背水の陣で賭けたワイン造りへの夢、 アレクサンドル・バン夫妻

ALEXANDRE BAIN アレクサンドル・バン醸造

アレクサンドルは葡萄栽培・醸造家の家で生まれたわけではない。
でも18歳の時には、もう醸造家になろうと決意していた。
この辺のところが、既に多くの醸造家とは違う。
単に家系の醸造所を引き継いだのではない。

ワインが造りたくて、ボーヌの栽培・醸造学校で学び、そこで今の奥さんと巡り逢う。
奥さんも、ブルターニュの出身でワイン造りとは全く関係がない家系で育ちながらも、小さい頃からワイン造りをしたかった。だからボーヌのワイン学校へ進んだのである。
この二人が巡り逢って、共通の夢の実現が始まった。

2007年にすべて借金で畑を買い、家を建ててゼロいやマイナスからのスタートをきった。
毎年の返済もあり、まさに後には引けない背水の陣のスタートだった。
私は最初の年から知っている。
当初の5年間はもう必死に作業をやっていた。
まずは、土壌の改良、土壌の微生物を活性化するのに必死だった。
彼ほど忠実にビオディナミ農法の研究・実践を自分の畑を研究所のようにひたむきにやっている農業者を見たことがない。

★2年目の2008年の頃のアレキサンドルの写真。
★4年後の2011年の写真を添付します。大変に痩せたアレキサンドルがいた。
ここまで仕事するか、と思う程に必死にガムシャラに働いた時期のアレキサンドル。
写真からも読み取れると思う。チョット、心配した程痩せていた。
★2017年7月
10年間やるべきことをやりきって、自分の方向性がハッキリとして、その自信も伺える。
でも、そんなに甘くない現実も目の前にある。温暖化による天候被害によって、16年、そして今年17年も収穫が普段の20%も取れない状況におかれているアレクサンドル。

一朝一夕には、人が感動するワインはできない。
そして、試練はまだ続く。だから、エモーションが伝わってくる。
何があっても貫くエネルギー、じっと自然と向き合う静けさ、そして、あふれる勇気がある。