地中海に浮かぶ初日の出

毎年、年末年始は地中海に面したLA GRANDE MOTTEで過ごす。最大の目的は心身を清浄・整えることだ。1週間、毎朝浜辺を走る。そして空手の基本と呼吸法、剣道の素振りをやる。誰もいない海は最高だ!

普段、遠ざかっている武道の動作をやることで精神と肉体を同時に整えられる。朝の海、波のそばにはエネルギーが溢れている。天と地を体感できる。宇宙のエネルギーを吸収する葡萄木の気持ちに近づける。
厳しさが予想される 2010年を乗り越える体力と鋭気を整える。そして、読みたかった本の読書にふける。
近年、出張が多く一つの場所に一週間もじっとしていることが普段はできない。私にとっては貴重な一時だ。
色んなことに思索を巡らすことができた。

世界環境問題と世界資本主義経済で揺れた2009年、何一つ解決することなく2010年に持ち越した。
CO2規制問題も世界のトップ政治家がコペンハーゲンに結集しながら実質的な地球維持の数値が得られないまま終了した。
このままの状態が続けば地球バランスの臨界点を超えて、地球上の生態系の維持が危ない状況になるのは確実だ。誰もが感じていることだ。世界のトップ政治家が集まって地球環境の事を話した事はそれなりに素晴らしい事実だと思う。しかし、生態系持続への環境造りには物足りない結果となっている。

しかし、大体この結果は最初から分っていることだ。世界のトップ政治家が集って話し合った結果を世界の人が認識できたこと自体が本当に素晴らしいことだと思う。
世界の人達が注目した。そして、世界の人達が“問題の核心”を感じることが出来たことだ。
“政治の分野では世界は変えられない”という事実。
“このままでは地球、人類も含めた生態系の存続が不可能になる”
この二つの真実を皆が感じたことは大変意義があったと私は思う。

それは、現在の人間社会のメカニズムが“今、目の前の自分の利益、がすべてに優先されている”という事実、これは個人レベルでも、組織レベルでも、国レベルでも優先されていることが、改めて明確になった、ことだと思う。


2010年1月1日の満月

しかし、私は世を変えられると思っている。
人類はそんなにアホではないと確信している。
多くの人達がこれを機に大切な気づきに目覚めたことだろう。

人間は宇宙と深い関係を持っている。最近読んだ宇宙学者の本に人間は星のかけらからできでている。と書かれていた。宇宙が創成され、次々と元素が生成し、星が生成されて、銀河系が、太陽系が、地球が、微生物が、植物が、動物が、人間が造られて現在がある。
宇宙創成された時からの原子・元素レベルの記憶が我々の体には記憶されているのではないだろうか。

136億年の歳月の間には考えられない程の絶体絶命の困難を乗り越えて、奇跡としか言いようのないDNAと意思を持つ人間が現在いる。我々の体を構成している物質一つ一つが最小単位レベルの段階で宇宙とつながっている。 われわれ人間の意志の中にも多くの潜在意識が存在している。136億年の経験が記憶されている。本当に困難な状況に面した時、人間には物凄い能力が発揮される。と信じたい。

我々一人一人が行動を起こす以外に他の道はない。これは明白な事実だ。気づいた人達だけでもやるしかない。日常生活の世界で、宇宙のこと、地球のこと、人のことを考えながら、寝起きして、食べて、仕事をして行動することが必要になってきた。我々のこの意思が微生物にも、植物にも、地球、宇宙にも影響を与え、与えられているという認識が求められている。
今の自分だけの利益のみを追求する極度のエゴを発揮する人、会社、国を是正してもらえるような世の中に我々一人一人が意識をもって行動していくしかない。まず、自分自身を変えることから始めたい。
自分に関わるすべての日常の価値観から変えていかなければならない。

私は幸運にもワインの世界で働いている。ワインは農業だ。心ある農家の人達は自然の変化に敏感だ。
特に自然派ワインを造る人達はすでに自分の生き方から変えている人達が多くいる。
彼らの生き方、農業のやり方そのものが生態系継続可能なやり方だ。
彼らは畑に住む微生物達が他の地球上の生物や生態と関連性があり、地球の環境全体にも影響を与えていたり、与えられていることを知っている。もっと遠くは宇宙とも深い関係があることを理解している。
もし地球持続可能指数という数値があるとしたら100点満点中90点を超える生き方をしているのである。
彼らの造る葡萄は宇宙からの光のエネルギーを吸収して糖や葡萄果肉を造りだしてしまう。そんな葡萄から造られたワインの中には宇宙のメッセージが詰まっている。土壌からは地球のメッセージも詰まっている。
そんな天と地のメッセージがつまった自然派ワインを広めることで、多くの人達が大切な気づきに目覚めてくれると思う。自分の一隅を照らしたい。そしてワインの世界の一隅をも照らす事が出来る人間でありたい。