繊細なガメで魅せてくれる Raphael Champier de LEONISラファエル・シャンピエ(レオニス)

    
類を見ない程の恥ずかしがり屋というか、こちらが喋らなければ殆ど口を開くことがないくらい無口でもある。
当然、人付き合いも下手な方でかなり損をしているタイプ。
独りでモクモクと集中して突っ込んでいく性格。
その無口さを、ワインで表明してカバーしている感じ。

我々が訪問しても、余り喋らないので、奥さんのクリステルが気を使って説明しだすのが常だ。
私にとっては、無口は苦にならないので全く問題ない。
静かに試飲に集中できてかえってよい。質問したいことは聴けば、返事がちゃんとかえってくるので問題ない。

    
ドメーヌを立ち上げる前は、ジャンクロード・ラパリュのところで修業した。
ラファエルは3代続く葡萄栽培家の家に生まれた。
しかし、家を出て独自でやりたかったラファエルは2009年に0.64Hの畑で始めた。
2009年に正式に醸造元を設立して現在、7.5ヘクタールの畑を所有している。

ラファエルの持っている葡萄木は殆どが古木。60~100歳級の葡萄が多い。
    

ワインのスタイルは無口で控えめなラファエルに似ている。
色も薄めで繊細なタッチの細くキレイな果実味が真っ直ぐにスーット伸びていくスタイル。
出しゃばるところが全くない。

この感じは、すべてのワインに共通している。
醸造はすべてのCUVE(ワイン)に共通している。違いはそれぞれの区画のテロワール。
除梗なしのセミ・マセラッション・カルボニック醸造、葡萄を発酵槽に入れたら一切触らない。
ピジャージはしない。勿論、自生酵母のみ。SO2は必要なければ入れない。入れる時でも最少。
        

Lurons リュロン、Buissonnante ビュイソナント
Beaujolais villages ボジョレ・ヴィラージュ
ガメの良さは、果実味、爽やか、グイグイ体に入っていくところ。
それでいて手頃な価格。
まさにガメの人気の利点を叶えてくれるワイン。

Brulius ブリュリウス、AC Brouillyブルイィ
60歳のガメ。南西向き斜面。セミMC(マセラッション・カルボニック)
薄い色合いで、優しい果実味がスーット真っ直ぐ伸びてくる。
マセラッション期間は2週間と長いけど、一切触らない。お茶の様に煎じた繊細なタンニン、果実味のみを抽出

Mont Brulius モン・ブリュリウス AC Cote de Brouillyコート・ド・ブルイィ
70~80歳の古木、南西向斜面、セミMC(マセラッション・カルボニック)
Diorite元火山岩が4億年かけて生成された青味がかった黒っぽい硬い石。
アンフージョンのように優しく抽出された繊細な果実味、芯に透き通ったミネラル感真っ直ぐに細く伸びていく。
色も薄めで女性的なイメージ。
無口なラファエルがモクモクと集中して狙った液体がこれだった。
これなら言葉はいらない。

ボジョレにも次々と新しい人材が育っている。
嬉しいかぎり。