ボージョレ地区のモルゴン村と言ったら必ず出てくるこの名前:
マルセル・ラピエール。一体何者だろう?といつも思っていた私は、この間やっと彼に会う機会が訪れました!
第一印象は・・・サンタクロース?!に似たおじいさん。優しい笑顔に純粋な目、意外とお茶目?!な面もあり、とても親しみやすいマルセルさん。
けれども彼 、実は凄い偉大な人。自然派ワインの世界では、誰もが尊敬し目標としている人物だ。

このドメーヌはマルセルさんのおじいちゃんが1900年に造り上げたもの。代々継がれていき、1973年にはすでに11haの畑を栽培していたマルセルさん。この時代(特に80年代)は、とりあえず量を増やそうという考えが広まっていました。その為、マルセルさんやマルセルが影響を受けたJules Chauvet*ジュル・ショヴェ氏の、『収穫量が少なく、化学物質をを使わず健全なブドウを育てよう』と言う考えは一般的に否定されていました。1981年からマルセルは本格的にビオディナミ栽培に切り替え、亜硫酸、人工酵母、化学肥料、除草剤など一切使用しなくなったのです。そして現在。今となり、彼の栽培・醸造方法は確かだったと誰もが声をそろえて主張する。彼は何年後かの地球の環境をもうすでに30年前から見渡していたんです。

このカーブに彼のワインが眠っているのです。

モルゴン07*Morgon 07 には一切亜硫酸を添加していないので、本当に自然中の自然なワインと仕上がっています。複雑感が漂ってくるアロマには、レグリスや赤フルーツ、お花の香りなども漂ってきます。そして何といってもテロワール(花崗岩質)の特徴がしっかりと強調されています。

モルゴン08*Morgon 08
まだマロラクティック発酵が終了していない段階のモルゴンを試飲。お味は・・・まだ酸味が強い!けれどもフルーツの味が口いっぱいに広がります。色もまだまだワインには遠いけれど、クレヨンで描いたようなパステル系な紫色がとても綺麗です。

これはブルゴーニュ地方で良く目にするトロンコニック樽です。この中でグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウのアルコール発酵が12日間の間行われます。

年により、アルコール発酵が終了する3-4日前に、こちらの格子で樽内のブドウを上から押し付けます。これを使うとブドウ果汁に色が付きやすくなるのです。

そして先ほどのブドウをプレス機に掛けます。マルセルのプレス機は昔から使っている木製のプレス機。

そしたら何と少し前までブドウだったのが、液体となって下から出てきます!これはまさに天然ブドウジュース!甘いフルーツの香りがたっぷりです!


このタンクの中に今年のボジョレー・ヌーボーが詰まっているのです。ブドウの香りがたっぷり引き締まっています。

『今年は雨や雹が以上に多かった年だ。だから一つの房がまるまる綺麗だったブドウや完璧に熟成度が達したブドウの量がとても少なかった。去年に比べ、収穫量は全然少ないが収穫期間は去年の2倍も長かった(26日間)。今年のボジョレーの品質はブドウの選別にかかっていた。』
と少し悲しそうな顔で語るマルセルさん。『『けれども例年の2倍の時間と労力をかけて完璧なブドウのみを使用して造ったワインは絶品に仕上がるよ !』と最後は自信のある顔に戻ったマルセルさんでした。

Beaujolais の風景



マルセルさんの畑にて

奥さん、
マリーさんと

オザミワールドの
杉野さん、
菅野さん、
土居さんと