モルゴンのマルセル・ラピエールの畑より

切り口から樹液が溢れ出ようとしている瞬間↓

今年の冬は寒かった。ボジョレでもマイナス15まで下がった。これは葡萄栽培には歓迎すべき事だ。寒さが厳しいと葡萄園の病原菌も打撃を受ける。その年は病気の発生率が下がる。

さて、寒かった冬の間、樹液は根に向かってグラビテ重力の法則に従って下に向かっていた。今年は遅めの3月後半に樹液が浮力の法則に従って上に向かい出した。剪定した切り口から樹液が溢れ出てくる。

芽がミルミル内に膨らんでくる↓ ⇒
この芽が膨らんで葉っぱとなり、ここから枝も伸びてくる。
葉っぱが覆い茂り、太陽や宇宙の光を浴びてて、葉っぱが光合成をセッセと回転させる。地中深く伸びた根っこからミネラルを含んだ水分を葡萄木の体内に循環させる。宇宙とミネラルは同根だ。
そのエネルギーをいっぱい蓄えた葡萄房を5カ月後には造りあげてしまう。そして、土壌から生まれた酵母がワインに変えてしまう。

今年は3月中旬にも大雪が降るほど寒さが長く続いた。
あまりにもの寒さで地中の水分まで凍っていた。畑を耕す作業が出来ずに今年は畑作業がやや遅れぎみだ。


この1週間前より暖かくなってきた。一挙に作業を進めている。
氷が解けて土壌が緩んで、畑に入れなくまた時間を置かなければならなかった。
耕しながら雑草を地中にかき混ぜてしまう。土壌に負担がかからないように小型のトラクターで耕す。
そして、葡萄木と葡萄木の間に取り残された草がどうしても残ってしまう。

手作業で草取りをやっている↓
それを、取り除くには人の手でやるしかない。
手間暇がかかる仕事だ!
すべては、自然酵母を土壌に育てて、健全な葡萄を造って、酸化防止剤を入れないワインを可能にする為だ。

簡単に自然派ワインと云うけれど、その為の日々の作業が普通の3倍もかかっている。
普通の農家は除草剤を撒くだけで耕す作業はやらない。楽な作業だ。でも失うものも多い。
除草剤で土壌の微生物も死んでしまう。だから土壌に健全な自然酵母が育たない。
だから、発酵時に人口酵母を使わざるをえない。

ただ自分の農作業を楽にしたいばかりに、微生物を殺して、土壌も死んでしまう。地球を汚してしまっている。ちょっと考えてもらいたい。50年前は除草剤は存在しなかったんですよ。
皆が自然派ワインを造っていたんですよ。

宣伝費に莫大な費用を費やしている醸造元諸君!
自然派ワインを批判する前に、この作業をきっちりやってください。楽をして金儲けばかり考えているのはやめましょ!
君たちが、何故、自然酵母が使用できないか?
何故、SO2(酸化防止剤)を少なくワイン造りができないか?
すべては農作業の人件費用削減からきているもの、それだけの理由で地球や微生物を殺すのはやめましょう。

ワインを飲む愛好家の皆さんへ!
楽をして、金儲けばかり考えている醸造家のワインは、そろそろやめましょうよ!
せめて、畑作業はきっちりやって、地球を汚していないワインを飲んでください。
その方が体に良いですよ!
何より、自然派ワインはもっと美味しいですよ!