3丁目-10-28 第一錦エステートビルB1A
電話052-962-1870