ボジョレのブルイから質実剛健のラパリュがパリにやって来た。
彼は年に2回ぐらいしかパリに来ない。
7月30日私もこの日に出張からパリに戻ったところだ。ボジョレからムスカデまでの長期出張だった。ジャンクロ-ド・ラパリュとは前から約束していたことがある。パリに来たら一緒に日本料理店に行くことだ。
パリで最高に美味しい和食“眉山”
今夜はアサミとサンドリ-ヌを連れてパリで最高の日本料理が食べられる“眉山”に行った。眉山はオペラ街にあるレストランだ。
私は行くごとに自然派ワインを抱えて持っていく。何故ならシェフの進藤さんは自然派ワインの大ファンだからだ。美味しい和食に優しい自然派ワインは最高の贅沢だ。
特にフランスの田舎出張が多い私にとっては、パリに戻ってきた時の楽しみはこの店でゆっくり美味しい和食と自然派ワインをやることだ。心から楽しめる店だ。今日は人間的にも大好きなラパリュと一緒だ。2倍楽しいひと時を過ごしたい。
ラパリュとマ-ク・ペノを飲む。
アペリティフと前菜をかねてマ-ク・ペノのペティアン、シャポ-08をやる。そして、ミステ-ル08を飲んだ。
ジャンクロ-ド『これがムスカデかい、初めてだよ、こんなムスカデは !素晴らしいねグイグイいっちゃうね!』と大喜び。
ラパリュ持参の赤を刺身・寿司にあわせる
まず、軽く冷やしたBEAUJOLAIS VILLAGE 08を刺身にあわせる。素晴らしいマリア-ジだ。特に2008は涼しい夏の影響で爽やかに仕上がっている。軽いミネラルと爽やかな果実味が魚の旨みとピッたり合う。そして次はBROUILLY VIEILLES VIGNES 2008を同じく刺身と寿司に合わせる。
ラパリュの赤ワインが刺身・寿司に合う訳
完璧だ!ブルイの葡萄木は80年を超える。根が10メートル以上地下に入り込んでいる。ラパリュの葡萄園の地下地層は1.5メートル下がると“ロッシュ・メール”と呼ばれる元海底だった岩盤がある。
ラパリュの根っこはその岩盤に突き入って根を伸ばしている。
その根っこが昔海底だったころのミネラルを葡萄果実の中に運んでくれている。だから、ラパリュのワインはヨ-ド風味や昆布ダシに似た旨みや塩っぽいミネラルが感じられる。刺身、寿司に合うはずだ!
ジャンクロ-ドも驚くほど完璧なマリア-ジだった。
最後にキュ-ヴェデ・フ07を楽しんだ。
公私ともに色んな話がでた。
今年の9月からは娘が仕事でパリに1年間は滞在すること、だから今年はパリに来る回数が増えそうだ。実は、2週間前にジャンクロ-ドとはマルセル・ラピエ-ルのところで会っている。7月13日の自然派ワイン祭の時だ。その時の話になった。ジャンクロ-ドはマルセル・ラピエ-ルのことを心から尊敬している、『マルセルから学んだことは実に多い。栽培、醸造、生き方など』本当に感謝している。だから、フランス革命記念日にはフランス中の自然派醸造家がマルセルのところに集まってくるのだろう。マルセルは偉大な人物だ。私も同感だ。
自然派ワイン祭の時のご機嫌なマルセル
ボジョレで最近起きていること - 引き抜かれた畑が目立つようになってきた
ボジョレでは最近、多くの葡萄園が引き抜かれている。理由はボジョレが全体的に販売不振に至っていること、特に、今まで大手ワイン商に販売していた農家が苦しんでいる。有名ワイン商の経営状態が極端に悪いらしい。などなど。そんな中で、自然派ワインはそれほどの影響もなく順調に売れているようだ。やはり何の特徴もない工業的スタンダ-ドワインは厳しい状況にあるようだ。
そんな状況を逆手にとって外国バイヤ-が値段を値切るので、採算が合わなくて、もう葡萄栽培を止めてしまう農家が続出しているとのことだった。
2009年のボジョレ・ヌ-ヴォ-は?
7月25日撮影
伊藤『ところで、今年のヌ-ヴォ-の葡萄はどんな状況なんだ?』
ジャンクロ-ド 『今のところ完璧だ!もうヴェレ-ゾン(色づき)もかなり進んでいる。去年に比べれば完璧の状態だ!このまま後一ヶ月が過ぎてくれれば、最高のボジョレ・ヌ-ヴォ-を造って見せるよ!』と頼もしい返事だった。
あの世界一ソムリエのオリヴィエ・プッシエ-ル氏が最高のボジョレヌ-ヴォと云わしめたヌ-ヴォ-の再来か!
2009年のラパリュヌ-ヴォ-は絶対に見逃せませんよ!
二次会は二人で自然派ビストロで
2次会は近所の美味しい自然派ワインが飲めるビストロ“LES FINES GUEULES.レ・フィーヌ・グ-ル”でロワ-ルのブルグイユの新人自然派ワインを一挙に一本を飲み干した。
暑い夜だったので、外で夕涼みにながら一杯やっていた。
そこに偶然にも、ラパリュ・ワインの大ファンがやってきて、
ラパリュも子供のように喜んだ。いい奴だ。
話し込むジャンクロ-ド
今夜のワインはすべて最高だった。
本当に楽しい時間を過ごせた。ジャンクロ-ド、自然派ワインに感謝。
Lapaluのワインの連絡先は
オリゾン事務局
tel. 03(5565)5884