モルゴン村の最良畑、コート・ド・ピィの丘に約4ヘクタールの畑をもつダミアン。
醸造所も独立して、完全に独り立ちしたダミアン。

根っからの明るく飛んだ性格のダミアンは小さい頃からお父さんのGeorges Descombes*ジョルジュ・デコンブにについてモトクロスをやっていた。
ボジョレのオートバイ・グループの先頭を走るライダーでもある。
収穫はライダー仲間が手伝いにくる。

ダミアンの造りは、デコンブの教えを継承、つまり、マルセル・ラピール -デコンブ -ダミアンと続くボジョレ自然派の正統を受け継いでいる。マルセルの孫弟子にあたる。

自然派ど真ん中の醸造方法を継承。
グラップ・アンティエールのセミ・マセラッション・カルボニック醸造、勿論,醸造中のSO2(酸化防止剤)の添加はなし、自生酵母のみで発酵するリスクある醸造を継承。

だからこそ、収穫時の選果はかなり厳しくチェックしている。
本当に健全な葡萄しか発酵槽に入れない。云うは安し。
葡萄園の収穫時に、収穫された葡萄をチェックして品質に問題のある葡萄は、この段階で捨て去る。この段階でかなりに量の葡萄を捨てる。
簡単に、SO2無添加の醸造というけど、もし悪い葡萄が発酵槽に入ってしまうと、雑菌が繁殖してお酢になってしまう。大変なリスクを負いながら、自然派ワインを造っているのです。

色んなことがあった2016年

モルゴン村を襲った3回にもおよぶ雹の襲撃。
5,6,7月の雨と湿気によるベト病の大繁殖。
8月の35度を超す極端な猛暑。それによる水不足。葡萄の乾燥。
最終的に9月初旬の雨ですべてが解決。どんでん返しの結果、こんなに素晴らしい葡萄が収穫することができた。

勿論、ここまでくるには、特に7月のベト病対策の畑仕事は
大変な神経と労力を費やしたダミアン。
歓喜の収穫。でもベト病の形跡、雹の影響を多く受けた葡萄を取り除く、選果作業が
大切な年でもある。

収穫はお父さんより更に1日遅く、ボジョレでは最も遅い収穫を開始。
何と9月26日に収穫開始。
葡萄の熟成を最終段階まで待ったダミアン。
8月の水不足による光合成のゆっくり化の影響で、ダミアンの納得する葡萄の熟度が得られなかったからだ。
妥協を許さないダミアンのチャレンジ精神は凄い。
実際に、周りの仲間が、10日前に収穫を始めている中、ジット待っているのは
かなりの忍耐力がいることである。

2016年のダミアン・ヌーヴォは?

今年は、クリュのレニエの葡萄とビラージ区域の葡萄を使って醸す贅沢なヌーヴォーとなる。
格下げして、単なるボジョレ・ヌーヴォー呼称となる。
果実味が主体でアルコール度は控えめな12度前後、
酸がハッキリして凹凸があるメリハリを感じるスカット
したヌーヴォーになりそう。まだ、醸造中なのでハッキリはいえない。でもダミアン・スタイルのクッキリしたヌーヴォーになりそう。ダミアン・コクレ・ヌーヴォーは買いですよ!

ボジョレのビストロでの人気者 ダミアン・コクレ

Bistrot Atelier * ビストロ・アトリエ
収穫の後は皆でビストロへ。ライダー仲間が集まってくる。
モルゴンには醸造家が集まるビストロが何軒かある。

チョット前までは、マルセル・ラピエール、ジャン・フォワラール、プティ・マックスなど一世代前の自然派の大御所がよく顔を出していたビストロATELIER アトリエがある。
今や、醸造家も世代交代しつつある。ダミアン・コクレの年代が主流顧客となりつつある。

このビストロに行くと、時には、実に危険なことがある。
客が殆ど知り合い同志なので、一杯づつ奢り合う習慣がある。10人いれば、最低でも10杯はあ飲まなければならない。
今夜も10人程はいた。奢り合いが2周廻って20杯となった。
中にはベロベロに酔っぱらっている人もいる。

人気者のダミアンは早口でジョークを飛ばし続けて皆を笑わせる。
しまいにはカウンターの中に入って、まるでダミアンが店主のような雰囲気になってしまう。

今夜はダミアンの美人フィアンセがいた。そして弟のケビンもいた。
何とか、隙をみつけて、店を出ることに成功。ヤアーよく飲みました。

ダミアン・パワーは凄い!!
ダミアン・コクレのワインには
このパワーが詰まっている。
16産、お楽しみに!!