今日は久々のパリ。自宅のカーヴに降りて懐かしいワインを出してきた。
友人も来るし、飲んでみたいワイン10本ほど選別。

まだ、90年台の前半に一世を風靡したワイン。まだ、自然派ワインなんて言葉が世間では使っていなかった時代のワイン達だ。
まずは、この一本。Paul Louis Eugène*ポール・ルイ・ウジェンヌのHABILISアビリス。
ミネルボワの山の中に住む仙人のワインだ。
カリニャン100%のワイン。今でこそ、カリニャン100%のワインを造る人がいるけど当時は、南仏では
駄もの品種として、ドンドン引き抜かれていた品種。
それを、キチッと造ればこうなる、というのを教えてくれたワイン。カリニャンは酸のあって南仏のピノである。

Paulポールのワインでもう一本、メルロー、カベルネ、マルベック(コ)というボルドー品種のブレンドワインがある。そうRouge Feuille ルージュ・フイユ1994を開けた。24年も熟成した南仏ワイン。
こちらの方がより果実味が残っていたのには驚いた。

ここまでラングドックの歴史を飲むと、どうしてもこの人は欠かせない。ラングドック・ワインのイメージを変えた
偉大な人、そうAimé Commeyra*エメ・コメイラスさんだ。Domaine de l’Aiguelière*ドメーヌ・ド・レグリエールのワインだ。
Domaine L’ Aiguelière Tradition 1993 を開けた。26年も熟成したラングドックワイン。
これは、四次元カラフに入れた。
あまりにもの若々しいしさ驚かせれた一本だ。

初めて訪問した時の事を今でもハッキリと覚えている。
ラングドックの歴史を造りあげた人のオーラは凄いものがあった。
あの時の事を思い出しながら、味わった。ワインは素晴らしい。

最近の若い人、特に自然派ワイン愛好家の人達はあまり古いワインを飲む習慣,機会がないのが残念だと思う。
彼らの中には、チョット枯れ葉風の香りがすると、『もうこのワインは過ぎている!』と言い切ってしまう人が多いのが残念だ。これは、フランス人も日本人も同じだ。
だから、若い人と古酒を飲むときは、よく気をつけている。
20年以上熟成すると、やや枯れた風味の中の旨味を味わうのも古酒を楽しみだ。

Minervoisミネルヴォワといえばこの人も欠かせない。そうDomaine Charlotte et Jean Baptiste Sénat*ドメーヌ・シャルロット・エ・ジャン・バティスト・セナだ。
本当はBOIS DE MERVEILLEボワ・ド・メイヴェイユを飲みたいけど、ストックがなかったのでCuvee des Arpettesキューヴェ・デ・ザルペット2001を開けた。

ラングドック地方の歴史を飲む試飲会となった。ヤー、ワインは楽しい。20年前の事が昨日のように蘇ってくる。これも古酒の楽しみ方の一つ。
葡萄を酵母菌で発酵させただけで、時を超えて20年後に楽しめるとは、ワインは素晴らしい。