進化する南仏の街 モンペリエに自然派ワイン・バー第一号

Mesdames Messieurs メダム・メッシュ

自然派ワイン一号店メダム・メッシュ   モンペリエ中心部のコメディー広場は美しい


南フランスのラングドック地方の都市では一番大きな街だ。住民の30%が学生という学園都市だ。若い人が多く、地中海にも近く、温暖で明るい空気を持った心地よい街だ。難をいえば美味しいワインが飲める店が今までなかったことだ。          
                      レジス と ダヴィド

この街のガストロミー・レストランに行っても、南仏のガツンとくる強すぎるワインしか置いてなかった。
ミッシェランの二つ星レストランがあるけどワインはちょっとイマイチとしか言いようがない品揃えだ。


一年前にMesdames Messieursメダム・メッシュという自然派ワイン・ビストロがオープンした。ナントからやってきたダヴィッドとレジスの共同経営だ。南仏人のセンスではこんな店はできない。立地は中心街のコメディー広場から旧市街地の細い道の中を入っていく隠れ家的な場所にある。偶然には行けない立地だ。自然派ワインを目指してくる人ばかりだ。

Mesdames Messieurs
住所:5,RUE DE GIRONE 34000 MONTPELLIER
TEL:04-6763-4953

三段階になっている店内

ファサードから店内に入ると左側の壁にはワインが横に寝かされて陳列されている。
ここで小売販売をしている。


醸造元の溜まり場
ここにもテーブルが置いてあり、飲めるようになっている。
その部屋の奥に階段があり、2段階目の部屋になってる。
そこにはカンターがあり常連客や醸造元などの溜まり場のようになっている。今夜も醸造元夫妻がカウンターで食前酒を飲んでいた。そして、さらにその奥が広いサロン風になっていてゆったり座って、食事をしながら飲めるようになっている。

←MAS DE COMECIENCEの夫妻がカウンターにいた。アニアン村の近所に葡萄園を持っている。ビオ・ディナミ農法をやっている。自然派ワインの試飲会場でよく会う。今夜はモンペリエの街で友人と食事をする予定だそうだ。食前酒をやりにここにきた。この店がモンペリエにできて喜んでいる。時々飲みに来るとの事だ。


どうしで自然派ワインを? ダヴィッド、レジスに聴く
伊藤『何故、自然派ワインに興味をもったの?』
ダビッド『ナントからモンペリエにきてビストロをやろうと思っていた。僕らはその時までワイン関係の仕事をしていた訳ではなかったんだ。色々ワインを飲  んでいたけど別に自然派を意識していなかった。自分たちが美味しいと思ったワインが、偶然にもすべて自然派ワインだったんだ。それから色々ワインについて勉強したり、醸造元の話を聞いている内に、自然派ワインに感動して行ったんだ。地球環境や飲む人の事を考えたら 当然自然派ワインになるのは当たり前だ!皆が感じている事だと思うよ!それに断然美味しいよ!』

自然派ワインは飲めば皆が喜ぶ!
伊藤『南フランスのモンペリエで、ボジョレ・ワインとか、ロワールのワインとかを提供して地元の人達の反応はどうだったの?』
レジス『勧める時は、ボジョレのワインはどうですか?とか地方名なんて言わないことにしている。地方名を云うと断る人も時々いるよ。心地よいワインがあるけどやってみますか?とか今日はフル-ティなワインがお勧めです、といえば皆、問題なく飲んでくれる。飲んだら最後、美味しいから絶対に喜んでくれるんだ!これは間違いない、自信があるよ!』

最も好きなワインは何ですか?


ダヴィッドは二コリと笑って躊躇なく出したワインはこれ!PHILIPPE VALETTEフィリップ・ヴァレットだ。
ダヴィッド『これはマニフィックだ。本当に素晴らしいワインだ。ここでは魚の燻製とか、シャクトリー(各種甘ハム)の盛り合わせを食べる客が多いんだ。このワインはピッタリだよ。
ミネラル感と果実味、フレッシュな酸、旨味と塩っぽさ、あらゆる意味で完璧なワインだ!しかもハートを感じるワインだ。』


ヴァレット・レポート流石ダヴィドだ。ナンバー1にヴァレットを選ぶとは素晴らしい。私自信も白ワインでベスト3にこのヴァレットが入るほど品質の高さを認めている。ここでちょっとヴァレットをレポートしよう。マコン地区では早くからビオ栽培を始めた一人。シャントレ丘の斜面に畑と醸造所を構えている。ヴァレットのシャルドネはブルゴーニュでは絶対にでないで独特なミネラル感を備えている。

ヴァレット独特のミネラル感

それはヴァレットの葡萄木の根っこが、地中深く伸びてロッシュメールと云われる太古の昔、海底だった岩盤まで達しているからだ。根っこが太古の昔の岩盤エネルギーを吸い上げてくれる。
だからここのワインのミネラル感は特別なスタイルをもっている。
勿論、自然酵母のみで樽内発酵をさせている。発酵を促進させるようなテクニックは一切使わない自然発酵だ。だからアルコール発酵が1年、2年間かかるワインも時々存在する。大変なリスクを覚悟で自然醸造を実行している。フカフカの畑から取れる葡萄は自然力が高いのでリスク回避できる。


そして、何よりフィリップのワイン造りにかける情熱は偉大だ。
ワインの偉大さは造る人間の偉大さに比例する。ガッシリとした体格と同じくらい強い信念と精神力の強さをもっている。まるで彼が造るワインと同じような安定感を感じる。多くの人に愛されているフィリップとヴァレットのワイン。

VALETTE・ヴァレットワインの日本での問合せは : BMO 03-5459-4248

Mesdames Messieurs メダム・メッシュの人気ワインの一部を紹介


ここの品揃えはやはり南のワインが主体だ。
しかも、私も知らないワインが多かったのに驚いた。
私は月に一度はこのラングドックに来ている。ラングドックのワインのことなら自信があった。
しかし、ここにはまだ、未知の南仏ワインがあった。その存在に大なる喜びを感じた。自然派ワインがドンドン進化しているのを感じる。そのスピードは図り知れない。自然派ワインを造る若手が増えているのは嬉しいことだ。


1―SCARABE スカラベ
(野村ユニソン社 TEL; 03-3538-7854)


イザベル・フレールという陽気な女性が造るワインだ。日本での試飲会でも好評だったロゼの微発泡ワインだ。イザベルの明るい性格がそのままワインに 反映されている感じの風味だ。ほのかな甘みに淡いロゼ、柔らかい微発泡が実に心地よい。イザベルの先生はフラール・ルージュのジャンフランソワ・ニックだ。除梗なしのMC発酵でイザベルが造る赤も果実味が豊かでよい。ルシオン地方の富士山的存在のカニグ山を見ながら育った葡萄達を仕込んだ。


2-LE BOUT DU MONDE ル・ブ・ド・モンド
(日本の問合せ先:サンフォニー 03-5565-8992)

フランスでも、日本でも自然派のビストロや、ワイン屋で常連の人気蔵元だ。ルシオン地方の美しい景色を見ながら育った葡萄達を仕込んだワインは、本当に美味しい。
果実味の深さが一ケタ違う心地よさだ。それは百年を超える樹齢の古さからくる果実味だ。根っこは地中10メートル以上伸びている。土壌の各地層からいろんなミネラルを吸い上げているからだ。


3-CASOT DES MAILLOLES カソ・ド・マイヨ 

(日本の問合せ先:野村ユニソン TEL : 03-3538-7854)

ダヴイッドがヴァレットの次に好きな白ワインだ。地中海を見下ろすルシオン地方の葡萄園だ。小さな漁港バニュルスの港とその奥に広がる地中海が全面に見渡せる葡萄園だ。
シスト土壌の岩盤が山を形成している。そんなシスト岩盤の中を根っ子が入り込んでいる。何という生命力の強さだ。
ここには一般的に云われている土壌、つまり土というものが殆ど存在しない。
岩盤土壌だ。耕すことさえできない。葡萄の果汁はシスト岩盤の絞り汁という感じだ。シストのエネルギーをたっぷり含んだワインは飛びっきり美味しい!


4-CATHERINE BERNARD カトリーヌ・ベルナール
(イーストライン:05-4205-4181 門脇)

この店には2日間連チャンでやってきた。今夜はカトリーヌと日本からのお客さん静岡のラ・ヴィーニュの門脇さんの3人でやってきた。今夜はテンションが高い二人の女性と一緒だ。

2009年産のテースティング
最初はカトリーヌの2009年産を門脇さんと一緒に試飲するのが目的だ。ダヴィッドもレジスも09産の試飲に参加した。彼らもカトリーヌのワインの理解者でもある。2009年は一種類のキューヴェしか造らないカトリーヌが狙っていた酸がきっちり入った南のワインが完成した年だ。
09は5月から10月まで雨が降らなかった。非常に乾燥した年だった。


8月15日で既に、一部の畑では15度まで糖度が上がっていた。一部は8月27日に収穫して、残りを1週間後に収穫した。出来上がったワインは、最初に収穫したものは酸があってフレッシュ感があるけど果実味に欠けていた。


1週間後に収穫したものは果実味は十分あるけど酸んが欠けていた。この2つをブレンドしたところ酸と果実味のバランスが素晴らしくよかった。今年はこの一本に絞ることにした。あまりにもの美味しさに皆が驚いた。

門脇さんも次回のコンテナでこのワインを引くことを決定した。元政治部の新聞記者から醸造者に転向したカトリーヌも5年の歳月が過ぎてやっと自分が狙っていたスタイルのワインができて大喜びだった。その後は、ダヴィドがお勧めのヴァレットを飲みながら美味しいワインと料理を楽しんだ。夢多きカトリーヌは今後の抱負と計画を熱く語った。サンソー品種の可能性を追求したいとの事だった。頑張れ!カトリーヌ。


5-CHAMPAGNE DRAPPIER シャンパーニュ・ドラピエ
(日本での問合せ先:テラヴェール TEL :03-3568-2415)

シャンパーニュはドラピエだ。良いセレクションだ。ナチュールは本当に美味しいシャンパーニュだ。大企業的商業主義のシャンパーニュが多い中で、確りしたポリシーをもって
商業主義に流されることなく、大切なものを守っているメゾンだと思う。

Mesdames Messieurs メダム・メッシュ
5,RUE DE GIRONE , 34000 MONTPELLIER TEL:04-6763-4953


自然派ワイン専門バーは世界中で増えている!
メダム・メッシュは私が行った2日間は満員御礼でした。
自然派は静かに確実に時代の流れの本流に成りつつあるのを感じる!特にセンスのいい生活文化人は自然派が大好きだ。大切な部分に気づいているからだ。
この流れはワインを造る人達から飲む人達まで共通した哲学が流れている。
地球、生命維持、すべてが繋がっている。
ワインは宇宙から微生物までが関わって共同作業で出来上がる飲み物だ。
意識するしないに関わらず、心地よさが残る飲み物、それが自然派ワイン。すべての環境に感謝!