先日、シャンパ-ニュ・ジャック・ラセ-ニュのエマニュエルが事務所に寄ってくれました。
その際に、シャンパ-ニュの造りについて、いろいろ聞いてみました。

シャルドネの品種から造られているシャンパーンには、ワインとは違って独特な醸造方法があるのです。
まず最初に、シャンパーンは2回もアルコール発酵が行われるのです。
第一回目のアルコール発酵はワインと同じように、樽内、もしくはタンク内で行われます。
そしてまだ少々残糖(ワイン含有の未発酵の糖分)が残っている状態(0-38g)で瓶詰めをします。この時点で蔗糖や甜菜糖など、数多くある砂糖の種類を選び、瓶内二次発酵がスタートする為に添加します。ラセーニュはここでブドウの液から引き出される自然な糖を添加しています。この2回目のアルコール発酵中、瓶内では繊細な泡が徐々に出来上がっていきます。

第一回アルコール発酵が行われる木樽とステンレスタンク

ビン内2次発酵がゆっくり進みます。発酵で生じたワインに溶け込ましてガスを洗練させるために発酵終了後も静かな暗冷なカ-ヴ内で静かにゆっくり熟成させます。
熟成期間が終わるとデゴルジュマンの為の準備がなされます。
つまりビン内の澱を瓶口に集める作業です。
ラセーニュが行っているのはシュール・ラット方式。その間、逆さにされた瓶の角度がゆっくりと回されながら徐々に急角度になっていき最後には、瓶がほぼ逆さまになってしいます。
そんな作業をしながら澱が瓶の口に溜まるのを待ちます。
そして全てが瓶口に溜まったら、彼は « デゴルジュマン・ア・ラ・ヴォレ »という、手作業でのデゴルジュマンをします。

このやり方はかなりのプロではないと出来ません!
普段行われているデゴルジュマンは、澱が溜まったら瓶口の澱の部分のみを凍らし、ポンっと引き出す機械作業なのです。
しかしエマニュエルは自分で全て行っているのです!
一本一本瓶を手に取り、瓶底に出来た空気泡をゆっくりと瓶底から瓶の入り口まで移動させ、ちょうど空気泡が瓶口の澱の位置と一致した時に、キャップシールをポンっと抜き、同時に澱を外に排出するのです。

ここで最終的にブリュットやセックなど、どのようなキュベを造るかにより、添加するリキュール・デクスペディシオン(Liqueur d’expédition=甘味添加)の分量を決めます。

そしてエマニュエル曰く、この段階で自然派か、自然派ではないかが分かるのです。
『リキュール・デクスペディシオンとはアロマと甘さを引き出し、ワインを全体的にまろやかにするものです。ここで、自然派ではない醸造家は、ブドウの自然な甘さがまったく無いのをカバーするため、沢山の量を添加するのです。私はテロワールとブドウの自然な味を強調したいので、健全で完熟したブドウのみ収穫します。そうしたらリキュール・デクスペディシオンを添加しなくても美味しくて繊細なシャンパーンが造れます。』
これは、エマニュエルの畑の位置がシャンパ-ニュ地方の最南端だからこそできることなのです。ブルゴ-ニュ地方に最も近いので、シャルドネの熟度がエペルネやランスのある北より高くなるのです。自然にワインに膨らみやまろやかさが備わっているのです。

そして『リキュールがワインに溶け一体化するまで』
ワインをさらに熟成させます。
長く寝かせれば寝かせるほど泡も繊細になります。
彼のカーブには数年間も寝かせているシャンパーンもあるのです。
そしてその後、やっと皆様の手元へと届くのです!


エマニュエルの新キュヴェ、La Colline Inspirée*ラ・コリンヌ・アンスピレ
品種:シャルドネ
樹齢: 35 -40 年
地質: 白亜
熟成:8ヶ月間熟成したワインと、20ヶ月間熟成したワインのアセンブラージュ(2004年収穫されたブドウが主調)
名の由来 : 『La Colline Inspirée』とは詩人アンドレ・マセイが書いたモンギュに付いての詩の題名です。
このキュベは初めて樽で熟成したシャンパーンです。糖分添加はたっの3gr / Lなのに、ブドウの甘さが口に広がって美味しい!
繊細で肌理細かい泡には、彼の綿密的な面が出ています。

Millésime 2002*ミレシム2002

ブリュット・ナチュールですので、ブドウそのままの味がするシャンパーンです。
これは100%タンク熟成。
シャンパーンとは様々な年のブドウをブレンドするのが通常ですが、2002年、エマニュエルが収穫したブドウはあまりにも綺麗でしたので、ブレンドするには勿体無いと思い、2002年のみのブドウでシャンパーンを造ったそうです。綺麗な酸味とミネラル感が溢れていて、嬉しいパーティーにはピッタリな一品です!