ボジョレー・ヌーボー用のぶどうは収穫も終わり、マセラシオンが始まったばかりです。 今年の夏、7月は105年ぶりの猛暑となり非常に暑く、2003年の再来か?このまま続くかなと期待していたら8月は涼しくなり、少し雨も降りました。また局部的に雹が降り、この影響でカビが発生した蔵元もかなりありましたが、9月に入ってから晴天の日が戻って日差しがたっぷり降り注いでくれたお陰で、ボジョレー全体的にぶどうは順調に成熟して糖と酸のバランスが見事に取れています。全般的に皮もしっかりと厚いので、鮮やかな色付きのワインになるでしょう。 局部的に雹にやられた畑は、カビが大発生していることもあり、収穫時に選別作業を厳しくやった醸造元とそうでない醸造元の差が大きくでる年となるでしょう。 作り手の腕の見せ所の年となるでしょう。 タイプとしては一般的に軽やかなボジョレ−になりそうです。 ポリシ−のしっかりした醸造元のヌ−ヴォ−はとても期待出来る年ですよ! さてパリ発クラブ・パッション・デュ・ヴァンがお勧めする自然派ヌーボーの中で、本日、紹介したいのは、かの有名なパカレと、ブラヴリエールの二つです。 −フィリップ・パカレ− 9月の雨が原因で少しカビが出ましたが、収穫時に時間をかけて良いぶどうだけを厳選しました。カビでやられた葡萄を切り落として、健全な葡萄のみを仕込みました。 収穫が終わった畑は、切り落とされた葡萄の絨毯のごとくになっていました。 ガメイのエレガントな風味が生きています。 やさしい酸とパカレ独特の果実味のバランスがとれたグイグイ飲めるジュ−シ−なヌ−ボ−になりそうです。 酸っぱいヌーボーの味が普通だと思っておられる日本の皆さん、これ飲んでぶったまげて下さい。 −ブラヴリエール− この畑ではカビは発生しませんでした。理由は冬の短い剪定を今まで以上に短くしたことが奏功したのです。品質を求める熱い姿勢が天候の悪影響を見事にカバーしたといえます。 クロッシュと呼ばれている鐘の形をした標高300メ−トルの畑に栽培されている60歳の古木には一本の木に4〜5房の葡萄しかとれず、素晴らしい葡萄が収穫されました。 雹と湿気によるカビの大発生のボ−ジョレ地区の中で、今年のこのブラヴリエ−ルの作柄は飛び抜けて素晴らしいものになるでしょう。 では今回はこの辺で失礼します。 by Kimitake