ミュスカデの街・NANTESナントに自然派ワインビストロ LE PICOLO  ル・ピッコロ

トーマ  LE PICOLO ル・ピッコロ6、RUE MAZAGRAN 44000 NANTES TEL :02-4069-0339 ソムリエには2つのタイプが存在する ナントの街にも自然派専門のワインビストロが出来た。 オーナーは若干24歳のトーマだ。トーマは1年前までは、地元のミシュラン2星レストランのソムリエをやっていた。 勿論ご多忙にもれず、接するワインは殆どグランクリュ・クラッセや普通のワインだった。ある時、ジュラやサヴォワの自然派ワインを飲む機会があった。トーマはその時の感動を今も忘れられない。今まで接してきたワインとは、全く違う感覚だった。 学校で正統にワインを勉強してきたトーマにとっては衝撃だった。教科書にはない味わいだった。 その後、醸造元を訪問したり自分なりに勉強していく内に、本物は自然派ワインだ!と気付いた。 これは、私も含めて皆が経験することだ。ソムリエの中にも2つのタイプがいる。自然派のワインを全く否定してしまって蓋をしてしまう人、もう一つは、その味わいや、風味がどこからくるのか疑問に思って追求していくタイプ。その後に好きになるかどうきになるかどうか?は別問題だ。 兎に角、追求していくタイプの人がいる。そして、トーマは自然派を大好きになってしまった一人である。そして、トーマは地元の自然派のマーク・ペノに会いに行った。自分の自然派ワインへの思いをマークに打ち明けた。その時のトーマは『自分で自然派ワインを造りたい!造る側の人間になりたい!』というものだった。でも、マーク・ペノはトーマに云った。 『何故、造る方に来てしまうんだ?自然派を飲ませる側の仕事も大切で大変楽しいのでは?それにナントの街には自然派専門のビストロがないではないか?』 トーマはこのル・ピッコロをナントにオープンした。 ミュスカデマーク・ペノ夫妻とLE PICOLOにてディナーを楽しむ マークとイヨレーヌ(奥さん)と私の3人でやって来た。 マークの佳き理解者であり、佳き協力者でもあるイヨレーヌとは久々に会った。元気そうで何よりだ。小型トラックの長距離運転手をやっている。 先週もイタリアの最先端まで行ってきたとの事だった。小柄な体のわりにはパワフルな仕事を平然とこなす女性だ。早目に到着したので、お客様はまだ1組しかいなかった。 アペリティフを楽しみながら、ソムリエのトーマとこれまでの経緯を聞いた。 トーマにとってもマーク・ペノ夫妻に店に来てもらうのは嬉しいことだ。トーマもマークも喜んでいるのが良く分かる。 アペリティフはトーマへのお任せ。次々とブラインドで持っていきた。グラスワインとして白だけで8種類ぐらい開いていた。 いろいろ試せて嬉しい限りだ。 Marc Pesnot マーク・ペノ * LA BOHEME ラ・ボエム   (日本問合せ:エスポア 06-6384-3319) やっぱり最初に口にするのはマークのワインだった。優しくてほのかな蜂蜜の風味を感じさせてくれてホッとする。一日の疲れがスーッと消えていくようだ。ウーン美味しい!唸ってしまう。 トーマがシャクトリー(生ハム)をもってきた。これが美味しいのなんのって、スペイン産の生ハムだ。レーモン・ル・コックというオランダ人が特注で造らせたものだ。 同じものを、モンペリエのビストロで食べたことがある。薄くスライスして、塩っぽさが抜群にワインと合う。 ワインがグイグイ入ってしまう。 ARNAUD COMBIER アルノー・コンビエ  *LA GOUTTE DE CHARMES 07 ST-VERAN ラ・グット・ド・シャルム サンヴェラン   (日本:サンフォニー:03-5565-8992) 次の一杯はマコンのサンヴェランのシャルドネだ。優しさの中にも力強さがある。ミネラルの塩っぽい旨味がのった白だ。これも生ハムとグイグイいってしまう。 MAXIME MAGNON マキシム・マニョン *LA BEGOU ラ・ベグ (日本問合せ:イースト・ライン:054-205-4181) ボジョレ・マコン出身のマキシムがラングドック地方・コルビエールの山奥で造るグルナッシュ・ブラン100%で仕込んだ白。南とは思えないフレッシュ感ある酸は、樹齢60年という古樹の根がシスト土壌に深く伸びているからだ。 ミュスカデワインが結ぶ友人の輪 奥の席に来ていたお客さんの一人が、先ほどからこちらを良く見ていた。私の方もどこかで会った顔だと思っていたところ、向こうから、『お前はITOだろ!オー懐かしいなあ!ボンジュール!サヴァ?』とあいさつしてきた。 どうもボルドーで会ったらしい。 名前は記憶にない。でも先方は私の名前を知っていた。その後は、マークも含めて一緒に飲み会になってしまった。 ワインビストロはこれだから楽しい! 名前を最後まで聞く機会を失ってしまった。ここではブルータスとしておこう。ブルータスはワインの仕事ではないけど、やたらにワインに詳しかった。ボルドーワインのみならずフランス全土のワインにやたらに詳しい、お互いに知っているワインを持ち出してワイン談義を楽しんだ。 生ハムをお代わりし、食べ過ぎて結構お腹がたまってしまった。有機栽培の野菜サラダを頼んで、リムーザンの美味しい牛肉があるということで注文した。 でも半分ほど残すことになってしまい、失礼で実にもったいないことをしてしまった。反省。 若い力が自然な方向にやってくる! その後は、シェフのロマンもサービスのオレリーも一緒になって色んな話をして楽しんだ。 シェフ23歳、皆2星レストランで働いていたメンバーだ。若い力が自然の方向にやってきた。 最後はJACQUES LASSAIGNE*ジャック・ラセーニュのシャンパンにて皆で乾杯をして締めた。 今、こんな風にペノ夫妻と楽しめることに感謝せずにはいられない ブルータス!お前と記念撮影! やー飲みました。 有難う!マーク! 有難う!トーマ サリュ!ブルータス! NANTESナントにて LE PICOLO SOIREE PHOTOS ギャラリー