これはルシヨン地方のグルナッシュ品種だ。


冬の間、樹液が下へ下へと根にむかい、蓄えていたエネルギ-が上へ上へと上昇しだした。
この時期を境に太陽の光が葡萄木の生命スイッチをONに入力した。まるで昆虫のさなぎが成虫にかえるように新芽が葉にかわっていく。

この時期の葡萄園は新鮮なエネルギ-で活気がある。
醸造元達も活発に畑仕事に精がでる。
今年の収穫への期待と希望で気が充実している。

同じ畑の葡萄木でも早熟な木、まだ伸びが遅い木などまちまちだ!まるで人間の学校のようである。

小学校の30人クラスの中には、いつも遅刻してくる子供がいたり、早朝から元気で遊びまわっている子供がいるごとくである。
特にセレクション・マサルの葡萄の畑ではそれぞれの木がそれぞれの性格を表現している。
それがワインに複雑味を与えてくれる。
これがクロ-ンの葡萄木ではこうはならない。
皆同じ性格で同じ顔をした生徒が1クラスに30人いるのと同じことである。面白味がない。
ワインが単純化されて、スタンダ-ド化したワインになってしまう。
自然なマサル方式のほうが病気や、天候災害に対しても全滅することがない。
クロ-ンは1本が病気に罹るとすべてに蔓延しやすい。
マサルはそれぞれの体質が違ったり、治癒能力の強弱がそれぞれあったりで全滅することが少ない。
私は30人の顔や性格が違った方を選びたい。
その方が自然でワインも画一がされてなく面白味と自然な旨みが備わっている。

気の早い木は既に将来の葡萄房を形づくっている。

繊細な栽培者達は既にこの状態を観察して今年の栽培方法や
収穫時期などのシュミレ-ションをイメ-ジしている。
この段階もでは、現在のところ全フランス地方で完璧な
状態で成長が進んでいる。
まだ、突然の霜や冷害の危険性は残っている。
天候を眺めながらドキドキの日々が続く。
07,、08と厳しい年が続いた今年こそは!!
素晴らしい年にしたい。皆の期待がかかる。
燃えろ!PASSION !!燃やせ!PASSION!!