マルセル・ラピエールを昼食後、出発して高速道路A6号線に乗って、LYONを超えて1時間半ぐらい走っただろうか、エルミタージの丘が見えてきた。出口ターン・エルミタージがそろそろある。出口のチョット手前の左側にダール・エ・リボの醸造所が一瞬だが高速道路から見える。

中身の充実に賭けるダール・エ・リボ。建物は壊れそうな壁だ。ダール・エ・リボの象徴的な醸造所だ。ルネ・ジャンもフランソワも二人とも外観など全く気にしていない。中身だけの勝負だ。彼ら自身の容貌や、服装を見ていても、変に飾ることはない。清潔だが実に質素だ。見かけなどを重要視していない。これが彼らの生活哲学だ。この生活哲学は彼らのワインに対する姿勢も同じだ。魅せかけの外観は一切重要視していない。
樽に寄りかかるルネ・ジャン 


栽培方法も醸造方法も最も重要なことに集中して、無駄なことは一切、切り捨てている。だから、真っすぐでピュアなワインになる。他では絶対にないダール・エ・リボ独特の風味のワインが出来上がる。だから、世界中に熱狂的なファンがいる。ルネ・ジャンはジャーナリストが大嫌いだ。フランス系ワイン雑誌に載ることはない。写真も日本人以外は撮らせない。

高速道路を降りるとすぐなので、車で南下する時は時々挨拶に寄る。今朝、電話して、今日の午後に通過するのでチョット寄る旨を伝えた。着いたら電話することになった。今日は天気が良いので畑に行っているとの事だ。醸造所の壁にベルがある。鳴らしても、応答なし誰も居そうもない。ルネ・ジャンの携帯に電話した。今、こちらに向かっているとのこと。今年は寒い冬が長かったので畑仕事が遅れているのだろう。去年、膝の手術をしたルネ・ジャンは完璧に治らず、まだ痛そうに歩く。


だから、キツイ畑仕事はあまり出来なくなっている。立っている時もすぐ何かに寄りかかっている。15分程待った。
天気が良いので気持ちがよい。醸造所の前にリンゴ畑がある。
花が咲きかけている。その周りにタンポポが咲いていた。
ホットする空間とひと時だ。

2009年産を樽からテースティング


2008年は収穫直前の豪雨で葡萄園が大きなダメージを受けた。その影響で2009年も生産量が極端に少ない。
少ない代わりに、品質は抜群だ!
少ししか出来なかった葡萄房に土壌のエネルギーが濃縮した感じだ。

09はルネ・ジャンにとって色んなことがあった年だった。
10年は流れが変わって今のところ順調に推移している。

1-CROZE-HERMITAGE クローズ・エルミタージュ 白
まだ発酵も完璧には終わっていない。
まだ、ガスがいっぱいある。アル発酵で生じたCO2がワインに溶け込んでいる。
残糖もまだ僅かに残っている。この時期のテースティングは難しい。
外観は緑がかった薄黄色、香りは当然発酵の香りがまだ充満している。
でも、口中で随分と粘着性を感じる。酸も素晴らしい。最後にミネラル感が残る。ポテンシャルは素晴らしいと思う。


2-HERMITAGE エルミタージ 白
色合いはほぼ透明に近い、香りは閉まっている。アルコールのボリューム感は
凄い、よく熟したと思う。最後にミネラルからくる塩っぽさが残る。
ミナラリーなワインに仕上がるのではないかと想像する。

3-ST-JOSEPH サンジョゼフ 白
これもまだ発酵が完璧終わってない。
透明に近い色合い、現時点ではアルコールの力強さが目立ていた。
やはりミネラルの塩っぽさが凄い。
今の時点で云えることは、ミネラル感溢れる力強い白ワインになるだろう。
細かなニュアンスはこれからの熟成で醸し出される。

発酵途上の樽テースティングについて

発酵や樽熟成が終わってない自然派ワインのテースティングは完成時と大きく異なることがあるのでこの段階で大切な判断はできない。この段階の判断はその年のポタンシエル・可能性を測ることだ。
醸造家も毎日、試飲するごとに変化するワインに驚かされているのが現実。

今日はお互いにあまり時間もなく、試飲はこのくらいで終わった。ルネジャンは次のお客さんが来て、これから出なくてはいけない。我々も南ローヌまで行かなければならない。

普段なら、永遠と続くカーヴでの試飲も今日は早々と終了だ。
何となく淋しそうだった。
伊藤『今日はどうかしたの?』
ルネ・ジャン『今、ひでこ(奥さん)とアンジュマリ(娘)が日本に帰っているんだ』なんとなく淋しそうな雰囲気。
伊藤『今夜、何か予定があるの?なければ一緒に夕食を食べないか?』
ということになり、お互いに用事を済ませたあと、南ローヌのどこかの村で落ち合って食事をすることにした。
私もあの可愛いアンジュマリーの顔を見れないのはチョット淋しい。

雑ニュース


ソムリエ・トリアトロン競争のポスター
(醸造所の壁に貼ってあったポスター)
5月23日、ソムリエ・トリアトロン競争がエルミタージ地区で
開催されます。
3つの競技に得意な方、是非、参加ください!
1-自転車競走
2-マラソン(走ること)
3-ワインを飲むこと
我こそはと思う方、23日にエルミタージまでどうぞ!
電話:04-7508-4056
携帯:06-7011-0918

                   最後に静岡から来たラ・ヴィーニュの門脇さんと記念撮影!

SCARABEE ドメーヌ・スカラベ
ルシオンのイザベルさんのワインが
何故か?ダール・エ・リボの醸造所
に置いてありました。
除梗なしのマセラッション・カルボで
醸造した果実味が豊かなワインです。
実に美味しい赤です。
価格的にもお勧めです。

DARD ET RIBOのワインで現在、日本で販売中のワイン

DARD ET RIBO ダール・エ・リボ

1-Crozes Hermitage rouge 2007         
クローズ・エルミタージュ 赤
2-Crozes Hermitage rouge, Les Baties 2007 
クローズ・エルミタージュ赤 レ・バティ
3-Crozes Hermitage blanc 2007 
クローズ・エルミタージュ白
4-Crozes Hermitage blanc, Les Baties 2007 
クローズ・エルミタージュ白 レ・バティ
5-Crozes Hermitage blanc, Les Karrières 2007 
クローズ・エルミタージュ白 レ・カリエール
6-Saint Joseph rouge 2007 
サン・ジョゼフ赤
7-Saint Joseph blanc 2007 
サン・ジョゼフ白
8-Saint Joseph blanc, Pitrou 2007 
サン・ジョゼフ白 ピトロ
9-Croze Hermitage rouge 2008, Cuvée Printemps 
クローズ・エルミタージュ赤 キューヴェ・プランタン

LES  CHAMPS  LIBRES レ・シャン・リーブル
比較的安く、品質が優れているルネ・ジャンが買い葡萄で
一部、 友人ロマノの協力をえて造ったワイン

1-L’Art des Choix 2007 rouge, VDP de l’Ardèche
  ラール・デ・ショワ赤 ヴァン・ド・ペイ・ド・アルデッシュ
2-Les Champs Libres – Saint Peray, (petillant)

レ・シャン・リーブル  サン・ペレ(ペティアン)微発泡
3-Les Champs Libres – AOC Saint Peray 2005, extra dry
  レ・シャン・リーブル  サン・ペレ(辛口)
4-La Foufoune, rouge 2007, AOC Croze Hermitage
  ラ・フフーンヌ・赤  クローズ・エルミタージュ

★ボトル写真はイメージフォトと考慮してください。
 尚、すでに在庫の無いものもあるかもしれません。

日本の問合せ先:野村ユニソン TEL : 03-3538-7854 

SCARABEE スカラベ 

(どういう訳かダール・エ・リボの醸造所に置いてあったワインの紹介)


陽気で健康的美人イザベルが造る自然派、
果実味が素晴らしく豊かなワインです。
本当に美味しいですよ!!

お父さんから樹齢の古い葡萄園を譲りうけて自然栽培、自生酵母、
除梗なし、SO2添加ビン詰め時に極小のみ、果実の爆発的ワイン


1-Le Petit Scarabee rouge 2008, VDT
  ル・プティ・スカラベ・赤
2-Le Petit Scarabee rosé 2008, VDT
  ル・プティ・スカラベ・ロゼ
3-Volubile rouge 2008, VDT
  ヴォルブル・ルージュ
4-Murmure rouge 2008, VDP des Côtes Catalanes
ミュルミュル・ルージュ赤
5-La Folie Juvénile 2008, petillant Rosé, VDT
  ラ・フォル・ジュヴェニル(ペティアン)微発泡・ロゼ
6-Les Clampins d’abord, VDT rouge 2008
  レ・クランパン・ダボール赤
7-Pied’nez 2008, VDT blanc
  ピエ・ネ 白

★ボトル写真はイメージフォトと考慮してください。
 尚、すでに在庫の無いものもあるかもしれません。

日本の問合せ先:野村ユニソン TEL : 03-3538-78